議会での質問(詳細)

2012年9月6日

■「議案関連質問」 あらき由美子議員(2012.9.6)

◎実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

あらき議員:私は日本共産党を代表して市長に質問いたします。
 まず、市第51号議案 平成24年度一般会計補正予算について伺います。

高速道路整備よりも市民の命を守る防災優先の予算の使い方に

 横浜環状北西線は東名高速道路・横浜青葉インターチェンジと第三京浜港北インターチェンジを結ぶ高速道路で、7月10日神奈川県知事から都市計画事業として認可が下り、2021年度の完成を目指すことになっています。今回の補正は事業認可に伴う最初の予算計上となります。北西線の総事業費は2200億円で、横浜市の負担は関連街路を含めると約650億円です。
 2011年度の市民意識調査で市政への要望の第一は地震などの災害対策です。本市はすでに横浜市耐震改修促進計画にのっとり、別枠で市債を発行して対策を進めているところです。しかし、この計画は公共施設が中心で災害に強い街づくりの一部であっても、すべてではありません。本格的な対策には更なる予算が必要です。
 そこで、この市費650億円については、この際、高速道路に使うのではなく、大震災に備え、市民の命を守るための防災に優先して使うべきと考えますが、市長の見解を伺います。
 北西線を作る目的の一つとして、災害時等における道路ネットワークの信頼性が高まるとしています。現在、東名高速道路と湾岸エリアを結ぶのは保土ケ谷バイパスしかなく、ひとたび震災や事故等による通行止めが生じれば、市域の道路ネットワークに重大な支障が生じることから、北西線を整備することにより、災害時における全国から市内各地への救援や物資の輸送ルートが多重化され、災害に対する備えが大幅に充実するとしています。しかし、それ以前に必要なのは、地震が起きても破壊されない都市を作ることです。道路に関しては、道路に架かる橋の耐震化を進めること、そして主要幹線道路を整備することです。
 市の道路局が管理する橋は1700あり、そのうち震災で被害が出たときに影響が大きくなる重要橋梁として位置づけられた緊急輸送道路や道路と鉄道などをまたぐ607のうち、耐震対策が必要とされた354の工事を優先して進めた結果、今年度末には347の工事が終わり98%になると聞いています。問題は、耐震診断もしていないまったく手つかずの1093の橋です。これから診断をしてどうするかを検討すると道路局から聞いています。緊急輸送道路沿道に立地するビルの耐震化事業も緒についたばかりです。
 今からでも遅くはありません。優先順位を切り替え、高速道路北西線の財源650億円を、橋脚の耐震診断や耐震補強、そして緊急道路整備などに使うべきと思いますが、市長の見解を伺います。

林市長:あらき議員のご質問にお答え申し上げます。
 市第51号議案についてご質問いただきました。
 北西線の市負担額等を大地震に備え、防災のために使うべきとのことですが、高速道路ネットワークは、大規模災害が発生した際に緊急車両の通行や物資の輸送に大きな役割を果たすことから、災害対策の観点においても不可欠であり、そのことは昨年3月の東日本大震災において改めて認識されました。北西線は、その整備により、本市の高速道路ネットワークを強化し、災害対応力の向上にも貢献しますので、早期完成に向けて取り組んでいきます。
 北西線の財源を橋脚の耐震補強や緊急道路確保に使うとのことですが、首都直下地震といった大きな地震の発生が想定されていることから、重要な緊急輸送路となる北西線は一日でも早く完成できるようしっかりと取り組んでいきます。
 また、緊急輸送路にある橋、高速道路や鉄道を跨ぐ橋などを重要橋梁と位置づけております。このうち対策が必要な橋梁は、いまあらき先生もご指摘になりましたけれども、354橋ありますが、現在95%にあたる335橋で対策を完了しております。一般の橋梁も含め、残りの橋梁についても着実に取り組んでまいります。

