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【2008年度予算特別委員会】「交通局」  河治民夫議員

2年間の暫定期間が経過しても、市バスの暫定運行路線を維持せよ

河治議員:日本共産党を代表して質問いたします。
 最初に、維持路線・暫定運行路線のバス路線についてです。
 先日の予算関連質疑で、私の「市営バス交通の基本的な考え方について」の問いに、交通局長は「市営バス路線は市民生活に欠かすことのできない交通手段の一つである」、「最大限の経営努力を行いまして、市民の足を確保していく必要がある」との答弁でした。
 そこで、交通局が廃止を打ち出した路線を、道路局が補助事業として所管する生活維持路線、暫定運行路線として1年が経過しようとしていますが、どのように評価されているのか、伺います。

池田交通局長:生活交通バス路線および暫定運行路線につきましては、58路線の再編に伴って創設されました路線でございまして、その趣旨にかなう運行計画に基づいて安定的に交通サービスが提供できているものと考えております。

河治議員:生活維持路線や暫定運行路線は、道路局を介し補助金を打って市民の足を確保する路線です。68系統と79系統は、補助金なしで交通局が独自で運行している暫定運行路線だと聞いています。どのような考えによるものか、伺います。

池田交通局長:これはあり方検討委員会の答申にもよる再編の基準のひとつなわけでございますけれども、68系統は他の市営バス、102系統でございますが、この系統と大部分が競合していること、それから79系統につきましては蒔田駅から関内駅間が市営地下鉄と競合していることから、68系統と79系統についてはこれらの区間を廃止することとしたものです。しかしながら、当時17年度の運行状況を見ていきますと、両系統とも黒字になることが予測されましたので、市の補助金に頼る必要がなくなったことから、交通局所管の暫定運行路線としたものでございます。

河治議員:財政的なものだけでしょうか。市民のニーズというようなことはどうなんでしょうか。

池田交通局長:当然この区間については他の代替手段があるということでございますので、そちらの代替的な系統をご利用いただくという趣旨で、区間の廃止の見直しを打ち出したものと、こう考えています。

河治議員:いずれにしても、市民の利用が、要望があったからだ、私は強くそう思いましたし、そう説明を受けてきました。
 先の本会議で、暫定路線について一般会計から補助金を打ち切られた以降の路線維持・存続について、局長の「今後の個々の暫定運行の採算性などを見極めることも必要であると考えていますが、激変緩和としての2年間に限りこういった措置である趣旨を踏まえて、今後対応する」との答弁でした。それに対して私は、即廃止でないとのサインに受け止めたわけですけども、改めて確認しますが、補助金が打ち切られた後も運行の存続を検討されるのか、再度伺います。

池田交通局長:交通局は自主自立の経営をせいということで、市の補助金はないということで、我々としては経営上黒字の経営をしていかざるを得ないということでございますので、個々の路線の採算性の検討はする必要があると考えておりますけれども、いずれにしましても、暫定運行路線については市が2年間限りの措置として交通局に運行してくれという趣旨でございましたので、その趣旨からしますと2年で終了すべき、2年間で運行を終了すべき路線であると、こう私どもとしては理解をいたしております。

河治議員:検討というふうに私は受け取ったわけなんですが、廃止というのが全面になるべきではないっていうふうに思います。

ろう学校の通学時間帯に合う、バス便の増を

 次に、201系統について伺いますが、保土ヶ谷区常盤台にある市立ろう学校は本市唯一のろう学校で、幼稚部、小学部、中学部、高校部合わせて116人の児童・生徒が、本市だけでなく、遠くは小田原からも通学しております。その通学負担は健常者とちがう困難を伴います。201系統は横浜駅西口から三ツ沢上町駅前を経由し、ろう学校の最寄バス停、岡沢町を通り、横浜駅西口へと回る内回り循環路線です。反対の外回り循環路線が202系統です。
 201系統は、その横浜市立ろう学校の生徒が通学に利用している路線です。聴力に障害をもつ生徒の通学実態をどのように認識しておられるか、伺います。

池田交通局長:201系統の暫定運行につきましては、先生ご存知の通り、9時台から16時台の運行でございますので、登校時にはご利用をいただくことができません。しかし、下校時の相鉄方面についてはご利用いただけるものと、こう思っています。この201の路線の系統につきましては、民間事業者に1系統を移譲する際に、登校できる運行時間を私ども要望しました結果、8時4分台のダイヤを設定していただくことができました。従いまして、そのろう学校に通っておられる生徒さん、ご両親の方々は、その8時4分のダイヤを三ツ沢上町からご利用いただいているものと考えております。
 現在私どもとしては、登校時の運行時間の改善を民間事業者に要望しているところということをきいております。その要望内容は、もう少し始業、学校が始まるのが8時40分だから、8時40分に近づけてほしいという要望をしているということは聞いております。

