議会での質問(詳細)

2013年5月23日

■「一般質問」 古谷やすひこ議員(2013.5.23)

古谷議員:私は、日本共産党を代表して、林市政4年間での最大のセールスポイントであります保育所待機児童対策について、順次質問してまいります。
先日、記者会見が行われ、マスコミにこぞって報道され、一躍脚光があびました。しかし待機児童ゼロといっても、入所保留児童数は1,746人もいて、実際は希望された方が全員保育園に預けられたわけではないことは、先日の記者会見の中でも市長自身も認めておられました
今回は、いわば数字のマジックともいうべき待機児童の数え方の問題については触れません。市長自らが、これからの課題だと述べられた保育の質の問題で、順次質問してまいります。

保育所の数は増やしたが、質を犠牲にしてきたのではないか

施設を整備したという点では、一定の評価ができると思います。しかしその一方で、国の緩和措置を忠実に実行し、駅の高架下やビルの高層階など環境面では決していいとは言えない場所でも開設される等、保育の質の面を犠牲にしてきたのではないでしょうか。
林市政でつくられた保育園は144園、そのうち株式会社が81園。うち園庭の面積緩和の要件を受けている園は、じつに46園にものぼります。面積緩和の措置は、あくまでも例外措置のはずであります。それが株式会社の保育園では珍しくないというのは、異常な事態ではないでしょうか。子どもは荷物ではありません。倉庫に荷物を入れるかのように、とにかく預けられる所があればいいというのが市長のお考えな のか、伺います。
園庭の面積を緩和している保育園は、代替措置として、近くに公園などがあることが条件となっており、おおむね子どもたちの足で5分以内と本市保育所整備指針には書かれています。しかし市長、子どもたちにとって、毎日近くの公園まで公道を歩いて行くということがどういうことなのか、想像していただきたいと思います。よちよち歩いている子どもたちが毎日、車の危険にさらされ、子どもたちはもちろん引率の保育士にも大きな負担が強いられ、往復の時間は実質的に外遊び時間が削られてしまうことになります。市長はこれでいいとお考えなのかどうか、伺います。

林市長:古谷議員のご質問にお答え申し上げます。
保育所待機児童対策について、ご質問いただきました。園庭面積の緩和と保育の質についてですが、保育の質の維持・向上は重要なことと考えています。
保育所の設置基準は、運営法人の種別によらず同じで、株式会社立の保育所は内装整備助成の仕組みを使い、駅の近郊に立地することが多いことから、園庭の面積緩和の適用は結果的に多くなっています。本市では、児童福祉施設の設備および運営の基準に関する条例で、独自の上乗せ基準として、保育室や園庭の面積基準、第三者評価等の義務化の規定を盛り込み、保育の質の維持・向上を測っています。
園庭の代替措置として公園を利用することに伴う危険性や屋外遊戯時間についてですが、公園の利用については移動にあたって安全が確保されていること、公園に危険な場所がないこと、公園への移動は複数で行うことなどを要件としています。また、屋外遊戯の時間が削られることのないよう、保育所から子どもがあるいて5分程度の範囲内に限って園庭の代替措置としての公園利用を認めることとしています。

株式会社立保育園、利益をあげるには人件費削減

古谷議員:横浜市は、全国的に見て、保育事業への株式会社の参入率が群を抜いて高くなっています。2013年4月時点では、株式会社運営の認可保育所は全国で376園。うち横浜市は全国最多の106園にのぼります。さらに今年4月1日時点では142園に増え、市の認可保育所の実に4分の1を占めております。
そもそも株式会社の目的は、利益を出して株主配当をすることであります。利益を出して株主に配当することが目的の株式会社と、利益を出してはならない社会福祉法人に、同じ金額の保育運営費が渡ったときに、果たして同じ金額がこどもたちのために使われることになるでしょうか。
人で成り立つ保育で利益をあげようとしたら、削られるのは人件費です。
この質問にあたって、いくつかの株式会社運営の保育園の決算資料を調べてみました。ある保育園では、保育士の給与は平均して年収200万円足らずと低く抑えられ、人件費率は約40%です。政府の外郭団体「独立行政法人 福祉医療機構」の2009年の調べによれば、保育園の人件費率の平均は71.9%ですから、この保育園の人件費の水準がいかに低いのかは明らかです。
保育の質を担保する大きな要素である保育士さんの条件があまりにも違いすぎれば、そのしわ寄せは必ず子どもたちにいってしまうということは容易に想像できます。至急、横浜市の認可保育園で働く保育士さんたちの給与や待遇の実態調査をすることが必要だと思いますが、市長の考え、伺います。
2011年度の本市の施設指導監査結果情報によれば、日本保育サービス主体のアスク藤が丘保育園では、一年で全ての保育士さんがやめてしまい入れ替わってしまい、保護者から不安の声があがっており、「子どもや保護者との信頼関係にもとづく保育の継続性の確保」などの対応することを市が指摘していた事例もあります。営利企業の経営の元で、あまりにも安い給与体系で保育士さんたちを強いることで、結果子どもたちが大きな不利益をこうむるような条件を広げてしまったことについて反省はないのか、市長の見解を伺います。

