議会での質問・討論(詳細)
2013年10月11日

■「文化観光局」 あらき由美子議員(2013.10.11)

文化芸術活動を通じて各国の相互理解が深まることは大切

あらき議員:まず、横浜市を訪れる外国人来訪者、この点お聞きします。
横浜市を訪れる外国人来訪者数の推計値では、全体で約70万人、また国別では、中国が約26万人、韓国が約11万人、台湾が約10万人、アメリカ、米国が約7万人になっていると伺っています。アジアの方たちは、横浜との距離も近いことから、リピーターとなる可能性は極めて高いと思います。アジアの方々との交流という点で、どのようなことに取り組んできたのか、伺います。

中山文化観光局長:文化芸術の国際交流の展開により、アジアを中心として世界からアーティストが集まるハブ都市を目指しております。バンカートスタジオNYKなどの創造界隈拠点において、中国、韓国を始めとしたアジア諸国のアーティストレジデンスを推進するなど、多様で広がりのある交流を図っております。

あらき議員:最近は、尖閣諸島や竹島問題など日中韓の関係では国際問題が起きていますが、国では9月28日に3か国の閣僚が参加して、2014年から新たにスタートする「東アジア文化都市」に、横浜、中国の泉州、韓国の光州が正式に決定され、東アジアの文化や国際交流などがさらに進められていくことになると思います。この「東アジア文化都市」の事業で、どのようなことを検討しているのか、伺います。

中山文化観光局長:10月4日に第1回東アジア文化都市実行委員会が開催され、委員会のなかに企画部会が設けられました。今後、この企画部会を中心に具体的な実施事業を検討・調整していきます。東アジア文化都市を契機に国と連携しながら、日中韓3か国の交流が図れるように事業を検討していきたいというふうに考えてございます。

あらき議員:各国の文化芸術活動を通じて、相互理解が深まることは大切なことであると思います。横浜市が近代から現代に至る歴史を正しく知らせていくことは、東アジアの方たちを始め、諸外国との交流の上でも大事なことだと思います。この点、局長、いかがでしょうか。

中山文化観光局長:先生のおっしゃるとおりだと思います。国というレベルではなく、都市間の交流ということで複層的に交流していくことが非常に重要というふうに考えてございます。

あらき議員:そこで、近隣諸外国との文化芸術を通した交流についてどういう考えなのか、伺います。

中山文化観光局長:文化芸術は、よく市長もおっしゃっていますが、人の心を豊かにし、創造性と感性を育むだけではなく、時代や国境を超えた共感によって、人と人を結びつけることができるというふうにわれわれも考えてございます。来年開催される東アジア文化都市や、あるいは横浜トリエンナーレ、これらを絶好の機会としまして、お互いの優れた文化芸術の紹介やアーティスト同士の交流、それから横浜らしい文化芸術の発信などを通しまして、近隣諸国との交流と相互理解を積極的に進めていきたいというふうに考えています。

あらき議員:その考えはとても大事だと思います。

「わかるヨコハマ」副読本の「虐殺」書き換えは政治の教育への介入

その視点で考えると、横浜の未来あるこどもたちに事実を教えることはさらに重要なはずです。ここに「わかるヨコハマ」副読本を持ってきました。2012年度版に記述されていた関東大震災で起きた朝鮮人や中国人の「虐殺」に関する文言を教育委員会が書き換えたことについて、その点は、「週刊金曜日」にもこのように取り上げられております。そして、白井議員は、韓国のSBSテレビの取材を受けて、これ、その時のDVDなんですけれども、政治が教育に関与して内容を変えてしまった深刻な問題だということで、韓国で放送されています。
私たちとしては、文化観光局として、この東アジアの文化都市として横浜市の姿勢、この点ふさわしいと思っていらっしゃるのかどうか、局長に見解伺います。

中山文化観光局長:東アジア文化都市は、私は政治の力を乗り越えるためにあるというふうに考えてございますので、そういったことを考えずに、やはり人と人との心が共感しあうような事業を進めていきたいというふうに考えてございます。

あらき議員:事実を伝えることは私はとても大事だと思います。政治の力を乗り越える、それは大前提ですけれども、事実をきちんと伝えるかどうかで、この政治の力、乗り越えるかどうかってことも決まってくると思うんです。

