議会での質問(詳細)

2013年2月26日

■「予算代表質問」 大貫憲夫議員(2013.02.26)

◎実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

市長は生活保護基準の引き下げから市民を守る立場に立つか

大貫議員:私は、日本共産党を代表して林市長に質問します。
第一は、安倍政権の政策に対する評価についてです。安倍政権の打ち出した「緊急経済対策」は、本市をはじめ地方自治体の政策や景気に大きくかかわり、市長が政府の「緊急経済対策」をどのように評価するかは市政運営上の重要な問題です。
現在、我が国を覆っているもっとも深刻な問題は、長期にわたって国民の所得が減り続け、経済が停滞・後退していることです。安倍政権は物価を2%引き上げ、企業の景気を良くすることで企業の業績が回復すれば、いずれ賃金は上がり、デフレ不況から抜け出すとしています。これは、既に破綻した古いトリクルダウン経済の考えそのものであり、賃金が上がらずに生活物価だけが上がるという、デフレよりもたちの悪い最悪な状況になることが危惧されています。市長は安倍政権のデフレ対策で景気は良くなると考えていられるのか、うかがいます。
同時に、政府は民間給与に大きな影響を持つ地方公務員の賃金引下げを地方自治体に押し付けるとともに、生活保護基準を引き下げようとしています。これでは、景気が良くなるはずがありません。生活保護基準の引き下げは最低賃金に影響するだけでなく、市民生活にかかわり就学援助をはじめ、住民税の非課税限度額、保育料や国民健康保険料の減免など市民の暮らしを支える様々な制度に影響をおよぼす重大な問題です。国の指導に従って国保の減免制度などを利用しながら、生活保護を受けずに頑張っている市民の方も大勢います。市長は、生活保護基準の引き下げによる市民への影響をどのように認識されているのか、また、基準引き下げで苦しむ市民を守る立場に立つのか、それとも何も手立てを取らず看過するつもりなのか、明確にお答えください。同時に、市民生活を守る立場から生活保護基準引き下げ反対の立場を明確にし、政府にその撤回を求めるべきと考えますが、見解をうかがいます。

林市長:大貫議員のご質問にお答え申し上げます。
政治姿勢についてご質問いただきました。今回の国のデフレ対策の景気回復への効果についての考えですが、経済の動きは消費者や経営者等の心理的な側面や、国際経済の動向にも大きく影響されます。現時点でその効果を予測することは難しいと思いますが、日本経済再生のためには、金融の緩和や財政出動とともに、実効性の高い成長戦略を描き、それを力強いリーダーシップで進めていくことは重要だと考えます。  これらが効果を発揮し、景気の回復につながることを期待しています。
生活保護基準引き下げによる市民のみなさまへの影響ですが、本市で実施している事業において生活保護の基準額などを支給や減免の判断に用いているものがあります。例として、就学援助の認定、市税の減免、国民健康保険の一分自己負担金の減免および保育料の免除などがありますが、具体的な影響については国から示される制度設計を踏まえて把握することが必要と考えます。
影響への対策についてですが、厚生労働大臣は基準の見直しに伴う他の制度への影響についてはそれぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できるかぎりその影響が及ばないように対応することを基本的な考え方とする、また、地方自治体で独自に実施している事業についてはこの趣旨を理解した上で各自治体において判断していただくよう依頼すると発言しています。本市としても、厚生労働大臣が示したこの基本的考え方に沿って、今後検討していきます。
生活保護基準の引き下げについて、政府に撤回を求めるべきとのことですが、今回の基準の見直しについては、国の社会保障審議会による検証結果や物価動向など客観的なデータに基づき見直しを行ったものと認識しております。また、国においては、生活保護基準の見直しとともに、実効性の就労自立給付金の創設など生活保護受給者の自立の促進や、生活困窮者に対する新たな支援策の検討も同時に進めています。生活保護の基準については、低所得世帯全体の消費動向等を踏まえ、適宜適切に見直していくことが必要であると考えます。