林市長:保育士の待遇等の実態調査についてですが、保育所の人件費率については決算資料の中でおおよその傾向は把握していますが、27年4月移行導入予定の子ども子育て支援制度に向けて25年度に実施する経営実態調査の中で、人件費について調査することを考えています。
保育士の給与体系についてですが、保育士は平均年収が、全産業平均473万円に比べると314万円と低く、平均勤続年数も短い状況にあります。保育の質の向上のためには、保育士が長く働き、専門性を高めることが必要です。そのためにも保育士の処遇改善を図ることが重要だと考えております。今回補正予算に、保育士等処遇改善臨時特例事業を提案しました。

運営費補助金など公金が株主配当に回っていないか

古谷議員:保育業界の中で最も大きな企業がJPホールディングスであります。同社は、子育て事業関係6社を傘下にもち、2012年度決算では、売上高138億円、経常利益14億円、当期純利益は7億5000万円で、そのうち株主配当に2億5000万円、内部留保35億円の持株会社であります。その売上げの大半は、全国115園の認可保育所運営からの収入と思われます。その収入のもとは、もちろん自治体から交付される運営費補助金であります。横浜市内では、中核会社の株式会社日本保育サービスが20園の保育園を運営しております。
横浜市内の20園に通う子どもたちのために出された公的資金が、いくつかのルートを通じて、JPホールディングスの収益となり、株配当に充当されております。
まず本部経費であります。その額は2011年度で1億2,985万237円です。当局から提供された2園の決算書類では、11年度は、A園で849万円、B園で1,179万円、10年度ではA園290万円、B園では1,023万円。当該の保育園運営に関する法人本部の人件費、事務費と、その使途は限られているはずであります。両方とも同規模の園にもかかわらず、園によって、その年によってその額に違いがあるのはあまりにも不自然です。実費以上に園からの本部への繰り入れをされていると推察せざるをえません。
つぎに、「会計区分間繰入金」であります。本来子どもために支出されている保育運営費の使い残し、剰余金を、同一法人の別の保育所などの運営、整備等に支出できるという弾力運用規定を使って、公的資金を流出させています。2年間でA園2,900万円、B園1,841万円です。この分、とうぜん法人本部の資金が浮くことになり、JPホールディングスへの収益拡大に寄与することとなっております。
こういう本部経費や会計区分間繰入金は、横浜市との事前協議の上認められているということですが、公金の使われ方として、妥当であるということをどう担保されているのか、本当に株主配当には使われていないという保証はあるのか、伺います。
株主への配当は、法的には禁止されていませんが、厚労省の局長通達では、配当すると、運営費補助金への上乗せである民改費(民間施設給与等改善費加算措置)が適用されないとしています。しかし、本市は、営利会社が運営する園に対しても、民改費加算を行っております。
その他にも、JPホールディングは、給食調理会社、人材派遣会社、物品販売会社を有し、先にあげたA園では2011年度でこの3社に対して2,700万円余りの事業を発注し、収益を上げています。
こういういくつかのルートを通じて、本来子どもの保育のためにと公金から支出されている保育運営費が、結果、株式会社の利益・株主配当へと変わってしまっています。市長、これは、税の目的外使用とは言えないでしょうか。市長の所感を伺います。
また、営利企業については、内部留保や株主配当を制限するなど、子どものためにのみ保育運営費を使うような仕組みをぜひ作るべきだと思いますが、どうか伺います。

