議会での質問・討論(詳細)
2013年10月9日

■「温暖化対策統括本部・環境創造局」 古谷やすひこ議員(2013.10.9)

古谷議員:古谷やすひこです。日本共産党を代表して質問いたします。

危機管理からもエネルギーの地産地消を進めよ

先の東日本大震災の際にも、本市も、東京電力一社にエネルギーを過剰に依存していたために、計画停電など大きな市民生活における制約を受けました。今後起こりうる大規模災害が発災した際に、電力の危機管理について創エネを統括する統括本部長の見解を伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:災害時の、いわゆる非常時ですね、ここで最低限の事業活動や市民生活の継続を図る、先ほども申し上げましたBLCP対応、このために、系統電力を自立分散型のエネルギー供給システム、これを両立させる、そういうことで再生可能エネルギーの導入を進めていく、そういうことが必要だろうと思っております。なお、平常時においても、従来の電力供給システムのもとでは、火力発電の比率が高まることによる温室効果ガスの増加や、あるいは電気料金の引き上げによる市民生活や地域経済の影響など、さまざまな課題がございます。あわせて解決すべき重要な事項と考えています。

古谷議員:いま、全国各地でエネルギーの地産地消という考え方でいろいろ進められています。本市も、エネルギーの危機管理からも、そういった視点、進めるべきと思いますが。どうか伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:エネルギーの地産地消ですが、再生可能エネルギーなどを活用するということでございますが、温暖化対策やBLCP対応に有効であり、地域における自立分散型のエネルギー対策として重要な視点であるというふうに考えます。しかし、電力需要の大きい大都市地域においては、系統電力を活用しつつ、自立分散型エネルギー供給システムを相互に有効に活用するということが望ましいと考えております。

創エネを積極的に進めるという熱意が感じられない

古谷議員:だからこそ、工夫が必要だというふうに思うんです。創エネが、いま温暖化対策の実行計画の目標どおりいま進んでいないという状況があるんですが、その理由について伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:厳しい進捗状況というふうに受け止めております。一方で、3・11以降の本市の住宅用太陽光発電システムの補助金の申し込みや普及状況でございますが、国の固定価格買取制度と相まって非常に大きな伸びを示すなど、市民のみなさまの関心も高まっているというように感じております。こうした動向を的確に捉え、市民のみなさまの普及啓発に努めていきたいというふうに思っております。

古谷議員:その厳しい進捗状況を、どう打開されようとしているのか、伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:補助金を続けるという考え方もあるかもしれませんが、やはり市民の方への普及啓発、非常にその有効なんだということをいろいろな資料を使ってご説明し、ご理解を得ていくということが重要だというように思っております。

古谷議員:この問題で、市長がよくPDCAのサイクル回していくんだと、よく言われます。このための創エネのための具体化のプラン、実行計画、ありますか。

浜野温暖化対策統括本部長:いま、先ほどもご質問いただいております、HEMSであるとか、BEMSとか、いろいろなエネルギー管理システムというのをやって、補助をして進めておるわけですが、こういった事例をもとに、どういう点が有効であり、どういう点が改善すべき点かというようなことを今後考えていく必要があるというふうに思っております。

古谷議員:実行計画、あるかないか、聞いたんですが。

浜野温暖化対策統括本部長:実行計画については、いま環境創造審議会の部会でご議論いただいておりまして、その中で一定の考え方が出されるかというふうに思っております。

古谷議員:何年、ご議論いただいているんでしょうか。

浜野温暖化対策統括本部長:今年、今年度に始まった部会でございます。

古谷議員:これはぜひ市長に対して進言もしてほしいというふうに思っているんです。この計画はもっと本市の施策の中心になるようにというように、ぜひ統括本部長からも進言していただきたいというふうに思います。どうか伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:この部会への諮問・答申というかたちでお諮りしているものでございます。

古谷議員:いまの答弁では、本当に熱意が感じられないというふうに指摘しておきます。

創エネ推進のためのインセンティブを検討せよ

具体的に聞きます。一昨年と比較して昨年度に行った創エネ推進のための施策、そのためのそれによる効果はどうだったか、伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:住宅用太陽光、それから太陽熱利用システムの補助を行っているわけですが、特に太陽光システムは23年度に約3400件、24年度に3700件と、3・11以前と比較して大幅に補助件数が増加しております。また、24年度に家庭用燃料電池に対する補助制度も作ったわけでございますが、約500件の補助実績をあげました。また、本市施設でも、引き続き太陽光発電や廃棄物発電を行うとともに、23年度に水道局においても小水力発電を開始しております。