高速横浜環状北線工事での市内企業の受注額はたった0.6%

大貫議員:次に、横浜市の成長戦略について伺います。
市長はかねがね、経済の活性化による税収増を果たし、子育て、福祉、医療など喫緊の課題に向き合うとされています。そのためにはまず経済成長戦略だとして、新年度予算案においても、子育て、福祉、医療などの市民生活予算よりも、政府の国土強靭化政策を取り込んだ高速横浜環状北西線整備や南本牧大水深コンテナ埠頭整備などの大型公共事業を優先させる選択と集中を行っています。これらの大型公共事業の市内への経済波及効果は微々たるものです。現在行われている高速横浜環状北線工事での市内企業の工事受注額はたったの0.6%に過ぎません。これでは本市の景気はよくなりません。市長は何をもってこれらの大型公共事業が本市経済の活性化に結びつくと考えているのか、うかがいます。
本市経済の活性化と持続的発展のためには発想を転換し、本市の財産である370万人の市民に着目することが必要です。本市が他の政令市と比べて税収が安定しているのは、370万人という他の政令市を圧倒する人口を持っているからです。本市の経済活性化にとって求められるのは、本市の強みであるスケールメリットを活かして経済の内発的発展を進め、市内中小企業と市民の家計を応援し、福祉・くらしに関わる産業を発展させ、雇用を産み出すことです。また、人口減少、少子・高齢化が進むなか、将来への投資として子育てや教育に優先的に予算をつけ、女性の社会進出を促して、生産年齢人口を定着させることが「横浜らしい成長戦略」の基本と考えます。市長の見解を求めると同時に、本市の成長戦略に関わって発想の転換を強く求めます。

林市長:横浜市の成長戦略について、ご質問頂きました。
大型公共事業についてですが、横浜環状道路や国際コンテナ戦略港湾などの整備については、市民生活や様々な企業活動、港を中心とする物流拠点などあらゆる経済活動を支える、まさに都市の基盤となるものです。市内経済の活性化やさらなる成長に向けた将来への投資として、引き続き重要な役割を担っていくものと考えています。
生産年齢人口を定着させる横浜らしい成長戦略についてですが、子育て支援や教育環境の充実、女性が活躍できるための環境整備に取り組むとともに、都市の魅力や価値をさらに高め、より多くの若者や子育て世代に横浜に住みたい住み続けたいと思っていただけるようなまちづくりを展開していきます。

(第二質問)
大貫議員:お答え、ありがとうございました。
市長は、大型公共工事に関わる経済波及効果についてですけども、私は北線の工事で0.6%しか市内企業が受注していないと、この問題を取り上げました。中小企業振興基本条例の立場から、現実にこれだけ少ない工事の受注、これを考えた時に、市長はどう考えるのか、再質問します。以上です。

林市長:大貫議員のご質問にお答え申し上げます。
横浜環状道路など国等が発注する工事の市内企業の受注につきましては、本市の要請に応えるかたちで、すでに国等の機関での発注方法の改善が施行されておりまして、市内企業が現実に受注するなど、その成果が出始めております。中小企業振興基本条例の趣旨を踏まえまして、引き続き市内企業の受注増を図ってまいります。手塚技官を中心に私自身も国にかなりの要請活動を行っておりまして、実績が出てきておりますので、市内企業に仕事がきちっとくるようにやってまいります。以上、お答え申し上げました。

大都市に必要なのはビッグな市庁舎ではなく区役所の機能強化

大貫議員:次は、新市庁舎整備について伺います。
新市庁舎整備問題を考えるとき、将来の横浜市の姿を思い浮かべなければなりません。国立社会保障・人口問題研究所が行った我が国の将来人口予測では、新市庁舎整備構想による市債の償還が終わる2050年頃には人口は約9500万人、65歳以上の割合は約40%、2100年には4771万人と1880年、明治13年の水準になるとされています。今後、人口の社会的流入が続いたとしても、横浜市も人口減少は避けられません。新市庁舎整備が必要であるならば、人口減少社会というその時代を見据えるものでなくてはなりません。その点で、市が最適案としている北仲通南地区に140メートル級の超高層のビッグな庁舎を建て、行財政運営の権限を市庁舎に集中させることは、時代の要請にかなったものとは言えません。見解をうかがいます。
大都市制度の問題など、これからの市政のあり方を考えることも重要です。昨年12月に出された国の地方制度調査会の大都市制度についての専門小委員会の中間報告では、政令指定都市の課題として都道府県との二重行政と都市内分権の問題があげられています。特に、区の位置づけについて報告書では、「指定都市、とりわけ人口が非常に多い指定都市において、住民に身近な行政サービスについて住民により近い単位で提供する『都市内分権』により住民自治を強化するため、区の役割を拡充することを検討すべきである」としています。都市内分権での市の権限や事務等を区に移管すれば、市本庁はその分スリムになります。県との二重行政の解消に伴う受け皿が必要としても大きな市庁舎はいりません。市長が臨時委員として参加している小委員会が出したこの報告に沿って考えれば、大都市にいま必要とされるのは区役所の機能強化であり、超高層のビックな市庁舎でないと考えます。市長の見解をうかがいます。
先に行われた新市庁舎整備構想案に対する市民意見募集では、庁舎整備の是非が問われていないにもかかわらず、建設反対の数が賛成を上回りました。これまで、新市庁舎整備そのものの是非について市民に意見を問うたことはありません。この際、新市庁舎整備の是非そのものを市民に問うべきと考えますが、いかがでしょうか。

