議会での質問(詳細)

2013年2月26日

■「現年度議案反対討論」 白井まさ子議員(2013.02.26)

私は、日本共産党を代表して、4件の議案と8件の請願の不採択について反対の討論を行います。

福祉パスを有料化しないでの障害者の声に応えよ

はじめに、継続審査となっていた市第93号議案「横浜市福祉特別乗車券条例の制定」についてです。今まで無料だった福祉パスを有料化するものです。交付対象者を拡大するというプラスの要素とセットで有料化を持ち込んだことにより、障害者の中に、新たに対象となる人と有料化を我慢する人との分断が持ち込まれました。これまで本市が積み上げてきた障害福祉への大きな信頼を崩すこととなりました。
2月14日、関内駅前で寒さを押して、車椅子使用の方も加わって、市内10団体による福祉パスの有料化中止を求める行動が行われ、各会派への要請もありました。障害者は移動に制限、制約を受けているため無料での公共交通機関の利用が欠かせない、これまでどおり無料で使えるようにしてほしいとの強い訴えでした。障害に伴う支援は原則無料が当然です。
市民意見募集には自筆で有料化しないでほしいと書かれた切実な意見が多数寄せられたことは、異例のことです。局長は「重く受け止めます」と発言されましたが、障害がある方の負担を承知しての有料化です。私たち議員もその声にこたえるべきです。

平均倍率20倍!市営住宅跡地には市営住宅の建設を

次に、市第160号議案は、環境配慮型住宅及び持続可能な住宅地整備事業者選定委員会を設置する条例を制定するものです。
委員会が審議対象とする事業のうち、持続可能な住宅地モデルプロジェクトを実施する土地は緑区十日市場町の3.6haの市有地です。このプロジェクトは、超高齢化や環境に配慮した共同住宅などの施設整備をプロポーザル方式で民間事業者に委ねるものです。そもそもこの土地は、当初、戸建の市営住宅が建っていた場所で、その後、集合住宅に立て替えたことに伴って、その分、空きスペースが生じた土地です。しかし、ここに市営住宅は建設しません。
先日NHKで放映されたように、民間住宅には空き家があり、住宅は足りているといわれていますが、現在、市営住宅の平均倍率は20倍です。今でも需要を満たしてはいません。今後住宅のセーフティーネットの役割は高まることは当局も認めているところです。市営住宅としてふさわしいこの土地を他の目的に変更したことは問題です。

横浜総合高校は移転せずに利便性よい現在地で建て替えを

市第171号議案は、横浜市立学校条例の一部改正で、夜間定時制のある3部制の横浜総合高校の校舎が、耐震性が確保できないために、南区の住宅地にある旧大岡高校へ移転するものです。旧大岡高校の施設を改修して使用するもので、十分な広さのグラウンドがなく、プールもありません。住居が隣接し、苦情が子どもたちを悩ますことが大変心配です。
関内駅に近い現在地は、夜間の授業や部活の終了が22時近くになる生徒にとって、交通の便が良く、夜間の部活の照明や音が出ても周囲へ迷惑がかからず、利点があります。
横浜総合高校は、困難を抱えハンディーのある生徒も学んでおり、中途退学者を減らすことが目標の一つとされ、卒業生の4割が進路未定という状況があります。このような状況の生徒にこそ、学ぶ喜びを感じて社会に飛びたてるよう、あらゆるサポートが必要です。若者を使い捨てにするブラック企業がはびこる中で、この学校で求められているのは、生徒に伴走し就職先の開拓も行う就職支援員などのスタッフの配置と合わせて、職業訓練や資格取得もできる十分な施設整備です。
通学しやすい現在地で、高層の校舎に建て替え、グラウンドを確保するという選択肢もある中で、施設整備のコスト面を優先した移転には賛成できません。

道路費は高速道路偏重やめて生活密着の住民要望優先に

市第181号議案は補正予算案で、総額367億円の事業のうち、道路費が134億円で、64億円が高速道路関連費です。
今回、国の補正予算を活用するというものですが、現在進められている高速横浜環状北線の工事は首都高が実施する事業であり、地元企業の参入はありません。いくら高速道路の工事を増やし、年度当初から切れ目なく事業を実施しても、市内経済活性化への直接的寄与は望めるはずもありません。
私の地元、港北区の新横浜駅篠原口の階段のある地下道は、長年にわたるバリアフリ―化を求める声により、やっとエレベーター設置の事業化が決定されました。地域のみなさんが担当者から聞いていたのは、2013年度に1億円規模で1機設置し、14年度に1億円規模で反対側に2機目を設置する計画だということで、着工を待ちわびていましたが、13年度予算では十分な予算が確保されておらず、計画に遅れが生じるといわれています。理由を聞いてみると、笹子トンネル事故を受けて、市内のトンネルや橋脚の点検維持管理の優先順位が高まったことによるということですが、同じ橋梁課が所管する地下道のエレベーター設置は、それに伴って優先順位が下がってしまいました。
トンネルや橋脚の点検維持管理の優先順位が高まったのは当然ですが、そもそも財源に限りがあるのは、生活密着事業に使う部分が、高速道路に使われているためです。補正予算と13年度予算において高速道路費の伸び率が前年度より高く、道路費が高速道路整備に偏重しているために、生活密着の住民要望が後まわしとなりました。
高速道路整備関連に偏重した補正予算は認められません。

