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副読本「わかるヨコハマ」回収実施等にかかわる申し入れ

2013年8月14日

横浜市教育委員会 教育長 岡田優子様

日本共産党横浜市会議団
団 長 大 貫 憲 夫

市立中学校1年生全員に毎年配付されている副読本「わかるヨコハマ」の関東大震災の記述について、市教委は、2013年版での改定は必要ないという党市議団の申し入れや市民からの要望を無視して、一部の政治勢力に屈服して改定し、2012年度版2万7千冊を対象に回収を実施していることは、歴史ある横浜市教育委員会において、後世に汚点を残すこととなりました。

回収された1万2千冊は段ボール箱に入れられ、市立高校内の部屋に積み上げられています。回収の理由を、「大きな改定を行い」「混乱を生じないよう回収とした」としていますが、回収しなければ混乱を招くという事態ではありません。回収は、違った意見を抹殺する現代版の「焚書」ともいうべきもので、公教育の場でありえないことです。また、生徒に回収を求めることは、学校への信頼を損ね、教育委員会や教師への不信を増長することとなりました。

2013年度版で関東大震災の記述が改定されましたが、歴史の事実の記述については、教育委員会内部だけの密室で編集を行うのではなく、外部の専門家を入れた検討委員会を立ち上げて、編集することが求められます。

今、やるべきことは他にあります。明らかに誤りが指摘されている自由社版歴史教科書への手立てです。中学3年生は、誤りの多い自由社版で学んだまま、今年度も卒業していきます。昨年12月議会で、古谷議員が一般質問し、誤った知識を植え付けることを回避する手立てを市教委としてとり、自由社に対応を要望し、国に是正勧告を要望するよう求めた答弁で、前教育長は「教育委員会が関与するものではない」として、手立てをとることを拒否しています。このことは黙過できるものではありません。新たに就任された岡田教育長に対して、改めて、市教委として手立てをとることを求めます。

ついては、つぎの項目を申し入れるものです。

1 副読本「わかるヨコハマ」2012年度版の回収を直ちに中止すること。

2 関東大震災の記述について、外部の専門家を入れた検討委員会で検討すること。
3 自由社版歴史教科書の誤った知識を植え付けることを是正する手立てをとること。