古谷議員:メニューを述べられたんですが、本当にメニューが少ないというふうに思います。
では、それを踏まえて、昨年度と比較して今年度新たな施策として何をされたか、伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:今年度は、昨年度の補助制度を引き続き拡充するかたちのものもございますが、やっております。HEMS等でやっております。それから、啓発事業ですね、そういうものについてもいろいろな機会を昨年以上に取り組んで進めておるところでございます。

古谷議員:昨年以上にどう進めたのか、伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:たとえば、HEMSの例で言いますと、各家庭の普及ということになるわけでございますけれども、だんだんそれがいろんな民間の業者の理解も得て、新築物件では標準装備といったようなかたちで進行していますし、その際に進めて、たとえば集合住宅などで創エネ設備の導入といったようなことも働きかけて、徐々に実際の事例が出てきているという状況でございます。

古谷議員:温暖化の計画の中には、戸建て住宅50%ということで、太陽光パネルを設置するという非常に高い目標を掲げておられます。先ほどから聞いているとおり、非常に具体化に欠けるというふうに思っております。先ほどいまHEMSの話をされていたんですが、ぜひ新築住宅の建築の際に、創エネの設備を導入させるようなインセンティブ、ぜひ、これは検討すべきというふうに思いますが、どうか伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:先ほど言いましたように、要するに補助金の制度だけでもなかなか進捗しないということも一方で感じておりまして、要するに市民の方のいろんな相談に応じていくと、本当に自分の屋根に太陽光がつけられるかのどうか、つけられる場合どういう問題があるのかといったような個々具体の事例に応じていくというような観点も重要かなというふうに思っておりまして、そういう意味でいろいろ関係部局とも連携してやっていきたいと思っております。なお、今年度、既存住宅の環境性能や利便性の向上など住宅の価値を高める改修、既存住宅の改修ですね、これを行うエコリノベーションという企画提案を実施しておりまして、2つの事例が決まってきております。こういう事例を使って、鋭意いっそう普及啓発に努めていきたいというふうに思っております。

古谷議員:同じように、集合住宅の30%に太陽光パネルを設置するという目標を掲げられておりますが、創エネ設備、これもまた導入させるようなインセンティブ、ぜひ検討すべきと思いますが、どうか伺います。

浜野温暖化対策統括本部長:集合住宅は新規の中で6割以上の世帯の方がお住まいでございます。先ほど言いましたように、既存住宅の改修、これによってより断熱性の高い住宅を作っていく、合わせて創エネ設備を導入していくということで、先ほど言いましたエコリノベーションの企画提案をやってきております。

古谷議員:では、今年度、その戸建ての住宅、あるいは集合住宅、その施策によってどこまでのパーセントまでいこうというふうに考えていますか。

浜野温暖化対策統括本部長:いまの実行計画ございますけれども、具体的な目標ということで掲げているということではなくて、この事例をまず検証すると、やって検証するということでございます。

古谷議員:では、50%、30%という目標はもうやらないということなんでしょうか。

浜野温暖化対策統括本部長:その達成に向けてがんばっているということでございます。

古谷議員:非常にがんばりがやっぱり見えないと、具体的にされてないというところが非常に大きな欠点だというふうに指摘しておきます。
あと、民間に求めるだけではなくて、本市施設にも積極的に創エネの設備導入してほしいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

浜野温暖化対策統括本部長:先ほども言いましたけど、いろんな水道局ほか資源循環局等の施設でやっております。ご存知のとおり、学校や庁舎の屋上で太陽光発電もやっておりますし、再生可能エネルギーの導入に努めてきております。このところ、投資改修効率あるいは耐震性の確保、あるいは施設運営上の安全確保などのかかえる課題を緩和しつつ、施設整備の改修、タイミングを捉えて創エネ設備の導入等の検討を行ってきたと思っております。

古谷議員:ぜひこの問題は、まだアクションプラン作られていないことが最大の問題だというふうに言っておきますので、ぜひ具体化を厳選にやっていただきたいと思います。

注:BLCP:Business and Living Continuity Plan、業務・生活継続計画
HEMS:home energy management system、家庭内エネルギー管理システム
BEMS:Building Energy Management System、ビル管理システム