減災パンフレット作成は人命被害ゼロの考え方で

あらき議員:次に、震災対策に関わってお聞きします。3・11の東日本大震災を受け、横浜市防災計画(震災対策編)の修正が現在行われ、来年3月に策定予定です。それを踏まえて、新たな被害想定などを広く市民に知らせ、自助・共助の取り組みを促すために、減災パンフレットを作成する予算が計上されています。
 先月28日、私達日本共産党市会議員団は、林市長に横浜市防災計画(震災対策編)の修正にあたっての申し入れをいたしました。その内容は「計画」の目的・目標は「人命被害ゼロ」とする、被害想定は全面的に改定する、災害の未然防止対策を優先に位置づける、現場に役立つ内容・構成とする、目標と達成期日を明確にした「実行計画」とする、の5項目を基本に据えることとしています。「災害応急対策、災害復旧、その他」という災害が起きてからの対応に偏っている国の防災計画を踏襲するのではなく、市民の命を守り、災害予防に力点を置いた防災計画にするよう、従来の防災の考え方から発想を転換するよう求めました。
 そこで、今回策定する減災パンフレット作成の考え方には人命被害ゼロという考え方が基本に据えられるのか、どうか伺います。
 減災に対する意識啓発をすることは重要な視点です。南区の三春台・庚台地域などに集中している木造密集住宅地域は、倒壊や火災が発生すると被害甚大になる危険性があります。その危険性を回避するにはパンフレットを配布するだけでは不十分です。意識啓発だけでなく、いえ・みち まち改善事業をはじめ、耐震診断制度や補強工事を行うための申請書類の簡素化や、住宅リフォーム助成事業の創設など、災害の未然防止策を市がイニシアチブを発揮し進めてこそ、減災につながります。
 そこで今回のパンフレットには震災被害を予防する視点として、住宅の耐震・不燃化をはじめ、液状化・地すべりから住宅地を守る、横浜駅周辺など集客が多く地下構造物が集中している地域での災害予防措置及び避難対策、超高層ビルの長周期振動対策、津波からの避難対策などが盛り込まれるのかどうか、伺います。
 今回のパンフレット作成の目的の一つは、これをもとに家族で地震発生時の対応を相談したり、必要な対策を考えたりする自助に役立たたせることと聞いています。区版マップを作るのも効果的ですが、津波の被害や液状化、石油コンビナートなど、小学校区単位でのハザードマップを、地域住民が子どもから高齢者まで参加して作成することは、啓発活動にもつながります。このような住民参加型でパンフレットを作成することが必要だと考えますが、見解を伺います。

林市長:減災パンフレットの作成は、人命被害ゼロを目標にすべきとのことについてですが、大地震はおおきな被害をもたらしますが、その被害を軽減することは可能であるということが東日本大震災のひとつの教訓でもあります。減災パンフレットの作成は、まさにこのことを実現するために取り組むものです。従いまして、ひとりでも多くの命を救うために、このパンフレットを作成いたします。
 パンフレットには、震災被害を予防する視点が盛り込まれるべきとのことについてですが、パンフレットには地震、津波、液状化などの各種ハザードマップや、津波からの避難行動など、市民のみなさまに自助・共助を進めていただくにあたり、必ずお知らせしておかなければならない情報を掲載していきます。なお、盛り込む内容につきましては、災害予防のために何が必要かという視点で今後検討していきます。
 住民参加型パンフレットの作成についてですが、各家庭で地震発生時の取るべき対応について話し合った結果や地域の危険箇所などを確認し、自ら記入することは、防災減災の意識を高め、いざという時の的確な行動につながるものと考えています。従いまして、何らかのかたちで市民のみなさまが書き加え完成させる形態のパンフレットを区ごとに作成していきたいと考えています。

全市に防災行政無線の設置でいち早い災害情報を市民に

あらき議員:次に津波警報伝達システム整備事業に関わってです。
 今年4月の「津波からの避難に関するガイドライン」の改定により津波浸水予測区域が拡大されたことに伴い、津波警報伝達システム整備事業として沿岸部に屋外スピーカーが設置されることになりました。来街者を含め、津波の危険を一斉に伝える手段としては適切な方法ですが、津波だけにとどまらず広範な災害情報を市民に伝えることが必要ではないでしょうか。市は警報伝達システムの配備をするのは、今回津波の危険性がある90か所程度にとどめるとしていますが、全国の同報系防災行政無線の設置状況を調査したところ、総務省の資料で千葉県は100%、東京都は98.4%、神奈川県は97%となっています。神奈川県で整備していないのは横浜市で、1か所となっています。
 そこで、本市にも、区単位で屋外スピーカーなどで住民に災害情報を伝える同報系の防災行政無線を整備することが必要です。私は南区の町内会長から、住民にいち早く災害情報を伝えるためにも、防災行政無線設を設置してほしいという要望を聞いています。市長の市民の命を守るという姿勢から「待ったなし」です。前向きに検討すべきと考えますが、その決意を伺います。

