議会での質問(詳細)

2012年2月24日

■「予算関連質問」 あらき由美子議員(2012.02.24)

◎実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

あらき議員:私は、日本共産党を代表して質問いたします。

保育料の値上げは「次世代の活力」をつなぐことにならない

 まず、子育て支援にかかわって伺います。
 今回保育料の値上げが平均8.4%で提案され、その理由は、待機児童を解消するために認可保育所や横浜保育室等を増やしたことにより運営費が膨み、その一部を「保護者に負担していただきたい」ということです。
 値上げについては、「保育料のあり方検討委員会」の提言を受け、検討するにあたり、こども青少年局は昨年3月、就学前児童の保護者に対しアンケートを実施しました。「保育料の保護者の負担割合について」の設問に「増やしたほうがいい」は11%しかなく、「現状のままでいい」「減らしたほうがいい」と答えた割合は71%でした。また、「保護者の負担割合を減らしたほうがいい理由」のトップは、「子育てにかかる経済的負担は社会全体で負担すべき」が50.1%でした。
 つまり保護者は、子育てにかかる経済的負担については国と地方自治体がするべきだと考えているのです。アンケート結果でそういう実態が見えているにもかかわらず、経済的負担を保護者に求めることにした市長の見解を伺います。
 さらに、このアンケートでは、就学前の児童がいる保護者の年齢は、30代が68.3%を占めています。この30代という年代は東京新聞によれば、給与所得や貯蓄の落ち込みが他の年齢層より大きく、消費に回すゆとりがないといわれています。今回、保育料の値上げが実施されれば、まさにその年代に負担を求めることになり、市長のいう「次世代の活力」をつなぐことにはなりません。そういう30代の方々に対して、市長は痛みを感じないのでしょうか。見解を伺います。

林市長:あらき議員のご質問にお答え申し上げます。
 子育て支援策について、ご質問いただきました。
 保育料の値上げにより負担を保護者に求めることの見解についてですが、保育所の運営費については国、本市、保護者の3者で負担するとされています、今後も増加する保育所入所ニーズに対応するため、経費の増加が見込まれています。安定的に良質な保育サービスを提供し続けることや、他の保育サービス利用者との負担の公平性を図るため、ご負担をお願いするものです。
 保育料の値上げを求めることについてですが、経済状況が厳しい中で、保育所入所者の方にとって負担増となることは心苦しく思っています。今回の保育料の見直しにおいては、モデル的な世帯における夫婦の年収1200万円程度までの所得層については、平均よりも引上げ率を抑えたほか、第2子に対する保育料の減免を拡充しています。こうした配慮を行っていますので、ご理解をいただきたいと思います。

多くの市民が望む医療費無料化を小学校卒業まで拡充を

あらき議員:今回、小児医療費無料化の年齢が小学校1年生まで拡充されることになりました。一昨年、共産党市議団が行った「子育て・くらしのお困りごと教えてください」の市民アンケートで、「子どもの医療費無料化年齢をどこまでしてほしいか」の設問で、中学校卒業までを望む声が一番多く寄せられました。東京23区をはじめ、さいたま市・名古屋市・堺市・浜松市などでは入院も通院も中学生まで所得制限なく無料で行っています。入院や通院での所得制限をなくし、通院の無料化年齢を小学校卒業まで拡充することはできると思いますが、いかがでしょうか。

林市長:小児医療費助成制度のさらなる拡充についてですが、今回1歳分の年齢拡大を実施しますが、財政状況や他の子育て支援施策などを見極めながら、引き続き検討していきます。

