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■「港湾局」 大貫憲夫議員(2013.10.10)

港湾施設に女子トイレと休憩室への給湯器設置を

大貫議員:質問の項目、ちょっと時間の関係で逆転させていただきます。
先日、ふ頭内で働いている労働者のみなさんにいろんな声がありましてね、特に女性ドライバー、コンテナで運んでくるドライバーが増えて、女性ドライバー増えてるということで、特にトイレをなんとかしてくれという声が寄せられましてね。それだけじゃないんですが。
さっそく調査に行ってきました。見てきました。確かに一人で入るのは大変ね。怖いという状況で、これはトイレで、確かにこういうふうに両方入ってるけども、表示があるけども、中入ると全く同じなんですね。全く誰も使えない、男用を作ってあるのをこう女性のこれ貼っただけっていう感じなんだよね。回りは非常にこの雑然としてて、ここに書いてあるように、ここにごみ捨てるなと書いてあるようなとこだ。こういう状況で、やっぱりこれから女性の社会進出考えたとき、何とかしなきゃいけないんじゃないかと。これは反対から見たとき、こんなふうな感じですよね。ですから、これはぜひ解決するために、手当てをとっていただきたいと。
もうひとつ、上屋の休憩所に給湯器がほしいという声もありますので、そこについても対応していただきたいんですが、どうでしょうか。

中島港湾局長:議員おっしゃられるように、昔は港は男性の職場だったんですけれども、特に最近、女性のトラックドライバーが増えてきたということで、トイレに関するご要望いただいてございます。現在、全体で56か所のうち、女性専用のトイレが21か所にしかすぎないっていうことでございます。このため、現在、例えば大黒ふ頭のT3上屋内に新たな女性専用トイレ設置工事を進めており、今月には供用開始できる予定でございます。今後につきましても、議員のご指摘もありましたが、施設の状況や女性労働者のニーズを踏まえながら、既設のトイレ改修などを中心に順次男女別の専用化を進めて、環境の改善を図っていきたいというふうに考えてございます。
それから2点目の湯沸し器の関係でございますけども、みなさまのご要望は充分理解できるわけでございますけれども、どうしても湯沸し器、不特定多数の方々が自由に利用するというということになってしまいますので、管理運営上の問題もございまして、かつてはやはりつけてたこともあるんですけども、やはり管理運営上の問題もあるということで、現時点では非常に難しいのかなあというふうに考えてございます。

大貫議員:莫大な港湾のお金ね、予算使っているわけですから、労働者の環境、やっぱり加勢していくっていうところにもきちっとしなければ、本当の意味での港湾の発展ないですから、それは徹底してやってください。

港への国の出資によって横浜港の自治性が損なわれる危険性

次は、国の港湾への出資の問題ですね。これ新聞報道で8月に盛んに載ってまして、京浜港、阪神港に出資というふうにありますけど、中身についてちょっと説明していただけませんか。

中島港湾局長:国が今年国際コンテナ戦略港湾推進委員会というのを開催いたしました中間取りまとめが出されてございますが、そこの中に、国家的利益の確保等の観点から、港湾運営会社に対する国の出資など出資構成の見直しに向けて取り組むということが盛り込まれたということでございます。
ただ、いま時点では、私どもに対して特段の説明はないので、来年度の予算がどうなっているか含めて、ちょっと私ども、いま情報を掴みかねているところでございます。

大貫議員:新聞報道によると、2014年から始めるというようなこと書いてあるからね、そんな悠長なことじゃないとおもうんですけれども、特に港湾法では国の地方港に対する出資っていうのはいままでなかった、禁止されていたと。これが解禁されるっていうふうに書いてあるんですけども、解禁されるっていうことは、これどういう意味があるのかね。今後はその変化が港湾に関わってあるのか、そこらへんお聞きします。

中島港湾局長:一般的に国が団体や企業等に出資をする場合、根拠の明確化のために法の規定を整備するっていうことが一般的かなとは考えてございます。そういう意味で現行の港湾法上は、国の出資に関する規定がないということなので、港湾法を変えるという変更するということが解禁という意味なのではないかなというふうに私ども考えているところでございます。
また、国が出資することによってどういった変化が生じるかっていうことについても、ひとつ国が港湾運営会社に対する関与をしてくるっていうことも予想されるわけでございますけど、現時点ではどういったかたちで関与をされるのかも含めて、全くわからない状況でございますので、われわれとしては国の動向を注視するとともに、さまざまな観点から京浜港の経営統合、こういったような課題について関係者で議論を進めているところでございます。