必要なのは新たな大水深バースではなくアジア重点の港湾政策

続いて、南本牧ふ頭MC-3の整備費補正についてです。
MC-3の整備理由は、その根拠を失うばかりです。
まず、横浜港の外国貿易コンテナの取り扱い数が、リーマンショック、東日本大震災による大きな落ち込みから回復していないことです。過去最高時は、2008年の320万TEUで、2011年には280万TEUまで減少し、2012年も11月までの集計では250万TEUで、同時期前年度比98%と回復基調となっていません。現状では既存施設で足りており、新たな岸壁を急いでつくる必要はありません。
横浜港でのコンテナ数の今後の見通しについても、不安材料ばかりです。生産拠点の海外移転は避けようがなく、部品、材料の現地調達割合も高まるばかりです。自動車関係が輸出の1/3を占める横浜港はそのあおりをもろにかぶることになります。
当局は、コンテナ船が大型化し、大水深の岸壁を用意しないと、横浜港は基幹航路から外れてしまうと主張しています。日本郵船調査グループの2011年度版「世界のコンテナ船隊および就航状況」によると、2011年8月末時点で1万TEU以上の超大型コンテナ船の就航隻数は101です。今後も次々と建造、就航と見ています。しかし、この超大型船は欧州航路にしか投入されていません。横浜港への欧州航路の寄港数は月間4隻だけです。横浜港は同航路の最終港・出発港であり、入出港時にコンテナ満載とはなりません。そのために、欧州航路の超大型船化の影響を横浜港は受けることはなく、既存の16メートル大水深バースMC-1、2で十分間に合うことになります。
そうすると問題は北米航路の大型船化です。
日本郵船によると、北米航路は、フランス・スイスの船社連合の9666TEU型2隻が最大の船型であり、欧州航路より大型船化では一周遅れとなっています。当局は、玉突きで欧州航路から北米航路に超大型船が就航すると見立てていますが、その時期については明言していません。北米航路では、接岸不可能を理由にして船会社が寄港をやめることは、当面はありえないことです。
輸出コンテナ数の6%しか占めていない米国との貿易のために、北米航路の超大型船化に対応するとして、巨費を投じて大水深バース整備を急ぐことではないはずです。
既存施設の耐震化、設備更新など着実に行い、中国、韓国、東南アジアとの交易に重点をおいた港湾政策、その前提となる新たな産業政策が今こそ求められています。

すべての労働者につながる公務員給与の引き下げはやめよ

また、補正予算には、職員給与の引き下げによる人件費削減分が含まれます。地方公務員の賃下げはすべての労働者の賃下げにつながります。今、長期にわたって国民の所得が減少し、消費が落ち込み、そのために経済が悪化する深刻なデフレが日本経済の大問題になっています。「デフレ脱却」が景気対策の最重要課題であり、その決め手は働く人の所得を増やして消費を回復させることだということは、政治的立場の違いを超えた常識です。わが党の国会質問で中小企業への大規模な支援とセットで最低賃金の大幅引き上げを求めたのに対し、安倍首相が「重要な指摘であり、研究しなければならない」と答弁され、麻生財務大臣は「大変参考になった」と共感されました。デフレ打開のためには賃上げが必要という点については政府も否定はできません。
賃金の負のスパイラルを招き、デフレ脱却に逆行することになる賃下げは賛同できません。

学校跡地の活用は地域住民の合意を前提に

請願第22号、23号、24号、25号、26号、27号、28号、33号の不採択についてです。これらの請願は、旧霧が丘第一小学校跡地の売却について見直しを求め、地域住民との地域まちづくりの協議開始を求めて、この小学校跡地に隣接している6丁目を中心とする地元住民の皆さんから出されているものです。
旧霧が丘第一小学校跡地を民間事業者に売却するということについて、事前に住民との協議が全くなされず、一方的な決定は受け入れがたいこと、地域防災拠点や地域交流拠点として存続することを地域住民は考えており、「地域のまちづくり」という観点での協議を希望しています。そもそも、学校跡地が公共用地である以上、公共性、公益性という視点から、地域住民との合意を前提に協議を進めるべきです。請願の趣旨について賛同し、採択を主張して討論を終わります。

  • 2017年 市民要望アンケート

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