議会での質問(詳細)

2012年10月11日

■「建築局」 岩崎ひろし議員(2012.10.11)

木造住宅の耐震改修の予算を増やしてしっかり対応を

岩崎議員:おはようございます。よろしくお願いします。
 まず、木造住宅の耐震改修について伺います。防災計画の目標は、人命被害も含めて被害を出さない地域・社会の実現です。命を守る立場から耐震改修事業の意義について、局長に伺います。

坂和建築局長:建築局です。おはようございます。本日、一生懸命答弁いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 防災・減災の視点からの住宅の耐震補強の意義でございますが、平成7年に発生いたしました阪神淡路大震災では、住宅の倒壊が原因で多くの人命が失われました。特に、昭和56年5月以前に建築申請を受けて建築されたいわゆる旧耐震基準の建築物に被害が大きかったことが明らかになっています。このことを見ましても住宅の倒壊による人命被害を少しでも減少させるため、住宅の耐震補強を進めることが極めて大切だと認識しております。

岩崎議員:過去5年間の耐震補強の実績及び制度改善の経過について、担当部長に伺います。

二宮指導部長:木造住宅の耐震改修事業の申請実績といたしまして、19年度が172件、20年度が211件、21年度が167件、22年度が170件、23年度が505件となっております。今年度は、9月末現在で既に404件のお申し込みをいただいております。
これまでの制度改善といたしましては、18年に申請者の負担軽減や審査の迅速化を目的として、必要書類の削減等の改善を実施しております。また、東日本大震災を受け23年度予算の補正によりまして、改修工事費の限度額を75万円増額しております。

岩崎議員:改善努力は、評価できます。12年度の申し込みが現時点で既に当初予算を超え、さらに増えると思われます。増額補正等で対応すべきですが、局長に伺います。

坂和建築局長:予定件数が超えることが想定されていますので、その場合には財政局と調整の上で対応をしっかりと進めたいと考えております。

岩崎議員:減災の計画期間は5~10年となっています。耐震改修を大規模に進める必要があります。旧耐震基準で建てられた住宅のうち、築40年未満は何戸になりますか。担当部長に伺います。

二宮指導部長:平成20年住宅土地統計調査によりますと、旧耐震基準で建てられた木造戸建住宅で築40年未満の戸数は、約8万7000戸となっております。

岩崎議員:8万7000戸ということですが、そうしますと改修の対象はそのうちおよそ半分程度になるんじゃないかと思います。4万から5万ということになります。来年以降、予算規模を10倍近く引き上げることが必要です。また、執行体制等の増強も必要です。局長の決意を伺います。

坂和建築局長:局としても、財源、体制の確保にしっかりと努めていく所存でございます。

岩崎議員:住宅の改修には、多数の技能者を必要とします。しかし現状は、市が補助している「職訓校」でも受講者が集められず深刻です。支援が必要と思いますが、局長の考えを伺います。

坂和建築局長:建築についての学びの場への支援も、技術者の養成には大変重要だと考えております。一方で、訓練生が減少している現状を考えますと、技術者が活躍できる場を作っていくことも重要であると考えています。当局では、戸建住宅の分野としては、木造住宅耐震改修の他、脱温暖化モデル住宅やキャスビー戸建推進等を行っています。これらの防災や環境に関する事業を通じて、設計から施工まで建築に携わる技術者が活躍できるよう、建築施策を進めていきたいと考えております。

境界越境、違法な擁壁、崖崩れなど建築行為に伴う近隣被害

岩崎議員:次に、建売住宅等の建築行為に伴う近隣被害について伺います。先に当局と現場を確認しています。3つの事例の状況と市の対応について、担当部長に伺います。

平野建築審査部長:3件ございまして、まず戸塚区名瀬町の件につきましては、昨年の9月の工事中から隣地への越境についての陳情がありました。明らかに越境している部分につきましては、敷地内に收めるよう、指導を行いました。
 続きまして、戸塚区汲沢の件でございますが、今年6月から工作物確認が必要のない工事規模で実施するとの相談を受けていましたが、近隣住民からの通報によりまして、今年の8月6日に現地調査をしたところ、工作物確認が必要な高さの擁壁が築造されていました。そこで、擁壁に接する背面の土を削り、高さを抑えることで是正指導を行っております。
 3件目の南区大岡の件でございますが、平成22年11月建築工事中に崖崩れが起きた物件でございまして、現在事業者が是正計画書を基に工事を進めています。
 本市では適宜、工事現場の状況確認や事業者等への指導を行ってまいります。