大貫議員:1950年に港湾法が出来た時に、国ははずされたんですね、移管に。それはやはり、地方自治っていう立場が非常に重要だということがいえるのと、戦前の国の港湾の使い方、戦争に関わっている平和利用の問題でも大きな問題があるということで、国は関与しないというふうになってたんですね。そう考えると、今度の出資によって、地方自治といわゆる横浜港の性格が、京浜港という全体にのめり込まれちゃうのと、国が関与されることによって非常に横浜港のアイデンティティーっていうか、せっかく横浜港こんだけ発展してんだから、それが非常に薄くなるという危険性があると思うんですけど、いかがでしょうか。

中島港湾局長:港湾法の趣旨は議員いまご指摘のとおりだというふうに私どもも認識をいたしております。ただまあ、国際コンテナ戦略港湾政策そのものは、やはり国の国策ということで進めておりますし、やはり国にもきちんと果たしていただかなきゃいけない役割があると考えてございますので、そういう意味では、国、横浜市、さらにはふ頭会社、こういった3者、それからさらには一般企業、そういった方々が連携をして横浜の国際競争力を強化するということが大事だというふうに考えてございます。

大貫議員:やはり、横浜港は市民の宝ですから、横浜港ということについてもきちっと対応していかなきゃいけないっていうことを、非常に危険っていうか、そこらへんちょっと注目しなきゃいけないと思うんですが、今度、来年には新しい港湾計画ができるというふうに聞いているんですけれども、原案の中にはいまの動き、国の動きというのはこれ組み込まれているんですか。

中島港湾局長:特段、国の趣旨とか関与とかそういったことは前提には検討してございません。

大貫議員:集めるコンテナの数だとか、国への協力だとか、いろいろあるから、絶対関与をしていく、関係してくると思うんですね。そこらへんはもっとはっきりさせなきゃいけないふうに思いますよ。

本牧ふ頭に新たに140ヘクタールの埋め立て、横浜経済に有効か

それで、新計画では、この施設、また増やすみたいですけども、どういう計画になっているのか、お聞きします。

中島港湾局長:コンテナということに関しましては、本牧ふ頭の再編ということで、現在の本牧ふ頭のB突堤側の岸壁をコンテナ岸壁にする。それから、南本牧のMCの3番4番っていう岸壁ございます。これの岸壁延長を100メートル伸ばす。それから、本牧沖にあらたな新規の埋立地を作ってそちらにコンテナターミナルとロジステック施設を確保する、そういったようなことが主な計画でございます。

大貫議員:その新規の特に140ヘクタールの新たなこの埋め立て、コンテナナヤードね、これは本当にこれ必要なのかというところが私心配なんですが、これが必要だという根拠はどこにあるんですか。

中島港湾局長:私ども、目標年次でございます平成30年代後半におけます横浜港のコンテナ貨物量518万個というふうに推計をいたしてございます。そういった貨物への対応、それから物流施設、ロジスティクス施設の集積を図るという観点から、この埋立地が必要だと判断したところでございます。

大貫議員:先ほどの議員からあったように、24年度は減っているわけですよ、どんどんね。特に北米航路ですね。欧州航路も減ってますよね。国際戦略港湾っていうのは特に横浜の場合には、欧州と北米航路、これが重要ですよね。それがどんどん減っているときに、さらに518万個のコンテナを集めるということはこれ非常に困難じゃないですか。

中島港湾局長:現在、先ほどもご答弁申し上げましたが、非常にここ5年間、非常に経済情勢が悪かったということもあって、貨物量、コンテナ貨物の伸びが鈍かったというふうに考えてございます。しかしながら、OECDですとか民間の調査機関などによれば、世界経済は今後も緩やかに伸びますし、日本の成長率も低位であるもののやはり着実に伸びていく。また、物流については、TPPがどうなるかわかりませんけれども、貿易の自由化等によりまして、経済成長以上に伸びるというのが一般的でございますので、そういったことを考えると、横浜港の北米航路も含めたコンテナ貨物は着実に伸びるというふうに考えてございます。

大貫議員:そういうのは考えてからそういう言い方しますよね。518万個のうち、戦略で集めるのと、それからベースで集めるのがありますよね。その違いとその数字、教えてください。

中島港湾局長:いわゆるベース貨物といってございますけど、経済成長とともに伸びるだろうという部分で確保するのが443万個、それから現在釜山港等でトランシップというかたちで、積み替えに日本の港湾から釜山へいって、釜山で積み替えられるという貨物、そういったものを、奪還するという言い方させていただいていますが、そういったものの貨物を戦略貨物量と称して75万個、これを予定してございます。