外国人が多く学ぶ夜間中学校の統廃合は非常に冷たい姿勢

定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会として、文部科学省が基本方針をまとめています。そこには、「日本語指導の拡充を図るとともに、制度面についての検討を行い、小・中学校に入りやすい環境を整備する」とあります。そういう方針が国でありながら、横浜市は横浜に在留している学齢を超過し義務教育身修了者である外国人の子どもたちが学ぶ夜間中学校5校を1校にする方針を、今日、先ほどの教育委員会で多数決をもってその方針を決定いたしました。
この点、副市長、私は外国人に対して非常に冷たい姿勢だと思うんですけど、見解どうでしょうか。

鈴木隆副市長:教育委員会のこのようないろんな議論を経た決定については尊重したいというふうに思います。私、教育委員会からいろいろ話を聞いている範囲では、5校に1校にするというのは決してその内容を貧弱にするとか削減するとかそういうことではなくて、夜間学校の意義っていうのを充分とらえながら、きちんとした日本語教育やきちんとした教育がそこのなかで行われるように、充実させるためにどうしたらいいかという視点から、1校の内容を充実させるという方向にいく方がよりベターだろうという判断をしたというふうに認識をしております。

あらき議員:外国人来訪者、来街者向けのおもてなし、これも大事だと思うんですね。でも、横浜市民や定住外国人に対しても歴史的な事実を正確に伝えること、夜間中学校を必要としている人がいるのに周知も十分にせず一方的に1校にする、そういう対応そのものが問題だと思うんです。あらためて副市長の見解を伺います。

鈴木隆副市長:5校を1校にするにあたって、様々な周知をきちっとし、そしていま現在通っている人たちに対してきちんとした理解を得るということを前提にやるというふうには聞いておりますので、そういうことについての問題がないようにスムーズに運べるように、私からもよく申し上げていきたいというふうに思っております。

あらき議員:調査季報で調べたんです。横浜の在日外国人に対する横浜の教育方針というのが1991年に教育委員会で制定されているんです。教育環境の整備、交流促進、就学・進路保障ってことで、学校の役割、教育行政の役割が書いてあるんですよ。そういう点でもね、縮小することが保障になるのかどうか、この点改めて認識を副市長に伺います。

鈴木隆副市長:先ほどお答えいたしましたとおり、いま私たちの限られた人材や財源のなかで、一番いい教育ができる方法は何かという視点から検討したというふうにきいているし、私もそういうことを受け止めております。

朝鮮学校への補助金支給中止は国際港都横浜にふさわしくない

あらき議員:10月10日付けで、横浜私立外国人学校補助金交付要綱が副市長決済で改定されました。その内容は、朝鮮学校に支給している補助金を国際情勢に応じて支給しないこともできるようにすべきという議員の指摘を受けて、第2条第3項に「前2項の規定にかかわらず、国際情勢を鑑み、補助金を交付することが前条第1項に規定する趣旨に反すると市長が認め、外国人学校にあたっては補助の対象としない」を追加しました。
この対応について昨日の神奈川新聞で、大きくこのように、教育の現場に政治の問題を持ち込むべきではないという原則があるのに、国際情勢の如何の補助金を止める理由になりうると記者は主張しています。
私も同感です。議員の中でも意見が分かれているのに、4日の質問を受けて10日に要綱を変えるという対応はあまりにも拙速であり、議会軽視ではないんでしょうか。鈴木副市長、いかがな見解でしょう。

鈴木隆副市長:要綱変えるということだけに着目すると、いまおっしゃりたいような顛末といいますか、委員からの質問に対して即答したというそういうやり方を感じられるのかもしれませんが、私どもとしては前に市長からも答弁がありましたように、状況によっては払えないこともあり得るというそういう答弁を繰り返えしてきました。私たちもいま執行をしないということを決めたんじゃなくて、いま現在執行できない状況にあるということを申し上げて、そしてその理由をやはりきちんと明示しなければいけないだろうという責任から、そのことは以前から考えてきた、そういうことでございますので、それをスムーズに行わせていただいたということでございます。