岩崎議員:ちょっと、現場の状況です。
 (写真1)まず、第一現場ですが、このブロックのセンターが境界線です。これは建物の隅です。こういうふうに境界線を超えています。こういう現場です。
 (写真2)それから、2.7メートルの違法な擁壁です、これは。この擁壁を利用して作ったかさ上げ地盤がこういう状態になります。(写真3)そうすると、向こう側が北側ですから、南側の日照が全部遮られます、建物が建つと。


 

(写真4)それから、これは崖崩れです。ここが造成されているわけです、今。既に崖崩れで1件家が取り壊しになっています。だから、この家は非常に大変です。こういう現場です。

 そういうことで、この3件の共通点は、ひとつは市を含む検査機関が工事を認めてやっているということですね。二つ目は、近隣住民が市に相談しても被害は解消していないということです。こうした事態について、局長の見解を伺います。

坂和建築局長:まず、違反とか安全上支障のある工事をするということについては、これは是正なりきちっとした指導をしなければならないと考えています。また、土地の境界の問題や隣地敷地の盛り土など適正に行われたものについては、これらの民事上の問題を含んでおり、建築基準法等の抵触がない場合には、当事者間が法律的な知識や話し合いの場を持ち合わせた上で、どこまで譲りあえるかということが解決のベースになると考えています。
 そのため、民事上の問題を含む建築及び開発に関わるご相談に対し、法律面でのご説明や本市法律相談への斡旋、さらには必要に応じた当該建築事業者への連絡調整など、引き続き適切な対応ができるよう取り組んでいかねばならないと考えています。

岩崎議員:基本的な対応方向はわかりましたけど、大岡と汲沢7丁目の2件は現在進行形です。住民の命の安全・安心がこのままだと損なわれます。対応を急ぐ必要があります。大岡の崖の上の住民は、「台風、大雨のたびに、家ごと転落する恐怖におびえている。今は、半ば諦めに似た心境です」と、こう言っています。
 当局の責務は、市民の命と財産を護ることです。違法状態を許してはなりません。この2件について、どのように被害を取り除くか、具体的にお答えください。

坂和建築局長:戸塚区汲沢の擁壁につきましては、現在是正が終了していますが、今後もこの状態が維持されるよう指導していくほか、より一層近隣に配慮した建築計画、まだ建築計画行われておりませんので、になるよう引き続き事業所に求めていきたいと考えています。
 また、いま崖崩れの南区大岡の件ですが、現在も工事中でありますが、崖崩れ部分の復旧対策工事は既に完了しています。また、工事中のその他の部分、崖崩れが起きた以外、その他の部分については、雨などにより崖が崩れないようなブルーシート等で養生が行われています。
 今後も本市としては適宜、近隣の住民のみなさまからのご相談に応じながら、事業者等への指導を行ってまいります。

岩崎議員:いまの答弁に対して、ちょっと問題あると思うんですけど。汲沢のやつですね、ここの土が削り取られて、つまり70センチ下げているんです。だけど、その後もまた雨が降って、元に戻っているわけです。だから、その瞬間でいえばこれ違法築造物というふうにみなさなきゃいけないと思うんだけど、どうですか。

坂和建築局長:私ども昨日の時点で確認したところですと、法面は芝張りなどで保護しなければ雨により土が流れてしまうので、それも維持しなきゃいけないんですが、75センチ、2メートル75のところを土を埋めてしまったので、それをとったわけですね。とったことは維持されているという認識でございます。

岩崎議員:現瞬間でいえば維持されていません。また戻っています。だから、その状態を違法と言わないかと聞いているんです。

坂和建築局長:2メートル75センチのところまで土が入っている状態ならば、違法ということで、是正をしたあとにまた戻したということならば、違法状態になったという認識でございます。

