議会での質問(詳細)

2008年6月10日

【2008年第2回定例会】「一般質問」 中島 文雄

実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

中島議員:私は、日本共産党を代表して、横浜市病院協会補助金問題、後期高齢者医療制度の問題、介護職員の人材不足等について、中田市長に質問をいたします。

市長の支援者が病院協会を私物化か

 最初は、横浜市病院協会の補助金等不正な事務処理の調査結果についてです。
 本市救急医療センターの指定管理者として、また公益法人である病院協会において、不正などはあってはならないことは言うまでもありません。同時に、当病院協会が、目的にそって、地域医療の向上と市民の健康増進に寄与されることを期待するものであります。その上で、市長に何点か、うかがいます。
 まず、「医療機関整備資金貸付事業」に関連して、「新横浜母と子の病院」に対する融資の一部である5000万円の貸付について、「看護師宿舎の整備でなく、『健福協』の倉庫として使われていた」として、5月31日に急きょ残金1400万円の全額が返還される事態が生じました。このことを認めますか。もし認めるならば、目的外使用に対して公表するなどのペナルティーや、他病院を含めすべての融資案件の調査、また再発防止対策等が求められますが、対応について合わせてうかがいます。
 本市調査で、「救急医療センター研修室改修工事」および「ホームページ開発事業」に対する神奈川健康福祉経営協同組合、略称「健福協」を通じての工事費等の請求や支払いなどの関与が、「指定管理者業務における不明瞭な事務」と指摘しています。なぜ、指定管理者である病院協会が業者と直接行わないのか、なぜ「健福協」が間にはいるのか、「不適切な事務」というべきではありませんか。答弁を求めます。
また、この救急医療センターにおける「健福協」を通しての医薬品等の購入実績は、2007年度2635万円余で、全体の購入実績3312万円余に対し、なんと8割近くを占めています。「『健福協』は収益事業を営むために病院協会が設立」あるいは「一心同体の関係」としていることを見ても、購入に際して、その範囲や価格等の設定に、自由競争を阻害する「裁量」が働くことは必至です。こういう実態を良しとするのか、改善指導が必要でないのか、明確な答弁を求めます。
  「新横浜母と子の病院」の塩原和夫理事長は、病院協会の会計担当理事と同時に、「健福協」の代表理事でもあります。私は、「健福協」事務所といわれる港北区篠原町にうかがいましたが、ここには「神奈川健康福祉経営協同組合」と並んで「新横浜母と子の病院・分室」「新横浜医療サービス株式会社」の看板と「塩原」氏の表札がかかげてありました。これでは、「利害関係も一心同体」あるいは「違法な資金の流れ」などがうわさされても仕方がありません。市長の見解をうかがいます。
塩原氏は、「中田市長をサポートする政治団体」を自認する「ヨコハマから日本をかえる会」の代表をされています。融資の目的外使用や「健福協」問題など渦中の人です。長年、応援を受けられてきた市長にも道義的責任は免れません。この際、市民の市政への信頼を得るためにも、同氏・同会との関係を清算されるべきことを指摘しておきます。

中田市長:お答え申し上げます。
 まず、はじめに、横浜市病院協会に対する調査についてのご質問いただきました。
 医療機関整備資金貸付の現況把握についてでありますけれども、ご指摘の案件については当初職員宿舎の整備を目的として融資を受けた物件が、目的外の用途に変更されている事実を確認したという報告を受けております。貸付金によって整備をされた施設などの使用状況については、資金を借り入れた医療機関に対し、別途調査を実施するということにいたしております。この調査を行うなかにおいて、公表や再発防止策の必要性については、十分に検討してまいりたいというふうに思います。
 不適切な事務として改善の必要性についてということでありますけれども、今回の調査で取り上げた救急医療センター3階の改修工事などにつきましては、業者の契約などの事務手続きに不明瞭なところがあったものというふうに認識をしているということであります。しかしながら、すでに救急医療センターの内部規定の改正が行われて、事務手続きの改善が図られているところであるようです。今後引き続き調査を進めるとともに、事務執行が適正に行われているかどうかということについて点検し、新たに是正すべき点が確認をされた場合は、これは必要な指導などを厳正に行ってまいりたいと思います。
 物品等における購入手続きの改善の必要性についてでありますけれども、物品等の購入に際して、神奈川健康福祉経営協同組合との随意契約において一部不明瞭なところがありましたが、救急医療センターの内部規定の見直しによって、平成20年4月から原則として指名競争入札やプロポーザル方式によって、購入先や価格を決定することとされております。なお、こうした改善が確実に実証されているか、今後も引き続き確認を行ってまいりたいと思います。
 社団法人の理事が協同組合の代表理事にあるということについての考え方でありますけれども、物品等の購入先を決めるような意思決定の場に、利害関係者が加わるということは好ましくない、そう思います。すでに救急医療センターの物品購入については、意思決定にあたって利害関係者を関与させないということが内部規定に明記をされて、平成20年1月より改善が図られたということになっております。

