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■「交通局」 あらき由美子議員(2012.3.8)

市民の足をまもるために必死でがんばっている職員の給与を下げるのか

あらき議員:バス事業の中期経営計画について伺ってまいります。まず、公営交通としての役割をどう考えているのか伺います。

二見交通局長:よろしくお願いします。ご答弁申し上げます。
 市民のみなさまの生活を守るため、安全で快適な交通サービスを安定的に供給する提供するということが、私ども公営交通の役割であると考えてございます。今回の中期計画におきましても、自主自立の経営を継続しながら、地域のみなさまやお客様に信頼されます市民のみなさまの足であり続けることで、公営交通としての役割と責任を果たし続けてまいりたいと考えております。

あらき議員:その役割に基づいて、新年度予算では具体的にどのような事業に取り組むのか、伺います。

二見交通局長:まずは、現行の市営交通ネットワークを持続をしながら、継続をしながら、生活支援バス、ふれあいバスでございますが、これの拡充でございますとか、ノンステップバスの導入促進など、とにかく地域のみなさまやお客様が必要とされる公営サービスの提供に全力で取り組んでまいります。
 また合わせまして、お客様の利便性向上と連動しました増収対策も推進をしてまいりたいと考えております。

あらき議員:市民が必要とする足を確保するためには、増収が見込める路線だけではなくて、赤字の路線もあると思います。その赤字を維持するために、どういうふうに補っていくのか伺います。

二見交通局長:私の方、現在全路線約130ございますが、6割が赤字路線でございます。赤字だからと申しまして、単に廃止するということでは断じてございませんで、引き続き利用実態に見合いました効率的な運航を行うなど、私どもといたしましては赤字の縮小をまず測ってまいりたい。さらに、事業全体の経営力を高めまして、収益を一定確保しまして、そうしたことで現状のバスネットワークを持続をしてまいりたいと考えてございます、

あらき議員:ぜひその視点でがんばっていただきたいと思います。そこで、心配なのは、中期経営計画では、自主自立の経営を持続するために増収対策や支出抑制に取り組むとあります。具体的にその取組の内容について、伺います。

二見交通局長:まず増収対策の方でございますが、時折私ども、私、お客様から、バスは遅れるものだというようなお声をいただくことがございます。っていうか、こういったマイナスイメージを払しょくをしまして、多くの方に乗っていただきたいということで、こうしたバスの定時制の向上をまず、してまいります。その上で、あとひとりのお客様にご乗車ちょうだいするというスローガンに、後方のものとつなぐなどプラスのサービスを始め、増車料収入に直結をする取り組みを実施をいたします。
 それから支出の抑制でございますが、バス車両の長寿命化によりまして更新コストを低減する、あるいは省エネ運転を徹底をする、これらの取り組みを着実に実行してまいります。

あらき議員:そこで、バス事業の営業収入に対する人件費比率を2010年度の60%から58%に抑制するとしていますけれども、その方法について伺います。

二見交通局長:交通局採用職員につきまして、給与を段階的に最大2%ずつ計6%引き下げること、また新規採用職員につきましては民間収入を考慮しました新しい経営体系とすることとしまして、24年1月から実施をしてございます。これらのことを着実に実施することによりまして、営業収入に対する人件費率を抑制してまいります。

あらき議員:先ほど質問の中にあったんですけど、同じ市の職員でありながら、私は、業務が違うということで横浜市の一般職の職員と差が起きるということについて、非常にモチベーション下がるとか、やっぱり自分たちがこれだけ安全に対してがんばっているのに、どうして給与が低いのか。そういうことで差が起きることについて、局長はどうお考えになりますか。

二見交通局長:ご答弁申し上げます。今回の人事給与制度の見直しでございますが、中長期的に自主自立の経営を持続するということで、持続できるようにするという観点に立ちまして、交通事業管理者として、私が判断いたしました。職員には、苦労をかけることになりますが、改善型公営企業といたしまして、公営交通の役割と責任を今後とも果たしていくと、こういうことが我々の使命であるという観点に立ちまして、職員に理解を求めていきたいと、求めてまいりたいと考えております。

あらき議員:さらに計画では、来年度以降単年度で5億円、2014年度までの3か年累計で15億円の経常利益を打ち出すということになっています。また、来年度と比較して2014年度は、営業収入が2億円減る見込みでありながら、人件費を3億円減らすことにしています。これは、公営交通として、市民の足を守るために必死に働いている職員に対しては、その黒字5億円のためにがんばれというふうに我慢を強いるようにみえるんですけれども、局長の見解を伺います。

二見交通局長:交通局を改善型公営企業としまして、持続的継続的に経営していくためには、私はお客様サービスの向上やそれに連動します増収対策を行いまして、一定の利益を生み続けまして、その利益をお客様や地域のみなさまに還元していくと、この姿勢が私は必要不可欠であると考えております。こういった意味で黒字経営を続けていくことが必要でございまして、これは交通局にとりましても、私は局の全職員にとりましても、これは必要不可欠のことであるという認識でございます。

