- 日本共産党 横浜市会議員団 - http://www.jcp-yokohama.com -

■「病院経営局」 白井まさ子議員(2013.10.8)

白井議員:日本共産党を代表して質問します。脳血管医療センターについてです。

脳血管医療センター、赤字縮減目標は達成どころか赤字拡大

経営改善プラン、3か年の初年度である2012年度に赤字を9億3400万円まで縮減する目標に対して、12億3000万円までに膨らむという結果になっています。そこで、脳血管医療センターは、脳卒中治療の専門病院ですけれども、市内では他でも脳卒中の治療ができる病院が増えていまして、その設置状況と医療実績はどうなのか、伺います。

加藤脳血管医療センター管理部長:横浜市脳血管疾患救急医療体制に平成24年7月1日現在、33の医療機関が参加しております。また、公表されている最新の23年度の救急搬送実績は、4976件となっております。

白井議員:他の病院、たくさんありますけれども、脳卒中治療の分野の経営状況はどうなんでしょうか。仮に経営が赤字であれば、これほどまでに病院の件数が増えないと思うんですが、ある程度採算がほかのところではとれているからこそ経営を続けているんだろうと思います。脳卒中治療を行う病院の数がここまで増えている理由はなんなのか、そして他の病院の経営は赤字なのかどうなのか、なぜ脳血管医療センターは赤字が体質化しているのか、他の施設とどこが違うのか、こういった点をどう捉えておられるのか、伺います。

城病院経営局長:脳卒中疾患の救急医療体制の参加病院が増えている理由というのは、直接的にはちょっと把握をしておりません。あの体制については、参加を希望する病院が特に問題がなければ参加することができるというそういう制度になっておりますので、なぜそこに増えているかという部分は把握しておりません。
また、参加している病院は、脳卒中専門病院ではないので、脳卒中の診療部門だけを取り上げて、そこが赤字かどうかということについても、ちょっと把握ができておりません。
その中で、脳血管医療センターは急性期から回復期までの医療を同一の施設で提供している、また脳卒中というのはこれまでは特定の疾患に限定した診療機能を提供しているということがございまして、そういったことから民間と比してどうしても非効率なところがあるというふうに考えております。

白井議員:先程からも、この脳血管医療センターで入院の患者の確保をがんばるということで言われてきているんですけれども、他の病院もその脳血管医療センターと同様に患者確保に必死だと思うんですね。そこで、民間病院との差別化をしないと、脳血管医療センターの患者というのは増えないと思うんです。現状の枠にとらわれないで、いっそう差別化する考えはないのかどうか、伺います。

城病院経営局長:脳血管医療センターは専門病院として現在でも3ステラやMRIなどの高度な医療機器を活用した診断ですとか、あるいは最先端の血管内治療、こういった充実した急性期医療、あるいは急性期から回復期までの一貫した医療、また発症直後の早期リハビリテーションということで、民間病院、民間の施設と比べますとすでにもうかなり特色のある医療というものが確立をしているというふうに思っています。こうした点を積極的にピーアールすることで、患者の確保につなげていきたいというふうに考えています。

白井議員:まあ、リハビリでがんばるということで、それは理解できるんですけれども、診療報酬が低いので、患者数が増えても採算面では厳しさが続くんだろうと思います。

脊椎脊髄外科新設で多少の赤字削減効果はあったというが・・・

それで、これまで脳卒中の治療だけの単科の病院だったんですけれども、2012年の4月から常勤医師を2名、非常勤医師を2名配置して、脊椎脊髄外科の診療も開始しました。この新たな医療危機を加えたことによる収入増、経費増はそれぞれいくらか、赤字縮小効果はどうなのか、まあ先程も出ておりますけれども、改めて伺います。

加藤脳血管医療センター管理部長:24年度脊椎脊髄外科設置により、収入は約4億1000万円、これに伴う費用の増加額は約1億8000万円となっており、差し引き約2億3000万円の赤字削減効果があったものと考えております。

白井議員:脊椎脊髄外科の開設1年目なんですけれども、その2年目の、1年目だったんですが、その2年目の今年度2013年度は、4月から常勤し、4名体制としています。そこで、手術件数、外来延べ患者数について、2012年度の実績とそして13年度の8月までの実績はどうでしょうか。そして、またそれに伴う年間の収入は12年度の実績と13年度の見通しで、それぞれどうなのか、また13年度の年間収支の見込みがどうみておられるのか、伺いたいと思います。

