議会での質問(詳細)

2012年3月23日

■「議第15号議案に対する反対討論」 大貫憲夫議員(2012.03.23)

 私は日本共産党を代表して、議第15号議案「横浜市市会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例等の臨時特例に関する条例制定」について、反対の立場から討論を行います。
 議案は、2012年度予算に計上された震災対策費117億円を市債発行によってまかなうことは中期4カ年計画を守れないため、市会議員、市長等及び職員の報酬等を2012年5月1日から2013年3月31日までの間に限り減額し、震災対策費の一部を捻出し、市債発行を減額しようとするものと聞いています。

借り入れ金を増やした責任を市職員に押し付けるな

 この議案に反対する理由はいくつもあります。第一は、市職員の給与を減額の対象にしていることです。そもそも、過去に巨額な市債発行を行い、借り入れ金を増やした責任を市職員に押し付けてはなりません。
 みなとみらい21計画や南本牧埋め立てをはじめ、1991年に430兆円でスタートし、1995年度から13年間に630兆円の公共投資という日米構造協議によって、アメリカに約束した国の公共投資計画に忠実に従い、業務核都市構想の名のもとに横浜国際平和会議場、みなとみらい線、横浜港大さん橋国際客船ターミナル、横浜国際総合競技場、上大岡再開発ビル「ゆめおおおか」などなど、35の中核的施設が次々と建設されました。これらの公共事業の財源に多額な市債を発行してきたことが、これだけの巨額な借金をつくりだした最大の原因です。
 わが党はこれまで、そして現在も、大型公共事業中心の予算の使い方に対して警鐘を鳴らし続け、市民の税金は公共事業が主役でなく社会保障と市民生活が主役になるよう転換すべきこと、ムダな公共工事はストップし、市民が必要とする生活密着型の公共事業に重点的に取り組むべきことを主張してまいりました。しかし、時の市長と議会はわが党の警鐘を無視し、これらの公共事業を進めてきたのです。それが、巨額な市債を発行し、借り入れ金を増やした結果を生みました。まさに、責任をとるべきはそれを許した議会であり、事業を推し進めた行政の長です。それを、市職員まで巻き込んで責任をとらせようとすることには同意できません。
 市職員の給与については、昨年の人事委員会の勧告どおり引き下げたばかりではありませんか。それを知りつつ、過去の巨額な市債発行の責任の一端を職員に押し付けるのは公務員バッシング以外の何物でもありません。それでなくても、横浜経済での消費が落ち込んでいるとき、さらなる職員報酬の引き下げは民間にも波及し、内需を冷やすことは必至です。

何が何でも市債発行を対前年度比5%程度に抑える根拠なし

 理由の第二は、何が何でも市債発行を中期4か年計画で決めた通りに実施しなければならないという考えに同意できないことです。中期4か年計画では市債発行を対前年度比5%程度に抑えるとしています。東日本大震災を経て、本市の防災計画を見直しする過程で、新年度に実施しなければならない防災対策事業が必要なのは当然です。その際、その年の元金償還予定額の範囲内に市債発行額を抑えるという横浜型プライマリーバランスを守り、市債で必要な財源を確保することは市民生活をまもり防災対策を強化するためにも必要です。
 そもそも、中期4か年計画の行財政運営で市債発行を対前年度比5%程度に抑えるという数字の根拠が曖昧です。現在すすめられている中期4か年計画行財政運営の基本は、2003年に中田前市長が打ち出した中期財政ビジョンです。私に言わせれば、中田前市長は、本来一般会計でまかなう必要のない特別会計や企業会計、外郭団体の借り入れ金までも加えて本市の借り入れ金を大きく膨らませてみせかけ、それを自分の在任中にどこまで減らせるかを誇示し、夕張市のようになってはならないと自らを行政改革の旗手としてアピールし、それをもって中央政界に戻った時のセールスポイントにしようとしていました。中期財政ビジョンは、市債発行削減に前年対比8%減という過大な目標を立て、それによる財源不足を苛烈な市民サービス切り捨てとにせ行革によって生み出したものです。その延長線上で現在の中期4か年計画の行財政運営計画が2006年に策定され、市債発行額を対前年比5%程度減という曖昧な目標が設定されたのです。5%程度という目標には何の根拠もありません。
 市債は、財政当局が言うように、長期間に使用するインフラ整備の財源に充てるなど、世代間の公平を担保できる有効な財源です。市債発行を目の敵にし、しかも一般職員にも責任を押し付けようとする今回の条例提案は、中田前市長のパフォーマンスと同じといわれてもしかたがないと、私は思います。
 2012年度末での市債残高見込みは一般会計で2兆4495億円です。そのうち、本来国の責任で処理しなければならない赤字公債の臨時財政対策債が22.6%も占めています。また、将来の返済のために積み立てている減債基金は1497億円となり、一般会計の市債残高から減債基金残高を差し引いた実質的な残高は減少しています。さらに、本市の税収構造でいえば、市民税では個人市民税がその約80%を占めていることから、景気に左右されにくく安定しているといわれています。そのため、本市の市債に対する市場の評価は、東京都や大阪市と同様、スタンダードアンドプアーズからダブルAマイナスの格付けがされ、横浜市は債務を履行する能力は非常に高いとされているではありませんか。
 この不況で歳入全体が下がっているとき、横浜型プライマリーバランスを守り、市民生活にとって真に必要な施策の財源として市債を使うことは、むしろ有効な手立てです。

削減すべきは港湾整備などのムダな市債の発行

 理由の第三は、本来削減すべきはムダな市債の発行だということです。国家的プロジェクトとして推し進められている国際コンテナ戦略港湾建設のための南本牧大水深バース建設は、何の将来予測のデータもなく進められている過剰投資です。また、横浜高速環状道路計画は1980年代の右肩上がりの時代のデータによってつくられたもので、少子高齢化、人口減少、日本の産業構造の変化などが計画に盛り込まれていません。これらの巨大公共工事を中止もしくは凍結、見直し、縮小することによって不必要になる市債を減額すべきです。
 以上、議第15号議案に対する反対討論とします。

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