議会での質問(詳細)

2013年6月20日

■「議案関連質問」 大貫憲夫議員(2013.6.20)

◎実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

大貫議員:日本共産党を代表して質問します。

今臨時議会に提案された「横浜市常勤特別職職員及び一般職職員の給料及び手当の臨時特例に関する条例」は、本年1月28日に総務大臣からの要請を受け、市長などの特別職職員や職員の給料等を本年7月1日から来年3月31日まで臨時的に減額しようとするものです。

地方公務員も給与減らせというのは国の強制
安倍内閣は本年1月24日、「東日本大震災を契機として防災・減災事業に積極的に取り組むとともに、長引く景気の低迷を受け、いっそうの地域経済の活性化を図ることが喫緊の課題となっている」として、「こうした地域の課題に迅速かつ適確に対応するため、平成25年度における地方公務員の給与については、国家公務員給与改定および臨時特例に関する法律に基づく国家公務員の給与減額支給措置を踏まえ、各地方自治体においては速やかに国に準じて必要な措置を講ずるよう要請する」という閣議決定を行いました。総務大臣のこの要請は、この閣議決定によるものです。要するに、国家公務員は東日本大震災の復興財源に充てるため2012年度から2年間給与を平均7.8%削減するので、2013年度は地方公務員も同じようにしろという要請です。
この総務大臣の要請は地方自治に関わる重大な問題点を含んでいると考えます。まず、総務大臣の要請そのものについて、市長の見解を伺います。

林市長:大貫議員のご質問にお答え申し上げます。
市第38号議案についてご質問いただきました。
総務大臣からの給与減額要請についてですが、地方公務員の給与は本来各自治体が自主的に決定すべきものです。今回の国の手法は地方自治の本旨に照らして問題があると考えており、私としても誠に遺憾であると感じています。しかし、地方交付税の減額が決定した以上、市民サービスに影響を及ぼすことはできないため、市長として給与減額を行わざるを得ないと判断いたしました。

全国の自治体をリードすべき横浜市長として政府に抗議すべき
大貫議員:政府は3月29日、地方公務員の給与減額要請を反映させた地方交付税の減額等を内容とする改正地方交付税法を成立させました。この改正法成立により、地方公務員の給与減額は閣議決定を受けての総務大臣の要請というものではなくて、実質的な強制となるものです。
全国知事会・全国市長会などの地方6団体は4月22日、「本来、条例により自主的に決定されるべき給与について引き下げ要請が行われたことは、あってはならないことである」「『国と地方の協議の場』は一度しか開催されず、地方側と協議を尽くさないままこのような措置を国が決定したことは、過去に例をみない異例な対応と言わざるを得ない」という抗議の共同声明を発表しています。また、全国各地の自治体首長が政府に対し今回の国の措置について地方自治の立場から抗議の声明を出していますが、ことは地方自治に関わる問題です。全国最大の政令都市の市長として全国の自治体をリードすべき立場にあるとの自覚があるならば、当然、他に先駆けて政府に抗議するべきでした。何故、抗議しないのかその理由を伺います。

林市長:給与減額要請に対する抗議についてですが、これまでも全国市長会や指定都市市長会などを通じて要請を行うとともに、本市の状況についても独自に国に対して訴えて来ました。今後についても、二度とこのようなことがないように様々な機会を通じて国に訴えてまいりたいと考えています。

何が何でも意向に従わせようとする政府の態度
大貫議員:地方交付税は地方固有の財源です。今回の地方交付税法改正は、その地方交付税を地方公務員の給与に引き下げの要請手段として用いたと言わざるを得ません。同時に政府は、都道府県及び指定都市における給与減額措置の取り組み状況を調査し公表することにより、地方自治体に圧力をかけています。地方交付税の減額に加え、この物理的手段ともいえる調査・公表は、何が何でも政府の意向に地方自治体を従わせるという強制そのものです。市長はどのようにお考えでしょうか。

