議会での質問(詳細)

2013年10月31日

■「決算に対する討論」 岩崎ひろし議員(2013.10.31)

日本共産党を代表して、決算市第1号2012年度横浜市一般会計歳入歳出決算等に対する反対討論を行います。
2012年度は、林文子市長にとって1期目の締めくくりの年であるとともに、2期目をめざした市長選挙準備の1年でもありました。また、総選挙で自公政権が政権復帰し、政権交代のあった年でもありました。
市長選挙準備と政権交代という環境のもとで林市長が、国の言いなりと、市会最大会派・自民党への摺り寄り・追随を深めた年度であったと思います。

国の言いなり、大型公共事業に大判振る舞い

以下、その内容を検証していきます。
まず、国の言いなりに、大型公共事業に追加の大判振る舞いをしたことです。
政権復帰した安倍自公政権は、巨大企業支援に偏重した緊急経済対策を打ち出し、大型補正予算で不要不急の大型公共事業を突出させました。林市長は、この動きをいち早く捉え、忠実に従いました。
2月補正予算は、「国の緊急経済対策を踏まえ、国費を最大限活用する」として総額367億円の増額、そのために市債を152億5300万円増やし、市税を37億円投入しました。なかでも特筆されるのは、国際コンテナ戦略港湾関連49億円、高速道路関連64億円、それだけで113億円にもなりました。
本市は、「平成25年度 国の制度及び予算に関する提案・要望書」を昨年11月と12月、相次いで国に提出いたしました。二つの要望書に盛られた港湾、高速道路関係は満額回答に近いものでした。2月補正予算が国の意向を忠実に受け入れて編成されたことが、手に取るように分かります。
人口減少社会のなか、厳しい財政状況にありながら、本市は高速道路関連と国際コンテナ戦略港湾関連に毎年数百億円もつぎ込んでいるうえに、この増額です。一方で本市には、福祉、医療、教育など市民のくらしを守る課題、公共施設の維持管理、保全、長寿命化等の優先課題がたくさんあります。
高速道路やスーパー港湾は果たして横浜市民の要望なのか。横浜の経済にとって本当に必要なのか。この根本的な疑問に正面から向き合う時が来ているのではないでしょうか。

新市庁舎建設計画は最少費用・最大効果の原則で見直しを

次に、不要不急の新市庁舎建設計画です。
市長は、初当選直後は、新庁舎建設は急ぐ必要のない事業とされていました。ところが、本年3月28日「新市庁舎整備基本構想」を発表し、北仲通南地区への移転、建設へと一気に走り出しました。建設費用見込み額は民間への賃貸床も含め、約600億円です。前市長が、2007年度にURから取得した北仲通南地区の土地は、法律で高層ビルの建設が義務づけられた土地でした。当地への市役所移転はまさに既定路線であったのです。
建設費用に限定すれば、当局が示した4案のうち現庁舎とその敷地を活用するのが一番安く、400億円です。最少費用・最大効果の原則からすれば、現庁舎活用案に基づいた計画に見直すことは、納税者に対する行政の責任ある態度です。URとの土地譲渡契約の解除に向けた手続きに入るべきです。

川崎でも中学校給食の実施へ、横浜でも実施に踏み切れ

次に、福祉・教育などの市民サービスの切捨てについてです。2012年度は、市民の暮らしにかかわる施策で、重大問題がいくつもありました。
一つは、中学校給食の未実施についてです。
そもそも、中学校給食は、育ち盛りの中学生に栄養バランスのよい食事を提供すること、教育の機会均等を保障することなどに資するために、学校給食法に基づき国が実施するとしている事業です。
本市教育委員会が、9割が持参していることをもって「家庭弁当が定着している」、また栄養バランスの調査も分析もせずに「家庭弁当が優れている」という、すでに破たんした論理を、十年一日のごとく繰り返しているのは、滑稽でさえあります。
先の川崎市長選挙で中学校給食実施を公約に掲げた市長が誕生し、報道によれば、早速「2年先をめどに導入したい」と述べています。議会も全会一致で実施の決議をしていることから、川崎市でもいよいよ実施されることになるでしょう。
本市も中学校給食を実施に踏み切るべきです。

障害者福祉の信頼を崩した福祉パスの有料化

次に、福祉パスの有料化についてです。
福祉特別乗車券を有料化する条例改定が昨年12月議会に提案され、継続審査を経て、今年の2月議会で可決され、本年10月から有料化されました。
障害者の生活実態をつかまないままの有料化に、福祉パスを大切に利用している障害者のみなさんから、「全く納得できない」と強い反対の声が上がったのも当然であります。
有料化は、これまで本市が積み上げてきた障害福祉への信頼を崩すことになりました。障害に対する支援は原則無料が当たり前であり、利用者負担金はなしにすべきであります。

国保料激増世帯に緊急緩和措置を

次に、国民健康保険料算定方式の変更に伴う激変緩和措置が不十分な問題です。
政令改正で保険料算定方法が市民税方式から所得による旧ただし書方式に変更されるにあたって、当局は2012年度初めから対応策の検討を行ってきました。
日本共産党横浜市会議員団は、変更・実施された場合、保険料負担が激増する世帯が生まれることを想定して、具体化にあたっては大きな負担増が生じないよう適切な措置をとることを、昨年8月19日に当局に申し入れました。
2012年度に条例改定が行われ、今年6月から変更徴収が開始されました。この改定では、主に子育て世帯で保険料が増えています。激変緩和措置が取られましたが、措置の対象外となる所得が一定額以上ある子どもの多い世帯では、2倍を超える負担増が発生しています。当局の検討不足が招いた結果です。
保育料が激増した世帯に対しては、今年度一刻も早く激変緩和の緊急的措置をとるとともに、保険料自体を引き下げできる恒久的措置が必要です。
また、現在の高すぎる保険料負担は限界に来ており、国に国庫負担率の抜本的引上げを強く求めるべきであります。

株式会社立保育園での保育運営費の不適切な使い方を正せ

次に、株式会社立保育園における保育運営費の不適切な使途についてであります。
2012年度から保育料が値上げされ、保護者は、毎月、高い保育料を納付しています。保育運営費は、保護者の納めた保育料と税金が原資です。この公金である運営費の使途をめぐって、様々な問題が明らかになっています。
日本共産党市会議員団が調査したところ、株式会社立の保育園では、運営費が法人税の支払いや他都市の保育園をつくるのにも使われていることが判明しました。ある保育園では、運営費約7000万円を含む年間計1億円の事業費収入で、利益に課される法人税を2010年度約1600万円払っていました。この事実は、保育園運営で法外な利益を上げていることを示しています。
また、保育運営費に対する人件費の割合は、社会福祉法人立の保育園では7割台であるのに対し、大手株式会社立の保育園では4割台になっています。株式会社立の保育園では、保育士の賃金が低く抑えられ、保育士の労働環境の悪化を招き、ひいては保育の質の低下が引き起こされる恐れがあります。
しかし当局は、この異常な実態について「違法ではない」「企業の内部問題で、市の指導が及ばない」と黙認しています。
保護者に負担増を求めながら、一方で株式会社立の園における運営費の使途がこれでいいはずがありません。運営費の使途は、あくまでも子どもたちの保育のために限るべきであります。

区の役割の拡充のない横浜特別自治市構想

次は、「横浜特別自治市構想」についてです。
市長は、12年度の四つ目の挑戦で「新たな大都市制度の実現」をあげています。本市が今年3月に「横浜特別自治市大綱」を策定しました。大都市特有の問題は、市政が住民から遠いことです。その解決は横浜市政にとっても重大な課題となっています。
国も、第30次地方制度調査会で大都市制度の検討をしており、昨年12月専門小委員会の中間報告、本年6月には答申を取りまとめています。注目すべきは、都市内分権について答申の具体的な方策を示しておりますが、区長に区職員の任命権、予算提案権、財産管理権の付与をして権限強化する、区長を副市長並みの特別職化し、区長公選制などを「選択できるよう」あるいは「検討すること」として、区協議会の仕組みについてはこれまで以上に活用すべきと踏み込んでいます。また、区に教育委員会や区単位の市教育委員会事務局を置くことまで明言しています。
しかし、本市の大綱は区の役割の拡充にはほとんど言及がなく、国が想定する都市内分権と住民自治のあるべき姿から、あまりにもかけ離れたものになっています。
特別自治市構想は、大綱に基いて、区機能の強化と住民自治拡充に舵を切る必要があります。

教育行政に政治介入許すな

最後に、教育の問題です。
2012年度における市政の大問題の一つは、政治介入が疑われる事態を続けていることで、教育行政がゆがめられたことです。
具体的には、市内8区で使われている自由社版歴史教科書の誤った記述を正すことなく放置していること、2012年度版副読本「わかるヨコハマ」の内容について、関東大震災時の朝鮮人虐殺について、軍隊や警察の実行、関与を削除し、「虐殺」の語句を「殺害」に統一するなど、歴史研究の到達点を無視する変更をおこなったことなどです。
本市教育委員会は、自由社版歴史教科書の「誤りを正せ」という市民の声は聞き入れず、一方で特定会派が指摘した際にはすぐに対応して、副読本「わかるヨコハマ」の記述を変更し回収するなど、まったく主体性がありません。
子どもたちの立場に立っていません。教科書採択における沖縄県竹富町教育委員会の主体的な判断にも学ぶべきです。本市教育委員会は、子どもたちにきちんと向き合い、教育委員会の独自性を発揮して、主体的に判断して行動するべきです。

以上が、2012年度決算に反対する主な理由です。
林市長には、2期目の市政運営に当たって、市民の命、くらし、環境を守ることを最優先に行うことを期待し、反対討論といたします。

  • 2017年 市民要望アンケート

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