林市長:同報系防災行政無線の整備についてですが、東日本大震災において沿岸部に設置したスピーカーからの放送によって多くの人々が津波から避難し、大切な命を守ることができました。これを受けて、本市でも市民のみなさま、横浜を訪れるみなさまの安全を確保するために、津波により浸水が予測される8区には、津波警報伝達システムを整備することとしました。本市は起伏が激しい地形で、電波や音声が届きにくいなどの課題もあることから、現時点では市内全域に同報系防災行政無線を整備する考えはありませんが、緊急速報メールや防災情報Eメールなど複数の手段を活用し、市民のみなさまに情報伝達を行っていきます。
市民の命を守る防災行政無線の設置に市長の決断を
(第2質問)あらき議員:先ほどお答えいただきました防災行政無線の件について、再度質問をさせていただきます。この防災行政無線の設置の必要性についてですが、本市は起伏が激しい地形で届くエリアが限られているというご答弁でした。しかし、20年前にはその設置について箇所数あるいは予算についても検討はされています。結局それに対してやるかどうかの判断は、市長が市民の命を守ることに対して、どれだけ選択と集中でその予算を考えるかということに尽きると思います。ツィッター、携帯などを全員持っているわけではありません。エリアメールもすべてに届くとはかぎりません。いろいろな方法を考えてこそ、市民の命を守る姿勢になると考えます。ぜひこの点については市長の明快なご答弁をいただきたいと思います。以上です。

林市長:ただいまのあらき先生のご質問でございますが、本当に市民のみなさまの命を守るということにつきましては、私も日々本当に考え抜いております。防災情報無線の件でございますが、以前も検討があったということなんですが、残念ながらかなりの費用が膨大になるんですね。いまこの防災対策の費用につきましても鋭意本当に考えているわけですけれども。ただ、いまの状態の中ではちょっと全部つけるのは非常に難しい。
 実際、一番必要とされている所というのは津波からともかく一番早く逃げる沿岸部の方だということもございますので。いまたとえば同報無線でも繋ぎにくい地域が多いというは事実でございますが、恐縮でございますが、一番の原因はやっぱり費用の問題がございます。ですから、まず津波が起きたときに一番被害をあびてしまうだろうと思われている方の所にはしっかりおつけし、必ず避難していただく。そういうことをいま取り組んでおりますので、先生のご意見もあって、我々も鋭意いろいろなことを考えておりますので、ただ今の時点ではちょっとすぐさま取り付けるということは考えておりません。以上です。

南部市場跡地での営業を守れ

あらき議員:最後は市第52号議案 平成24年度横浜市中央卸売市場会計補正予算についてです。
 2年前の7月に策定された「横浜市中央卸売市場の再編・機能強化に関する基本方針」により、南部市場は中央卸売市場としては廃止し、神奈川区の本場を補完する加工・配送・流通の場として活用することとしています。そのため、南部市場で営業している民間事業者団体に、今後の展開に関する検討費助成などの補正予算がついています。
 私は、南部市場の青果・水産・花きの卸売業者のみなさんそれぞれに、今回の基本方針について、どのように考えていらっしゃるのかお聞きしました。事業者に共通していたのは、「できるならこのままここで営業を続けたい」「この先、本場へ移転してお客さんがついてきてくれるか不安」「移転にかかる費用の負担などを考えると決断できないと受け止めていた」など不安の声でした。新聞報道によれば再編計画では、花き部は南部市場にとどまり民営で事業を継続する方針となっていますが、花き業者は公設民営と受け止めていたが市の方針が民設民営とわかり市との認識が違っていたこと、組合としては「公設地方卸売市場として南部市場で事業を継続させたい」と要望しているとありました。
 今後、南部市場に残り営業をしていきたいと考えている事業者からは、利用料金が上がってはこの先やっていけなくなると聞いています。市は資産鑑定評価をしてから、今後の賃貸料を決めるとのことですが、少なくとも料金が上がらないように設定することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 南部市場で営業されている方たちは、そのほとんどが中小企業です。中小企業振興基本条例の観点から、南部市場で営業している卸売業者や小売店などが今後も安心して営業が続けられるよう、少なくともそれぞれの業者と十分話し合い、納得と合意が得られるよう市として具体的に対応していく考えはあるのか伺って、1回目の質問とさせていただきます。

林市長:市第52号議案についてご質問をいただきました。
 今後の南部市場の貸付料ですが、本市では鑑定評価など第三者の客観的評価により貸付料を定めることを原則としています。そのため、貸付料の検討に必要な鑑定評価をまず行ってまいります。
 南部市場で事業をしている卸売業者等への対応の考え方ですが、市場の再編、機能強化に伴い、本場に移転する事業者や南部市場跡地に残り事業展開を計る事業者に対しては、市としてどのような支援ができるのか、長年南部市場でがんばってこられたみなさまのご要望も伺いながら、ていねいに対応してまいります。
 以上、あらき議員のご質問にご答弁申し上げました。

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