あらき議員:できない状況にあるというなら、じゃあどういう状況だからできない状況だっていうふうに考えたんでしょうか。

鈴木隆副市長:それは最初に、今年の2月でしたかね、市長の方からも答弁申し上げたように、予算化はしたけれども、すぐに執行できる状況にいまないというようなニュアンスのことはずっと答弁してきたとおりですが、その最大の理由は、昨年の12月に核実験が行われ、そしてまたミサイルを実際に飛ばすという行為が行われたというような状況があって、非常に緊張感、日朝関係が緊張したという状況がございました。そういうなかで、その後のその状況が大きく変わることなく続いているということから、そういうことを私たちが判断したということでございます。私たちも決してその子どもたちの教育をないがしろにしていいという考えではなくて、これはそういう学校の性格からくる問題として、そういうことについての認識を持たざるを得なかったというようなことでございまして、誤解のないようにお願いしたいと思います。

あらき議員:誤解のないようにしたいと思います。
日本も批准している子どもの権利条約では、「人種や民族、思想信条にかかわらず、子どもが学ぶ権利は保障されなければならない」となっています。子どもの権利条約を批准した国々に対し、その遵守状況を審査監督する子ども権利委員会では、「すべての子どもが教育にアクセスできること。すべての学校における初等教育がすべての子どもにとってあらゆる費用面で無償とされること。および中国人、及びコリアンの子どものようなマイノリティ集団に属する子どもが自己の言語を学び、かつ自己の文化に対する尊重を発達させる機会を有することを確保すべきである」と、日本政府に対する勧告を出しています。さらに、人権差別撤廃条約や社会権規約、自由権規約の各委員会でも、朝鮮学校への差別待遇に対する日本政府への是正勧告が出されています。子どもの権利条約の視点からも、今回の対応は私は逸脱していると思いますが、副市長、どう考えられますでしょうか。

鈴木隆副市長:私どもが今回した措置というのは、いま当分の間というか当面の状況の中で、朝鮮学校に対する施設設備の整備のための補助金、これを執行できないというふうに言っただけであって、けっしてその教育全体を否定しているとか、民族教育そのものを否定したとか、そういうつもりは全くございません。つまり、学校も存続当然しているわけですし、そういう中で今年の状況の中で今年の補助金をちょっとペンディングをしているというような状況として理解していただきたいと思います。

あらき議員:そのことを全ての外国人学校にお子さんたちや関係者に伝えているんでしょうか。

鈴木隆副市長:伝えていると認識をしております。

あらき議員:認識しているじゃなくて、横浜の中にはたくさん外国人学校ありますよね。ですから要綱を変えるということは、その朝鮮人学校にかぎらず他の学校でも国際状況によってはっていうところが触れるケースもあると思います。そういう客観的な判断はどういうふうにされるんでしょうか。

鈴木隆副市長:私自身が直接その業務をやっているわけではございませんが、教育委員会の方で関係者にこの要綱の改正については伝えているというふうには思っております。

あらき議員:思っているじゃなくて、やっぱり私たち議員側からしてもそういう客観的な判断というのは示すべきだと思うんですね。国際状況の変化っていうことだけでは、何をもってそうされたのかわからない。しかも、それは国、私たち横浜市の税金であるわけですから、客観的事実を含めてわかるようにするっていうのが正当な理由だと思うんです。
もともと、この外国人学校への補助金交付の目的というのは、国際港都横浜における国際交流の増進および私学教育の振興を図るためとあります。東アジア文化都市としてこれからスタートするにふさわしいことだと、こういう対応が中国や韓国の方々は思うでしょうか。この点、文化観光局長、見解伺います。

中山文化観光局長:私は学校行政に関しては専門外でございます。そういった意味では、それを除いて考えますと、私は文化交流そのものは意味があるというふうに考えております。

あらき議員:文化交流をする前提で横浜における学校教育も私はひとつの視点だと思います。横浜にはたくさんの子どもたちが、外国人の子どもたちもいらっしゃいます。ですから、その点でもどういう立場で国際港都という発信をするかどうか、この点では改めてもう一度考え直してもらいたいと思います。以上です。


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