議会での質問・討論(詳細)
2013年10月16日

■「交通局」 あらき由美子議員(2013.10.16)

あらき議員:バス・地下鉄の乗務員の労働条件について伺います。

一般行政職と比較して高いバス乗務員の病気休暇取得者数

昨年度のバス・地下鉄乗務員の病気休暇取得者数と休職者数はどのくらいか、また、全乗務員に占める割合はどうなっているのか、伺います。

二見交通局長:よろしく申し上げます。答弁申し上げます。
バス乗務員の病気休暇取得者204名、休職者は25名でございます。地下鉄乗務員の病気休暇取得者24名、休職者は0名でございます。また、それぞれの占める割合でございます。バス乗務員の病気休暇取得者は約20.6%、休職者は約2.5%、地下鉄乗務員の病気休暇取得者は約13.8%となってございます。

あらき議員:バス乗務員の病気休暇及び休職者の割合が一般行政職と比較して高いと聞いています。いまの数字でも20.6%病気休暇取得者数、やはり多いと思います。どうしてなのでしょうか。

二見交通局長:バスに関しましては、毎日30万以上の、32万人のみなさまにご利用いただいております。バスの運行にとりまして、乗務員が万全の体調で安全確保に当たる。これが必須でございます。基本の基本でございます。こうした路線バスの運行業務の特性上、乗務員が傷病などとなった場合、安全確保ならびに運行管理の面から、病気休暇の取得をしまして、またそれが長期にわたる場合には休職に至るケースが生じてまいります。そうした結果としまして、一般行政職と比較して比較的高くなるものと考えております。

あらき議員:では、バス乗務員の健康管理、どのように行っているのでしょうか。

二見交通局長:交通局としまして、年2回定期的に健康診断を実施をしております。また、毎月1回私どもの産業医によりまして各職場を巡視をいただいて、その時に健康相談の機会を設けるということも行っております。また、その他労使によります安全性委員会を毎月開催をしてございます。加えまして、これが一番大事なことだと思ってございますが、毎日の乗務前の点呼におきまして、運行管理者が健康状態を相対で確認をしまして、乗務員の健康管理に努めております。

あらき議員:じゃあ、傷病により乗務員が乗務できなくなった場合、どのような対応をしているんでしょうか。

二見交通局長:傷病によりまして本来業務である乗務が出来ない場合、まず職員の主治医の方から診断書の提出を求めまして、その診断書を用いまして、市の病気休暇の扱いとしてございます。また、それが不幸にして長期にわたりましてなかなか治癒しない場合には、私ども交通局の産業医との面談を経まして休職処分を発令する運びとなります。

あらき議員:医師の診断をもとに、バス乗務員が運転業務に戻りたいと言う場合、どのような対応をしているんでしょうか。

二見交通局長:そのような場合も基本的に同様でございまして、主治医の先生からの診断書をもらっていただきまして、その後に私ども交通局産業医との面談をしていただきまして、その上で運転業務に復帰をさせると、こういう運びとなってございます。

あらき議員:そこが一番問題で、本人が乗りたいと思って乗るんですけれども、体制的に充分なのかどうか、この点がすごっく心配しています。

年収20万円減ではモチベーション下がる

もう一点、現在交通局で交通局採用職員の給料引下げを行っています。3級、50歳代のバス乗務員の平均年収、どのぐらい下がっているでしょうか。

鈴木営業推進本部長:24年度の決算ベースで試算いたしますと、3級のバス乗務員の平均年収で23年度に比べて約20万円程度の減となっています。

あらき議員:これひとつでも、乗務員にとってはモチベーション下がると思うんです。バス事業では、昨年度の収支で約10億円の剰余金があります。剰余金があります。働く職員の意欲を高めるためには、給料引下げはやめて、元に戻してはどうでしょうか。

二見交通局長:24年度決算で約10億9000万円の利益剰余金が発生します。この剰余金に関しましては来年度予定されております退職金引当金の計上義務化っていうのがございまして、多くの欠損金が発生する見込みもございますので、その補填財源として活用してまいりたいと考えております。給与引き下げによりまして職員には苦労をかけているところでございますが、公営交通としての役割と責任を果たすことと同時に、雇用の安定化も図るということのためには、今後とも安定した経営基盤のもと、一定の黒字経営を果たしていくことが私は重要だと思いまして、こういった点から引き続き職員には理解と協力を求めてまいります。

あらき議員:私、直接、運転手、乗務員の方とお話を聞きました。この方がこう言っています。
「私は持病があり病休を取っていますが、年休はその中から日数に応じてマイナスされてしまい、完治しないまま復帰し、また病休したりの繰り返しです。1か月の労働時間を月末日にプラスマイナスしてカットされます。黒字と言っていますが、表向きであり、職員はフラフラで運転しています。公営企業とはいえ、縛りは地方公務員法云々と直ぐに管理職は言いますが、こんな環境ではいつ事故を起こしてもおかしくないです。残業も1ヶ月の勤務表を渡され無理やりやらされています。仮に残業を体調悪いから帰ると言うと早退扱いされ、後日、戻入書を渡されて支払わなければなりません。だから皆無理して運転しているのが現状です。」
こういう実態があるということ、局長、理解されているでしょうか。

二見交通局長:いま初めて伺いましたので十分承知はしてないんですが、いずれにしましても私ども改善型公営企業で自主自立の経営を目指しておりますので、きちんと職員一人ひとりが自らのミッションを果たす、これが基本でございまして、決して私たち潤沢にじゃぶじゃぶする人間は雇っているわけではありませんが、必要限の職員は採用しておりまして、採用も再開をしました。そのようなことで、決していまご説明ちょうだいしましたような非人間的な労働管理はしていないということは明確に申し上げたいと思います。

あらき議員:それぞれのバスの営業所の所長とも話をされているそうです。私、1人じゃないんです、お聞きしたの。ぜひ、その管理職も含めて、もう一回きちんと現場に行って聞いてほしいんです、一人ひとりの職員に。本当にストレスためてますから、私はやはり、地下鉄・バスともに安全運転することが一番だと思っています。先ほど局長もそのようにお答えになりましたよね。安全管理から安全確保が一番大事だと。だったら、その点をもう一度改めてきちんと一人ひとりの職員から聞いていただきたいんですけど、どうでしょうか。

二見交通局長:私の年度当初の目標としまして一番の重きは、まず現場に行って、職員と意見交換会を開く、必ずどの職場にも年3回以上行くというのがテーマでございまして、それは継続してやってまいります。

あらき議員:それとともに、人材確保の点でも人を増やす。これはどうでしょうか。

二見交通局長:交通局の現業職員、特に乗務員のほう、過去9年間ほど新規採用は停止をしてまいりました。経営改革の中で必要な措置であったというふうに承知をしております。一昨年から給与の見直しをしまして、その後に採用も再開しました。今後とも新採用については退職者数等に応じまして継続的に採用してまいりたいというふうに考えております。

あらき議員:終わります。


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