議会での質問(詳細)

2013年3月26日

■「予算反対討論」 岩崎ひろし議員(2013.3.26)

日本共産党を代表して、2013度横浜市一般会計予算に反対討論を行います。

あいかわらず大型開発に予算を重点配分

初めに、13年度予算案の評価についてです。
予算案に示されている学校司書の配置、放課後児童クラブの移転支援、家具転倒防止対策助成、消防団員の処遇改善、木造住宅密集市街地の延焼防止対策拡充などは、市民の要望と運動のひろがりに応えた施策として評価できます。同時に予算案は、あいかわらず大型開発に予算を重点配分するものになっています。
市長は「厳しい財政状況だからこそ、積極的に投資すべきところには投資し、一方で踏み込んだ見直しをした」としていますが、高速環状道路建設や国際コンテナ戦略港湾整備、横浜駅周辺大改造計画など国が推進する大型開発事業に予算を重点的に配分しています。その一方で、小児医療費の無料化年齢引き上げや中学校給食、住宅リフォーム助成、公契約条例など切実な市民要望には応えようとしていません。
経済の低迷、少子化・高齢化の進行など時代の潮流に見合った発想の転換や施策が求められているにもかかわらず、予算案は従来と変わらず、国の言いなりの予算になっており、評価できません。

中学校給食、35人以下学級の拡大、いつまで拒み続けるのか
次に、具体的施策について述べます。
第一は、教育条件の充実についてです。
中学校給食は、全国の約8割の自治体で実施しています。この数年でこれまで実施していなかった政令市でも、実施や実施に向けての検討が始まっています。実施の検討さえしない政令市は横浜市、堺市、川崎市の3都市のみになりました。
また、35人以下学級の学年を拡大して実施することについて、本市は「小・中学校すべての学年で35人以下学級の実現」を国に要望しているにもかかわらず、またその必要性を認識しているにもかかわらず、予算案では独自に上乗せして少人数学級を拡大する姿勢が全く見られません。
親は自分の生活を節約してでも、子どもの教育費を確保しようと努力しています。市長は、約27万人の小・中学生の親と同じ立場にあるわけですから、より望ましい教育条件を整えるために必要な財源を確保するべきです。財政が厳しいことを理由に、中学校給食の実施や35人以下学級の拡大をいつまでも拒み続けることは、もはや許されないと考えます。

低所得世帯の国保料値上がりを抑える措置を
第二は、国保料算定方法の変更に伴う軽減措置についてです
計算方式が変わると、各種控除が考慮されないため、扶養家族が多い世帯、障害者や病人がいる世帯などで保険料が上がります。当局の試算では約3割の世帯で保険料が上がり、中には5割も値上げになる世帯も生じます。市は、2年間に限り保険料の増加を抑える経過措置を行い、経過措置の一部に市費を繰り入れるなどの対策を講じるとしています。しかし、低所得者にとって経過措置は不十分であります。
川崎市、藤沢市では経過措置を3年間、葉山町では5年間とし、保険料が急激に増加しないように配慮しています。
応能負担である所得割額の賦課割合を応益負担である均等割額よりもっと高くすること、経過措置の期間をもっと長くすること、障害者控除や寡婦控除も経過措置の対象とすることなど、低所得世帯の保険料の値上がりを抑制する措置をとるべきです。

公共施設保全に力を注ぐ予算に
第三は、予算における公共施設保全費についてです。
先の本会議で市長は、「公共施設の新規整備と保全のどちらも進める」、また総合審査では、市民の安全を確保するための予算は「確保されている」と明言されました。
実際はどうでしょうか。橋梁の保全費は、年平均74億円必要としながら13年度予算は補正を入れても42億6000万円の計上。学校施設では新年度150億円必要と見込んだものの121億円の計上。予算全体では、保全に必要な年平均費用を960億円としながら、新年度予算は約570億円の計上となっています。
これでは、公共施設の保全に必要な予算が確保できていません。つまり、すぐに行うべき保全工事が、予算の不足分だけ次年度以降に先送りされています。
公共施設の「保全」については、笹子トンネル天井板崩落事故を契機に全国的な大問題となりました。
国土交通省が公表した「道路構造物の今後の管理・更新のあり方」によれば、「これまで新規の道路構造物の建設に力点をおいて進めてきたわが国であるが、この貴重な社会資本を次世代に継承するための適切な維持管理を怠ると、これまでの努力が灰塵に帰すことを認識する必要がある。さらに、点検、診断、補修などを含む道路管理業務全般に対して、妥当な対価が支払われてこなかった面があり、そのために保全に対する高い社会的評価が十分に得られていないという問題もある」と指摘しています。
橋をかたちづくる全ての部材に固有の寿命があります。長寿命化の措置をしたとしても部材の劣化・老朽化は避けられません。この先50年、100年たてば必ず使えなくなり、橋は作り変えるか、廃止する以外にありません。
保全を怠れば、人命被害が起きます。新規整備は計画どおりできなくても人命被害にはなりません。これからは、経済性や効率性の追求一辺倒でなく、命を守ることにもっと真剣になるべきだと思います。
新規の大型開発は凍結し、公共施設の保全に力を注ぐ予算にして、市民のいのちを守ることを求めます。

