議会での質問・討論(詳細)
2014年3月4日

■市民局(あらき由美子)

区役所にワンストップサービスの窓口を

あらき議員:共産党を代表して、質問いたします。
区の機能強化について、私は伺ってまいります。まず、区役所の窓口で市民に対応したことで、感謝されている事例を報告してください。

左近充広報相談サービス部長:戸籍課の窓口職員のテキパキとした対応と言葉遣い、明るい笑顔の接客姿勢がすばらしいとお褒めをいただいた事例がまずございます。それから、総合窓口の窓口職員の知識が豊富で感心した、いろいろ親切に教えてもらい、気分よく用事を済ませることができたという感想もいただきました。そうして、笑顔ですとか対応、それから知識の豊富さ、そういったことに関するお言葉をいただいております。

あらき議員:窓口対応で、困っている市民に寄り添うことが、私は窓口のまず基本だと思うのですけれど、この点がいかがでしょうか。

西山市民局長:職員一人ひとりが区役所を訪れる方に共感をもってお話を伺い、ニーズに応じたきめ細かな対応を行う。そうした積み重ねで信頼関係を築いていくことが大切だと考えています。市民のみなさまのご期待にお答えし、共感と信頼の関係をよりいっそう深めていきたいと思っております。

あらき議員:私の相談者で、市民税滞納の方と区役所に行きました。市民税課のほうでは分納誓約をして払える額に対応していただきました。その方と、これで終わりかなと思って、ほかにございませんかとお聞きしましたら、国保の滞納もありますと。その方はなかなかその自分の滞納していることをすべてあからさまにしゃべるというのは難しいことだと思うんです。でまた、国保に行って、国保証を短期証にしていただいて払えるように対応していただきました。
本来だったら、滞納している方、まあ国保に入っているかどうかわかりませんけれども、そういうふうに関連することがあると思うんです。こういう場合について、事例があるということなので、区役所としては連携をすることができると思うんですけど、いかがでしょうか。

西山市民局長:区役所では、先生おっしゃるように、ほかの窓口での手続きや相談が必要な方について、状況に応じてその窓口までお連れするとか、連絡表を作成して引き継ぎを行うなど、お客様に再度ご説明いただくご負担をなるべく避けるということで、連携して対応をするというような取り組みを行ってはおりますが、全体に全部いっているかとなると、先生のご指摘のとこもあるかと思います。ですので、今後も窓口間の連携を意識して、業務に取り組んでいくようにしたいと思っております。

あらき議員:各区に総合窓口はあるんですけど、やはりそれは相談の窓口の入口であって、相談すべてを受け止めているわけではありませんね。滞納の相談に行ったら支払うことばかりを強要するのではなくて、相談者の生活ができるよう、行政としてできる制度をさまざま説明する、あるいは情報提供する。申請することができる。ここまでするのが本来の私は窓口対応だと思うんですけど、この点どうでしょうか。

西山市民局長:各区役所では、総合案内窓口の職員が市民のみなさまのご用件を最初お伺いし、窓口をご案内しています。たとえば、介護保険制度に関するご相談であっても、認定の申請と今おっしゃった保険料の納付相談、これでは窓口が異なるということもございますので、区役所においでになった目的を正確に把握して、必要な制度の説明を受け、申請していただけるよう努めております。

あらき議員:そこで必要なのがやっぱりワンストップサービスだと思うんですけれども、職員の研修でこういうこと行っているんでしょうか。

西山市民局長:区役所では担当業務のほかに、関連する他の窓口についてのご相談をいただいた際、相談内容を理解し、必要な手続きや窓口をご案内できるよう関連する業務知識を身に付けることは重要であるというふうに考えていまして、職員が講師となって関連する他の窓口へ出向き勉強会を実施するなど、それぞれの窓口が工夫しながら業務知識を修得するという取り組みが行われております。今後もこうした取り組みによって、知識向上を図っていきたいなというふうに思っております。

あらき議員:先ほど、前の委員からもあったのですけれど、私も調べました。海老名市では、2年前の5月から市民相談窓口と福祉相談窓口の2つのエリアに分けています。厚木市では、4年前からワンストップサービスを開設し、それぞれのこの2つの市も工夫をして、相談者が移動するのではなく職員が移動する、縦割り行政から各部署の横の連携を深めることにつながることを目指して工夫しています。区役所の窓口に相談者が来たことで、このように手続きの回数を減らすことや、時間短縮につながる方法を検討すべき時期にもう横浜も来ていると思います。この点いかがでしょうか。