中学校の「昼食のあり方」検討ではなく完全給食に向けての検討を

あらき議員:神奈川県内の自治体では、横浜市を除く市や町で、牛乳給食は実施しています。成長著しい中学生に何の手立てもしていないのは横浜市だけです。震災対策としても有効な「中学校給食実施」についての要望は、同じ市民アンケートでは30代・40代世帯から約70%もありました。
 新年度では引き続き「中学校昼食のあり方」の予算が計上されていますが、保護者が望むのは学校給食法でいう完全給食です。市長ご自身も子育てをしてこられた経験から、同じ女性として、その思いは理解していただけると思います。実現に向けての検討をぜひ始めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 給食施設を設置することで新たな雇用が生まれ、給食食材を地元から調達すれば地産地消にもなり、地域経済の活性化につながります。中小企業振興基本条例にもかなう施策そのものです。各校に給食施設を設置する自校方式がベストですが、用地の確保等が難しい場合については、小学校の給食施設を利用して中学校の分も作る親子方式や、名古屋市のように給食のメニューや食材については市が責任を持って発注し、各校へ配達するデリバリー方式もあります。肝心なのは、給食という観点から横浜市の実態に即した方法を検討することで、食育の観点からも給食はその理にかなっています。これらの視点から、中学校給食実施に向けて、教育長はどのように考えているのか伺います。

林市長:中学校の給食についてですが、給食についてはよい点もあると思いますが、各家庭において子どものことを考えながらお弁当を作ることや、家庭弁当を通じて生まれるコミュニケーションも大切であると思います。一方で、様々な事情により家庭からお弁当を持参できない子どももいますので、より望ましい中学校昼食のあり方について考えていく必要があると思います。

山田巧教育長:子育て支援策についてご質問をいただきました。
 中学校給食の実施についてですが、各都市で親子方式やデリバリー弁当などにより実施をしている状況については承知をいたしております。
 本市については、家庭から弁当持参を基本といたしておりますけども、家庭の事情等により弁当持参できない子どももいることなど課題もありますので、現在、中学校昼食の在り方について検討進めているところでございます。24年度は、調査協力校を定め、一定期間モデル実施を行い、検証してまいります。

「子どもを守り育てる」施策の優先順位の引きあげを

あらき議員:小児医療費の拡充や中学校給食を実施することは、市長のいうダイナミックな投資であり、将来の横浜を担う「子どもを守り育てる」ことです。昨日の本会議で市長は、小児医療費の拡充などは大切な施策のひとつであり、拡充するためには財政状況をみて検討すると答弁しています。そこで、横浜市の約1兆4000億円の一般会計を「子どもを守り育てる」施策のために、優先順位を引きあげ確保すれば、実現できるべきと考えますが、市長にその決意があるかどうか伺います。

林市長:子どもを守り育てる予算の優先順位を引き上げるべきとのお考えについてですが、このたびの予算案における重点取り組みである安心、共生、人づくりの重要な柱として、保育所待機児童対策や児童虐待対策、産科小児医療の充実など、子どもを守る施策と、小学校へのカウンセラー派遣の充実、児童支援専任教師の配置など教員が子どもと向き合う時間の確保や、外国語教育の推進など学びを支える施策には、重点的に予算を配分いたしました。

(第2質問)
あらき議員:保育所を増やせば運営費が膨らむのは当然です。保育料値上げを前提に保育所増設を考えたのかどうか、明確にまず市長にお答えいただきたいと思います。
 また、保護者の負担を抑えるためには、国に運営費負担の増額を求めることが必要です。その考えはあるか伺います。
小学校のエアコンの設置は、保護者や教職員の要望を市長が受け止め、実現に至りました。市長の決断があれば、同じように中学校給食も実現できるはずです。各議員の賛同があれば、よりそのことは進むと思います。ぜひその点についての見解を伺って私の2回目の質問といたします。

