議会での質問(詳細)

2012年10月4日

■「港湾局」 あらき由美子議員(2012.10.04)

輸出の3割を超える自動車関係の輸出量が減少

あらき議員:では、共産党を代表して質問いたします。
 まず、事業拡張とか新規事業に着手する場合、その必要性については客観的なデータとか社会情勢などを反映させて、それを根拠に判断すると考えるんですけど、局長、見解どうですか。

中島港湾局長:ご指摘のとおり、需要を十分に見極めた上で、適切な行使等考えてございます。

あらき議員:じゃあ、その判断がいいのかどうかという点で、ちょっとお聞きしていきたいんですけれども、まず南本牧ふ頭のMC―4の必要性なんです。南本牧ふ頭に新たに建設しようとしているMC―4の必要性について説明して下さい。

中島港湾局長:世界的にもコンテナ船の大型化が急速に進行してございまして、今後も超大型船が北米とか欧州とかそういった基幹航路を中心に投入されてまいります。そのような中で、横浜港が基幹航路を維持拡大していくためには、超大型船を中心とした2隻同時着岸など柔軟かつ効果的な運用を図るため、MC―4をMC―3と連続したバースとして早急に整備をしていくことが必要だと考えてございます。

あらき議員:頂いた資料だと、岸壁が混雑して用地が不足するっていう観点も書いてあったんですけども、では2011年のコンテナ輸出貨物上位3品種の貨物量と前年比について伺います。

中島港湾局長:第1位は自動車部品でございまして539万トン、前年比18.1%の減、第2位は産業機械でございまして204万トン、前年比で6.5%の減、第3位は完成自動車でございまして188万トン、前年比では34.3%の増となってございます。ご存知のとおり23年は東日本大震災の影響を大きく受けまして、特に輸出は全体的に減少する傾向となったところでございます。

あらき議員:いまお答えいただいたように、その輸出品目の中では自動車関係が構成比として占めていると思うんですね。2011年度の自動車部品で25.5%、完成自動車8.9%で34.1%を占めていました。
 次に、2011年の上位2か国、1位は中国、2位はアメリカでした。ここの多い輸出品目とその貨物量、前年比についてどうなっているか、お答えください。

中島港湾局長:まず、中国でございますけど、ここは品目で申し上げますと再利用資材でございまして118万トン、前年比で3.63%の減でございます。また、アメリカ合衆国につきましては、自動車部品でございまして54万トン、前年比で5.8%の減となってございます。

あらき議員:そうすると、輸出の自動車関係でいうと、先ほど全体量も減っているという傾向があって、前年比回復基調だとおっしゃっているんですけど、まず、この点、本当に回復しているって読めるんでしょうか。この点はどうですか。

中島港湾局長:先ほどの委員にもお答えいたしましたけど、まだ回復基調とまでは言い切れないというふうに考えてございますけど、徐々に明るい兆しは見えてきているというふうに思っております。

あらき議員:その明るい兆しって、何を根拠におっしゃっているんです。

中島港湾局長:先ほど委員おっしゃられましたように、自動車部品の伸びが今年の上半期10%以上になっていることとか、それから先ほど申し上げましたように横浜港の特徴であるトランシップ、 これが複数の船会社において再開をしたと、そういったところから、明るい兆しというふうにお答えいたしたところでございます。

あらき議員:そういう点で非常に苦しい状況だなと思うんですね。
 2012年の上半期のコンテナ輸出貨物上位3か国の貨物量と前年同期でどうなっているか、伺います。

中島港湾局長: 第1位は中国で、前年比で9.4%の減、第2位がタイでございまして、前年比で7.4%の増、第3位はアメリカ合衆国で73万トン、前年比で15.1%の減というようなかたちになってございます。非常に回復のテンポが遅いのは事実でございますけど、わが国経済の立ち直りとともに営業拡張に転換してくれるんではないかというふうに考えております。

あらき議員:いまのお答えは期待しているような答えしかみえてこないんですね。
 ここまでお答えいただいた現状からいえることは、大型コンテナ船が多く投入されている北米航路、この相手国であるアメリカの輸出量が大きく減っていること。いまの上半期でも15.1%の減だということでしたから、また今年度もそういう状況で回復はしつつあるけれどもと苦しいお答えでした。こういう数字を見る限り、岸壁の混雑や用地が不足しているとは考えにくいんですけど、どうでしょうか。

