議会での質問(詳細)

2012年6月13日

■「一般質問」 あらき由美子議員(2012.6.13)

◎実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

あらき議員:私は日本共産党を代表して質問いたします。

生活に必要な福祉サービスを応益負担とする障害者支援法

 まず、障害者福祉について市長の考え方を伺います。
 国会で、障害者自立支援法が障害者総合支援法に改定されようとしています。障害者自立支援法違憲訴訟団原告をはじめ障害者と家族、関係者のみなさんは、障害者自立支援法の廃止に、大きな期待を寄せていました。
 ところが、政府は完全にその期待を裏切り、家族収入を含めて応益負担を課す仕組みのまま、障害者の尊厳を傷つける法の根幹部分を温存しました。生活に必要な福祉サービスを応益負担とする支援法の考え方について、市長の認識を伺います。

林市長:あらき議員のご質問にお答え申し上げます。
 自立支援法の考え方についてご質問いただきました。障害者に対する負担への認識についてですが、障害のよってはたとえば買い物や余暇活動など、私たちにとってごく当たり前の外出さえガイドヘルプのサービスが不可欠です。こうした障害のある方だけが利用する福祉サービスの利用者負担については、極力少なくするべきと考えています。
 そこで本市では、障害者自立支援法が施行された18年度から全国に先駆けて市民税非課税の低所得者世帯を対象に、こうした障害福祉サービスを無料としてきたところでございます。22年度には、国も同様の見直しを行っており、実質的に障害者の負担軽減が図られていると考えています。

低収入の障害者に福祉パス代3200円を負担させるのか

あらき議員:次に、市の障害者施策のひとつである福祉パスについて伺います。
 横浜市は、障害者が無料で市営地下鉄や路線バスに乗車できる福祉パスについての見直し案を、先日常任委員会で示しました。見直し案では、必要な方に必要なサービスが届くようにするとして、福祉パスの知的障害児・者の対象等級を拡大するなど、前進面があります。
 一方で、福祉パスの事業費が毎年1億円ずつ増大していることから、一律年間3200円の利用者負担を導入し、持続可能な安定的な制度の構築を目指すとしています。
 2010年度に障害福祉課が福祉パスの利用者5万人に実施したアンケート結果では、無職が49.6%と約半数を占め、就労している方は20.8%です。1か月あたりの収入は、決まった収入はないが30.6%、10万円未満が30.9%で、低収入者が全体の6割を占めています。 
 これまでも国の障害者施策の不備で痛めつけられ、収入の低い障害者に利用者負担を強いることは、さらに生活困窮に追い込むことになるという認識があるのか、伺います。

林市長:障害者の福祉パスについてご質問いただきました。一律負担をいただくことへの認識についてですが、今回の福祉パスの見直しは受益者負担を目的としたものではなく、適正交付を目的としたものです。必要な方に必要な支援を行うという考え方により、現時点では福祉パスをもらっても利用していないという方にはご遠慮いただくことで、現在対象外となっている方を新たに対象とし、交付の適正化を図ります。そのため、所得によらず一律定額による金額を設定し、ご負担をお願いしたいと考えています。今回の見直しは施策の拡充とコスト削減策を同時に実現するものであり、これらにより将来にわたって安定的にかつ障害者にとってより実態に合った制度を構築することができると考えています。

利用者負担の導入で障害者の社会参加を阻害するのか

あらき議員:そもそも、「持続可能な制度にする」という言葉を巧みに使い、障害者に応益負担を押し付ける考え方そのものが間違いです。利用者負担の導入で福祉パスの交付が減り、結果的に障害者の社会参加を阻害することになると思いますが、市長の見解を伺います。

林市長:負担増は交付者数を減らし、障害者の社会参加を阻害することになるとのお考えについてですが、負担額については社会参加を妨げることのない水準に設定します。なお、今回の見直しによって、現在福祉パスの対象となっていない軽度の知的障害者である愛の手帳B2所持者の方を新たに対象とする、対象者の拡大も同時に実施し、必要な方に必要な支援を行っていきます。

福祉パス無料化に市民の理解は得られる

あらき議員:福祉パスに利用者負担を導入する根拠として、対象者が年々増え、毎年1億円ずつ事業費の増加が見込まれることをあげています。事業費の増加を抑制するには、障害者へ負担を求めるのではなく、交通事業者と話し合い、事業者への支払額を抑えることをまず検討すべきと考えますが、どうでしょうか。

