議会での質問(詳細)

2012年6月21日

■「討論」 白井まさ子議員(2012.6.21)

 私は、日本共産党を代表して、3件の議案と2件の請願不採択に反対し、1件の議案に賛成し、討論を行います。

福祉と受益者負担は相容れない

 はじめに、市第9号議案「横浜市社会福祉センター条例の一部改正について」です。
 桜木町駅前にある横浜市社会福祉センターの利用料金の見直し等を行うものです。そもそもセンターは、社会福祉関係の団体や市民の交流、活動の場の提供により、福祉意識を高め、福祉活動の推進を図ることなどを目的に設置された施設で、その目的に基づいて利用料金が設定されています。時代とともに公の市民利用施設のあり方を見直すことは必要であり、当然、市民にとってプラスになる見直しでなければなりません。
 しかし、今回の見直しは、これまで無料だった軽運動室に利用料金制を導入して有料とし、300人規模のホールと会議室の利用料金を1.5倍まで引き上げるものであり、社会福祉関係の団体については一般より軽減があるものの一般と同様に1.5倍に引き上げるもので、利用者は新たな負担やさらなる負担が強いられます。これは、これまでの受益者負担の考え方をさらに強力に推し進めたものです。
 そもそも受益者負担の考え方は、一見合理的に受け取られがちですが、負担しようにも負担できない弱者への配慮が欠如しています。公の市民利用施設へ受益者負担を用いること自体、公平といえず、社会福祉と受益者負担とは、その実は相容れないものです。
 今回、値上げの基準として用いられたのは、財政局が作った「市民利用施設等の利用者負担の考え方」です。これは、施設への市の関与の必要性と収益性の程度により9つに分類し、施設の運営や維持に必要なコストについて、利用者負担と市の負担割合をそれぞれ決めたものです。このセンターでは、利用者負担の割合は、ホールと軽運動室は3割、会議室は一般が5割、社会福祉関係の団体は3割と一方的に決められました。施設を所管する健康福祉局も結果的にこれに従いましたが、分類と負担割合の決め方には、客観性も整合性もありません。こともあろうに、数ある市民利用施設の中で、障害者や福祉分野の市民活動団体が使用するセンターを1例目としてこの考え方を当てはめること自体、あまりにも福祉の心が欠けたやり方です。
 先日、センターを訪ねた際、現在無料の軽運動室に視覚障害のある方たちが集まり利用していましたが、指定管理者の市社会福祉協議会は、このような施設利用者に向けての有料化や値上げの方向についての説明は当然ながらしていません。今回の社会福祉センターの利用料金の値上げは、障害者への福祉パスの値上げの検討と合わせて、障害者にあまりにひどいことが行われようとしています。市長の福祉に対する認識が問われます。

建設コスト優先の統廃合は教育原点からの逸脱

 次に、市第15号議案「横浜市立学校条例の一部改正について」です。市内で小学校の統合を2地域と中学校の統合を1地域で行おうというものです。
 特に問題とするのは、中区の富士見中と吉田中の統合です。富士見中校舎の耐震強度不足は補強工事をしても耐震基準を満たせないとされ、選択された対策は、建て替えではなく、吉田中への統合となりました。設計や工事に長期間かかるという理由で建て替えができないとしていますが、他の多くの学校で行われている建て替えが、この中学校でできないという理由は成り立ちません。
 建て替えをせず統合することは、結果的に施設整備にかかる費用軽減となりますが、富士見中は外国籍や外国につながる生徒が多く、日本語指導や多文化共生の特別な教育が行われており、国際都市横浜にとって、誇るべきかけがえのない貴重な中学校です。全校で6クラスという小規模校であるからこそ、この利点や可能性を最大限追及できるのです。建設コストを理由としての統合は教育の原点からの逸脱です。