河治議員:地下鉄を利用し、三ツ沢上町駅前から乗り換える児童にとって、通学時間帯に直結するバス便の有無というのは、大変大きな問題です。
 そこで、ろう学校生徒の通学時間帯において、201系統が通常運転から暫定運行になった以前と以降の便数はどのように変わったのか、伺います。

池田交通局長:登校時の暫定運行前につきましては、8時台に2便運行いたしておりました。暫定運行後は9時台からの運行ですので、運行いたしておりません。
 下校時の暫定運行前につきましては、15時から18時台の間に4便運行しておりました。暫定運行後につきましては、15時から16時台に2便の運行となっております。

河治議員:通学時間帯ですから、子どもたちの授業時間に合わせて具体的にどうだったのか、もっと詳しく言ってください。

池田交通局長:私どもとしては、第1系統の問題もございますので、あくまで私どもとすれば暫定運行の趣旨に沿って1時間に1本の運行をしていくということでございますので、その趣旨に基づいて運行をいたしている次第でございます。

河治議員:小学部は37人ですね。それで朝8時55分から朝礼が始まって、第1限が9時15分から始まるそうです。中学部、高校部は、24人、27人ということで、ホームルームが8時50分から、1時間目も9時頃からということであります。
 保護者からですね、「8時台に2便あったものが暫定運行になった。その結果、三ツ沢上町駅前から聴覚障害の児童が20分も25分も歩くことになる。これはもう大変なことだ。そしてなおかつですね、交差点の横断をするわけだから、とても心配だ」というふうに話しておられました。
 ほかに幼稚部や乳幼児教育っていう保護者の人も利用されているんですけれども、9時以降の日程で暫定運行がされているわけで、まさに201系統というのはろう学校にとっては本当に生徒や保護者にとって必要な交通手段です。補助金が打ち切られ、路線がなくなった場合、この生徒や保護者の負担というのは大変だっていうふうに思うんでけどね、絶対なくすべきではないというふうに思います。そういう意味では、横浜市としてどういうふうな立場で臨むのか、これ副市長にお聞きしたいと思います。

阿部副市長:ろう学校に通われる子どもたちの足の確保という課題であります。昨年私も関心を持って、教育委員会、それから当該の学校長とも話しを聞かせてもらっています。現在、他の路線あるいはちょっと時間的に早まったわけですけども、まあそういう早くなった1系統ですね、で通われている方がほとんどということで、一部徒歩でという方もいらっしゃるわけですけども、ほんの限られた人数の状況というふうに思っています。
 学校側あるいは教育委員会の認識としては、下校時は学校が終わる時間帯も学年によって様々あるんですね。それより朝の登校時の問題の意識という部分の方が強いようでありますが、現在池田局長の方からもご答弁申し上げましたけれども、教育長の方から現在民間事業者の方に要望しているという状況でありまして、私としてもぜひその要望の趣旨が実現できるような取り組みを市役所全体としてもやっていく必要があるというふうに考えております。

河治議員:先ほど、子どもたちの時間、通行帯の中で、民間がある、8時4分だ、先ほど時間帯もいいましたけれども、合わないわけですね。これどういうふうにカバーして以降と思っておられますか。もう一回伺います。

池田交通局長:繰り返しで申し訳ないんですけれども、私どもは一事業者としてバスを運行しているわけでございまして、この201についてはあくまで暫定運行路線として運行をさせていただいていると。あくまでここの本線は第1系統が本線であるというふうに考えておりますので、私どもとしては移譲した経緯からしまして、民間事業者の方にも、先ほど副市長ご答弁申し上げましたように、協力して要望をしていきたいと、こう思っております。

河治議員:まあ、いずれにしてもですね、201系統はろう学校のスクールバス的な存在、これを担っているっていうふうに思っております。再度、これ、存続する、拡充する、そういう立場で副市長、もう一回答弁お願いします。

阿部副市長:まあ、ろう学校の通学の足というのは非常に重要な課題であるというふうに思っております。ただ、私、いろいろ教育委員会等とも議論これまでしてくる中で、必ずしも解決方法、一対一対応ではないのかなと。要するに交通局のバス路線の問題と、通学の話があたかも一対一対応のような議論になってしまっているわけですけれども、例えばもっと身近な人たちが、先ほど申し上げたようにいま徒歩で通われて、非常に少人数の方ですので、そういう人たちとボランティアとかあるいは教員ができないかとか、私自身はそういうことで教育委員会で色々議論をしております。
 従いまして、先ほど申し上げましたとおり、教育委員会としての意向がいまあるわけでございます。それは保護者のみなさんの考え方も踏まえてと思いますので、私としてはそれを尊重してそれが実現できるように、一緒になって働きかけていくという部分が当面一番重要な課題ではないかなというふうに思っております。

河治議員:終わります。