議会での質問・討論(詳細)
2008年3月3日

【2008年度予算特別委員会】「市民活力推進局」  関美恵子議員

区役所窓口業務等の民間活用の拡大は拙速に進めるな

関議員:日本共産党を代表し、質問します。
 窓口業務民間活用事業について伺います。
 今年度、中区役所、瀬谷区役所の証明書発行窓口に各2名、新杉田行政サービスコーナーに3人の民間従事者を導入しています。その検証を行ったと聞いていますが、結果はどうだったのか、課題は何か、伺います。

成田市民活力推進局長:今年度、中区、瀬谷区の証明発行窓口と、新杉田行政サービスコーナーに、労働者派遣法の基づく民間従事者を配置いたしました。その結果、既存の体制に加えまして、民間従事者を配置した証明発行窓口では、混雑を緩和するとともに、窓口のより安定した運営体制を確保することが出来ました。また、非常勤嘱託員2名の代わりに民間従事者を配置いたしました行政サービスコーナーにおきましては、経費の縮減効果がみられました。
 一方、今回ははじめての試みのため、年度当初現場での引き継ぎに時間を要するなど課題が生じました。20年度につきましては、その検証結果を踏まえまして改善の上、引き続き実施することといたします。

関議員:民間従事者は職員の指示がないと業務を実施できませんが、これが職員にとってはいちいち指示を出さなくてはならず、大変だったようです。それでは、民間従事者導入による経費の削減効果は、どの位あったのか、伺います。

成田局長:新杉田行政サービスコーナーには、非常勤嘱託員2名の退職にあわせまして、その代替として民間従事者を配置しました結果、年間約300万円の経費の縮減につながりました。
関議員:新年度は新たに民間従事者による戸籍電算化を行うとのことですが、どのようにするのか、また委託する民間事業者の選定はどうするのか、合わせて伺います。

成田局長:戸籍の電算化につきましては、現在紙により作成している戸籍を電子データ化することで、利便の向上と業務の効率化を図るものでございます。現在、20年度中の稼動を目指し、準備を進めているところでございます。また、電算化の届出の受理などの議業務は引き続き本市職員が行いますが、反復的な業務であるシステムへの入力作業につきましては、民間従事者に委託することとしております。
 事業者の選定にあたりましては、個人情報法への対応能力が高いこと、戸籍やシステム入力業務に関する知識・能力が高いことなどの点に留意を払いながら、業者を選定してまいりたい、このように考えております。

関議員:18区、今度、戸籍電算化するわけですけれども、場合によっては業務が非常に省力化される、そういうことは聞いているわけですけれども、省力されるその理由はなにか、また、このことによって影響を受ける職員は何人か、また、それによる職員の削減はあるのかどうか、合わせて伺います。

成田局長:現在は届出の受理から、各種台帳への記入、和文タイプによる戸籍の記載、各種通知の作成などの業務をすべて手作業で行っております。電算後は、入力したデータが各種帳票に自動的に反映されることで、業務を大幅に効率化することができまして、届出の処理については約4割の作業時間が短縮できる予定でございます。
 これらの効果のほか、サービスのさらなる充実などを勘案しながら、今後適正な交代制を検討してまいります。

関議員:職員の削減とかはどうですか。

成田局長:届出の処理業務につきましては4割の作業時間が短縮できるということでございますが、正確にその人数についての検討結果は出ておりません。現在検討中でございます。

関議員:削減することもありうるということですか。

成田局長:適正な執行体制を作ったうえで、最終的な人数のバランスをとっていきたい、このように思っております。

関議員:ぜひですね、職員を削減しないで、その職員をそこにいらなくなるわけですけれども、地域での関りだとか、ぜひ削減はしないように、強く要望しておきたいというふうに思っております。
 戸籍電算化による民間従事者の導入の問題は、民間従事者に情報の漏えい、先ほども議論がありました、質問がありました、滅失、き損及び改ざんの防止や情報の適切な管理への義務を課していますが、それが絶対に守られるという保障はございません。それから経費の効果についてもそれほどメリットがあるというふうには思えません。民間活用の拡大は、拙速に進めるべきでないと考えますが、見解を伺います。

成田局長:業務委託にあたりましては、個人情報の保護に関する関係法令に基づき、受託事業者、従事者双方に遵守事項の徹底などを求めた上で、委託業務を本市職員が適切に管理するなど、万全の体制で臨んでまいります。また、入力業務の委託化につきましては、戸籍電算化を契機といたしまして、本来職員が担うべき業務は何か、民間にゆだねるものは何かなど、役割分担を十分検討した結果として実施するものでございます。

関議員:拙速に進めるべきでないということを強く求めておきます。
 ところで、窓口業務民間活用事業と市場化テストは、どこがどう違うのか、伺います。

成田局長:今回の事業は通常の業務委託や派遣契約に基づくものでございます。公共サービス改革法に基づき、官民競争入札などの手続きを経まして、証明書に関わる交付請求の受付や引渡しを民間にゆだねる、いわゆる市場化テストとは違います。

DV加害者の更生に対する対策を進めよ

関議員:次に、男女共同参画推進事業について、人権男女共同参画担当理事に伺います。
 男女共同参画センターでの過去3年間のDV相談件数の推移を伺います。

清水人権男女共同参画担当理事:17年度が1984件、18年度が2283件、19年度は12月までの9か月間で1784件ございました。

関議員:月あたりの件数も増加しているというふうに聞いているんですけれども、その理由は何か、また増加する相談者への支援策をもっと充実すべきでないかと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

清水担当理事:DV被害につきましては、家庭内でおこる暴力のため、その多くは潜在化していることが問題となっております。相談件数が増えた理由ですが、これまで相談ができなかった被害者が広報などの情報から相談窓口を知りまして、相談へ結びついている結果というふうに受け止めているところでございます。今後とも、このような状況を踏まえまして、関係区局や関係団体との連携を密にし、推移を見守りながら、きめ細かな対応に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

関議員:また、加害者対策について、具体的に進める必要があると思いますが、今後の対策についての考え方を伺います。

清水担当理事:現在、国におきまして加害者対策の調査・研究が行われておりますが、その研究の中で、加害者更正に関わる有効な対策を含めまして、課題の多いことなどから、継続して調査をすることとされているというふうに聞いております。本市におきましても、こういった国の動向を見守りながら対応してまいりたいというふうに考えております。

関議員:国の動向もあるかと思うんですが、非常に相談件数が増加しているもとで、加害者に対する対策についても、具体的な面も含めて、この市民活力局で、人権男女共同参画担当理事のほうで進めていただきたいということを申し上げ、質問を終わります。


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