議会での質問(詳細)

2011年12月16日

■「議案反対討論」 あらき由美子議員(2011.12.16)

 私は日本共産党を代表して、2件の市長提案議案と4件の請願の不採択について反対の立場から討論をいたします。

利用者拡大の努力もせずスポーツ施設「アプレ」を廃止するな

 まず、市第50号議案 横浜市福祉保健研修交流センター条例の一部改正についてです。
 今回の一部改正は、福祉保健研修交流センター内に設置されている宿泊施設と体育室およびフィットネスルーム、スポーツジムなどを廃止することが提案をされています。
 この福祉保健研修交流センターは、1997年に「福祉活動、保健活動等に従事する者その他の市民に対し、研修、情報の提供等を行い、並びにこれらの者の交流の場及び機会を提供することにより、福祉活動、保健活動等の推進に必要な人材の養成及び確保を図る」ことを目的に、現在のウィリング横浜に設置をされました。
 スポーツ施設「アプレ」と宿泊施設の廃止提案の理由については、利用者数の大幅な減少、福祉保健従事者の利用ニーズが低い、収支不足が生じている、民間事業者が市内各所で開業しており、上大岡周辺でも利用できる環境にあるとしています。
 そこで先日、その実情を知るため、私自身、このスポーツ施設に行き、スパと歩行専用プールを体験してきました。
 この歩行専用プールは、通常のプールと違い、水の高さが腰位になっているので、整形外科などからリハビリにはこの施設がよいと紹介され、ここに通うようになって、膝や腰のリハビリになり体調がよくなったという方が何人もいました。利用されている方たちの交流も深く、この施設の設置目的である福祉保健の交流や情報提供の場となっていました。
 ところが、9月に「アプレ」が廃止になることを新聞報道で知り、その説明会に149人もの方が参加したと聞いています。参加した方たちからは、「この施設が廃止の検討をされていることすら知らなかった、なぜいきなり廃止なのか」と、市の突然の提案に疑問や抗議の声が寄せられています。
 「利用者が減っているなら、もっと増えるように自分たちも宣伝して協力したい」「『100万人の健康づくり』のためにもこういう施設がほかの地域にも必要なのではないか」などの市民の声に耳を傾けることなく、いきなり廃止提案をするというのはあまりにも拙速です。
このスポーツ施設の利用実績を見ると、施設ができてからずっと福祉保健従事者より一般会員のほうが平均すると3.5倍多く、また一般会員がいることによって施設運営は支えられてきたといっても過言ではありません。そういう実績を踏まえていたら、「福祉保健従事者の利用ニーズが低い」ということを言う前に、この施設の目的対象を広げ、一般利用の拡大につながる方法をなぜ検討しなかったのか、はなはだ疑問です。
 また、「アプレ」が廃止になるのを知って、民間施設に移行する方もいます。その方たちからは、「民間の施設は、プールの水温が低い、水位が深く危険」「ジムとスパの複合的な施設であるからこそ、『アプレ』は利用しやすい」「民間ジムでは運動のプログラム内容が激しいので合わない」と聞いています。そういう利点をもっとアピールし、近隣の整形外科や介護福祉施設などにポスターやチラシを持ち込んで、利用者増につながる工夫をすべきです。
 この施設は、上大岡駅から徒歩数分という距離にありながら、いったいどこにスポーツ施設があるのかわからない、わかりづらい場所にあります。視覚に訴える大きな看板の設置などをなぜしなかったのでしょうか。今からでも遅くありません。利用者を増やす努力を積極的にすべきです。
 また、先般「第5期 横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案」が提案されました。その基本的な方向性として「元気なうちから健康づくり、介護予防に取り組めるよう支援します」とあります。今後も高齢者人口は間違いなく増えていきます。そういう実態を踏まえ、この施設のある港南区をはじめ近隣の磯子区、南区、金沢区などの方たちに、その目的にかなった利用方法を検討することもできるはずです。そういう議論もなく廃止をすることについては、納得がいきません。

巨額な資金を要する高速横浜環状道路計画は見直せ

 次は、市第58号議案 鶴見第346号線等市道路の認定及び廃止についてです。
 今回の市道路認定には高速横浜環状線北西線が含まれています。北西線が事業化されると総事業費2200億円、そのうち公費1150億円を要する巨大事業となります。
 高速横浜環状道路計画が立案されて30年以上経過しています。この間に、わが国の社会・経済情勢には大きな変化がありました。本市でも、超高齢社会や将来の人口減少社会の到来を見据え、鉄道駅を中心としたコンパクトで低炭素型の都市づくりを標榜し、総合的な交通体系の構築をめざしているところです。本年は、3・11東日本大震災で未曾有の大災害に遭遇しました。現局面は、国のあり方、経済のあり方にも変化が求められる状況になっています。北西線を含め高速横浜環状道路計画についても、そうした変化と今後の推移などを勘案して見直すときです。
 北西線の整備理由の一つに保土ケ谷バイパスの混雑解消をあげていますが、同バイパスの東名入口交差点付近の渋滞解消を図るために、既に供用されている東名インターとの直結高架に続いて事業費529億円の国道246号線をまたぐ事業が国で行われています。その事業進捗率は80%と聞いています。このような実態から北西線の整備理由についても検証が必要であり、今回の提案を了承することはできません。