市長のイニシアチブ発揮で再生可能エネルギーへ大転換を
第四は、再生可能エネルギーへの転換についてです。
市長は、「震災後のエネルギーに関する市民意識の高まりを捉え、再生可能エネルギーの普及を加速化させる」と答弁しています。しかし、実態はそうなっていません。
温暖化対策統括本部のホームページのトップページに節電・省エネの項目はあるが、創エネつまり「再生可能エネルギーの創出」はありません。13年度予算概要にも再生可能エネルギーを創り出す事業は見当たりません。また、太陽光発電の飛躍的普及・拡大が求められているにもかかわらず、新年度予算は補助条件の出力を3.5キロワット未満に引き下げ、対象の範囲を減らしています。
そもそも本市の施策の中に、再生可能エネルギーを創り出して電源の構成比率を大きく変えようとの計画がありません。
長野県飯田市では、「飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」の策定をめざし、その目的を「地域に賦存する再生可能エネルギー源を環境共生的かつ持続可能な形で市民自ら活用し、エネルギーとして活用していくことは飯田市民の権利であり」「エネルギーの自律性と低炭素化を促進し、もって持続性のある地域づくりに資する」としています。
県内では、加藤憲一小田原市長が「甚大な犠牲を伴った東日本大震災は私たちに覚醒と選択の機会を与えた。経済の論理から、命の論理への移行は私たちの使命」、「命を守る地域自給圏へむけて、小田原で使う電気は小田原で自給することをめざして、自然再生エネルギーを市民とともにつくりたい」と表明しました。市長の積極的な姿勢に呼応する地元企業が再生可能エネルギー創出に乗り出し、新たに発電事業会社を立ち上げました。市民は、節電・創エネを草の根の運動として創意的に取り組み始めています。
再生可能エネルギーへの転換の取り組みの教訓は、脱原発の立場を確立するとともに、エネルギーの自給をめざす方向を示して、行政が積極的にイニシアチブを発揮していることにあります。
大都市横浜は、再生可能エネルギーの資源が多様に存在するわけではありませんが、太陽光は平等にあります。太陽光を活用した創エネ事業に果敢に取り組む必要があります。地域で使う電気は地域でつくる、このことを基本に、新しい産業を興していく取り組みになるわけであります。そのためには、創エネに取り組む地域の主体づくりが欠かせません。そこで、中小企業振興基本条例の精神に基づいて、地元の中小企業の力を地域の資源として活用していく必要があります。市長が大胆なイニシアチブを発揮して、自分で使う電気は自分でつくるという大きな市民運動を呼びかけることを提案したいと思います。

正規職員増やして仕事の滞留や超過勤務の解消を
具体的施策の最後に、区役所の機能強化についてです。
市長は、「現場重視」と常々言われていますが、市の業務を行う現場、特に区役所関係の現場は、定数削減により人手不足が深刻で、仕事の滞留や超過勤務で疲弊しています。区民の要求を解決する能力、体制を保持するうえで、人員配置が不足しています。
たとえば、防災対策のうえで重要な木造住宅密集市街地の延焼防止対策は、地域の合意形成を図る上で区役所の果たす役割が欠かせませんが、人員が足りないために、地域の実情に見合ったきめ細かな対応ができないため、事業は全然進んでいません。
また、現場で正規職員が必要人員に足りず、その分を非正規職員で埋めてしのいでいる実態があります。たとえば青葉区でみると、全体で正規415人、それにプラス嘱託職員が127人。正規職員の仕事量が多く大変で、非正規職員がいろんな面で手伝わざるを得ない状態にあります。特に、福祉保健センターでは人員が足りず仕事が進んでいません。全市の福祉保健センターに嘱託職員は計1651名います。正規職員が4046人です。非正規職員が、三割近い比率となっています。
国の大都市制度についての中間報告は、「人口の多い指定都市において、住民に身近な行政サービスについて住民により近い区の役割を拡充すること」と指摘しています。
市長が提起している「特別自治市構想」が方向付けられるのを待つまでもなく、現時点でできる区役所の改革を進める必要があります。
そのためには、人、権限、財源を区に大幅に移すことが緊急に必要です。
総務局審査で局長は、「人員が足らないという現場の声が届いている」と認めたうえで、「すべてに応えられる財政状況にないが、市民サービスに関って重点的に配置していく」旨の答弁をされています。そうであるのなら、市役所及び区役所の機能を強化するために、職員定数の削減路線から脱却し、現場の声を受け止め、必要な人員を確保する路線に転換することを求めます。

以上で、2013年度横浜市一般会計予算に対する反対討論を終わります。

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