林市長:あらき先生のお気持ちは誠にわかりますし、私も本当に財政がですね、もう少ししっかりしていれば、これはもう本当にやらせていただきたいところでございますけれども、ただいまのこういう状況でございます。世界経済が、ギリシャ危機に端を発しまして、いまだに大変不透明ですね。アメリカは少し良くなってまいりましたけども、日本は特に円高によって製造業はもうかなり厳しい状態でございます。このなかで東日本大震災もあり、横浜市の経済活性についても、もう私は日々胃に穴が開く位、中小企業のことを考えているわけでございます。ですから、もちろん理想としてはそうでございますけども、今の経済状況のなかで、できることをしっかりとやっていきたいということでございますし、また、横浜保育室と認可保育所とのお預けいただいている父兄の方の格差は間違いなくあるわけでございますから、こういうことも改善させていただきますので、何とぞご理解賜りたいと思います。
 それから、私は市長に就任致しましてから、国には相当要請行動を行っておりまして、特に画期的だったのは、横浜市が厚労省に申し上げた、横浜保育室、つまり基礎自治体が独自にやっている政策に対してですね、それに対して補助金を出してきたというのは画期的なことでございまして、かつてこれをどうやって申し上げても実現しなかったんですね。これを単緒に同じような大都市が独自にやっている政策に国から補助ができたということもございますので、今後も私は、この厳しい財政状況のなかで、おねだりでは決してなく、きちっとご報告しながら、国と県と話しあいながら努力してまいりたいと思っていますので、この度のことはどうぞ、ご理解賜りたいと思います。
 以上、ご答弁申し上げました。

住宅密集地の地震火災対策に積極的な手立てを

あらき議員:次に、横浜市の防災計画の見直しについて伺います。
 直下型地震の起きる可能性について、様々な報道がなされています。遅かれ早かれその可能性はあるということを多くの国民は認識しています。 
 昨年の3・11東日本大震災を受け、それを教訓に、本市の防災計画の見直しがされています。昨年7月に実施された市民意識調査の市政への要望では、「地震などの災害対策」がトップでした。そして先日、「総合的な震災対策の取り組み状況について」の報告書が提出され、防災計画の「震災対策編」の見直しの方向性への基本的な考え方が示されました。その修正の視点として「減災に向けた対策の推進」とありました。その視点に立っていくつか質問いたします。
 2003年に国土交通省は、「地震時等において大規模な火災の可能性があり重点的に改善すべき密集市街地」が全国で8000ヘクタール存在するとし、本市では23地区660ヘクタールがその対象地域です。その地区は都市整備局が所管する「いえ・みち・まち改善事業」の対象とされ、国の2分の1補助事業である住宅市街地総合整備事業を導入しながら、狭あい道路の拡幅整備、広場・公園整備、老朽建築物の建て替えを促進し、災害に強い街づくりを進めています。この指定を受けている660ヘクタールのうちの約3割の地域で協議会ができ、地元の住民が主体的になって道路の拡幅や公園の整備など、減災につながる事業に取り組んでいます。ところが残りの7割の地域は現在その推進母体となる協議会もなく、地元の町内会などに任せたままであると聞いています。このまま放置せず、本市としてさらに事業が進むよう積極的な手立てを講じることが減災につながると考えますが、いかがでしょうか。
 東京都では、木造密集地域を燃え広がらない・燃えないまちにするために、2020年までに不燃化推進特定整備地区を設け、耐火構造の不燃化住宅へ建て替える場合は不燃化助成額を上乗せしたり、固定資産税などを減額するなど、耐火構造化を進める方針を打ち出しています。横浜市もこのような東京都の取り組みなどを参考に「いえ・みち・まち改善事業」を発展させる検討をするべきと考えますが、どうでしょうか。

家具転倒防止に助成制度を

あらき議員:ひとり暮らし高齢者が多い南区では、自宅の家具転倒防止をしたくてもできない状況に置かれています。そのため区づくり推進費を使い、家具転倒防止への支援をすることにしています。ところが、家具転倒防止について有効な手段と知りながら、その対策が進んでいない実態が、昨年実施した市民意識調査で「面倒くさいから」という理由でトップに挙げられていました。そこで、全市的な助成制度を作り、普及啓発に取り組めば、今すぐできる減災対策になると考えますが、市長の見解を伺います。

