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■2013年度予算特別委員会「こども青少年局」白井まさ子議員(2013.03.04)

白井議員:日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いします。
はじめに、学童保育についてです。

学童クラブの耐震対策としての移転費用に補助

昨年の決算特別委員会で、あらき由美子議員から、学童保育の老朽化や耐震対策について質問し、局長から重要課題だと認識していると答弁がありまして、関係者からは期待をされていたところです。
新年度予算に耐震対策として移転の費用がついたことは本当に喜ばれています。この耐震のための移転か所数10か所計上というのは、市内の建物の耐震化率が80%だ、これに基づいて算出されたと聞いていますけれども、実際の活動場所の実態把握はどのように行っているのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:放課後児童クラブにつきましては、年度当初に提出していただく書類で所在地ですとか面積、設備内容、そういった基本的な情報を把握しています。さらに、昨年12月には建物の建築時期、形状、耐震診断の実施状況など安全性等を確認するためのアンケート調査を実施しておりまして、現在集計を行っているところでございます。

白井議員:各クラブからは、アンケート調査では詳しくは答えきれなかったと聞いているんです。書類だけでは情報が不十分ですから、実態を詳細に把握していただきたいものですが、今後、活動場所に関して、どのように詳細な情報把握を行うのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:25年度におきまして、子ども子育て関連三法に伴うニーズ調査と合わせまして、各クラブの実態を調査する予定です。実態調査につきましては、建築物の構造ですとかまた事業の運営状況等きめ細かく把握するため、専門機関等への委託により実施いたしたいと思っております。

学童クラブの分割開設の補助が拡大

白井議員:クラブの分割開設の補助もその上限が200万円と拡充されました。この分割については、国のガイドラインで70人という児童数と児童1人あたり1.65平米という面積の2つの基準による29か所を2か年で行うとして、新年度予算では15か所計上したと、先ほどの答弁でも聞いています。基準による29か所は、児童数によるものなのか、面積によるものなのか、内訳はどのようになっているでしょうか、伺います。

鈴木青少年部長:分割の対象としました29の放課後児童クラブについては、現行の厚生労働省が望ましい基準としている児童1人あたりの面積が1.65平方メートルに満たないクラブが27クラブ、児童数が71人以上のクラブが2クラブとなっております。

白井議員:分割が必要な29か所という数は、補助対象児童を3年生までとした児童数によるものですが、国は法改正で6年生まで拡大しています。6年生まで拡大されると、児童数は1.5倍となります。現在は補助対象外ということで、4年生になれば行けなくなるとと思い込んでいる保護者もいるはずですから、今後、段階的に拡大するなどきちんとスケジュールを立てて、保護者に周知していく必要があります。どうでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:子ども子育て関連三法の施行は27年4月に予定されており、児童福祉法改正に基づく対象児童拡大に関する実施時期や方法については、国の動向を見定めながら、今後設置される予定の子ども子育て会議の中で議論を進めてまいります。その結果を踏まえて、保護者のみなさまへ情報の提供や周知を行ってまいります。

白井議員:対象児童を段階的に6年生まで拡大することで、各クラブでは児童数が安定して、運営が安定します。国の法改正施行を待たずとも、本市独自に実施が必要と思います。

クラブの新設には公的支援をしっかりと

ところで、区によっては、新規に開設するところもありますが、ニーズのあるところに開設されているのか疑問の声を聞いています。児童数の変動によってクラブの規模が変わって補助金が増減しますから、大問題です。移転に際して調整を図る、これと合わせて今後は、市が責任を持った指導によって適正配置が必要と考えますが、どうか伺います。

鯉渕こども青少年局長:放課後児童クラブの活動場所移転は、移転候補となる場所の近隣にすでに他のクラブが活動しているケースなどが想定される場合は、関係する方々と調整する必要があると考えております。放課後児童クラブの配置に関しては、ニーズ調査や今後示される国基準を踏まえ、地域の状況に応じた整備の必要性の検討を行ってまいります。

白井議員:各クラブにとって、新た場所を確保するということは、もう大変な問題なんです。今回の分割と耐震の移転を確実に進めるためには、公的支援が決め手です。移転支援業務は、どこが責任を持って担当していくのでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:現在、放課後児童クラブの開設・運営に関する相談や補助金交付などや補助金交付などは、各区の地域振興課で行っております。放課後児童クラブ移行支援のための業務については、全市的な調整は主に局が行い、各クラブへの支援はこれまでのクラブ運営や地域の情報を豊富に有する区を中心に取り組んで参ります。