中島議員:時間がわずか残っておりますので、第2質問をさせていただきます。
 融資の目的外使用や健福協問題など、渦中の人物である、長年応援を受けてきた塩原氏と市長とのお付き合い、市長にも道義的責任があると感じますけれども、市長の見解を求めたいと思います。

中田市長:一言お答えを申し上げます。道義的責任ということでありますけれども、横浜市政全般にわたって、私が責任があるのは当たり前のことでありまして、塩原氏とは病院協会を通じてしか私は知りませんけれども、その意味において、これから先にやはりしっかりとした調査にもとづいて必要な対策を講ずることが、私の責任と感じておりまして、その点については厳正に対応してまいりたいというふうに思います。

後期高齢者医療制度に市独自の保険料軽減策を

中島議員:次は、後期高齢者医療制度についてです。
 75歳という年齢を重ねただけで、今まで入っていた国保や健保から追い出され、保険料は「年金から天引き」、払えなければ保険証を取り上げる、しかもこの先保険料は「天井知らず」、安上がり差別医療を押し付けでは「長生きは罪なのか」と、この制度に対して日本列島を揺るがす怒りがわき起こっております。
 本市の「専用ダイヤル」には、4月の1か月だけで7236件、1日650件もの不満や問い合せが寄せられ、区役所の窓口を含めれば、数万件が殺到したと思われます。そこで、このような市民の怒りや批判の声を、市長はどう受けとめておられるのかうかがいます。
 政府・与党は、「見直し」などを言い出していますが、現代版「うば捨て山」とも言われるこの制度は、小手先の「手直し」で解決できるものではありません。わが党が、「高齢者差別の医療制度は廃止しかない。撤廃して安心できる医療制度」を求めるのは、こういう立場からです。
 国会では、野党4党共同で提出された、「後期高齢者医療制度を廃止し、老人保険制度にもどす」ことと、10月までの緊急措置として「年金からの天引き中止」「保険料の軽減」等を内容とする「廃止法案」が、参院で可決し、現在衆院に送られています。
 そこで、市長は、現行の後期高齢者医療制度を良しとするのか、それとも問題があるとするのか、明確な答弁を求めます。合わせて、「廃止法案」についての見解をうかがいます。
 保険料の年金天引きについて、本市は「準備が間に合わなかった」などと4月を見送って10月からとし、半年間の保険料について7月、8月、9月の3回に分けて、口座振替、もしくは直接納付としています。
 問題は、本市の後期高齢者約30万人のうち、口座振替は約8万人にとどまり、残り22万人は直接納付で、未納付が大量に発生することが想定されることです。市の都合に起因するものであり、単純な滞納者として先々保険証取り上げにつながってはなりません。特別な配慮が求められますが、答弁を求めます。
 そもそも、老人保健制度では、保険証の取り上げが禁止されてきたものであり、75歳以上から保険証を取り上げてはなりません。このことを強く述べておきます。
 「保険料負担の軽減」についてですが、すでに、東京都や石川県では市町村負担金等で、千葉・浦安市では市独自で年1万円の給付金を支給し、保険料負担の軽減を図っています。本市でも、これにならって助成などによる独自の保険料軽減策を実施すべきですが、見解を求めます。
 「月6000円」で頭打ちにする診療報酬の「包括払い」制度での「担当医」届け出は、全国的でわずか14.0%、神奈川県内でも15.7%にとどまっています。
 30都府県の医師会から、「高齢者を粗診粗療で済ませる発想だ」あるいは「受診制限になる」と反対等が表明されている中で、「包括払い」制度はただちに廃止するよう、国に要請すべきです。市長の見解をうかがいます。

中田市長:次に、後期高齢者医療制度についてのご質問をいただきました。
 制度発足後の状況に対する認識についてでありますけれども、本市においては制度発足前から制度の趣旨や概要を市民にお知らせをしていくために、広報よこはま特別号の全戸配布や加入者に対しても個別にリーフレット等配布をするなど、きめ細かな広報を行ってきたところであります。また、特別徴収については、円滑な実施を図るために4月を10月に延期をするなどの対策を講じてまいりました。
 しかし、全国的には国による制度の趣旨や仕組みの周知が不十分であったことや、また他都市では準備期間の不足などによる保険料の算定誤りなどが生じるということなど、制度が順調にスタートできていないということは、きわめて残念に思っております。
 後期高齢者医療制度の国会議論に対する見解についてでありますけれども、後期高齢者医療制度、これは国において将来にわたって持続可能な皆保険制度を維持してために創設をされた制度であるという理解をしております。私は、制度をめぐっては様々な問題や議論があるというふうに認識をしております。本市としては、制度の円滑な実施ということが、地方自治体として重要でありますから、これに最善の努力をするということが課せられた責任だというふうに考えておりますが、現行制度の運用ということなど、あるいは制度そのものを改善をしていくということの点などについて、本市として必要であれば、市としてあるいは広域連合として国に必要な意見を伝えるということは必要なことだと重います。
 特別徴収延期による未納者への対応についてでありますけれども、本市においては特別徴収を10月からとしたために、7月から9月までの3か月分については、納付書による普通徴収となっております。このため、本市の保険料の納付方法について個別に周知を図っておりまして、9月末までの保険料に納め忘れないように口座振替も勧奨してまいりました。なお、保険料を払い忘れた方などについては、よりていねいな説明を行うことによりまして、制度の趣旨や保険料納付に対する理解を求めてまいりたいと思います。
 保険料軽減を目的とした本市の独自助成についてでありますけれども、後期高齢者医療制度は都道府県単位で財政運営を行うこととされておりまして、市町村が独自に助成を行うということは、これは制度の趣旨にはそぐわないというふうに考えます。なお、国において現在低所得者などへの保険料の軽減策などについて、見直しの検討を行っておりまして、本市としましてはその動向を注視をしているところでございます。
 後期高齢者担当医の廃止についての申し入れでありますけれども、国は後期高齢者担当医制度については、医療が制限されることはなく、必要な医療をこれまでどおり受けることができる、担当医を決めても状況にあわせていつでも好きな病院にいくことが出来る、制度は強制ではなく必要な方のみ申し出る仕組みであり、いつでも希望により変更ができるという説明をいたしておりまして、現時点において本市として国に廃止を申し入れるという予定はございません。