林市長:障害者へ負担を求めるのではなく、交通事業者への交付額を抑えるよう交付すべきとのお考えについてですが、昨年度にバス事業者と負担金積算基準の見直しについて合意できました。その結果、今年度から26年度までの3年間にわたり、毎年本市負担金額から約7200万円ずつ減額することとしており、事業者にもご協力をいただいております。

あらき議員:横浜市の一般会計は1兆3千億円です。福祉パスの27億円はそのわずか0.2%で、維持できないという状態ではありません。障害者が使う福祉パスを無料にするために税金を使うことについて、市民の理解を得られると思いますが、市長の見解を伺います。

林市長:市の財政規模からすれば、福祉パスを無料で交付しても市民の理解を得られるとのお考えについてですが、限られた財源の中、対象者の拡大など支援の必要な障害者に適切なサービスを提供し、地域の中でいきいき暮らし続けていただくためには、常に制度を見直し、より適正な運用を図っていく必要があると考えています。

待機児童数179人は数字のマジック

あらき議員:次は、保育所待機児童についてです。横浜市は、今年4月1日現在の保育所待機児童数は179人で、2001年度以降最低になったと発表しました。しかし、数字のマジックと既存園での無理な定員拡大の実態は看過できず、待機児童解消のあり方について、質問いたします。
 まず、待機児童の数え方です。2010年度までは、保育所に申し込んでも入所できなかった入所保留児童数から横浜保育室等入所者と特定保育所のみの申込者を引いた数を、待機児童数としていました。2011年度には、育児休業中の申込者を除き、今年はさらに自宅で職を探している人も除外した結果、179人となりました。しかし、2010年度までの数え方では578人、2011年度の数え方では392人となり、単純に比較はできず、まさに数字のマジックです。厚生労働省の基準に従っているとはいえ、これでは本当にどのくらい保育所が必要なのか把握できません。申込者全員が入所できるようにするのがベストです。待機児童数については、毎年数え方を変えることなく、実態を示す数字を公表すべきと考えますが、どうでしょうか。

林市長:待機児童解消について、ご質問いただきました。
 厚生労働省基準に左右されることなく、把握した結果を公表すべきということについてですが、待機児童数は厚生労働省の示す定義に従って集計し、毎年4月と10月にその結果を報告、公表しています。育児休業取得者と主に自宅で保育しながら求職している方については、保留者へのきめ細かな対応をすることで把握できるようになりましたので、待機児童数の集計に反映しています。

定員を超えた無理な詰め込みで子どもたちに悪影響が

あらき議員:横浜市は、昨年度と今年度の2年間で市立保育園92園のうち41園で定員を214人増やし、92園すべてで857人もの定員外の入所をするとしています。
 保育士としての経験を持つ私は、こんなに増やして大丈夫なのかと不安になり、先日市立保育園の実態を見てきました。
戸塚区の川上保育園はホールを保育室に転用して定員を120人から144人まで増やしさらに定員外で25人を受け入れています。南区の井土ヶ谷保育園は狭い園庭にあるプールを壊して新たに保育室を作り13人増やすとしています。
 どちらの保育園も、保育室に椅子やテーブルを並べ、遊びのコーナーを作ると目いっぱいで、そこに子どもと保育士が入ると余裕スペースなどありません。園庭に子どもたちが一斉に出ると、ドッジボールやかけっこなど思う存分動き回るスペースはありません。
 待機児童をゼロにするという市長の方針のもと受け入れ枠を拡大した結果、子どもたちのストレスが増えないようにと保育士たちの懸命な努力にもかかわらず、かみつきやひっかきが増え、本来守られるべき子どもたちの成長・発達が阻害されています。もともとの定員を超えた無理な詰め込みはやめるべきですが、見解を伺います。

林市長:定員を増やして待機児童を解消する手法は見直すべきということについてですが、既存保育園の施設と保育のノウハウを有効活用することは、待機児童解消を図る上で非常に重要な手法であると考えています。
 面積や職員配置の基準を守りながら工夫を凝らし定員を増やしており、今後も既存保育園のみなさまにご協力をいただきながら、その地域に必要な受入枠を確保できるよう、事業を推進してまいります。

隣の空き地を利用して増改築し定員増を

あらき議員:井土ヶ谷保育園の隣には空地がありました。その土地を購入して定員を増やすことは考えないのですか?という保護者の声に、市としては新たに土地を購入してまで保育園の増改築をする考えはないとのことでした。子どもたちにより良い環境を提供するために、隣に空地があるような公立保育園については土地を購入または借地した上で、定員増を図ることが必要ですが、その考えはないか伺います。