白井議員:各区には、保育所新設の場所のマッチングなどによりノウハウがあるはずですから、これを活かしてしっかり支援をお願いしたいと思います。

トイレやキッチンなどの設備面の支援も

今回の施設の耐震性は高まりますけれども、トイレやキッチンといった設備面で困っているクラブもあって、改善が必要です。現在運営しているクラブの設備の改善に補助を行う考えはないか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:現在のところ既存クラブへの設備改善補助はありませんが、従来から分割して開設準備をするための改善費用は一部補助を行ってまいりました。25年度予算案では、子ども子育て関連三法にスムーズに移行できるよう、分割開設時の補助額を拡充したところです。なお、放課後児童クラブの設備内容に関しては、今後示される予定の国の基準に基づき、検討を進めてまいります。

白井議員:これから行われる既存の所での専門的な実態調査が明らかになると思いますので、どうぞ検討をよろしくお願いいたします。

国の事業終了でパーソナル・サポート・サービスモデル事業はどう変わる

引き続いて、パーソナル・サポート・サービスモデル事業について伺います。
国のパーソナル・サポート・サービスモデル事業を横浜市は2か所で2団体に委託して実施してきましたが、国の事業は終了することの案内を、本市は利用者にどのように伝えたのか、伺います。

鈴木青少年部長:生活・しごと∞わかもの相談室におきましては、国の制度の変更に伴いまして、25年度から運営団体が変更されることにつきまして、今年の1月以降、個別面談の際に、利用者にお伝えしております。なお、湘南よこはま若者サポートステーション分室におきましては、国の制度は変更になりますが、そのまま支援を継続するため、特に利用者に対する案内はしておりません。

白井議員:運営団体が変更になるということは伝えてあるということなんですけれども、今後のことを確認したいと思います。国の事業終了後は、国の若者サポートステーション機能強化事業でやっていくことになると、先ほど来の答弁で聞いているんですけれども、それで40歳以上の方はサポートステーションでは継続できないので、引き継ぎ先へ引き継ぐというように説明がありました。
新聞報道によれば、同じくモデル事業をやっている相模原市は市費単独で経費を盛り込んで事業を継続して、国の事業が決まれば国費充当と。その一方、横浜市は、3月で閉鎖し、新事業開始までに空白が生じるとしていますから、相模原市では継続、横浜では閉鎖と読み取れるのですが、ちょっとここで確認をしたいんですけれども、横浜でも4月以降、空白なく若者サポートステーションで機能強化事業として支援を継続していくということでいいんでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:おっしゃるとおりでして、私ども若者サポートステーションの機能強化事業で利用者を継続支援していきます。なお、生活・しごと∞わかもの相談室におきましては、運営団体の独自事業によりまして、40歳以上の方も支援してきたという経過もございます。この方たちについてはサポートステーションの機能強化事業では継続支援できない方がでてきます。このため、運営団体と合同で、一人ひとりていねいに支援内容を分析し、適切な支援先への引き継ぎを行っているところです。

白井議員:では、これまでのモデル事業の内容や対象者については答弁を伺いました。この事業をどのように評価しているのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:この事業は相談者との信頼関係を構築しながら個別の課題に合わせて複数の支援機関をコーディネートしていく伴奏的な支援でして、本市では生活困窮や発達障害等の複合的な課題を抱える若者に対する就労支援として実施してまいりました。この有効性が実証されたことは成果であると考えております。

白井議員:有効性実証されて、成果だと評価をしているのなら、国が事業を終了したとしても、今年度と同じかたちで継続できるように、市単独事業ででも実施すべきと考えますが、なぜできないのでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:内閣府のパーソナル・サポート・サービスモデル事業は、当初から全額国費負担で3年間の時限事業として実施されております。本市はこの事業の枠組みを活用し、生活困窮や発達障害等の複合的な課題を抱える若者に対する就労支援を行ってまいりました。当初の予定どおり、内閣府のモデル事業は終了することとなりましたが、厚生労働省と私ども調整を進めてきました。25年度から同じく全額国費による若者サポートステーション機能強化事業を実施するとのことであり、本市としてもこの適応を受け、若者支援を継続して実施するものであります。厳しい財政状況の中で、持続可能な若者支援を行っていくためには、国費を有効に活用していく必要があると考えております。

