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(第4回)おかしいんじゃない?横浜市教育委員会~横浜でも「はだしのゲン」閲覧制限と同じことが起きている!

日本共産党横浜市議団がお届けするインターネットTV「JCPヨコハマチャンネル」。­第4回めの今回は「おかしいんじゃない?横浜市教育委員会 」です。


古谷:日本共産党横浜市会議員団がお送りするインターネットテレビ「JCPヨコハマチャンネル」、今回で4回目を迎えました。キャスターを務めます古谷やすひこです。
いま安倍政権のもとで、過去の侵略戦争を美化したり、あるいは侵略戦争を認めない、憲法を変えて国防軍まで作るという議論まで、国ではされています。
また先日、島根県の松江市では、教育委員会が漫画のはだしのゲンを閲覧制限するということがされ、全国的にも大きな問題になりました。
そんな中で、いま横浜市でも同じような問題が起きています。市内の中学生に一度手渡された副読本「わかるヨコハマ」がいま回収をされていることについて、取り上げてまいります。今日のゲストは、港北区選出、白井まさ子議員です。

白井:白井まさ子です。教育委員会関係の常任委員会にいます。どうぞよろしくお願いします。

古谷:はい、よろしくお願い致します。

副読本「わかるヨコハマ」から「虐殺」の文字が消えた

古谷:早速ですが、副読本「わかるヨコハマ」というものはどういったものでしょうか。

白井:はい、これなんですけれども。自然、そして歴史、社会についての副読本なんです。横浜開港150周年の記念として、横浜のまちを愛する心と態度を養っていくことを目的に作ったとも書かれています。これ、毎年一部記述が改定されて、中学1年生に配付されているんです。

古谷:なるほど。それで、一度配布された「わかるヨコハマ」副読本を教育委員会が回収したということなんですが、これは何が問題で回収されたんでしょうか。

白井:はい。問題となっているのは、関東大震災の時の記述なんですね。これまで、あいまいな記述から、2012年度版で朝鮮人虐殺事件に軍隊や警察の関与があったことが記述されました。パネル1
ところが、2013年度版で、この部分の記述の改定が行われまして、軍隊・警察が虐殺を実行・関与したという記述を削除し、すべて自警団の責任にしてしまいました。そして、 横浜でも軍隊・警察の行動が正しく取り上げられていません。また、虐殺などの語句がすべて殺害に統一されてしまいました。これでは、関東大震災の時の朝鮮人・中国人虐殺の事実を中学生から隠すものになってしまったんです。この2013年度版で記述が変更されてしまった経緯に問題があると思っているんです。

自民党議員の圧力で改変・回収

古谷:なるほど。この関東大震災の史実が副読本で変更されたということについて、その経緯に問題があるということなんですが、具体的にはどういったことでしょう。

白井:端的にいえば、議会での自民党議員の圧力によって教育内容を変更することになったということなんですよ。

古谷:そうですか。すごいですね。
白井:これは、教育行政に政治が介入してしまうという大問題だと思います。先の戦争で、国が教育によって軍国少年・軍国少女、作っていったことへの反省に立って、教育への政治介入は許さないことになっています。

古谷:そうですね。あたりまえのことですね。その議会での自民党議員の圧力というのは、具体的にはどういういったことですか。

白井:去年の6月に産経新聞がこの「わかるヨコハマ」の2012年度版での関東大震災の記述の改定について取り上げて、その後、市議会の常任委員会で、自民党議員がその記事を示して、そして中学の歴史教科書の表現と対比しながら、「わかるヨコハマ」2012年度版では「軍や警察が自警団とともに朝鮮人を虐殺した」との表現は問題だとして、記述の改定と回収を求めたんです。当時の教育長は、2013年度版で再改訂し回収すると答弁したんですね。
そのあとも、自民党議員は9月10月の決算議会でも取り上げて、関係者の処分を求めて、処分まで実施されたわけです。

古谷:すごい話ですね。政治の介入そのものといったところですね。

まさに横浜版の「はだしのゲン」閲覧制限

古谷:それで実際、生徒に配布された副読本について回収されたということなんですが、回収保管現場を見てきたということなんですが、どういった状況でしたでしょうか。

白井:はい。去年、中学1年生に配布した2012年度版ですね、今年中学2年生になった生徒から回収したわけなんですね。この2013年度版と交換なんですけれども。段ボールに入れられて、市立高校の空き部屋に積み上げられているんです。配付したのは2万7000冊ということで、その半分を回収したんだそうです。
これって、教育委員会が都合の悪いものを子どもの目から遠ざけてしまう、まさに横浜版の「はだしのゲン」閲覧制限だと思います。

古谷:なるほど、いま島根県で大問題になっているやつですね。
つまりまとめると、教育委員会は史事に沿った記述をしていた副読本を自民党議員から指摘されたことをきっかけに改定までして、徹底的に回収まで行っていると。政治の介入で教育内容が変えられてしまったということだと思います。

党市議団が教育長に申し入れ

古谷:それで、先日、党市会議員団として、岡田教育長に対して申し入れを行ったということなんですが、どういった中身なんでしょう。

白井:8月14日だったんですけれどもね。もう回収、直ちに中止するよう抗議しました。
そして、関東大震災時の記述については、外部の専門家を入れた検討委員会で検討するように申し入れを行いました。

関連することなんですけれども、新聞報道によればですが、今回の市長選です。林市長が自民党市連と結んだ政策協定に「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社の教科書を今後も使い続ける内容が盛り込まれているようなんです。「わかるヨコハマ」の問題と同じように、教科書採択に対しても政治介入があってはならないと考えています。パネル4(1・2頁)

古谷:そうですね。当然の話ですね。今日は白井議員ありがとうございました。
今回のインターネットテレビ「JCPヨコハマチャンネル」いかがだったでしょうか?ご意見ご感想は、ぜひこちらまでよろしくお願い致します。では、また次回お会いしましょう!