- 日本共産党 横浜市会議員団 - http://www.jcp-yokohama.com -

■教育委員会(古谷やすひこ)

横浜の中学校では家庭弁当が給食より良いと言い切れるのか

古谷議員:最初にスライドの許可、お願いいたします。
日本共産党、古谷やすひこです。学校給食法に基づいた中学校給食の実施を求めて、質問をしてまいります。本市の中学校で給食を実施していない理由、何か、伺います。

岡田教育長:小学生から中学生への成長を踏まえ、中学校では弁当を基本としております。昭和31年に学校給食法が改正され、中学校でも給食実施が可能になりました。しかし、本市におきましては、昭和30年代後半から40年代は急激な人口増加があり、それに伴って児童・生徒のための授業を行う教室等の整備を中心に学校を建設してきました。その間、家庭弁当が定着し、日本の食糧事情や食生活も大きく改善されたため、優先される課題とはなりませんでした。

古谷議員:では、家庭弁当がいいというふうにおっしゃられているんですが、家庭弁当の良さはなんですか。

岡田教育長:家庭弁当は作ってくれる人と食べる人とがつながりが非常にいいこと、それから自分ならではの良さがその中にあること、そして作ってくださる方との会話や保護者への感謝の気持ちが生まれるきっかけになります。また、アレルギー等の心配がほとんどないことも良さのひとつと考えています。

古谷議員:今ペーパー読み上げられたんですが、そうおっしゃられる裏付けの家庭の調査、やられていますか。

岡田教育長:家庭の調査はしておりません。

古谷議員:そしたら、なぜ、そう言い切れるんですか。

岡田教育長:一般論として、そして私の所感として申し上げました。

古谷議員:教育長が今おっしゃられたようないい面もあると思います。しかし、そういうお弁当作れないという家庭もあるというふうに思います。いろんな家庭があるからこそ、公の役割として成長期に必要な食物を摂取できるように学校給食があるというふうに私は考えますが、教育長の考えを伺います。

岡田教育長:中学生になるという成長段階を考えますと、ご自分で作ることも可能ですし、時間、食材、金額、体調、栄養等さまざまな条件の中で、自分にとってよいと考える食を考えるということはとても大事なことだと思いますし、食生活の形式や食への自立というものも、中学生にとっては、私は大変大切なことだと考えています。

古谷議員:ではなぜ、小学校では給食を選択しているのか、伺います。

岡田教育長:本市におきましては、小学校では学校給食法が施行される以前から小学校において学校給食が実施されており、学校給食法の施行後はこの法律の実施基準に従って実施しているものです。

古谷議員:続いて、今までの答弁の中で教育長は「給食にもいいところがあります。また、家庭弁当にもいいところがある」というふうにされています。それぞれ、給食の課題、家庭弁当の課題、それぞれ何だと考えられていますか。

岡田教育長:小学生の成長過程を考えますと、暖かいものをみんなで一緒に食べることで学び合うこと、それからもちろん栄養バランスのよいものを食べていくということもありますけれども、何よりも子どもたちが給食を食べていくことで成長していくということが大きいというふうに、給食は思っています。
お弁当の良さというのは、先ほど申し上げましたので。お弁当の課題、それはやはり、中学生の課題ということになりますけれども、朝、保護者が作れなかった場合、自分で作れなかった場合のお弁当の調達ですとか、そういうことになると思いますけども。

学校給食法では中学校期だからこそ給食が必要だと書かれているが

古谷議員:今までのは前置きです。これから、いままでの答弁踏まえて、質問していきたいと思います。
先ほど、教育長は答弁の中で、「中学校期になると成長を踏まえて」というお話がありました。そこでお聞きしたいんですけど、先ほど引かれたように、学校給食法では当初小学校までしか対象でなかった学校給食、中学校まで広げた改正学校給食法には改正の趣旨にこうあります。「個人差が大きくなって心身ともに旺盛な発達段階にあるからこそ、適切な学校給食が実施されることが義務教育の完成を目指す上で重要である」と。中学校期だからこそ、給食が必要だと書かれています。教育長のご見解とは真っ向から反すると思いますが、いかがですか。

岡田教育長:給食法が出来ました年代を考えますと、そういうことだったんだろうなというふうに思います。

古谷議員:今はどうなんですか。

岡田教育長:先ほども申し上げましたけれども、当時と比べて日本の食糧事情や食生活の改善は著しいものがあります。それを踏まえますと、一概に給食がいいというふうな結論にはならないんではないかなっていうふうに考えています。

古谷議員:学校給食が法によって規定された意味は、教育長、何だと考えていますか。

岡田教育長:31年に学校給食法が改定されまして、小学校から中学校も実施可能になりました。いろいろ言われておりますけれども、当時の食材調達やいろんなことを考えますと、給食を選択していた都市もあるし、それぞれの事情により実施しなかった都市もあるということだと思います。

古谷議員:もう少し歯切れのいい答弁お願いします。

栄養バランス的に家庭弁当は学校給食より優れているか

古谷議員:続いて伺います。栄養バランスに着目した場合に、家庭弁当と学校給食、どちらが望ましいと考えますか。

岡田教育長:お弁当を作っている保護者の方に対して失礼になるといけませんので、本当に所感ということになりますけれども。すばらしいお弁当を持参している方もいると思いますし、また今、その1食だけで栄養を取るという概念は今の子どもたちにはないというふうに思いますので、1日1週間トータルな栄養バランスを考えて、そのときに取るものがバランスいいかどうかということに関しては、バランスを欠けるというものもあると思います。

