議会での質問・討論(詳細)
2012年10月11日

■「道路局」 岩崎ひろし議員(2012.10.11)

計画から55年の国道1号不動坂交差点改良事業を真剣に進めよ

岩崎議員:よろしくお願いします。
 道路費における選択と集中のあり方について、質問します。まず、戸塚区の国道1号線不動坂交差点改良事業の計画時期と経過および現状について建設部長に伺います。

新倉建設部長:国道1号線不動坂交差点の拡幅計画は、昭和32年に都市計画決定をしており、平成9年に拡幅事業を開始しています。その後、19年に地下式の立体交差から平面拡幅による改良に事業計画を変更し、現在の計画となっています。23年度末の進捗率は、用地取得率が33%、事業進捗率は44%です。現在は、用地取得を進めるとともに、戸塚駅方面に向かうバスレーンの設置などの拡幅工事に着手しています。

岩崎議員:計画から55年経っているということです。経っていながら、交差点の形状も渋滞状況も何ら変わっていません。なぜこういう状況なのか、局長に伺います。

友田道路局長:平成9年の事業開始以来、用地取得を進めておりますが、ご案内のとおり現道を拡幅するため、国道1号沿いという環境から事業所が多く、移転の交渉に時間を要しているためでございます。

岩崎議員:計画は55年前です。だから、いまのは事業開始からっていうふうに言ってますから、これ説明になっていないと思うんです。要するに、予算がないということと、位置付けが低いっていうことですよ、これは。環状2号などは一気にやっているじゃないですか。この不動坂、完成はいつなのか、期日ではっきり答えてください。

友田道路局長:早期整備効果が発現できるよう、交差点付近から先行して整備を進めておりますが、全体の完成時期につきましては今しばらく時間がかかってしまうということでございます。

岩崎議員:期日を明確にと、言っているんです。今しばらくってどれくらいですか。

友田道路局長:今、鋭意、用地買収を進めておりますので、明確な完成時期というのは現在の段階ではお答えできる状況ではございません。

岩崎議員:真剣にちょっとやっていただきたいと思うんですね。

橋の耐震化・維持管理費に毎年75~80億円

 次に、橋の耐震化について「重要橋梁は95%完了。残りの一般橋梁はこれから」と、市長答弁がありました。一般橋梁は、道路の機能上も災害対策上も重要橋梁と同じ重要性があります。何橋あり、いつからどのように対策するのか、局長に伺います。

友田道路局長:道路局が所管しております1700橋のうち、重要橋梁以外の、先生ご指摘の一般橋梁は1093橋ございます。このうち、対策が必要な橋梁の選定および優先順位などをどのようにするか、今年度検討しているところでありまして、25年度から対策工事を実施したいと考えております。

岩崎議員:それでは、今の長寿命化費用の総額と、毎年これから平均どれくらい必要なのか、この点、局長に伺います。
友田道路局長:橋梁につきましては長寿命化を図っていくということで検討を進めておりまして、長寿命化を行ったとしても今後50年間で約3700億円の維持管理費が必要と試算しております。これを単純に50年で割りますと、年間で言いますと約74億円予算が必要という計算になります。

岩崎議員:これから50年間、毎年75億から80億円が必要ということがわかりました。

高速道路事業費が一般道路事業費を大きく圧迫

 次に、横環北線と北西線は、完成までの必要額と毎年の平均事業費はどれくらいになりますか、担当理事に伺います。

藤田横浜環状道路担当理事:25年度以降の数字になりますが、北線につきましては首都高速道路株式会社が行う事業に対する出資金と関連街路の事業費をあわせまして、完成予定の28年度までに447億円でございます。年平均では112億円になります。
 北西線は、首都高速道路株式会社が施工する事業に対する出資金と本市施工の事業費、それから関連街路の事業費あわせまして、完成予定の33年度までに1314億円となります。年平均では146億円でございます。

岩崎議員:そうしますと、毎年これから250億円以上、必要ということがわかりました。
 それでは、これで説明します(グラフ)。このグラフは、道路関係の予算の過去5年分の状況を示しています。全体は、この一番山の高いところですが、4年前の710億円から592億円へと約120億円減っています。そして、維持管理費は横ばいです。維持管理費は青です。土木事務所などの予算等はここに入ってきます。一般道路の整備費は減り続けています。この緑色が一般道路の整備費です。半減です。これでは、不動坂なんかぜんぜんお金いきませんよ、これじゃあね。
 それから一方、高速道路ですけど、68億円から5年間で122億円までぽんと跳ね上がっています。だから、高速道路の費用が他を大きく圧迫しているっていうことが、これでよくわかると思うんです。
 それから、これは来年以降じゃあどうなるかというのを私が作ったグラフです。ここのところはほとんど変わりません。維持費ですね。高速道路が250億円は最低必要ですから、こうなります。そして、300億円の中に長寿命化の75億円を入れてあります。だから、これ全部足すと800億円を超えます。こういうことになるわけです。
 こんな予算、どこから持ってくるんですか。具体的に見通し、ちょっとはっきりさせてください、局長。

