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2013年第2回定例会の閉会にあたって

2013年5月31日
日本共産党横浜市会議員団
団 長 大 貫 憲 夫

1、はじめに
第2回定例会は、5月30日、市職員退職手当引下げなど市長提出議案の39件と読書推進と災害時における自助・公助の議員提出議案2件を賛成多数で可決し、閉会。党議員団では議案関連質問を岩崎ひろし、一般質問を古谷靖彦、討論を荒木由美子の各議員が行いました。

2、日本共産党議員の議案関連質問と一般質問の大要
岩崎議員は、南本牧ふ頭連絡臨港道路整備事業について、横浜港のコンテナ取扱量は、往時から大きく後退しており、輸送会社社長も今後も引き続き減少するとみていることを紹介しつつ「当初計画にこの道路整備計画がなかったのは不可欠の道路ではないからであり、真に必要な事業なのか、現時点で一度立ち止まって真摯に検証すべき」として、林市長の認識を質しました。市長は「国際コンテナ戦略港湾の横浜港に貨物を集中させることが本市の責務であり、国際競争力強化を図るとともに今後の交通量の増加に対応する上でも欠くことのできない事業」と力説。

国の保育士等処遇改善事業に基き、民間保育所の保育士等の処遇改善を進める予算が補正計上。岩崎議員は、賃金引き上げについて、派遣型保育士の場合は、事業費は保育園から派遣会社に支払われ、保育士本人の処遇が改善されたのかの検証が困難であると指摘し、同事業の周知を全ての保育士等に行うよう求めました。また、1年限りの臨時的措置であり、恒久的な仕組みとするよう要求。市長は、民間保育所に対し様々な機会を通じて事業の主旨を周知していく、国の安心子ども基金は毎年延長されてきた経緯があり、今後も国に継続を求めるとともに本市としても検討していくと答弁。

横浜市は待機児童「ゼロ」に向けて急ピッチで施設整備を進めて来ましたが、駅の高架下やビルの高層階などにも開設、株式会社の保育園が全国最多の142園で、認可保育園の4分の1を占めています。林市政下で開園した144園のうち81園が株式会社立で、そのうち46園が園庭の面積緩和の要件の適用を受けています。園庭のない保育園では近くに公園があることが認可条件です。

一般質問に立った古谷議員は「子どもたちにとって、毎日近くの公園まで公道を歩いて行くということがどういうことなのか、想像していただきたい」と訴えました。株式会社の目的は、利益を出して株主配当をすることです。保育園で利益をあげようとしたら、削られるのは人件費です。「独立行政法人福祉医療機構」の2009年の調べでは保育園の人件費率の平均は経常収入の71.9%ですが、市内のある株式会社立の保育園のそれは約40%と極端に低く、古谷議員は「保育士さんの条件があまりにも違いすぎれば、そのしわ寄せは必ず子どもたちにいく」として、認可保育園の保育士の給与や待遇の実態調査を至急実施するよう求めました。その他、市からの運営補助金が様々なルートを経て株主配当に回っている可能性を指摘し、公金が子どものためにのみ使われるような仕組みを作るとともに、監査体制を強化するよう求めました。林市長は、2015年4月移行導入予定の子ども子育て支援制度に向けて今年度に実施する経営実態調査の中で、人件費について調査することを考えていると答弁、その他は不明確な答弁に終始。

この質疑を通じて、横浜市の保育所待機児童解消対策が、保育の質を犠牲にしていることが明るみになりました。横浜方式を全国に広げることは、子どもの発達保障の視点から、容認できません。

質を確保した保育所運営のためには、数だけにこだわる現市政の姿勢を変えることが必要です。
南本牧ふ頭の二本目の連絡道路・橋建設事業は、不要不急の事業の典型です。国策にそって大型開発事業に傾斜する市政の転換にむけて、市民運動の発展が求められています。

3、議会の新構成について
常任委員会には、大貫議員は温暖化対策・環境創造・資源循環、岩崎議員は建築・都市整備・道路、荒木議員は政策・総務・財政と議会運営、白井正子議員はこども青少年・教育委員会、古谷議員は健康福祉・病院経営に各々前期に引き続き選任され、県後期高齢者医療広域連合議会議員には、白井議員が選出されました。基地対策特別委員会は、白井議員から古谷議員に交代しました。