議会での質問(詳細)

2014年2月27日

■病院経営局(古谷やすひこ)

市民病院の担う政策的医療に一般会計からの繰り入れを

古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。党を代表して、質問いたします。いま、進みはじめております市民病院の再整備事業について、伺います。
まず、そもそもの話ですが、横浜市が病院を運営しているという意義について、伺います。

高橋病院事業管理者:市立病院は、地域に不足がちの救急医療や小児周産期医療など、政策的医療を中心に、かつ安定的に提供するとともに、感染症医療や災害医療などについては、まさに最後の砦としての役割を果たしていく使命を負っています。これに加えて、高度急性期を中心に、政策的医療や地域医療全体の質向上などで、先導的な役割を果たしていくことが必要だと考えています。

古谷議員:少し重なりますが、自治体病院とその他の病院との違いは何か、伺います。

城病院経営局長:自治体病院の役割そのものは、その地域の医療環境により異なると考えておりますが、横浜市のように民間病院も多く存在する大都市にあっては、自治体病院は地域に不足しがちな政策的医療を積極的かつ先進的に担うこと、災害医療や感染症医療など市民の健康危機への対応に関しては、市の施策と連携をして、その中核施設として活動すること、地域医療人材の育成や連携のためのネットワークづくりなどに先導的に取り組み、地域医療全体の質向上を図ること、こうした役割があり、これらを担うことが民間病院との違いであるというふうに考えています。

古谷議員:ありがとうございます。市民病院の「再整備基本計画の骨子」の中で、「新病院の目指す姿」という一番目の中に、「政策医療の拠点」とあります。これについては、市民の命に責任を持つ本市がやるべき政策的に必要な医療は、病院の自助努力に頼るべき性質ではないと私は考えます。そういう政策的に必要な医療について、一般会計から繰り出すべきだと思いますが、その基本的な考え方について伺います。

城病院経営局長:再整備後の一般会計繰入金については、新病院の機能等を検討していく中で、合わせて繰入の考え方について整理していくものと考えておりますけれども、基本的には公立病院は独立採算を原則としておりますので、先ほどもご答弁申し上げましたが、一般会計が負担するのは診療報酬などの経営に伴う収入をもって当てることが適当でない経費、または効率的な病院経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもって当てることが客観的に困難であると、こういった経費等とされております。従いまして、病院の効率的な経営が前提となりますが、必要なものについては明確な基準に基づいて繰入をお願いをしたいというふうには考えております。

古谷議員:では、その基準について伺います。国の繰り出し基準では、例は確かに示されていますが、あくまでもそれは例であって、個々の病院の実情を踏まえて適切に基準を作成するというふうになっています。本市では独自の繰り出し基準があるのかないのか、またなければその理由を伺います。

城病院経営局長:繰り出し基準につきましては、国の繰り出し基準を踏まえまして、第二次横浜市立病院中期経営プランにおいて、本市としての考え方や積算方法を整理しているところでございます。また、各年度の予算案については、予算編成過程の中で、プランの考え方に基づき、具体的な繰入額について、関係局と調整の上、決定しているところでございます。

古谷議員:少し、その考え方のついて伺います。市民病院の「再整備基本計画の骨子」の中で、「新病院の目指す姿」という中では、災害機能というのが大変大きな柱として書かれています。そういった災害機能、きたるべき大災害に備えて整備するということは、公的病院としては大いにしなければならないと考えますが、この部分についての施設整備・維持費用という問題については、政策医療として捉えるのかどうか、伺います。

城病院経営局長:災害時医療については、政策的医療の側面もございますが、これは医療機関であれば災害時に対して一定の役割を果たすというのは、これは民間病院も含めて対応を求められるところでございます。市民病院の場合は、災害拠点病院として政策的医療として担っていきたいというふうに考えております。この場合の繰り出しの考え方ですけれども、現在でも総務省の繰り出し基準により、建設費用の2分の1を上限として、市税等を財源として受け入れることができることとなっています。この範囲の中で、公立病院が果たすべき役割に対する負担が含まれているというふうに考えられますので、この枠組みの中で、しっかり再整備を進めてまいりたいというふうに考えます。