林市長:新市庁舎整備について、ご質問頂きました。
将来の横浜市の姿を考えた新市庁舎の規模についてですが、今後とも区役所への分権や機能強化の推進、行政改革による効率的な執行体制づくりなどが必要です。一方で、地方分権の進展に伴う国や県からの権限移譲、とりわけ特別自治市制度の創設による機能や組織の拡大も想定しておく必要があります。従って、こうした将来への変化への柔軟な対応ができる建物とすることが必要と考えています。
新市庁舎と区庁舎整備の考え方についてですが、区庁舎については機能強化のための老朽化対策や震災対策等として、南区、港南区、金沢区などで27年度までに再整備や耐震補強に伴う設計・工事等を行います。一方で、市庁舎については庁舎の分散化など従来からある課題に加え、先の震災を経て災害時の拠点としての整備も必要と考えています。
市庁舎整備の是非を市民に問うべきとのご意見ですが、新市庁舎の整備につきましては平成7年の横浜市市庁舎整備審議会答申以降、行政、市会の双方において、新市庁舎を整備するという前提は変わっていません。24年度中の特別委員会および常任委員会においても大勢において北中通南地区での整備案が最適な案との考え方について了承頂いております。その上で、昨年末から約一か月間市民意見募集を行いました。その結果を反映し、基本構想案の修正や概要の区域を行っています。

IPPC総会開催を契機に省エネ、創エネの大運動を

大貫議員:最後は、地球温暖化対策についてです。
石原環境大臣は1月29日の記者会見で、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減するという目標は、原発再稼働がどうなるかによって大きく変わり、国としての目標達成は不可能と大多数の国民が考えているとし、新たな目標を今年の秋までに示すことを表明しました。削減目標は、政権が変わったとはいえ国際公約です。原発ゼロによる温室効果ガスの増加を上回る省エネと創エネを普及させ、目標を達成させなければなりません。全人類的な課題である脱温暖化対策の重要性を考えれば、目標を引き下げる変更は許されません。この点についての市長の見解をうかがいます。
本市において、国の動向にかかわらず、大都市としての責務として地球温暖化対策実行計画での温室効果ガス排出削減目標、1990年比2020年25%、長期目標2050年80%削減を堅持しなければなりません。福島第2原発への福島県民の廃炉要求と活断層が直下に存在するという柏崎刈羽原発の立地条件を考えれば、東京電力が再び原発に頼ることは不可能です。また、大量のCO2が発生する火力発電にいつまでも頼るわけにはいかないのは自明の理です。
IPCC「気候変動に関する政府間パネル」の第38回総会が来年3月、横浜で開催されます。日本で初めて開かれる総会です。この総会を絶好の機会ととらえ、原発ゼロを大前提に、市民、企業、行政を巻き込んだ省エネ、創エネの大運動をスタートさせることを提案します。その先頭に市長が立ち、温暖化対策の推進に向けた市長の決意を世界に示すことが求められます。市長の決意をうかがって、私の質問を終わります。

林市長:地球温暖化対策について、ご質問いただきました。
国は、現在の温室効果ガス削減目標を引き下げるべきではないとの考えについてですが、東日本大震災以降、我が国の環境エネルギーを取り巻く状況は大きく変化しています。現状では電力の安定供給の観点から、温室効果ガス排出量の多い火力発電に頼らざるを得ない実態もあります。私としては、将来的には再生可能エネルギー等の導入技術を高めていくことが重要と考えています。いずれにしましても、今後のエネルギー政策と合わせて、国が責任を持って総合的に判断すべき事項であると考えています。
市民や企業のみなさまを巻き込んだ温暖化対策の推進に向けた決意ですが、これまでも太陽光発電など、再生可能エネルギーの導入促進、ヨコハマエコスクールの環境啓発、HEMS の挿入促進、中小製造業などへの節電補助企業を実施して来ました。東日本大震災以降のエネルギー、環境対策への機運の高まりをとらえ、横浜市温暖化対策実行計画の改定にあたっては、市民や企業のみなさまとの連携を強化するなどより一層の対策を進めていきます。温暖化対策を通して、低炭素社会とグリーン成長を実現すべく、私が先頭になって取り組んでまいります。
以上、大貫議員のご質問にご答弁申し上げました。

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