友田道路局長:私どもとしては、事業を行うにあたりましては、当然厳しい財政状況の中で選択と集中を図って、私どもとして必要な予算を確保していくということで、努めているところでございます。

岩崎議員:全然見通しはたっていませんよね。これは、引き続きやりますから。これくらいにしておきます。

10分2キロの短縮に2200億円をかけるのか

 先日、北西線のルートの東名青葉インターから第三京浜の港北インターまで、片側3車線(一部)の立派な既存道路を走ってみました。午前10時頃でしたけれども、約20分でした。時間で約10分、距離で2キロ弱を短縮するために、財政が厳しいといいながら、2200億円の費用をこれからかけるという必要があるのか、本当に疑問を持ちました。
 片側3車線の道路というのは大変重要な道路です。貴重な資源です、これは。工夫して活用すれば、北西線の建設とほぼ同じ効果があがると思うんですけど、真剣にこういう問題について検討したのかどうか、検討したとしたらどう検討していますか。局長に伺います。

友田道路局長:ご案内のとおり、高速道路と一般道路の役割はそれぞれ違ってきておりまして、高速道路につきましては、いま先生もお話ちょっとありましたけれども、速達性というのを非常に重要視している。さらに、広域性を重要視する。さらに、高速道路の場合は、大量の交通需要をそのなかでまかなうことができるということがございます。一方、一般道路は市域内の連絡、また沿道のアクセスということも当然重要な役割として担っているわけでございまして、高速道路の速達性とか交通需要をまかなうといったような機能を一般道路に負わせるということはなかなかできないというふうに考えてございます。

岩崎議員:聞いていることに答えてください。要するに、いまの既存道路を活用するということを検討したかどうかなんです。

友田道路局長:当初から、既存道路は既存道路の計画として進めているわけでございまして、今回北西線には横浜環状道路高速というものを、時間をかけて計画として積み上げて現在の計画になっているということでございます。既存道路につきましては既存道路としての役割がございますから、その中で当然それが高速道路の役割を担うということは考えてございません。

岩崎議員:これも引き続きやります。

災害緊急時に備え、もっと一般道路を大事にせよ

 次に、阪神淡路や3・11の被災現場、ここでの道路の被害状況および救命活動で道路が果たした役割について、局長に伺います。

友田道路局長:阪神淡路大震災では、道路の被害といたしましては、ご案内のとおり阪神高速道路の高架橋が倒壊するとともに、桁の落下もございました。そのほか、橋の落橋や地下鉄の駅が陥没したことによる幹線道路の被害とか、さらに建物の倒壊による道路の通行不能ということがございました。
 東日本では、耐震補強していない橋が一部被害を受けております。また、津波の影響によりまして、東北の沿岸部の橋が流出して、通行不能になったということがございますし、そのほかがれきが堆積して通行できないという道路があったということでございます。
 緊急車両がどう走ったのかということでございますが、道路啓開をしながらというかたちになるかと思うんですが、救急車両の場合は速やかに活動しなくちゃいけないということで、道路形態の中ではまずやらなくちゃいけないのは代替ルートを見つけるというのが道路計画の基本となっておりまして、そういったものをうまく活用しながら、厳しいなかでそういう消防・救急活動を行ったと聞いております。

岩崎議員:先ほど、高速道路と一般道路の役割は違うというふうに答弁されましたけど、そんなのは百も承知なんですけど。
 つまり、災害の時は急を要するわけですよ。その時に高速道路がどうのこうのって言ってられないわけです。だから、そこのところをはっきりさせて、こんな選択と集中というかたちで、いびつな集中をしちゃだめですよ。もっと一般道路を大事にしなきゃダメだと思うんです。この点は強く求めておきます。
 それから、予想交通量は、人口と経済指標を勘案して計算されます。また、今後この指標で計算すれば、交通量が大幅に減るのはもうはっきりしています。また、決算審査で、わが党は、横環の工事は市内企業がほとんど受注できないと、市内経済に役立たないということも明らかにしてきました。どういう角度から検証しても、選択と集中のあり方が間違っていると思います。「選択と集中」というのであれば、高速道路も大事ですけども、ぜひ一般道路をもっと大事にしてほしいということをお願いして、ぜひ発想の転換を求めて、質問を終わります。


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