林市長:給与減額措置の取り組み状況調査についてですが、先ほどもただいま申し上げましたとおり、地方公務員の給与は本来各自治体が自主的に徹底すべきものであり、この調査を含め今回の国の手法は地方自治の本旨に照らして問題があると考えています。
実質的に地方公務員法に抵触し、地方自治への政府の介入

大貫議員:地方公務員法では地方公務員の給与は地方で決めるとされており、地方公務員の人件費は地方の自主性に委ねられています。今回の地方交付税法改正は、実質的に地方公務員法に抵触し、地方自治への政府の介入であって、あってはならないことで、これは地方自治の根幹に関わる重大問題と考えますが、市長の見解をこの点についても伺います。

林市長:地方税交付税法改正についてですが、地方交付税は地方自治体の固有の財源で、その使途は地方に委ねられている一般財源です。また、地方公務員の給与は、地方公務員法により本来は各自治体が自主的に決定すべきものです。今回の国の手法は、地方自治の本旨に照らして問題があると考えており、私としても誠に遺憾であると感じています。

スト権のない公務員の労働基本権
大貫議員:公務員の給与改定は労働基本権に対する制約の代償として人事院勧告が用いられ、地方自治体では人事委員会勧告によるケースがほとんどです。今回のように、地方交付税カットなどの兵糧攻めによる地方公務員給与の削減が許されるならば、スト権のない公務員の労働基本権との関係で、重要な変化をきたすことにならないか、市長の見解を求めます。

林市長:公務員の労働基本権との関係についてですが、地方公務員の給与は、本来各自治体において、人事委員会勧告に基づき自主的に決定すべきものです。しかし、今回は地方交付税の減額という現実を前に、市民サービスに影響を及ぼすことができないことから、臨時的特例的な措置として給与減額を行う判断するにいたりました。
なお、給与減額を行うにあたりましては、本市の状況を十分に考慮するとともに、これまで通り職員団体等と協議を行い、妥結した上で条例案を提出いたしました。

削減される地方公務員の給与の使い道は?

大貫議員:政府は、今回の地方公務員給与減額措置によって捻出した財源8500億円で、「日本再生」のため防災・減災事業に積極的に取り組むとともに、一層の地域経済の活性化といった課題に迅速・且つ適確に対応するとしています。財源配分は全国防災事業に1000億円、緊急防災・減災事業に4600億円、地域の元気づくり事業費に3000億円となっています。削減される地方公務員の給与額と緊急課題への対応として実施される事業費総額は一致しています。ところが、全国防災事業にしても緊急防災・減災事業にしても、いずれも地方債充当率100%の起債事業であり、財源的には給与削減との関係は全く関係ありません。削減される地方公務員の給与のうち、全国防災事業、緊急防災・減災事業に充てるとする5600億円はいったい何に使われるのか、本当に東日本大震災復興のための財源とされるのか、大変疑問です。その点で市長はどう認識されているのか伺います。

林市長:削減される地方公務員の給与の使い道等のお尋ねですが、国は今年度の地方財政計画において、防災・減災事業や、地域の活性化等の緊急課題に対応するため、給与削減額に見合った事業費を歳出に特別枠として計上しているので、そうした主旨に沿って使われるものと認識をしています。

ラスパイレス指数を理由にするのはいいがかり
大貫議員:地域の元気づくり事業費の3000億円についても、ラスパイレス指数と職員数削減の取り組み状況によって加減されて地方自治体に分配されるというものです。政府は、ラスパイレス指数が2012年度に一気に106.9まで上昇したことを地方公務員給与減額措置の理由のひとつに挙げていますが、これは昨年2年間に限り国家公務員給与を平均7.8%引き下げた結果であり、2011年度までのラスパイレス指数は100を下回っていたことを考えれば、地方公務員給与減額措置の理由にすること自体言いがかりといえます。この点についても市長の見解を伺います。

林市長:ラスパイレス指数についてですが、そもそもラスパイレス指数は給料月額、いわゆる本給のみの比較であるため、これまで本市が行ってきた諸手当などの給与制度の見直しが反映されていないなど様々な問題があり、給与全体を適切に表すものではないと考えています。国からはラスパイレス指数による給与減額要請がありましたが、本市としては国とは役職、団体としての人員構成が大きく異なるなど本市の状況を考慮した上での給与減額措置としております。