林市長:隣に空き地があるような公立保育園については、土地を購入もしくは借地して定員増を図ることが必要ということについてですが、厳しい財政状況の中では土地の購入や借地をすることは難しいため、まずは現状の敷地を最大限活用してまいります。

一挙に受入増やし保育の質を保てるのか

あらき議員:ある民間の認可保育園の園長から、「区の担当の方から園庭をつぶして保育室を作り定員を増やしていただけないかと言われたが、子ども達の成長や安全面を考えると、これ以上の定員拡大はしないと、はっきり断った」とお聞きしました。ところが公立保育園では、園庭をつぶして保育室にし、この2年間で定員増を急激に行っており、これはあまりに無謀です。一挙に受け入れ人数を増やしたことで、アルバイト保育士が見つからないという実態もあり、それで保育の質を落とさないといえるのか、保育体制の充実をどうするのか見解を伺います。

林市長:園庭面積や人員を増やすことが公立保育園の受入枠を拡大することによる保育の質についてですが、室内や園庭の面積、職員配置については基準を遵守しています。そのため、定員を拡大する場合は、正規職員を配置し、定員外受入を拡大する場合にはアルバイト保育士を雇用しています。
 また、公立保育園の増改築工事に合わせて老朽化している設備等については更新するなど環境改善を図り、職員一同精一杯努力して、子どもの健やかな成長につながる質の良い保育に取り組んでいます。

家庭保育福祉員でも給食実施を進めるべき

あらき議員:待機児童で多いのは1・2歳児です。その解消を図るためには、横浜保育室や家庭保育福祉員などの活用も必要です。家庭保育福祉員については、給食が認められず弁当持参が原則のため、それが保護者の負担になり、敬遠される理由になっています。給食実施ができるように、自宅とは別の調理室を備えている家庭保育福祉員もいます。このような実態を調査し、具体的に給食実施を進めるべきと考えますが、どうでしょうか。

林市長:家庭保育事業は給食実施により保護者の負担が改善できるのではないかとのご意見ですが、給食を実施するためには保育への影響や子どもの安全によりいっそう配慮し、家庭保育福祉員を補助する補助員の数を増やすことや、台所を安全かつ衛生的に改修するなどの課題があると考えています。

24時間営業のベビーホテルなどへの指導はどうなっているか

あらき議員:乳児保育は特に保育の質が問われ、保育士の配置基準は安全を担保するための決定的な要素です。保育士の配置も安全基準もあいまいなど劣悪な条件で保育をしている24時間営業のベビーホテルなど無認可保育室への指導はどうなっているのか、伺います。

林市長:認可外保育施設への指導についてですが、市内のすべての認可外保育施設に対し、区役所による立ち入り調査を年1回実施し、児童の安全確保の観点から保育従事者の配置や保育内容が適正であるかなどについて確認をしています。立ち入り調査で改善が必要な事項があった場合には、文書または口頭で改善指導を行っています。指導を行った場合には、改善状況の報告を求めるほか、必要に応じて年度内に再度の立ち入り調査を行います。
 残りの質問については、教育長より答弁いたします。

現場主義の市長なら保育園に出向いて判断を

(第2質問)
あらき議員:市長は常々、現場主義とおしゃっています。今なすべきことは、どの保育園でも、子どもたちの安全で健やかな成長・発達が保障される保育を実施することです。
 そこで、まず林市長ご自身に井土ヶ谷保育園に出向いていただいて、保護者や保育士から話を聞いて、今回の増設計画が子どもたちにとって相応しいのかどうか判断していただきたいと考えます。
 72人を超える幼児が狭い園庭の中で走り回っている姿をみたら、隣の土地を購入あるいは賃貸をするということをまず行動していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

林市長:あらき議員の子どもたちに対する考え方には本当に日頃から共感をしておりますし、大変私は共感しているところでございます。
それで、井土ヶ谷保育園というご指摘がございました。担当の所管にもう一度しっかりとですね、現地視察をさせていただきます。
厳しい財政状況の中で何を優先するかというのは本当に難しい課題でございますけれども、いま先生のお気持ち、お気持ちじゃないですね、お考えはしっかり受け止めておりますので、もう一度ちょっと調査をさせていただきます。お答えいたしました。

中学校での武道必修化に対する安全対策は

あらき議員:次は、中学校体育の武道必修化についてです。
 学習指導要領の変更で今年度から武道が必修化され、市内147校の中学校で柔道授業が行われます。これまで、生徒への安全対策としてどのようなことを行ってきたのか伺います。