林市長:防災計画の見直しについて、ご質問いただきました。
  「いえ・みち・まち改善事業」をさらに進めるための手立てについてですが、市民のみなさまが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域の意向に寄り添いながらまちづくりの支援をしています。現在、協議会のない地域に対して、区局が一体となって活動の開始、協議会の設立に向けた働きかけを進めています。
 東京都の取り組みなどを参考にした、「いえ・みち・まち改善事業」の発展についてですが、木造密集地域での東京都の新たな取り組みは、24年度に制度づくりが行われると聞いています。東京都と本市では、密集地域の広さや状況などに大きな違いがありますので、こうした点を踏まえ、本市にとってふさわしい制度について今後研究していきます。
 家具の転倒防止についてですが、昨年の市民意識調査によれば、何らかの家具転倒防止対策を実施している割合は57.1%となっており、19年度の調査と比べて割合は倍増していますが、さらに増やしていくため、引き続き普及啓発に努めてまいります。また、一人暮らし高齢者等への器具の取り付け支援については、今後効果的な方法等を検討していきます。

学校・区役所などの跡地の活用は市民の意見をまず聞いて

あらき議員:最後に、横浜市の保有する用途廃止施設の活用・処分の基本的な考え方について、伺います。
 昨年12月下旬、横浜市資産活用基本方針に基づき、旧霧が丘第一小学校の1万3000平米の土地と学校施設を、防災広場を持つ戸建て住宅に建て替えることを条件に民間事業者に約13億円で売却しました。来年2月竣工となる戸塚区役所が新設移転することになっている現在の戸塚区役所の跡地利用についても、民間事業者を公募することで今後進めていくと聞いています。そもそも市民の財産であるこれらの施設や土地の活用については、まず市民の意見を聞くのが前提だと思いますが、なぜそのようにしないのか、市長の見解を伺います。
 区役所や学校用地のように広大な土地の活用について、市の財政状況が厳しいことを理由に、民間事業者に売却や貸付で収入があればいいという考えは、市民の貴重な財産を一方的に処分することであり、到底市民の理解を得られるとは思えません。戸塚区役所の跡地利用について「公募売却」の方針が発表されたとたん、区民からは「地元関係者がこれまでいろいろ言ってきた意見は無視ではないか」「売却が前提の方針では納得できない」という怒りの声が区の議員に寄せられています。そもそも、財政局や区役所で方針を決めてから進めるという手法そのものが問題です。街づくりを主体的に進めるのは区民です。その視点に立ち、災害にも強い街づくりの観点から、区民参加によるプロジェクトチームなどを作り、区民とともに考えていく方法に転換すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 地域によっては、建物を作るのではなく、空地や公園として残すことも検討すべきです。空地に緑を植えれば、火災の延焼を防ぐことにもなり、南区のように、人口密度が高い町には、空地が絶対必要です。区役所や学校などの跡地は売却ありきでなく空地として残すことを提案しますが、市長の見解を伺って1回目の質問といたします。

林市長:用途廃止施設の活用、処分の基本的な考え方について、ご質問いただきました。市民の皆さまの意見を聞いてから方針を決めるべきとのお考えについてですが、日頃から各部署で地域のみなさまの意見や課題の把握に努めており、それらの情報を庁内のプロジェクトで共有しながら、関係する部局が連携して検討を行っています。
 売却ありきの考え方でなく、区民のみなさまとともに活用方法を検討していくべきとの考えについてですが、用途廃止施設の活用、処分案の作成にあたっては、売却だけではなく、中期計画等に沿った施設整備や公民連携による活用など、多角的な視点で検討しています。また、案件に応じて検討会や説明会などを行い、地域のみなさまと意見交換しながら検討を進めています。
 防災の観点から空地として残すことも検討すべきとの考えについてですが、防災をはじめとする様々な地域課題に対し、用途廃止施設を活用することでどのような役割を果たすことができるのか、地域の状況を踏まえ、幅広く検討してまいります。
 残りの質問については教育長より答弁させていただきます。

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