介護の人材不足打開に向けて、実態調査と職員の処遇改善の拡充を

中島議員:最後は、介護保険制度の改善についてです。
 いま、介護の人材不足が、深刻な社会的問題となっており、この改善にしぼって質問をいたします。政府の調査でも、常勤の介護職員の平均給与は月額22万7000万円、若年職員では年収200万円にも満たないワーキングプアの実態が浮き彫りになり、この低賃金が人材不足の背景になっています。
 また、介護職員の離職率は年間20%ともいわれる中で、本市が3年間の時限措置とはいえ、特別養護老人ホーム職員の処遇改善に向け、助成を実施したことに、一定の評価はしますが、より根本的な人材不足の打開に向け、賃金や定着率等の実態調査と、それにもとづいて、本市「福祉人材緊急確保事業」の拡充が求められますが、見解をうかがいます。
 2003年の介護報酬マイナス4.2%カットにつづき、2005年から2006年にかけて特別養護老人ホームなど居住費と食事代の全額自己負担、訪問介護の生活援助サービス制限、軽度要介護者から介護ベッド・車いすを取り上げた上に、介護報酬はマイナス4%のカット。その結果、どうなったでしょうか。全国老人福祉施設協議会の調査によれば、70人定員の特別養護老人ホームでは2002年当時と比べて、1施設あたり年間2000万円もの大幅な減収になり、介護現場の7割以上が「だんだんと運営がむずかしくなっている」と、深刻な調査結果も出ています。
 また、福祉施設の火災など人身事故も多発している中で、本市として施設や在宅事業所の経営実態や災害対策等をどう把握されているのか。今後、どう改善を検討していくのか、合わせてうかがいます。
政府・厚生労働省も、深刻な事態を前に人材不足の解決へむけて動き出し、4月25日には、「介護労働者の人材確保のための処遇改善に関する法案」が衆院において全会一致で可決されました。
 わが党は昨年12月に、介護・福祉の人材不足打開へ「緊急提言」を発表して、「憲法で保障されたくらしと人権を守る仕事」「働きがい、魅力ある職業として社会的に評価すること」を強調し、打開策として国の責任で月3万円の賃金アップ、報酬を実態に見合って大幅に引上げ、そして報酬引き上げが保険料や利用者負担に連動しない仕組み等を提案しています。
 人材不足打開に向け、国へ強力に働きかけるべきですが、市長の答弁をうかがって、私の質問を終わります。

中田市長:最後に、介護保険制度について、ご質問いただきました。
 特別養護老人ホーム等、介護職員の勤務実態調査とこれにもとづく人材確保策についてでありますけれども、介護職員を対象としまして、給与や勤務形態などについてアンケート調査を実施し、現在集計・分析を行っているところでございます。この調査結果や国の介護報酬改定の動向なども踏まえて、必要な人材確保策について検討をいたしてまいりたいというふうに思います。
 施設等の経営実態の把握と改善策についてでありますけれども、経営実態についてはこれまで施設関係者などから様々なかたちでうかがってまいりました。施設運営が厳しさを増している状況、このことについては認識をいたしております。経営改善は、経営者自らが取り組むということは、これは基本でありますけれども、介護を取り巻く状況を考慮して、必要があるところは検討を行ってまいりたいというふうに思います。
 火災などの安全対策については、これまで運営指導の機会などを通じて、防火・安全対策の徹底については図ってまいったところであります。しかし、今回の障がい者施設の火災を受けて、改めて防火管理を徹底したほか、防火・安全対策の状況を確認する緊急調査を行っているところでございます。今後、調査結果を踏まえて必要な対策を講じてまいりたいと思います。
 人材不足に対する国への要望についてでありますが、大都市においては介護人材の確保は難しい、そうした状況にあると認識をしております。その意味においては、本市としては保険料の水準に留意をしつつ、大都市における人件費などを反映した介護報酬の見直しということについてなどは、国に対して要望を行ってまいりたいというふうに考えております。
 以上、答弁申し上げます。

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