教育現場で教員がいない事態は絶対さけよ

 次は、請願第43号、教員採用における義務標準法の遵守についてです。
 この請願の趣旨は、2012年度に実施される横浜市教員採用試験での採用者を増やし、2013年度5月1日時点で代替臨任教員を除く臨時的任用教員、以下臨任教員と称します、を100人以下に抑えることを求めています。
 臨任教員は、正規教員が産休などで職場を離れる場合にその代替として配置されるものですが、横浜市では、義務標準法に従って正規教員を配置すべきところを、一部臨任教員を配置しています。
 正規職員の不足を埋めるための臨任教員は、今年の5月1日現在529人となっています。このように臨任教員が多い理由を教育委員会は「採用試験の合格者数を決定した後に生じる定年退職以外の退職や、児童生徒数の増減によるクラス数の変動などの不確定要素があるため、一定数の欠員が生じてしまう」と答えています。
 しかし、3月時点での定年と定年以外の退職者を含む退職者数、児童生徒の合計数、教員採用試験の最終合格者数と実際に就職した教員数は、ここ数年大きな変動はありません。教育委員会がいう不確定要素があるため欠員が生じるというより、そもそも最終の合格者数が少ないことが問題です。臨任教員のうち多くが一時臨任教員に配当されてしまうため、産休等の代替教員が欠員となった学校数は2010年度には8校あり、なんと最長61日間にわたり空白だった学校もありました。
 教育現場で教員がいないということは絶対に避けなければなりません。教育委員会が子どもの立場にしっかり立つようにするためにも、この請願は採択すべきです。

国と地方自治体は保育に対する公的責任を明確に果たせ

 次に、請願第44号、保育予算の拡充等についてです。
 内容は、保育の質を確保するため「地域主権改革」一括法による保育所面積基準引き下げを導入せず、現行保育制度を基本に保育予算を大幅に増額することなどをはじめ、5項目にわたる切実な要求です。
 国では保育の質を守るどころか「地域主権改革」一括法にもとづき、保育所面積基準の緩和や保育に関わる国庫補助を減らし、認可保育所の入所についても個人責任に転嫁しようとしています。このような動きは一見地方での裁量を高めるように聞こえますが、自治体への保育所整備費や運営費補助を削減することがねらいです。
 また、待機児童を解消するために、地方自治体が児童一人あたりの面積基準を狭めることで定員増をはかることは、詰め込み保育により子どもの成長発達を阻害することにつながる危険な動きです。
 国と地方自治体の保育に対する公的責任を明確にし、子どもたちの成長発達を保障するためにも、この請願は採択すべきものです。

学童保育の充実は37万超の市民の願い

 次に、請願第46号、学童保育の充実・発展についてです。
 この請願は、37万3185人の方から寄せられているもので、運営費の増額、施設の安全の確保、1年生から6年生までを補助金の対象児童にすることを求めています。
 学童保育を所管するこども青少年局長は、「運営費の増額は精一杯努力している」といっています。しかし、この不景気といわれている中で、学童保育を必要としている親にとって、平均月額1万6千円の保育料の負担は重くなっています。そのため年度の途中で「キッズ」や「はまっ子」に変更している児童もいます。
 9月に行われた「第三期横浜市放課後子どもプラン推進委員会」の分科会で、「経済的に学童保育の保育料を払えない家庭では『はまっ子』を利用するしかない場合もある。『はまっ子』が無料の学童保育になっているように感じる」との意見も出され、まさに子どもたちの放課後までお金のあるなしで親がそのニーズを選択していることがうかがえます。
 横浜の子どもたちを育てるのが目的であるなら、なぜ学童保育に通う子どもたちの保護者には月額1万6千円もの高額な保育料を負担させるのでしょうか。「キッズ」は5千円、「はまっ子」は無料ということからしても矛盾を感じます。また学童保育に通いたいという子どもたちのことを考えているのであれば、少なくともこの請願が寄せられている3つの項目は市の努力でできることです。採択をすることを強く主張します。

中学校給食実施は自治体の責任

 最後に、請願第49号、横浜市立中学校における給食の実施についてです。
 今や政令市で、牛乳給食も含め、中学校の給食をまったく何もやっていないのは、横浜と大阪、堺市だけとなっています。
 学校給食法で位置づけられている給食は、「食の教育」そのものです。だからこそ、小学校でも給食が実施されているのです。
 今回、教育委員会が中学校の昼食に関するアンケートを始めるにあたり、教育長は「家庭から持ってくる弁当の持参を基本として、そういったことができない子ども、ご家庭のところについて、どういったような子どもの教育・育成という観点から、昼食の機会を確保できるかについて、様々検討するということで考えており、中学校給食を実施するということを現段階では考えておりません」と答弁していることは、あまりにも給食について、理解されていないと言わざるを得ません。そういう教育長の考えそのものが、問題です。
 育ちざかりで、体格にも個人差がある中学生だからこそ、栄養バランスのとれた給食を提供することは自治体の責任です。

 以上、請願については、委員会における不採択について反対を表明し討論を終わります。

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