西山市民局長:先ほどもお答えいたしましたように、現在横浜市ではワンストップサービスというのをとっておりませんが、年末年始の繁忙期等になりますと、かえってワンストップ窓口でお客様をお待たせいたして、職員の方が来るということになりますと、かえって時間をとるというケースもございます。件数の量ですとか、窓口にいらっしゃる人数などによりそれは違ってくるのかなと思いまして、現在は、先ほど申しましたように、お客様に次の窓口をご紹介して、そちらに早く行っていただくというという取り組みを進めていきたいなと思っているところです。

あらき議員:ケース・バイ・ケース、それもわかるのですけど、総務省はもうさらに踏み込んでいて、住民視点の窓口サービスの実現として検討を行っています。そこには総合窓口の決定プロセスに地域・住民ニーズをつかむとあります。1として、「社会的な要因」「住民視点」「現場視点」の現状と課題をみるとあり、自分たちのまちをみて、自分たちの自治体にあった総合窓口を描くと書かれていました。
この視点にたって、窓口サービスを変えていくことが検討できると思うんです。日頃から区民と接していらっしゃる港南区長、戸塚区長、それぞれ、それぞれどんな工夫をされているか、いま現状できること、やっていることだけでけっこうです。お答えいただけますか。

大貫港南区長:先ほどお話がございましたように、ひとつは関連する課の取り組みを勉強しあうということで、これは「ちょこっと学習」という名称で、年間そうですね、5、60回開催をして、税務が国保のことを知るというようなことをやっております。また、合わせまして、関連する業務の引き継ぎが円滑に行くような、これもマニュアルを作成しまして、取り組みを進めているところでございます。
あとワンストップのことでございますが、個別のことを言いますと、やっぱりハードのことがあります。スペースが限られておりますので、やはり適切にそれぞれの業務ができるところにご案内する事のほうが効率的かなというふうに考えているところでございます。

葛西戸塚区長:私どものところでも、勉強会を職員に自主的な声の中で行っております。特に関係が深いのが、保険年金課と税務の問題ですけれども、保険年金課の職員が税務のことを勉強する、それを毎月のように行っております。また、税務の経験のある職員が保険年金課に移動をして、非常にそのことがプラスになったということも聞いております。
ワンストップ化について申しますと、方向としては目指すということは考える必要があるとは思いますけれども、大きなその業務のシステムがもうそれぞれ大きなシステムになっておりますので、これについて横浜市は改修が必要になってきますので、そういった課題もあるかなというふうに思います。

あらき議員:その点、よくわかります。庁内報の2月号に、人事交流職員の声というのがありました。この中で、民間からきた方たちが「もっとこうしたらいいのに」という問いに、「民間企業では、それぞれの部署で考え方の違いがあっても最終的には企業理念にかなっているかが指標になります。なので、必然的に部署の壁を越えて、横断的に仕事を進める場面が多いですね」という意見になっていました。
企業理念を市民に置き換えると、私は区役所の窓口対応も同じだと思います。知っている情報をそのことの相談からきっかけに、申請主義ですから、こういう制度もあります、この点はいかがですかっていうふうに重ねて聞いていくことは、これもひとつの手法だと思うんですけど、この点どうでしょうか。

西山市民局長:民間の方で市役所に来ていただいた方の内部からと外部からの視点というので非常にためになる視点だなというふうに考えております。特に、いまご指摘のあったところで、その民間からきてくれた方は、また横浜市の職員は非常に優秀だと、そこに書いてあると思うのですが、非常に優秀で、その部署部署では優秀なんだけれども、それが全体に生かされていないというというご指摘もあったので、そういった部分も区役所の研修の中で戸籍をずっとやって優秀な方が税務のところを両方身に付けるというのが大事だと。
ただ、ワンストップにいいますと、逆にいうと、難しい問題があるとその専門の職員がしっかり対応するということも大事なことになるので、全体のレベルを高めながらも、各々の部署でも深くその部署の内容を把握するという職員も大事かなというふうに思っております。

あらき議員:おっしゃるとおりだと思います。ただやはり、その点でいっても研修するだけではなくて、どうやってその窓口をよい効率的に効果的に動かすか。これ、いただいたのは見沼区のモデル事業ということで、埼玉の市民局でやっています。パッケージプロジェクトっていうやり方です。こういう手法ももう検討されていますし、北九州市などももうパッケージをして、このことひとつでパッケージというやり方で考えられています。ですからいまの情報化社会の中では、その機能強化をしていくことも含めて、検討する段階に、もういろんな自治体で取り組み始めている。その点もぜひ研究課題だと思います。この点、副市長いかがでしょうか。