放射能対策費の支払いを断固として東電に求めよ

次に、下水汚泥焼却灰の保管について伺います。
日々発生する下水汚泥を完全リサイクルをされていた本市のシステムって、本当に素晴らしい仕組みだったと、他都市に誇るべき仕組みだったというふうに思っております。しかし、そのリサイクルの輪が途切れてしまいました。その原因は、下水汚泥焼却灰に放射性物質が混入しているためですが、その原因者は誰か伺います。

荻島環境創造局長:よろしくお願いします。東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故が原因でございますので、この放射性物質が下水汚泥焼却灰に含まれるようになった、これが原因だというふうに思います。

古谷議員:その原因者である東電には、もう断固とした態度で挑んでいただきたいというふうに思います。本市環境創造局として東電に請求した金額とそのうちの未払い金はいくらか、伺います。

荻島環境創造局長:年度に分けて申し上げます。平成23年度の請求額が、5億2100万余円、それから同じく請求額、平成24年が13億2600万余円、入金が23年度に6400万円ほどございます。従いまして、未収額は平成23年度が4億5700余円、平成24年度はまだ入金がございませんので、請求額の13億2600余円が未収になってございます。

古谷議員:原因者である東電には、未払金の延滞金、請求すべきだと思いますが、どうか伺います。

荻島環境創造局長:東京電力は下水道事業に対する賠償基準に基づきまして、賠償を行うということにしております。未払分につきましては、引き続き放射線対策にかかる損害額の全額が速やかに賠償されるように、強く求めてまいります。また、損害賠償における遅延損害金につきましては、東京電力の賠償基準では示されておりませんが、法などに照らしまして、対処してまいりたいと思います。

古谷議員:ぜひ、断固とした態度、取っていただきたいと思います。仮に支払いが遅れ続けるとなった時には、東電に対して賠償の請求について法的措置も含めた断固とした態度をとっていただきたいというふうに思いますが、どうでしょうか。

荻島環境創造局長:東京電力より支払いが行われない場合は、他都市との情報交換・連携を図るとともに、国に対して必要に応じて働きかけを行いながら、法的対応なども含めたさまざまな対応方法について検討進める必要があるというふうに考えております。

古谷議員:今の電力料金の仕組みだと、総括原価方式で、本市が請求しても賠償されても、価格に転嫁をされてしまいます。これについて局長の見解、伺います。

荻島環境創造局長:まさにその通りでございます。まずは、私どもは先ほど申し上げましたように、第一原因者の東電にきちんと請求するのが第一だと思っております。従いまして、東京電力に速やかに私どもには損害額の全額を賠償するよう強く求めていただく。そのために国にもきちんと働きかけて、場合によっては法的措置も考えてやっていく。まずは第一は、原因者から取るというのが第一われわれの務めだと思っています。

古谷議員:実際、総括原価方式だと、まわりまわって横浜市民に負担がかかるようという理不尽な仕組みです。ですから、これ国に対して、総括原価方式の見直しをするように求めることと、あと東電の資産を切り崩してでも請求に応じるように、国に対して要望するべきだと思いますが、どうか伺います。

荻島環境創造局長:私どもは、いま申しましたように、まずは第一原因者の東電に早く請求、支払いしていただくように請求するということと、いまいろいろ努力しています現在の状況、なるべく早く解決するように努める、この2点にがんばっていきたいと思っております。

古谷議員:ぜひ断固とした態度をとっていただきたいというふうに思います。
下水汚泥の放射線濃度は雨の日に高くなる
いま、本市の下水汚泥焼却灰の放射線濃度について、西日本などの濃度で比較して、本市の現状、いまどうなっているんでしょうか。伺います。

小浜下水道施設部長:9月末現在の放射性物質濃度は、北部汚泥資源化センターで、1キログラムあたり690ベクレル、南部で590ベクレルとなっております。西日本の状況に比べて高い状況になっております。

古谷議員:どの程度高いか伺います。

荻島環境創造局長:いま、手持ちのデータございませんので、あとでご報告いたします。

古谷議員:そしたらどうやってその高いということを示されたんでしょうか。

荻島環境創造局長:もともと原発当時のデータを見ると、西日本のデータが非常に低い値ということでございますので、それを根拠に申し上げました。

古谷議員:ですから、その数値をお願いしますということです。

荻島環境創造局長:その当時のデータですと、5から10というふうに聞いております。

古谷議員:ということは、その当時の数値からくらべても、いま100倍200倍という数値になるというふうに思います。
あと、本市の下水汚泥焼却灰の放射線濃度について、晴天の日と雨天の日で、濃度に違いはありますか。伺います。