加藤脳血管医療センター管理部長:平成24年度は、手術件数は116件、延べ外来患者数は2596人となっております。平成25年度8月までの実績ですが、手術件数は10件、延べ外来患者数3163人と、前年度同月時点と比べ、大幅な増加となっております。収益ですが、24年度は入院・外来合わせて1億3800万円、25年度は3億1700万円となっております。このまま推移した場合ですが、収入増は年間で約4億円、費用増は約2億5000万円となる見込みでございます。
白井議員:今年度運営が軌道にのって、増収が見込まれるとすると、それは喜ばしいことと思うんですけれども、人件費や材料費などの費用の増もあるということで、この分野で赤字幅縮減にはあるけれども、限界があると思うんですね。そこをここをきちんと見極めることが判断として適切と思うんですけれども、局長はここはどう見込んでいるのか、伺います。

城病院経営局長:先生ご指摘のとおり、脊椎脊髄外科を設置したことで収支改善が図れると、一定の収支改善は図れると見込んでおりますけれども、加えてこれまでの脳卒中、それからリハ、この部分でしっかりと患者を確保し、増収を図っていく必要があるというふうに考えております。

白井議員:リハの方にも及ばれたんですが、ちょっと質問をしたいと思うんですけれどもね。医療機能のメインである脳卒中関係の診療科で、神経内科や脳神経外科、そして脳神経血管内科において、入院患者数、外来延べ患者数、これ12年度の実績と13年度の8月までの実績はどうなのか、またそれに伴う年間収入、12年度実績と13年度の見通し、それぞれどうなのか、そして、13年度の年間収支の見込みはどうなのか、伺います。

加藤脳血管医療センター管理部長:平成24年度の実績ですが、入院患者数は全部で2万993人、外来患者数は全部で1万8941人です。平成25年度の8月までの実績で比較いたしますと、延入院患者数は今年度1万4517人で、前年度同時点と比較しまして2195人の増、延べ外来患者数は8568人で、前年度同月時点と比べまして624人の増となっております。収入ですが、平成24年度は6億4000万円で、25年度については同月時点8月で比較しますと7億4700万円で、約1億1000万円の増となっております。そのまま推移した場合、収入増は年間で約3億円、費用増は約2億4000万円と見込んでおります。

独立採算に無理、一般会計繰入金をこれ以上減らすな

白井議員:そういう見込みの中なんですけれども、今年度の経営改善プランの2年目で、先ほど副市長の方から今年度上半期の状況みたらプラン達成の兆し見えつつあるということだったので、ちょっとそこで副市長に伺うんですけれども、今年度の上半期のがんばり程度では3年目の目標、赤字を3億5000万まで縮減するという目標がありますけれども、この達成極めて厳しいと思うんですね。抜本的な対策が必要と思います。特に、脳卒中の関係科目での設立当初、先進高度医療機関、高度専門先進、高度先進専門医療としての魅力をどういうふうに押していくのかということが問われるんだと思います。
それで、経常収支の改善が目立つことはもちろん大切と思うんですけれども、赤字の解消を至上命題とすることが整備の目的や基本理念を萎縮させる事になるのではないかと思います。それで、独立採算を目指すこと自体に無理が有ると思うんですね。一定の税の投入は必要であって、一般会計繰入金をこれ以上減らさないことだと思います。病院管理者やそして病院局長の力量とともに市長の手腕が問われているところだと思います。副市長に、今後どうするのか、現時点の判断を伺いたいと思います。

鈴木隆副市長:脳血管医療センターにおいては、病院事業管理者のもと、現在第二次中期計画を経営プランを策定をして、経営改善、医療機能の強化を図っていくというふうに先ほどから、申し上げてきました。その中で、脳卒中についても、3テスラのMRIの導入など、機能強化を図っているところでございます。今後も、設立理念である脳血管疾患に対する急性期から回復期までの一貫した医療を継続して提供すると、ここは変えないということで、そのために神経内科医等の人材確保をさらに進めまして、経営プランの達成に全力を尽くしていただきたいというふうに、私は考えています。

白井議員:ひとつ提案があるんですけれども、病院の赤字を縮減する方法なんですけれども、併設の老人保健施設があります。この契約の中途改定を行ってでも、収益、そこ出てますので、その一部を病院に還元して、内部留保の一定の掃出しを行ってはどうかと提案しますが、どうでしょうか。

城病院経営局長:指定管理者にお願いしている指定管理者負担金は、同種同規模の建物の標準的な減価償却費相当額、および土地貸付料相当額として設定しておりまして、指定管理の公募条件として設定したものでございます。過去19年からの損益の状況をみますと、赤字だった時の年もございまして、指定管理者の経営状況に応じて、この公募の条件を増減させることは必ずしも適切ではないというふうに考えております。せっかくのご提案ですけれども、状況見守っておきたいというふうに思います。