中島港湾局長:先ほど申し上げましたように、船が大型化しているっていうこともございまして、やはり大型を要する岸壁についてはかなり込んでいる状況というのがございます。また、用地につきましても、本牧ふ頭中心に十分に確保できていないと、さらに土地を借り受けたいという地主さんが数多くいらっしゃいます。

大型コンテナ船は本当に横浜に寄港するのか

あらき議員:では、船の大型化ということについても伺います。先ほど答えていただいたコンテナ輸出貨物の主要国である中国・アメリカなど、寄港が見込まれる中国航路・北米航路・東南アジア航路で、MC―4クラスの大水深の岸壁を必要とする10万トン以上のフルコンテナ船、2009年から2011年の3か年でどれだけ入港したか教えてください。

中島港湾局長:日中航路とか東南アジア航路は、一部を除きまして1万トン前後の比較的小ぶりの船でサービスされておりますので、こちらには実績はございません。一方、北米航路についても指標がなかなか難しいんでございますけど、たとえば10万トンというような大きなくくりでとらえますと、21年に11隻を記録したということが残ってございます。ただ、北米航路の別の統計ですけど、中心的な航路でございます北米西南いくつかの航路で構成されておりますけれども、そちらの統計をみていきますと、横浜港に寄港した船舶の平均トン数ですね、これが5年前の平成18年だと4万6000トンであったものに対しまして、23年は6万2000トンというかたちで急速に大型化しております
 また、先ほどもお答えいたしましたけど、ここ2年間で100隻以上のいわゆる超大型船が順次竣功してまいります。

あらき議員:確かに大型船作られているのは知っているんです。だけど、じゃあ本当に寄港するのかっていう、そこが一番私は問題だと思うんです。輸出の多い中国やタイは、大きな船は持っていません。いまお話いただいたとおりです。さらには北米航路を使用するアメリカ向け輸出量は減っている現状からみて、大型コンテナ船が横浜港に寄港する見通しは、今の現在私たちが見ている資料のなかでは見えないんですけど、どうですか。

中島港湾局長:アメリカ合衆国そのものは我が国にとりましては中国に次ぐ第2の貿易相手国でございますので、ボリューム自体は、経済の回復とともに当然あるということが見込まれます。北米航路ですけど、これは日本とアメリカだけを結ぶ航路ではなくて、アメリカと日本とアジア、大きく言えばアメリカとアジアを結ぶ航路でございますので、そこの貨物ボリュームっていうのは世界で一番多いボリュームということなので、確実に北米往路については大型化が進むということがいえると思います。先生おっしゃるように、仮に大型化するコンテナ船を横浜港で受け入れないということになれば、通過されて、中国ですとか韓国から小型の船でフィーダーサービスを受けざるを得ない、そういった事態になるというふうに懸念をしているところでございます。

横浜港にも大型コンテナ船が来るという読みがあたるか?

あらき議員:私もその背景調べたんです。大型船を所有しているマースクラインの最高執行責任者モルテン・エンゲルストウト氏は、新聞の取材でこう述べています。「超大型船はどの地域に就航させるのか」との問いに、「アジア・欧州航路に投入することは決めている。すでに中国の複数の港には声をかけている。今後は香港・マレーシア・シンガポールにも話をもっていく」と答え、横浜港は入っておりませんでした。
 さらに「神戸や東京、横浜は世界でも有数の港湾だった。首位の座は中国など新興国に取って代わられだが、日本の港湾に対する印象はありますか」の問いに、「港湾の大きさはビジネスに比例する。日本市場が大きな市場で、我々にとって重要だとしても、成長は中国にはかなわない。中国の港湾と大きさを競う必要性を私は感じないし、むしろ効率性を高めていくことに注力したほうがいい」といっていました。この記事、局長読まれたと思いますけど、所感を伺います。

中島港湾局長:いまのCOO(最高執行責任者)の方ですけど、私もお会いしてお話しをしたことがございます。まず、超大型船というのは、運賃の水準が高い、しかも貨物があるアジアと欧州にまず投入されます。いまCOOの方もおっしゃられたのは、世界最大となる1万8000個積みの船のことだと思います。ただ、そのクラスの1万4000個、1万2000個という船については、順次北米航路に投入されてくるというふうに聞いてございます。それから、効率性を高めた方がいいということにつきましては、まさにそのとおりでございまして、横浜港の売りのひとつがプロダクトビジティーというふうにいってますけど、コンテナの荷卸しが非常に短時間で効率的にしかも確実にできると、そこが非常に大きな売りでありますし、いまおっしゃられたマースクラインからも高い評価を受けておるところでございます。