経済的に困っている市民の受療権を保証する取り組みを

古谷議員:続いて伺います。経済困窮している市民の受療権をしっかりと保証するという問題も、大きな問題だと思いますが、民間でも無料低額診療事業などを行っている病院では、市の減免制度よりも救済範囲の広い病院独自の基準で医療費減免制度を運用して、経済的に困窮している市民の受療権を保証するという取り組みが行われています。こういうことはぜひ市民病院でもやるべきだというふうに考えますが、公的病院として独自の取り組みが行われているのか、あるいは行っていないのであればなぜ行わないのか、伺います。

城病院経営局長:先生ご指摘の無料低額診療事業というのが民間病院を含めて対応されているということは承知をしておりますけれども、この制度は社会福祉法の社会福祉事業と位置付けられていて、これを実施する病院に対しては税の優遇措置がとられるというような、そういうような制度の中で実施されているところでございます。これは、公立病院が行う場合に、現在よりも経営上のメリットがないという部分がひとつございまして、これを実施するにあたっては、経営上の影響等は慎重に検討しなければいけないというふうに思います。また、地域の医療機関との役割分担や、市立病院が他の政策的医療を担っているというそういう状況も勘案して、慎重に判断しなければいけない内容だというふうに思います。

古谷議員:ちょっと重なりますが、民間でもけっして税金が優遇されているっていうだけではなくて、がんばって市民の受療権を守るという取り組みが行われているんです。その中で、公的医療機関がなぜやらないのか、もう一度伺います。

城病院経営局長:民間医療機関がその優遇措置だけではなくて医療機関の努力により対応されているということも承知をしているところですが、この制度は社会福祉法人等を対象として設計された制度でして、公立病院の経営上に対してはこの制度を実施する優遇措置がないということが、また他の政策的医療を含めて病院に対する経営的影響を慎重に考えざるを得ないということになります。われわれとしては、経済的困窮の有無にかかわらず、全ての患者を積極的に受け入れているところでございますし、経済的に困窮している患者に対しては引き続き高額療養費や生活保護をはじめとする各種制度をご案内するほか、病院としても診療費の分割払いと、こういったことに応じるなど、患者に寄り添った対応をしていきたいというふうに思います。

古谷議員:各種制度は民間病院も活用している中身です。あと、無料低額診療事業をやれというわけではなくて、経済困窮している市民の受療権を保証する取り組みも、ぜひ実践していただきたいというふうに思っています。意見を述べておきます。

地域医療の人財育成の役割を政策的医療として位置づけを

古谷議員:続いて、市民病院の「再整備基本計画の骨子」の中で、地域医療の人材育成をするんだということがいわれています。こういうことは地域医療を先導する役割として非常に評価すべきだと思うんですが、こういったことについても、政策医療として捉えるべきだというふうに思いますが、どうか伺います。

城病院経営局長:地域医療人材の育成の取り組みにつきましても、新しい病院で取り組むべき内容として、現在骨子の中に柱として掲げております。政策的医療としての整備等の中には入っておりませんけれども、柱のひとつであるというふうには考えています。この政策的医療に対して、どのように財源当てるということですけれども、一般的に効率的な運営を行っても診療報酬で賄うことができないそういう性質のものであるかどうか、あるいは市の医療政策上の必要で行うものかどうか、そういう精査の中で、今後繰り出しに含むかどうかというのは今後の調整の問題だというふうに思っています。

古谷議員:はい、ありがとうございます。民間病院ではできない、本市として政策的に必要な医療の実践を市民病院が担うわけですから、その部分の責任を市民病院のスタッフには追わせるべきではないというふうに意見を述べておきます。