林市長:実費以上に本部会計に繰り入れているのではないかというご質問ですが、JPホールディングの繰入額は特に問題となる水準とは考えていません。園ごとの差異は、各園の事情によるものと思われます。
保育所運営費が、株主配当金に使われてないことの保証についての考え方ですが、保育所においては、保育所の施設会計と運営事業者の本部会計と経理区分を分けることになっています。保育所の施設会計から直接配当をすることは認められておらず、監査において配当がないことを確認しています。また、各会計間の資金の移動は、原則として認められていませんが、社会福祉法人以外は市に事前協議し、承認された場合に限り前期末支払い資金残高を取り崩し、本部会計に繰り入れた上で、保育所の運営に関連する人件費や事務費に当てることができます。
関連会社との契約による支払いが株式配当金に回ることについてですが、保育所運営費の執行にあたり、請負会社と適切な契約手続きがなされているかについては監査で確認しています。問題があれば、是正を求めています。一般的には保育所の運営事業者と関連会社との取り引きについて法的に制限されているものではありません。関連会社の利益から配当を行うことについても当然あり得るものと考えます。
内部留保や株式配当を制限する仕組みをつくるべきとのお考えについてですが、当期末支払い資金残高については当該年度の運営費収入の30%を限度に安定した経営を確保するために将来発生が見込まれる経費として計画的に積み立てることが認められています。また、保育所の運営費の使途は、保育所の人件費、管理費、児童の保育などのために必要な費用に限られているため、運営費からの配当は認められていません。

株主配当を行っている保育園に民改費加算を続けるのか

第二質問
古谷議員:お答えありがとうございましたといいたいところですが、なかなか回答がまっすぐ返ってこないというふうに思います。
市長、1点だけお伺いします。民改費について指摘をさせていただきました。保育園の運営の中では運営費と並んで、保育園収入の多くを占める民改費について、横浜市では、社会福祉法人であろうと株式会社であろうと、法人の形態を問わず支給されているということになっています。しかし、国の局長通達によれば、事実上、配当を行っている株式会社に対しては、民改費は削るべきであると指摘されています。なぜ、本市は国通達を無視してまで、株主配当を行っている保育園に対して民改費加算を支給し続けるのでしょうか、配当を出しているのは明らかですから返還を求めるべきではないでしょうか。市長の考え、伺います。

林市長:古谷議員のただいまのご質問にお答え申し上げます。
民間施設給与費、改善費、民改費は、施設会計から配当をされた場合はどうなるかというご質問でございました。施設会計から配当された場合は資金に余剰があるとみなされて、民間施設給与改善費は停止されます。しかしながら、横浜市ではこうした例はありません。監査の中で確認をしております。以上、ご答弁申し上げました。

保育の質を担保するのに重要な監査体制をなぜ緩めたのか

古谷議員:保育の質を担保するためには、監査をしっかり行うということも一つのポイントとなります。しかし、林市政のこの4年間の中で、監査対象の園が大幅に増えているにも関わらず、監査の体制はほとんど強化されていません。逆に、体制が弱いため、監査回数も緩められてしまい、もともと1年に1回行われていた監査が2年に1回程度に後退しています。保育の質を担保するのに重要な監査体制をなぜ緩めたのか、市長の考え、伺います。
社会福祉法人と株式会社を比べた場合、監査の対象が明らかに違います。社会福祉法人は法人に対する監査がありますが、株式会社には親会社への監査はありません。横浜市の公金が注ぎ込まれた会社に対して、所管が違うからといって監査を行わないというのは、おかしいのではありませんか。公金が入っているわけでありますから、その使途について、親会社に対しても監査ができるように、制度や法整備を国に対して求めるべきではないでしょうか。市長の考えを伺って、一回目の質問を終えます。

林市長:保育の質の担保に必要な監査体制についてですが、監査対象施設の増加に対しては、23年度に監査課の担当課長1名、事務職1名を増員し、監査体制を強化しました。現在は、監査課の担当係長、事務職、保育士および保育運営課の栄養士の計4人で1班を編成し、4班体制で監査を実施しています。新設園は全園を監査対象としていますが、運営に問題のない良好な施設は実施監査を2年に1回とし、監査対象外の施設についても必要な報告を求めるなど、効率的な監査を実施してまいります。
株市会社の本社・親会社も監査対象とするよう国に法整備・制度づくりを働きかけることについてですが、株式会社が運営する認可保育園については、監査を実施しております。一方、園を運営する株式会社の本社については、会社法などの法令に基づいた監査がなされており、本市には監査権限がなく、監査は実施しておりません。
以上、古谷議員のご質問にご答弁申し上げました。

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