荻島環境創造局長:あくまでも試算でございますけれども、晴天の時よりも雨天の時に集まってくる放射性物質の方が高いという傾向がございます。数字につきましては、中部水再生センターの最初沈殿池の汚泥で比較いたしますと、雨天時の放射性物質濃度が、これは濃縮したもので換算しておりますけれども、47.6に対して、晴天時は4.51という例がございます。

古谷議員:非常にいまも濃度がそれくらい違うということで、横浜市内からそういった放射性物質が集まってきているという状況だというふうに思います。

南本牧の最終処分場の陸上部分に放射能汚染焼却灰を埋め立てるな

南本牧の最終処分場の陸上部分に、今回埋めてしまうという案について、大きなステークホルダーである港運協会、この提案に対して、どうおっしゃっているか、伺います。

荻島環境創造局長:港湾関係の関係者の方には、今回の内容のご説明をいたしました。今後、この内容について引き続き意見を交換するという状況でございます。

古谷議員:国ではいままで100ベクレル以下が安全だと言ってきたんです。それが、汚染対策特措法によって福島原発以後安全基準を緩和して、8000ベクレル以下の放射性汚染物の処理は、国から地方自治体に押し付けられたかたちになっています。本市が誇るべき横浜港、なぜそのリスクを負わなきゃならないのかというふうに思っています。本市は、今まで8000ベクレル以下の焼却灰もコンテナで保管してきました。だからこそ、市民に対しても国の受け売りで8000ベクレル以下は安全だというのではなく、本来の責任者である国と東電に対してその責任果たしてもらうように、さらに強く求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

荻島環境創造局長:先ほど申しました今回の問題の第一原因者は東電でございます。しかしながら、下水汚泥の焼却灰につきましては、現在の法律、先ほど特措法と申しました、特措法の中では自治体がきちんと処分するということになっておりますので、私どもとしては市民の今後の生活をきちんと守るために、いまの法の定め、それからわれわれの義務の中で、きちんと市民のみなさまですとか関係者の方々に安心していただくような方策をきちんとお話して、回答してまいりたい。安全基準、先ほど国の安全基準ありました、安全基準は安全で、従来も安全だということでご説明しておりますが、さらに安心していただくために、今回こういう対応策をご提案したところでございますので、引き続き安心していただけるように、意見を交わしながら、ご意見もいただきながら早急に解決するように進めてまいりたいと思います。

古谷議員:低レベル放射線の影響については、しきい値がないということが一般的に言われていますが、8000ベクレル以下の焼却灰を本市で処理していることが、本当に安全であるというふうに、局長、言い切れますか。

荻島環境創造局長:繰り返しになりますけれども、人体に与える低レベルの放射能の影響は、年間1ミリシーベルト以下というのが国際的な考えでございます。それにそって国の方で定められた基準、それが安全基準だと思っております。今回私どもが対応案としてお話したのは、国の基準が安全ではあるけれども、さらに安心ということで、今回の提案をさせていただいたということで、市民の方にご説明してまいりたいと思います。

古谷議員:続いて、緊急避難的にも、私は南本牧に埋めるべきではないというふうに考えております。緊急避難的にも、原因者である東電に対して、北部と南部の近隣施設に保管場所求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか?

荻島環境創造局長:従来からも東京電力の方にはそういう要望いたしました。ただ、個別には対応することができないというご返事をいただいておりますので、先ほど申しましたように、現在のわれわれの責務の中で対応するということで、検討してます。

古谷議員:この問題、市から、上から決まった提案を今回のようにするのではなくて、ぜひ住民参加型でこの問題、対応する必要があると思いますが、どうか伺います。

荻島環境創造局長:今回につきましても私どもはこういう考え方で対応したいということを示しているわけでございます。今後、先ほど申しました説明する中で、ご意見ですとかご提案をいただきながら、今後さらにどういうかたちで安心していただけるかということを求めながら、最終的に解決に臨みたいというふうに思っております。

古谷議員:この問題では、本市はあくまでも被害者です。原因者である東電や国と一緒になって市民を説得する側に回るんじゃなくて、それこそ、市民と協同して、この解決図るのが筋だというふうに申し上げて、質問を終えます。


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