横浜総合高校の移転に際して生徒へのサポートとなる施設整備を

 市第26号議案は「横浜総合高等学校移転整備工事請負契約の締結について」です。
 中区にある横浜総合高校の校舎が耐震強度不足のため、南区にある旧県立大岡高校の建物を利用し移転することとなりました。建物を耐震補強、リフォームして使います。3部制の定時制である横浜総合高校には、背景に様々な困難を抱え、二重三重のサポートを必要としている生徒が多く通っています。しかし、現校舎は狭いグラウンド、プールもフリースペースもない劣悪な条件下にあり、改善は急務でした。今回の移転がその絶好のチャンスとなります。
 旧県立大岡高校の校舎の内部を見せていただき、移転後の計画の説明を受けました。カリキュラムの見直しに対応する教室の設置や、就職生活相談ができるスペースの拡充など、施設整備に一定の前進は見られますが、残念ながら十分な広さのグラウンドがなく、プールもないでは、これが解決されない限り、いま求められている教育条件整備をしないのと同等です。
 自己責任の社会風潮の中で、若者の育ちづらさ、生きづらさがひろがっています。こういう現代では、困難を抱えている生徒にこそ学ぶ喜びを感じて社会に飛びたてるよう、できる限り手厚く教育予算が注がれなくてはなりません。公教育だからこそできることであり、横浜総合高校の教職員の頑張りに応えるためにも必要です。
 教育の常任委員会で、市外視察の際、りっぱな校舎を何か所も見せていただきました。本市でも、サイエンスフロンティア高校で教育的効果に期待した施設整備が行われていますから、横浜総合高校でもできないことではありません。横浜総合高等学校の生徒へのサポートとなる施設整備に、残念ながら不十分さがあるため、賛成できません。

被災地のがれき処理は自区内処理で

 請願第70号は、放射能に汚染されたがれきの焼却処分の受託について、震災がれきは慎重の上にも慎重を期して、安易に受け入れないようにというものです。
 国、県、市は、震災がれきは復興の妨げであり、受け入れはその手助けになると盛んに吹聴しています。
 私たち党市議団は、国から神奈川県へ木くずの広域処理が要請されている岩手県大船渡市と陸前高田市へ行き、実態調査してきました。大船渡市では、町なかにがれきの山はなく、第二次集積所で破砕・分別処理し、セメント工場で可燃物・木くずの焼却処理が進んでいました。陸前高田市では、がれきの山が旧市街地に集中していますが、処理については、津波堆積物以外は、処分方法が定まっており、広域処理にはいっさい頼っていないことが当局より明らかにされました。
 国の広域処理方針がいかにずさんなものかを示す如実な例です。復興の妨げになっているのは、がれきの処理が進まないことよりも、国や県がかかわる都市計画、土地利用計画の遅れにあります。
 また、放射能はこの値までは安全という「しきい値」がないので、低レベルでも放射能汚染の拡散を防ぐことが必要ですから、採択が当然です。

国民の5~6割が反対の消費税増税に反対の意見書を

 請願第8号は消費税増税に反対する意見書の提出方についてです。 
 国会で審議中となっている消費税増税法案については、民主党・自民党・公明党の3党は密室談合で「合意」した政府提出の「一体改革関連法案」の「修正案」と「社会保障制度改革推進法案」を20日夜共同提出し、衆議院で早期採決を図ろうとしています。「所得再配分機能を高めるため」として政府案に盛り込まれていた高額所得者への所得税、相続税の増税が削除され、消費税10%増税だけを国民におしつける修正案にしたにもかかわらず、3党が密室で合意すれば国会での審議は必要ないというやり方で、これは議会制民主主義を壊すものであり、断じて認められるものではありません。
 しかも、民主党の公約であった後期高齢者医療制度の廃止や最低保障年金制度の導入などについては事実上撤回し、国民の願いであった社会保障制度の審議をまともにせず、消費税増税法案を優先して採決しようとしているやり方に、民主党の国会議員を含む超党派の集会で「強引に採決するべきではない」という声が圧倒的だったことも報じられています。
 世論調査でも消費税法案に国民の5~6割が反対し、今国会での採決にも約7割が反対しています。また、133の自治体から「消費税増税反対を求める意見書」が出されています。このような自治体の例にならい、横浜市議会として国への意見書を提出してほしいという市民の声を真摯に受け止め、請願の採択を主張します。

市民協働条例は分かりにくさなどの改善が必要

 次に、議第3号議案、横浜市市民活動推進条例を全部改正する横浜市市民協働条例は、いくつかの問題点は問題点として指摘したうえで賛成します。 
 現在、本市で「協働推進の基本指針」の見直し中でもあるため、その最中に協働を条例で規定することは拙速という声も聞いており、また、条例提案にあたっては、協働など市民活動を行っている関係者とより多くの意見交換が必要など、手続き的な問題点が指摘されています。
 また、条例案の内容に関して、議案関連質問で指摘したように、市民協働などの定義と章立てに整合性がなくわかりにくいため、定義に合わせ、わかりやすいものにすること、推進委員会の名称も定義に合わせたものにすること、また市民活動支援センターなどを条例に明記することなど、改善が必要です。
 しかし、現在行われているさまざまな協働を条例で規定することは、協働を行う市民にとって1歩前進となることから賛成します。
 以上で討論を終わります。

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