新病院では1.5倍の入院患者、1.2倍の通院患者の見込み

古谷議員:次に、市民病院の「再整備基本計画の骨子」の中で、ベッド数・外来患者数を増やさないという考え方が示されています。入院ベッド数は増やさない、あるいは外来患者数も増やさないというふうになると、どういうふうにして必要な収益を確保するという見通しがあるのか、伺います。

城病院経営局長:先ほどもご答弁いたしましたけれども、新しい病院での入院患者というのは現在の1.5倍、外来患者は1.2倍に増えるというふうに見込んでいます。一方で、医療技術の進展、地域連携の推進により、入院期間が短縮する、あるいは通院回数が減少するといった傾向が続いております。これは患者さんにとってもメリットというふうに考えております。病院にとりましても、この病床数、外来患者数の規模が現在と同程度で、より多くの入院患者あるいは外来患者に対応するということでございますので、収益性も高まっていくというふうに考えています。

病院職員が十分に力を発揮できるような環境整備を

古谷議員:次に伺います。病院の管理運営の問題について伺います。これから大きな再整備事業というものが始まるわけですが、現場の職員の力をやっぱり十二分に発揮してもらうというような環境を作らなくてはいけないというふうに感じます。その中で、ぜひ高橋病院事業管理者、そういうところで一般的に、ぜひ考え方、お願いします。

高橋病院事業管理者:先生のおっしゃるとおりだと思います。

古谷議員:はい、じゃ続けて。2010年1月に、第3回市立病院経営委員会の中で、前市民病院長が意見表明をされている中でこう発言されています。「今まで、電子カルテの導入時期とか脳血管医療センターの赤字補填のために市民病院の内部留保金42億円をつぎ込んだ時には、病院事業管理者と病院長の間に意見の一致を見ることはなく、病院事業管理者の権限で行われました。」これについて、先ほどのご意見と重ねて、高橋病院事業管理者のコメントをいただきたいと思います。

高橋病院事業管理者:当時は経営形態の検討もなされる中で出された意見でございまして、現在の状況とは大きく異なっております。また、平成23年度には、予算執行の権限などを見直し、病院長の権限を拡大しております。こうしたことも踏まえて、私は両病院長ともよく話し合いながら事業を進めております。

古谷議員:当時の事情とどう具体的に変わったのか、伺います。

高橋病院事業管理者:すでに経営形態の検討は終了しておりまして、答申で全的適用でやっていくということが決まっております。

古谷議員:ぜひ、こういったかたちで、現場でがんばられている職員が本当に力が発揮できるような仕組みにぜひ整えていただきたいというふうに意見を述べておきます。

コスト最優先ではなく市民最優先の市民病院の再整備を

古谷議員:次に、市立病院の経営課題に関するものについては、やはり国の医療政策に起因するものが大変多いというふうに感じています。国に対してもしっかりともの申していくべきだというふうに思いますし、そうしなければ市民のみなさんの健康に責任を持てないと思いますし、現場でがんばっていらっしゃる職員も守れないというふうに思いますが、見解を伺います。

城病院経営局長:医療機関に対する制度あるいは診療報酬の改定など全国の病院と連携した要望を行うことが効果的なものにつきましては、全国自治体病院協議会あるいは全国公立病院連盟などを通じた要望行動を行っております。本市独自で要望することが適切なものにつきましては、単独で要望していくことも含めまして、引き続き必要な行動をとっていきたいというふうに考えています。

古谷議員:最後に、自治体病院だからといって、私の質問を通じて、コスト抜きで医療をやりなさいと言っているわけではありません。しかし、コスト最優先で不採算な医療部門を切り捨てていくようなやり方をすれば、自治体病院そのものの存在意義がなくなってしまうというふうに思います。市民病院は、ほかの誰でもなく、市民のものだというふうに思います。その立場で、しっかり国に対してももの申すべきだと思いますし、また稼げる医療分野にシフトすることや、あるいは不採算部門の縮小、住民サービスの低下、あるいは職員の雇用・勤務条件の悪化などにつながらないように、ぜひ再整備事業をやっていただきたいという意見を要望して、質問を終えます。

  • 2017年 市民要望アンケート

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