大貫議員:そのベースの貨物のいまいった推計ですね、どうやって推計する数出したんですか。

中島港湾局長:国あるいは国際機関等が出しています世界の今後の経済成長、GDPですとか人口ですとかそういったものを主な相関指標といたしまして、過去の貨物量と相関をさせ、品目ごとに推計をいたしたところでございます。

大貫議員:そうしますと、いま言った生産、GDPね、人口ね、アメリカ、欧州、どうですかね。今後アジアみたいな伸びがないですよ。むしろ減ってきますよね。減っていくトレンドの中で、こういう数を増やすっていうことは、計算するっていうことは間違いじゃないですかね。いかがですか。

中島港湾局長:手元にちょっと数字がなくて恐縮でございますけど、今後、2030年位までの伸びで、日本は1%台の伸びということでございますが、アメリカそれからOECD諸国に対しては概ね3%程度の平均伸び率というふうに予測をしていると認識してございます。

大貫議員:非常にその認識がどうでるかというのは非常に不安定な状況がいまありますよね。
もうひとつ、戦略貨物、これはどんなふうなかたちで戦略として方法としてあるんですか。

中島港湾局長:いま日本から釜山を含めたアジアの主要港に一度輸送されて、そこで大型船に積み込むというコンテナ貨物が年間で約230万個あるというふうにデータはございます。この230万をいかに日本に戻すかっていうことが国際コンテナ戦略港湾のひとつの目標でございます。このために何が必要かというと、やはり国内輸送コスト、内航の船舶ですとか鉄道とかそういったものの輸送コストを落とすということが必要でありますので、こちらは特に国に私ども求めているわけでございますが、国内輸送コストを落とすこと、それが最大の戦略ということだと考えてございます。

大貫議員:具体的にはインセンティブとして集めるためにはコンテナ1個についていくらって出すんでしょ。

中島港湾局長:集荷という観点からは、港湾管理者である横浜市それからふ頭株式会社がそういった制度をつけてやってございます。ただ、広域のいわゆる内航の船舶ですとか鉄道ですとか、そういったところに関しては基本的に国の方が現在社会実験というかたちですけどやってございます。将来的にも国にがんばっていただきたいというふうに考えているところでございます。

大貫議員:5000円とすると75万掛けると37億5000万円ですよね。大変な金額かかってしまうんですよ。物というのは、当然集まるところには集まる、これは当然だと思うんですよね。そう考えたときに、今後の横浜港、私は物いっぱい集まって、これまでの横浜港、隆々とした横浜港っていうのは確かに望ましいと思いますよ。現実にはそこまでいかない、できない、残念だけどできないっていうのが実状ではないかと思います。そのときに、今回の140ヘクタールの新たな開発というのはだいたい概算で予算どのくらいかかりますか。

中島港湾局長:実際には現場でボーリング等やらなければならないので、現在の時点では数字は計算をしてございません。

大貫議員:南本牧からだいたい考えれば推計できるはずだと思うんですよ。それで、横浜市が当然国の仕事だと言いながらも、横浜の3分の1以上金払うわけだから、非常にここに対する投資というのが、今後横浜の経済含めて本当にこれ投資効果といっていいのかと、有効なのかということは、非常に私心配してます。
それで、戦略港湾でいえば、北米とそれから欧州に特化するという話ですけど、いま求められているのは、いま今日の話でも、ここのところその集荷だとか出荷の数が減っているというのは、やっぱり中国との関係がありますよね。今後中国だとか東南アジア、そこにやはり横浜港として、国がいくら戦略港湾だと言いながらも、やっぱりそこにきちっとしたその横浜のその港湾の設備を作ることによって、むしろこの投資効果があがっていくというふうに思っているんですけど、いかがですか。

中島港湾局長:議員ご指摘のいわゆるアジア諸国、こちらについては私ども最重点の誘致対象としておりまして、先ほどのインセンティブ、こちらについてもアジアの貨物を輸入を拡大する、そういったところに重点的に配分しているというところでございます。そういった意味でアジアに対しては、われわれとしてはがんばってまいります。ただ、同時にアメリカですとかヨーロッパっていうのも今後ともわが国にとって重要な貿易相手国でございますので、そこを結ぶやはり航路を確保するっていうことが、わが国産業あるいは経済の活性化維持につながるものというふうに確信してございます。

大貫議員:港湾全体を考えて、横浜経済にどれだけその効果あるかっていう、もう一度、国がこうだからっていう政策だけに乗らずに、港湾自身として考えていくことを要求して終わります。