人員体制の減少分は市費で補うことはできないか

白井議員:市内2か所のモデル事業のうち、1か所は利用者全員が39歳以下で、サービスを受託していた団体とステーション事業を受託している団体が同一と。特に引き継ぎはないということなんですが、別のもう1か所は、モデル事業の受託団体と、それから機能強化させるよこはま若者サポートステーションの受託団体が別ですから、引継ぎが行われる。先ほど聞いたんですけれども、その同じ規模の人員配置されるのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:人員体制につきましては、24年度の事業も25年度の事業も内閣府と厚生労働省と違いがございますが、全額国費負担の事業の枠組みの中で行ってきております。そして、積算も国の枠組みの中でしております。24年度のパーソナル・サポート・サービスモデル事業については、生活・しごと∞わかもの相談室が15名、湘南横浜若者サポートステーション分室が8名となっておりまして、25年度の若者サポートステーション機能強化事業におきましては、よこはま若者サポートステーションは5名、湘南横浜若者サポートステーション分室も5名ということを予定しています。

白井議員:よこはま若者サポートステーションでは5名で事業をやるということなんですけれども、マンパワーで行うサービスですから、人の配置がこれまでのモデル事業より減れば、サービス低下が心配です。この体制でよしとするのでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:24年度の事業は内閣府による全額国費負担の事業の枠組みの中で行ってきております。パーソナル・サポート・サービスモデル事業は、時限付きのモデル事業として限られた自治体で実施することを前提に、かなり手厚い体制となっておりました。他方、25年度は厚生労働省と調整してきたわけですが、厳しい財政状況におきましても、いずれ全国に拡大していくということを前提に、持続可能な制度としてつくられておりまして、今回の規模にされたものと考えております。

白井議員:そういうことなんでしょうけれども、減るのは減るので、その分人の配置、市費でできないわけではないと思うんですが、額としてどうなんでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:この事業につきましては、私ども全額国費を用いて実施してきておりまして、25年度の体制につきましてもサポートステーション事業本体に加えて機能強化ということになっております。5名の追加をしていただけるということは大変ありがたい状況だというふうに受け止めておるところです。

白井議員:サービスにつながっている方、これまで様々な複雑な問題を抱えておられるので、若者サポートステーションで支援が受けられることになっているといっても、支援者が変わったり、支援内容が変わることは大きな負担と思われるんです。その分の手当が必要だと思うんですが、どうでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:横浜の若者ステーションは、実は22年度と23年度の受託団体は横浜のサポートステーションの事業実施者でございます。今回、運営主体が変わるということにはなっておりますが、一定程度ケースワーカーについては引き継ぎも行われるんではないかというふうに受け止めておるところでございます。

白井議員:引き継ぎされることになるのではないかということなんですが、人の体制も人数が少なくなる、対応者も変わる人も出てくるわけですから、その点の手当をしっかりとお願いしたいと思います。

40歳位上の利用者に激変が起きないような引き継ぎを

それから、40歳以上の方は別の機関に繋げるということですけれども、これまでのような伴走型の支援ができなくなると思うんですが、その点はどう考えているのでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:2つのうちの1つの運営団体が40歳以上の利用者を受け入れた経過を踏まえまして、40歳以上の方に対しても一人ひとりの課題や思いをしっかり受け止め、必要に応じて局の枠を超えて、健康福祉局と現在プロジェクトを組んで対応しようとしておりまして、4月以降もしっかりと支援が継続されるよう対応してまいります。

白井議員:40歳以上の方はこども青少年局外になりますから、副市長に伺います。希望しながら途中で支援が途切れることは影響が本当に大きいと思うんですが、利用者にとって激変が起きないように手当が必要と思います。そのお考えはどうか、伺います。

鈴木隆副市長:私どもとしてもパーソナル・サポート・サービスステーションモデル事業については、先ほどのような経過で1団体において40歳以上対象にしてやってきたことも重く受け止めまして、その人達の一人ひとりについていま検証をして、引き継ぎがどこにできるか、どういうかたちでやったら軟着陸ができるかというかたちを、いま健康福祉局とそれからこども青少年局とがプロジェクトを組みまして協同で対応策を考えている。そしていま実際にこの事業を受けていたインクルージョンネットワークという団体と一緒に対応を考えて、全員についてきちんと軟着陸させようといまがんばっておりますので、ぜひご理解お願いしたいと思います。