岩崎議員:大岡の件は、それで安全が確保できますか。命の安全、確保できますか。

坂和建築局長:大岡の崖崩れにつきましては、昨年崩れたあとに井桁で一時止めて、まだ残っている部分が確かにございます。そこも現時点では復旧対策工事は一応の対策はしているということなんですが、まだ工事中でございますので、その工事中についてきちっと指導していくということが必要だと思っています。

岩崎議員:工事中だから余計まずいんですよ。この写真見てくださいよ、これ。この作った擁壁の下から崩れているんですよ。ここに空洞ができるっていうことなんですよ。だから、この擁壁、仮に作りましたけどね、これは全然効果ないですよ、このままだったら。だからそのことを言っているんです。どうしても命、守らなきゃだめですよ。どうします。

坂和建築局長:私も梅雨前に現地、大岡と堀之内、同じようなことがありましたので、行かせていただきまして、道も狭くて、非常に崖地も激しい中で、工事を進めているということで、ここも井桁で組んだところがあって、そこはしっかりできているという認識しています。その下のいま工事中のところについて、土が落ちているということですので、再度また指導させていただきたいと思います。

建築行為に伴う近隣被害に対応するため各区に建築相談窓口の設置を

岩崎議員:しっかりお願いします。いまの建築局の所管の法律で対応するのは非常に難しい問題だと思うんですよね。だから、その点はわかるんですけど、こういうような事例は市内各地で発生しているわけです。ですから、これはまちづくりの大きな課題だと思うんですよね。そういう点で、全市的にみて今後どう対応されるか、答弁お願いします。

坂和建築局長:建築や開発に関しては、実は多くのトラブルというか問題があります。たとえば、建築物による日照や圧迫感、プライバシー、さらに眺望ですね。また、工事中の騒音とか、そういう問題もございます。また、境界や私道の使用についてのある意味では民事上の紛争もございます。こういうような多様な問題、また崖崩れの問題もございます。違反建築物の問題もございます。こういう問題も発生していまして、その対応はやはり市民生活にとって重要な問題だと認識しております。
 そのために、まずは相談体制ということで、いま区役所やハウスクエア横浜で専門の弁護士、民事問題も含めてということですが、弁護士による法律相談のほか、建築局へご相談が寄せられた場合、それは法律的に違うよとかそういうことではなくて、関連法規や事例のご説明とともに、必要に応じて事業者への連絡等の対応を進めております。
 さらには、もっと大きな問題、市ということですと、紛争の未然防止や円満解決の観点から、これは横浜市独自というかあれなんですが、中高層建築物指導要綱ですね、いま中高層建築物等に係る専門家助言制度というのを、その部分に本年4月からスタートさせました。また、開発事業の調整等に関する条例の充実に向けて、現在取り組んでおります。

岩崎議員:いま、丁寧にお答えいただいたんで、ぜひがんばってやってほしいんですけど。
そうはいっても今回の場合でいうと、相談してもあてにならないわけですよ。結果、取り除かれないわけですから。だから、こうした問題に対して、各区に建築相談窓口を設置するなど、総合的にできる体制整備が必要だと思うんですけど、この点の局長のお考え、どうですか。
坂和建築局長:以前は確かに各区に建築課があって、私もいましたが、ご相談承ったこともございます。ただ現在、こういう相談について、私ども職員いま500人ばかりいますが、一人ひとりが建築の専門家として意識を持って対応するよう、OJTとか研修を通じて法律知識も含めて人材育成を行っています。具体的には、建築関連法規に関する研修はもちろんのこと、民法の相隣関係、民事の紛争を想定した研修のほか、相談者の立場を理解した対応、応対についても、OJTにより取り組んでいます。これらを通じて、職員の知識や対応力を向上させ、区役所に当時いたと同等くらい、同等以上の対応をしていきたいと考えております。
岩崎議員:終わります。

(注)キャスビー:CASBEE、建築環境総合性能評価システム。建築物の環境性能で評価し格付けする手法。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステム。((財)建築環境・省エネルギー機構HPより)
OJT:On-the-Job Training。業などでの社員の教育・訓練法の一つで、現場で上司や先輩が指導役となり、実際の業務を行う中で必要な知識や技能を身につけさせていく方式。新人教育の最終段階などで行われることが多い。(IT用語辞典、e-Wardsより)

  • 2017年 市民要望アンケート

新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP