申し入れ等

2014年1月30日

横浜市地球温暖化対策実行計画(改定素案)についての申し入れ

2014年1月30日

横浜市長 林 文子 様

日本共産党横浜市会議員団 団長 大貫 憲夫

横浜市は7日、「横浜市地球温暖化対策実行計画(改定素案)」を公表し、市民意見募集を現在行っています。
今回の改定は、「東日本大震災以降、わが国の温暖化対策やエネルギー政策をとりまく状況が大きく変化していること」や「超高齢化や将来の人口減に対応し、低炭素化を通じた活力ある持続可能な地域づくりを目指すことが重要となっていること等を踏まえ」て、行ったものとしています。
改定素案では、東日本大震災を教訓とした自立分散型エネルギーシステムの導入による防災性の向上や、気候変動による環境変化への適応の見地を加えたこと、省エネ行動を具体化したことなどは、国の決定を待つことなく改定に取り組んだこととともに、評価できるところです。
しかし、数値目標を含めて問題もあります。
まず、現計画の到達点と総括が明らかでないことです。また、二酸化炭素排出量は多くの部門で2009年を境に増えており、2011年以降は福島第一原発事故による火力発電所依存の拡大によっても増えています。これらの原因についての記載がなく、現状分析が不十分です。温室効果ガス増加の原因解明とともに現計画の反省点を明らかにすることで、次にするべきことが見えてくるものです。
5つの基本方針のひとつに「原発や化石燃料に過度に依存しない、地域におけるエネルギーの創出と地産地消の推進」とあり、原子力発電を認めています。福島第一原発事故で明らかなように、ひとたび事故が起これば収束することができず、人類にとって未完成の技術である原子力発電から決別しなくてはなりません。日本一の政令指定都市である横浜から原発ゼロを実践していくという姿勢が必要です。
地球温暖化対策は横浜のまちづくりと密接な関係があります。改定素案では、過度に自家用車に依存するライフスタイルの見直しとありますが、一方では横浜高速環状道路事業を促進しています。また、業務部門の二酸化炭素排出量が1990年比で最も増加しています。横浜市は、高層ビルを林立させる都心部再開発計画を進めようとしていますが、業務ビルの増加は、たとえ省エネに配慮したビルだとしても温室効果ガスの排出量を増やすことになります。このように、横浜のまちづくり計画は地球温暖化対策と整合性がとれていないため、まちづくり計画の抜本的な見直しが必要です。
最も問題なのは、個々の対策・施策における具体的な数値目標が現計画より非常に後退したものがあるということです。たとえば、家庭部門における省エネナビやHEMS、太陽光発電設備の普及目標は、現計画に比べて大幅に低くなっています。新築住宅ではこれらの設備が標準化しつつあることを考慮すると、市が努力しなくても達成できるレベルとも考えられます。現計画の目標値が甘かったとはいえ、また数値目標を実現可能な値に近づけるとしても、あまりにも低い目標値です。
改定素案では個々の対策・施策の効果を積み上げて削減目標値を設定しています。本来、まず目標を掲げ、その目標達成のための方策を考えるものですが、改定素案ではその考え方が逆さまです。大都市としての責任を果たすための積極的な削減目標を先に掲げ、その目標到達のために個々の対策・施策を打つことが必要です。

この計画を実効性あるものにするために、市の姿勢と役割などを明確にするための脱温暖化条例(仮称)などの制定が必要不可欠だと考えます。横浜市でも2008年に、脱温暖化に向けて、規制的な施策や融資制度・税制等の経済的な誘導策など、さまざまな施策の実効性を担保するための脱温暖化条例(仮称)の制定検討に着手するとしていましたが、いまだ実行されていません。
市民とともに対策を進めようという気概もあまり感じられません。G30でごみを減らした時のように、市が市民の中に積極的に入って、省エネ創エネ意識の啓発活動を行うことが大切です。
市民意見募集の仕方にも問題があります。意見募集のパンフレットは、区役所広報相談窓口、市役所市民情報センターなどにおいてありますが、市民情報センターを訪れたところ、同パンフレットは、他のパンフレットと一緒におかれた棚の中では非常に目立たず、素案本文も係員に求めて引き出しの中から出てくる状況でした。これでは、パブリックコメントを受け付けたという既成事実をつくっているだけといわれても仕方ありません。地球温暖化対策は地球規模の極めて重要な課題です。もっと積極的に市民にアピールし、さまざまな市民意見が寄せられるように努力すべきです。
日本共産党横浜市議団はこれまで、太陽光発電設備普及を促進するために、関連部署の統合や区役所に啓発専門部門を設置するなどの体制強化や、設置補助を縮減しないことを提案してきました。また、太陽光発電を積極的に進めている長野県飯田市や東京都世田谷区を視察するなど、先進的な事例の調査を行ってきました。市が、補助金や税軽減などの資金的応援をするだけではなく、市民や事業者が温暖化対策を行いやすくするための仕組みをつくることが大切です。
温暖化対策は急務です。原子力発電の再稼働を許すことなく、省エネを進めるとともに再生可能エネルギーを飛躍的に普及させる手立てを講じ、大都市横浜が率先して温暖化対策の先頭に立つべきではないでしょうか。
以上のことから、以下の申し入れを行うものです。

1. 温室効果ガス排出についての現状分析、および現計画の到達点と総括を明らかにすること。
2. 原子力発電ゼロの立場に立った計画に見直すこと。
3. 高速道整備や再開発計画を見直し、地球温暖化対策計画との整合性を図ること。
4. 削減目標は個々の対策・施策ごとの積み上げではなく、まず最初に数値目標を掲げ、それに見合う具体的な数値目標を施策毎に設定するよう再考すること。
5. 脱温暖化条例(仮称)を制定することを盛り込むこと。
6. 積極的な省エネ創エネ意識の啓発活動を推進する仕組みと体制を確立すること。
7. 市民意見募集の方法を改め、目立つパンフレットとするとともに、素案本文を気軽にみることが出来る見やすい所に置くこと。

  • 2017年 市民要望アンケート

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