山田教育長:中学校体育における武道の必修化についてご質問をいただきました。
 武道必修化に向けた安全対策についてでございますが、学識経験者、医者、あるいは柔道の専門家などからなる武道安全対策委員会を設置をいたしまして、安全指導に関する手引の作成を行っております。この作成した手引きを活用した理論研修を全中学校長および保健体育科の教員に対象に実施をいたしました。今後、保健体育科教員には武道指導に関する実技研修を実施をしてまいります。

格技場のない33校に格技場を整備するのは教育委員会の責務

あらき議員:格技場がない33校では畳やマットを整備したそうですが、マットははめ込み部分がひっかかる、畳は動かないように固定するなど安全対策上配慮することが多く大変ということを聞いています。また、マットや畳をしまう場所がないため体育館の隅に置かざるを得ず、授業や部活動に支障をきたしているとも聞いています。環境整備が十分に整わない状況で授業をすることは避けるべきです。格技場がない33校に格技場を整備することは、教育委員会の責務だと思いますが、いかがでしょうか。

山田教育長:格技場の整備についてでございますが、格技場のない学校では、体育館などで武道の授業を実施するなどの対応をいたしておりまして、今後も安全に配慮をしながら授業を実施していく予定でございます。
 なお、格技場の整備につきましては、現在厳し財政状況でございますので、今後予算全体の中で慎重に判断をしてまいります。

保護者や生徒に柔道授業を安全に行うための心得を周知徹底させよ

あらき議員:これまで全国の中学・高校で柔道によって114人が死亡し、275人が重い障害やけがを負い、中学校の部活動の中で死亡率が一番高いのは柔道となっています。横浜市では部活動で高次脳機能障害などの後遺症が残った事故が起き、訴訟で賠償することが決まりました。このような不幸な事故は絶対に避けなければなりません。そのためには、柔道授業を安全に行うための心得について、教員だけでなく生徒や保護者にも周知徹底が必要です。また、男女を問わず体格差・体力差に対する配慮も必要です。これらについて具体的にどのように対応されるのか、伺います。

山田教育長:生徒や保護者への安全対策の周知徹底についてでございますが、生徒に対しては相手を尊重することや禁じ手を用いないなど、お互いの安全に留意した活動ができるよう指導を行ってまいります。保護者に対しては、各学校を通して授業の安全対策や生徒の健康管理についてご理解とご協力を得られるようにしてまいります。
 また、体力差や体格差に対する具体的な配慮についてでございますが、柔道は相手と直接組み合うという特性などもございますので、生徒の体力、体格、あるいは技能の差に特に配慮するよう、研修のなかで指導してまいっています。

指導者には安全最優先の徹底を

あらき議員:柔道事故の背景には、練習や指導に名を借りた体罰やしごきの実態があると聞いています。横浜市ではそのようなことがないよう、指導者には安全を最優先にすることを徹底する考えはあるか伺って、私の一回目の質問といたします。

山田教育長:指導者に対して安全を最優先にする考えについてでございますが、武道必勝化の一義的な狙いは作法を通した人間教育や日本の伝統文化の心を学ぶことにございますが、この指導にあたっては安全性への配慮は前提条件というふうに考えております。
 柔道の指導にあたっては、施設・用具などの安全点検や生徒の実態に応じた段階的な指導計画を作成するとともに、研修を通して安全性に十分配慮した適切な指導が行えるようにしてまいります。

一刻も早く予算を立てて格技場の整備を

(第2質問)
あらき議員:2点目は格技場建設についてです。六ッ川中学校はPTAも一緒になって何度も教育委員会に場所の選定も含めて具体的要望をしてきましたが、いまだ実現していません。市長の選択と集中という考え方は、必要とすることには最優先に予算をつけることだと思っています。生徒の学びの環境を整備することについて、先ほどの教育長の答弁、慎重に判断していく、33校、何年かかって33校がつくんでしょうか。一刻も早くその順序も含めて予算立てをする、そういう考えがないのかどうか、再度質問いたし、私の質問とさせていただきます。

山田教育長:お答えをいたします。格技場の整備、先生ご質問にありますように33校整備ができておりませんけれども、今後、先ほど申し上げましたけれども、今後予算全体の中で慎重に優先順位をつけながら、判断をしてまいりたいというふうに考えております。それまでは安全に十分配慮しながら各学校で工夫をしながら対応していきたいというふうに考えております。以上でございます。

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