なぜ職員数削減が地域の元気につながるのか
大貫議員:また、職員数削減努力による加算についても、何故、緊急的で地域の元気につながるのか、さっぱりわかりません。市区町村はすでに、2012年度までの間に一般行政職員数で約13万人、率で16%、総人件費で1兆6000億円削減しています。さらに、給与削減は東日本大震災で未曾有の被害を受けた自治体の職員にも及びます。自らも被災しながらも住民の先頭に立って、地域復興のため懸命に働いている被災地の自治体職員のみなさんに対し、今回の措置はあまりにも理不尽なものです。医療、介護、保育、教育など、あらゆる分野で住民の生活を支えているのが地方公務員です。地方公務員の生計費をこんな乱暴なやり方で削るのは間違いです。この点についても市長の見解を求めます。

林市長:今回の国の手法についてですが、先ほど来ご答弁申しあげましたとおり、誠に残念です。いま横浜市では保育所待機児童ゼロの達成をはじめ、中期4か年計画で掲げたさまざまな取り組みが実を結んできております。これらは職員が懸命に役割を果たした結果であり、市長として感謝をしています。しかしながら、市民サービスに影響を及ぼすことはなんとしても避けなければならないことから、給与減額という苦渋の決断をいたしました。

給与削減は職員のやる気を削ぎ、本市経済にマイナスの影響
大貫議員:本市は、毎年の人事委員会案に沿っての給料の引き下げ、住居手当など諸手当の廃止、さらには退職手当の減額を行っています。その上、7月からの給与削減は本市職員に生活上大きな困難を押し付けることになります。これでは職員のやる気を削ぎ、これ以上の人件費削減によって、本市として自治体運営に著しい障害を発生しかねない状況に至っています。また、今回の条例による一般職職員の給与削減額は約55億8000万円とされ、当然、本市経済にもマイナスの波及効果を及ぼします。この指摘に対する市長の見解を伺うと同時に、このような重大な影響よりも、安倍内閣に対し、いい顔をする事の方が大切だと林市長は考えていられるのか、この際伺いたいと思います。

林市長:給与減額措置による影響についてですが、職員のモチベーションを維持することは市長としての責務であると考えています、また、今回の措置により市内経済への影響はないとはいいきれませんが、地方自治体として市民サービスに影響を及ぼすことは絶対に避けなければならないと判断し、給与減額を行うものです。

様々な知恵を集めて給与削減を回避すべき
大貫議員:本市職員の給与削減は、市内民間企業の賃金引き下げにも連動し、生活保護基準の引き下げと合わせて、市民全体の生活をますます悪化させ、「貧困と格差」を拡大させます。今でさえ困難な地域医療を担う市立病院等の医師や看護師の確保がいっそう大変になるなど、本市の公務公共サービスの深刻な低下を招くことにもなりかねません。
仙台市の奥山恵美子市長は先月末、政府による地方公務員給与削減要請には応じず、市職員の給与カットを実施しない方針を示しました。本市においても毅然と政府の要請を拒否すべきです。今回の地方交付税減額措置に対し、横浜環状道路北西線など大型開発の中止・凍結による一般財源の確保、財政調整基金等の基金の取り崩しなども含め、様々な知恵を集め本市職員の給与削減を回避すべきです。何故、そのような努力をしようともせず、政府の強制的要請に唯々諾々と従ったのか、その見解を伺って私の質問を終わります。

林市長:他の様々な方法で給与削減を回避すべきとのことですが、市民サービスに影響を及ぼすことはできないことから給与減額を行うものです。なお、ご指摘いただいた公共事業は、市内経済の活性化や横浜の発展に不可欠な投資です。また、基金の活用等は基金設置条例の目的や健全な財政運営を進める中で検討していくものであると考えています。
以上、大貫議員のご質問にご答弁申し上げました。

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