古谷議員:もちろんそうです。学校給食法でも、中学生期で1食で摂取される必要な基準というのが学校給食実施基準の別表、スライド出されてませんけど、実施基準の別表で示されていて、それに基づいて全国の8割の中学校では給食が提供されているわけなんです。ですが、本市では、いままでの答弁では、家庭弁当の方が栄養バランスが望ましいという答弁をずっとされています。それはどういった根拠でいままでされていて、今の答弁との違いが、ぜひ教えていただきたいと思います。

教育委員会スライド

岡田教育長:すいません。ちょっと今、ご質問の意味を考えながら立ちましたけれども、家庭弁当で栄養バランスがあるとかないとかっていうお話を答弁としてした覚えがないので、いつの答弁のことだったのかなというふうに、今考えているんですけれども。お弁当にはお弁当の良さがあるし、小学校の給食には小学校の給食としての意味がある、役割があるっていうことはいままでずっと申し上げてまいりました。

古谷議員:はい、では読み上げましょう。2012年度の私どもの予算要望の中で、「中学校において学校給食法に則った給食を早期に実施すること」という中で、回答の中でこうあります。「子どもたちの体調や栄養バランスに考慮した、個々に応じた昼食のほうが望ましいと考え、中学校における昼食は、家庭からの弁当持参を基本としています」と、こう回答されています。これについてどうですか。

岡田教育長:おそらく、一人ひとりの子どもの成長に応じたお弁当が作れる、用意できるということで、当時答弁あったというふうに思います。

古谷議員:今、示されている学校給食摂取基準、本市の中学校の食育の中ではどうやって位置付けられていますか。

岡田教育長:1食あたりの、これは学校給食の基準だと思いますけれども、食育として中学生の成長過程で必要なものということで、トータルに学んでいます。

古谷議員:本市の中学生の食育の中では、どうやって位置付けられていますか。

岡田教育長:中学校で給食を採用しておりませんので、給食としての標準というのは使っておりません。

古谷議員:これ、なぜあげたかっていうと、この学校給食摂取基準というのは、かなり頻繁に臨時改定を繰り返しています。これ、非常に中学生の体格を考えて、臨時改定をずっと繰り返しているんです。そういったことが、学校給食法ではやられているんですけど、そういったことが横浜市の中学校ではどういうふうに位置付けられてやられていますか。

岡田教育長:何度も同じ回答して申し訳ありませんけれども、給食やっておりませんので、給食の基準というのは、位置付けはございません。

横浜市は国の食育推進基本計画や学校教育法に従わないのか

古谷議員:続いて伺います。2010年に食育基本法が制定されて、それに基づいて国が「食育推進基本計画」を策定しました。その中には、学校の役割として「学校給食の充実」の中に「子どもが食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身に付けることができるよう、学校給食の一層の普及を促進する」とありますが、本市はこの普及の方針には従わないということなんでしょうか。教育長、伺います。

岡田教育長:食育は食育で実施しておりますし、今は給食を位置付けておりませんので、給食法のその箇所については位置付けはありません。

古谷議員:丁寧に答えていただきたいんです。食育基本計画の中で、「学校給食の一層の普及を促進する」とあるんです。これに背いてませんかということなんですが。

岡田教育長:給食を実施している小学校ではきちっと基準は尊重しています。中学校では実施しておりません。

古谷議員:丁寧に答えていただきたいんですが。
続いて伺いますね。給食が行われている小学校ですらですね、給食では全部の食事の6分の1しか管理できないので、食育の推進のためには緊密に家庭と連携してやろうとなっています。ましてや給食を実施していない本市中学校では、小学校にも勝る努力と工夫が必要だというふうに考えます。小学校と同じ事業はおっしゃらなくて結構ですので、小学校以上に中学校で行われている家庭弁当での食育を進めるために努力されていること何か、伺います。

岡田教育長:中学校の学習指導要領には、きちんと学校給食を実施していない学校においての食育に関する指導事項も記載されておりまして、それをきちんと踏まえまして、個に応じた家庭弁当でも、教材として特別活動や技術・家庭科などで取り上げることで、食育にしっかり取り組んでおります。

古谷議員:2004年に学校教育法が改正されて、栄養教諭制度が創設されています。その改正の主旨にはこう書かれています「今回の改正は、児童生徒の食生活の乱れが深刻化する中で、学校における食に関する指導を充実し、児童生徒が望ましい食習慣を身に付けることができるよう、新たに栄養教諭制度を設けるものです。この栄養教諭は、栄養に関する専門性と教育に関する資質を併せ有する教育職員として、その専門性を十分に発揮して、特に学校給食を生きた教材として有効に活用することなどによって、食に関する指導を充実していくことが期待されています」。学校教育法の中でも、学校給食が位置付けられています。横浜市は学校教育法にも反しているのではないですか。

岡田教育長:反しているとは思いません。

古谷議員:少し勉強していただきたいというふうに思うんですが、今までの教育長のご発言は本当に破綻しているというふうに思います。ぜひ求めたいというふうに思います。