あらき議員:私たちはずっとこの間、公営交通守るために、横浜市からの一般会計をやっぱり投入することは必要だっていう主張できたんです。
 今回、大阪市の橋下市長が「いろんな事情を考えれば市バスの運転手の給料はゼロになってもおかしくない。もらえるだけありがたく考えてもらわないとだめだ」と述べ、給与を「民間並みの水準に正す」と言っていました。そこで大阪市の給与を調べました。交通局の職員は平均年齢49.2歳で41万2000円の月額に対し、民間では46.6歳で26万円です。民間並みとするとのは、ここまで引き下げることになり、その結果、市民税は減りますし、ゆとりがないので消費にも回らなくなります。悪循環になると考えます。大阪市長のこのような考え方についてどのように受け止めているか、局長に見解を伺います。

二見交通局長:大阪市の状況は先ほど副局長から少しご答弁申し上げた通とおりで、私どもとは状況が全く違うっていうのが一点ございます。それから、橋本市長さんのご発言は報道でしか聞いておりませんので、なんとも申し上げようがないんですが、全く状況が違う中で、私どもは私どもで改善型公共事業として公営交通としてがんばっていくしかないという、たいへんもうしわけございません、以上が私の所感でございます。

あらき議員:横浜市は、自主自立ということで6%下げるっていうことなんですけど、これ横浜市の市民生活白書なんです。何が書いてあるかっていうと、生活不安のかつてない増大ということで、77年から約30年間にわたって市民が生活する上で心配ごとや困っていることがどのように推移してきたかっていう資料なんです。
 一番最近の傾向としては、心配事がないっていう人が激減した。それから、失業・倒産や収入が減ることに不安感が逆に増えているんです。だから、やっぱりみんなしていま収入が減ることに対する危機感と、特に20代、30代、40代の生産年齢といわれる人たちの給与所得が減るということでは、結婚もできないし子どもも産めないという悪循環になるということについて、局長はどういうふうにお考えになりますか。

二見交通局長:少し難しい判断になりましてあれなんですが、とにかく私の交通局長事業管理者としまして、2700人職員がおります。たぶんご家族を含めたら1万人近い扶養家族と申しましょうか、広がりございますので、きちんと職員の仕事を守って、生活基盤をきちんとするのが私の役目でございます。そういった意味で、大変繰り返しで恐縮なんですが、改善型公営企業としてきちっと結果を出して、公営交通としてやっていくのが、私どもの使命でありますので、職員ともスクラムを組んでやっていきたいという思いでございます。

人件費をむりやり削減しなくても十分採算はとれる

あらき議員:今後の中長期収支見通しとしては、バス事業、地下鉄事業ともに経常損益は黒字になっています。人件費をむりやり削減しなくても、十分に採算のとれる経営状況だと考えますが、局長の見解を伺います。

二見交通局長:少し繰り返しで大変先生恐縮なんですが、今回の給与制度の見直しによりまして、新しい給与体系によります民間水準を十分考慮した新採用職員に採用しましたことから、おかげさまで中長期的な収支見通しには一定のめどが立ったところでございます。しかしながら、私は大事なのはこれからでございまして、交通局、これから正念場というふうに思っています。今後とも公営交通としての役割と責任を果たしていくためにも、やはり増収対策等きちんと取り組みまして、とにかく乗車料収入をはじめとした要するに収入に見合った運営、身の丈に合った経営を図るということで、適切な事業運営に取り組みまして、経営責任を果たしてまいりたいと考えています。

歩きたばこ止めましょうのポスターを無料で市営地下鉄車内に

あらき議員:収支考えることも大事だと思うんですね。
 私、資源循環局で質問した時に、横浜市の政策で、歩きたばこ止めましょうっていうポスターをどうして市営地下鉄の中の車両の中にはれないんですかって言ったら、交通局の方から広告料払ってもらわないとだめですって言われたってききました。こういう点は、減額だとか減免だとかってできると思うんですよ。収支ばっかり気にするとそういうことも起きるんですけど、この点改善できると思います。いかがでしょうか。

二見交通局長:公営交通でございますので、きちんと検討してやっていきたいと思っています。
あらき議員:ぜひお願いします。

南区役所移転に伴う区民の足を確保せよ

 最後に、南区役所移転に伴う区民の足の確保についてです。
 4年後に現在の蒔田にある南区役所は浦舟町へ移転新築することとなっています。昨年2月に南区役所が行った「新南区総合庁舎の整備についてのアンケート」では「公共交通のアクセスがよい区役所」という要望が73%と2番目に多く寄せられていました。そこで交通局として、そのためのアクセスをどのように考えるか伺いたいと思います。

二見交通局長:市営バスとしまして、公共機関である区役所への市民のみなさまの足を確保すると、これは当然の責任でございます。今後検討していきます。

あらき議員:「どこの地域からも交通機関の乗り継ぎをなるべくなくしてほしい」という声もあるんですね。ですから、いま走っている路線を延長していくですとか、あるいは関係する路線とつなぐという点では、ぜひご検討お願いします。以上です