あらき議員:だから、大型船はそんなにこっちに多く来る可能性としては、確かに寄るかもしれない、だけどいまでも私は間に合っていると思うんですね。エバーグリーン総裁、張栄発氏は新聞の取材で同じように、「コンテナ船の大型化が急速に進んでいることについて、マースクラインに『アジアの若僧が冒険をしている』と揶揄されたが、今は逆。マースクが1万個を超すような大型コンテナ船を次々と造っている。これは異常な事態だ。景気の読みをはずすと大赤字になってしまう。1万個を超えるような船をエバーは造るつもりはない」。この記事もご存じだと思います。所感を伺います。

中島港湾局長:エバーグリーン、台湾の船会社でございますけど、かつては時代の寵児としてかなり勢力的に貨物を伸ばしてきているというところでございます。ただ、いわゆる昨今は、海運というよりは航空とかそういった幅広いビジネスをやられている船会社かなというふうに認識をしてございます。いずれにしても、運賃の競争力を確保するためには、やはり大きな船で、しかも油の燃焼効率がいい船で運びませんと、船会社も利益が出ませんので、そういう意味では大型船あるいは新しい船への代替ていうのは一定程度進むものだと考えてございます。

あらき議員:その読みがあたるかどうかということ、非常に心配しています。

生産拠点を海外移転する自動車産業をあてにするのか

 日本国内の主要5港のうち、先ほど横浜港だけが前年度と比較して貨物量が落ち込んでいる、まあ若干名古屋も回復しているようでしたけれども、これ4年前の推移でみるともっと比較としては幅が大きいんです。名古屋港が260万から247万トン、横浜港は320万トンから280万トンと、この2港だけが減っていました。その要因について局長どういうふうに考えていらっしゃいます。

中島港湾局長:平成21年の実績ということだと思いますけど、ここは先生ご存知のとおりリーマンショックということで、特に北米向けが強い、それから輸出が強い港が大きなダメージを受けたということでございます。

あらき議員:輸出の主要に注目して先ほどからずっと調べていったんですけど、結局どちらに共通するのも輸出の主要品目が自動車だと思うんです。そこで調べました。 日産自動車は7月から主力生産拠点追浜工場の生産ライン2本のうち1本を停止し、国内の車両生産能力を15%、年間約20万台削減する。愛知県に主要工場を持つトヨタ自動車も、国内生産能力を2014年にも10%削減するという方針がありました。これは、国内での生産輸出から海外生産・現地販売へシフトすること。当然部品メーカーも足並みをそろえます。こういう背景が貨物量の減に影響していると考えられますが、局長どうですか。

中島港湾局長:特に自動車メーカーが海外に生産拠点を移転させているということは事実でございまして、非常に私どもにとっても懸念の材料ではございます。ただ、自動車の部品については、ご存じのとおりすごい数の部品で構成されておりますので、すべてが現地で調達するっていうのはまず不可能だろうし、たとえば大きな話でいいますとタイヤ、これについてもほとんど日本から輸出しているという現状がございますので、影響はあるもののやはり自動車関連の部品の需要はそれなりにあるというふうに考えてございます。

大型港湾整備はもう少し慎重に考えるべき

あらき議員:それなりにあるというお答えで、これでMC-4を着手するっていう方向性を出すこと自体、私は非常に危険な考えだと思うんですよ。さっそく横浜市は国際コンテナ戦略港湾の国際競争力強化に向けた重点的な施策展開、国土交通省あてに南本牧MC-4コンテナターミナルの新規事業化ということで要望は出されております。副市長、私は今の時点でとどまるべき、もう少し慎重に考えるべきだと思っています。どうですか。

鈴木伸哉副市長:いろいろやはりいまおかれている状況、厳しい部分があると思いますけれども、ただ、だからといってじゃあ何もしないのかということではなくて、逆にこういう状況だからこそしっかり成長につながるような手を打っていくということが、やはり横浜の経済の発展につながっていくということだと思っております。従いまして、そういう視点で考えた時に、MC-4、これもやはりいまの世界の超大型船化とかそういうような流れの中で、少なくともそこの部分についてはしっかりと対応していかないといけないのではないかなというふうに考えています。

あらき議員:これからMC-3が始まるわけですよ。そこから考えてこの先必要かどうかは判断できると思います。どうですか、もう一回お願いします。

鈴木伸哉副市長: 先ほど申し上げました大型船化がどんどんどんどん進んでいくというなかでは、MC-3とMC-4、これを一体で運用していくということが必要であるというふうに考えています。

あらき議員:終わります。

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