鈴木隆副市長:市民局なりにさまざまな都市の実情もいま調査していると思いますが、いまおっしゃられたような事例もあるということなので、さまざまな検討をこれからしていかなければいけないと思っています。

あらき議員:ぜひお願いしたいと思います。

建築に関する窓口を区役所に設けよ

あらき議員:もうひとつ、区役所には建築についてもわかる職員が少ないです。建築課がないことで、違法建築や建替え等でのトラブルをはじめ、木造密集住宅への対応など職員が本来対応すべきことで相談することがままなりません。これらの問題が相談解決できるよう体制を作るべきと考えますが、いかがでしょうか。

西山市民局長:建築関係の課題については、区役所では位置的には区政推進課が窓口となって、いまおっしゃった建て替えのトラブルですとか、防災上の課題とか、木造密集住宅の対策等に関することを受け止めてございます。そのあと、建築局ですとか都市整備局の専門性をもった関係部署へつなぐということで、区と局が連携をして、現在対応をしているという状況でございます。

夫婦ともに認知症の場合は今の仕組みでは救えない

あらき議員:高齢者人口が一挙に増える2025年に向けて、ますます区役所機能を強化することが必要です。たとえば、夫婦ともに認知症になっているケースでは、介護保険制度の利用方法がわからない、認定審査の手続や配食サービス、ホームヘルパーの派遣などがどうやって手続きしたらいいかわからない。そこで、区役所から出向いてほしい。また、現在の制度は必要とするサービスを受けるには、すべて申請をしなければなりません。そこで、申請すること自体を理解できない高齢者が増える傾向にあることから、その対応について、たとえば保健師の巡回訪問をするなど一定の年齢・世帯の人を対象に今から行うこと。さらに、75歳以上の夫婦世帯で介護認定を受けていない方、医療機関に一度もかかっていない方を対象に訪問し、その方々を把握する。こういうことができると思うのですけれども、総合的な支援、どういうふうに検討されているでしょうか。

西山市民局長:先生おっしゃるとおり、本格的な少子高齢化、人口減少の社会をむかえる中で、誰もが安心して暮らせる都市であるためには、まず住民の方々が、自治会町内会、企業、NPO法人などとさまざまな人たちがお互いに支えあい、私どもという行政と協働しながら、こういった社会的で社会的な課題を解決していくということが大事かなというふうに思っています。とりわけ、今後の区役所の役割は、そういったさまざまな力を生かし、つないでいくとともに、必要な行政サービスを提供して推進していくこと、これが大事かなというふうに思っています。

あらき議員:ちょうど南区・港南区・金沢区役所、建て替えになりますよね。区役所の機能を改めて見直すチャンスでもあると思うのです。足りないところはやっぱりきちんと、今お話したように建築の窓口部署、強化するとか、木密もあります、そういう点でも区役所自体の建築の課をつくるとか、モデルケースで始めてもいい時期だと思うのです。そして、困ったときに区役所へ行けばそこですべて完結できる、そういう手法も含めて、先ほどからワンストップサービスを取り組んでほしいということもお願いをいたしました。ぜひ前向きに検討できると思いますけれども、局長の最後の決意を述べていただきたいと思います。

西山市民局長:先ほど申しましたように、建築についてはもともと建築事務所があり、方面別事務所になり、それで建築確認申請が民間でもできるということになって、今は一か所の事務所になっているという経緯がございます。ですので、そういった建築の事務所が区役所にあったときに行ってきた機能については、うまく区政推進課と専門性を持ったものと連携していくというのがひとつ。
もうひとつ、全てのところに全員が訪問していくっていうことになると、職員の数ですとか働き方も変わってきますので、やはり協働ということで、市民の方々とNPO法人とわれわれとがどういうふうに結び合っていくのかというのが大事だと思います。ただ、先生ご指摘のあったような両方の方がもう外に出れないというようなケースが今後も増えていくと思いますので、福祉局の方でも孤立し困難をかかえる高齢者等の訪問・相談モデル事業、こういったことは26年度予算の中でも検討するというようなお話は区の方でも聞いておりますので、そういった連携も今後は重ねていきたいなというふうに思います。

あらき議員:局区連携をしていただいて、市民の立場にたった相談機能、そしてほめられる区役所であってほしいと思います。以上です。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP