議会での質問(詳細)

2014年3月25日

■「予算反対討論」 古谷やすひこ議員(2014.3.25)

日本共産党、古谷やすひこです。党を代表して、2014度横浜市一般会計予算案に対して、市民生活を守る立場で反対の討論、行います。

新たなインフラ整備は維持・更新費がかかるばかり

先日、4月からの消費税増税強行する2014年度国家予算案は、自民党・公明党などの賛成で可決成立しました。いまあちこちで「消費税増税分は全額社会保障にあてる」と税金を使って盛んに宣伝されていますが、年金・医療・生活保護など社会保障の給付は軒並み削減されました。このことで市民生活がさらに苦境に陥ることは明らかであります。そんな中で、国の悪政から市民生活守る立場に立つのかどうか、問われています。
林市長は、「市政運営の基本方針と予算案について」の中で、これからの横浜の未来、描かれています。問題意識・課題認識は、共有できる部分もあります。しかし、その課題に対して、対処していく手法には共感できませんし、これでは展望も持てません。市長は答弁で「将来世代に過度な負担をさせるべきでない」といいながら、その一方で「大胆な投資」「スピードアップさせる決断」として、横浜環状道路建設の推進や国際コンテナ戦略港湾整備に大きく傾注した予算をつけました。しかし、既存のインフラの維持更新費すら十分に費用がつけられておらず、そんな中で新たなインフラを作れば、その時から新たな保全費が発生します。このままでは、私たちの先達が営々と築いてこられた横浜の財産すら維持できなくなるのではないでしょうか。それでも市長は「大胆な投資をすべき時なんだ」とおっしゃるのであれば、それらすべての新設のインフラの総事業費とそれによって増える維持保全費、しっかりと示すべきであります。
それも示さずに、これからの生産人口減の中で、どこにそのお金を捻出し続ける根拠があるのでしょうか。言葉だけは威勢のいいことをおっしゃっていても、これでは何の裏付けもない、根拠のない無謀な提案と言わざるを得ません。その上、新市庁舎建設やカジノなど、どれだけバブルな発想なんでしょうか。そんな無謀な提案によって、今の現役世代やその次の子どもたちの世代に莫大な借金を押し付けてしまうことをみなさん本当に良しとするのでしょうか。

生活を脅かす高速道路建設での土地収用、下水汚泥焼却灰の埋め立てはやめよ

高速道路の問題では、湘南道路を含む南線が今進められようとしています。この議会開会中も土地収用法による住民説明会が行われ、たくさんの方が会場に詰めかけています。現計画をそのまま進めるとすれば、抵当権者も含めると1700人を超える権利者の土地が収用されてしまいます。うち、横浜市がつくる関連街路だけをみても、そこに立地するマンションは2棟あり、区分所有者は454名もいます。それだけ多くの人の権利を市長、踏みにじることを強行しようというのでしょうか。
市長は、国の進める事業に対して協力をしなければならないという立場もあるかもしれません。しかし一方で、横浜市民の代表であり市民を守る立場にも立たなければなりません。断じて、国の手先になって、市民生活を脅かす立場に立つことは許されません。
これは下水汚泥焼却灰の処理の問題でも同じであります。市民団体や地元住民をはじめ、港を一手に取り仕切っている港運協会含めて大反対をしている、南本牧最終処分場の陸上部分への埋め立ては、強行すべきではありません。本来、国や東電が責任をとらなければならない放射性汚染物質を、なぜ横浜市がお先棒をかついで、市民はその被害を押し付けられなきゃならないのでしょうか。ここでも、どちらの立場に立つのか、市長、問われているのではないでしょうか。

政令市最低レベルの子育て施策から脱却を

また市長はこうも言っています。「多くの方々、企業の皆様に横浜を選んでいただき、そして長く住み続け、活躍の場としたいと望まれる横浜を、必ず実現していきます。」と。こう言うからには、文字通り横浜に住むことを選んでもらう施策を市長は進めるべきです。しかし、今やっていることは、全くの真逆の政策です。少人数学級の推進も政令市最低レベル、小児医療費無料化助成も県内最低レベル、中学校給食がないことも政令市最低レベル、さらに今回の予算審議の中でほとんどの政令市で引き下げていない就学援助の基準も国の要請を無視して切り下げました。こんなにも、子どもを産み育てるという条件・環境が他都市と比べても劣っているというのは、切れ目のない子育て施策を充実させると日頃おっしゃる市長とは思えない。言っていることとやっていることが全く違います。また、これらの指摘に対して、市長からはまともな答弁もありませんでした。非常に残念です。
また、今回予算案の中では、ふとん丸洗い事業などが廃止されました。この事業の対象は、寝たきりの知的障害者なども入っています。こうした最も配慮すべき方々に対して、意向調査もせず、実態調査もしないまま、机上の計算だけで、事業廃止を決めてしまうというのは、林市長が現場主義だとおっしゃいながら、こういう一人ひとりの市民生活、顧みないやり方をしているというところが、こういうところからも透けてみえてきます。

人口減少社会に適したまちづくり計画を

私たちは、今回の予算案に対する対案として、先ほどの予算組替え動議で述べましたが、こう考えています。市長も認識していらっしゃるように、これからの人口減少社会の時代認識に立った上で、新たな都市像を作っていくべきだと思います。それは、政府の経済成長戦略を取り込んだ新たな大規模開発中心のまちづくりではありません。地方自治の立場に立って、人口や産業が減少・縮小することを前提とした計画的なまちづくり、その中で地域で暮らし続けられるようなまちづくりであります。
産業で言えば、大型公共工事など箱モノづくりではなく、居住地に近接するサービス業や教育、医療、福祉、再生可能エネルギーなどの分野を発展させることであります。政令指定都市最大の人口を抱える横浜市の強みを生かして、市民の能力を最大限に発揮できる条件や環境を整えるための予算こそ、転換期には必要なのではないでしょうか。

破綻した中学校給食やらない論、中学校給食の実施を

そして特に、これからの時代の中で、横浜の子育て施策について述べます。
まずは、中学校給食の未実施の問題。私は、教育委員会の質疑に当たって、この間の中学校給食を実施しない理由の変遷をみてきました。昔は、いわゆる“愛情弁当論”を振りかざして「親の愛情のこもった弁当が必要だ」と言い続けてきました。今でもごく一部の方がおっしゃっておりますが、私はいま中学生の子どもを持つ親として言いたい。親の愛情の示し方まで私は指示されたくはありません。この理屈も、今はそれは言わなくなったようですが、次は、中学校期の体格のことを捉えて「中学校期になると体格・食事量など個人差が大きくなり、給食などの献立よりも、子どもたちが自分の体調や栄養バランスを考慮した、個々に応じた昼食の方が望ましい」と、つい最近までこの理屈を言っていましたが、これも今回の質疑を聞いていると、その理屈は破綻したと自ら考えられたのか、これも言わなくなりました。今回では、弁当の良さを教育長は「作ってくれる方とのつながりがあるからいいんだ」とおっしゃいましたが、その回答自身が何の裏付けもない教育長の主観であると答弁をされています。市長、結論先にありきで、やらない理由をあとからつくるのはもうやめにしましょう。中学校給食を拒否するための理由づけは、全国の学校給食の工夫や成果を否定することになる上、横浜市の小学校の給食の実践をも否定することになります。
この際、教育委員会のみなさんにも訴えます。みなさんも公務員であるのなら、中学生の願い、市民の願い、拒否するための理由づけを無理やり考えるよりも、どうしたら実現できるか考える方が楽しくやりがいがある仕事ができると思います。どうでしょうか、教育長。
私たち日本共産党横浜市会議員団は、改めて学校給食法に基づいた中学校給食の実現を求め続けていきます。

子どもにも先生にも一挙両得の少人数学級

次に、少人数学級を前進させない問題です。これは、生徒に対してと先生に対して、二つの問題があります。まずは、生徒に対してですが、今回の予算案の中で、グルーバル人材を育成するためとして英語教育が大きく強化されています。これを全面的に否定するものではありませんが、100歩譲って英語教育をより進めるにしても、今の状態のままではひとりひとりの成長に応じた教育効果は到底望めず、結果、落ちこぼれてしまう子どもたちを救えません。公教育のあり方として、まずは少人数学級を進めることで一人ひとりの成長に光を当てる施策を、すべての教育条件の土台として位置づけることが必要です。今回の予算ではその点で一歩も踏み出さなかった責任、重いと思います。
次に先生に対してですが、田村厚生労働大臣が先日の国会審議の中で「教員も労基法の対象になる」と発言しており、一般的に月80時間の残業時間を超えるとブラック企業といわれますが、果たして本市で働く教員の残業時間はどうなっているでしょうか。先日、開催した教育シンポジウムで、ある現職の小学校教員の方がこう発言されています。「子どもたちのために忙しいのは本望だが、事務作業等の周辺作業が忙しくて子どもたちに向き合う時間がないのは辛い」。こういう先生の悲鳴ともいえる状況、教育長は掴んでいらっしゃるでしょうか。市長、教育を充実させるというのであれば、生徒にとっても先生にとっても、少人数学級を進めることが一挙両得の施策であると、改めて求めます。

「はだしのゲン」をはじめ子どもの知る自由をきちんと保証すべき

最後に、学校図書館の問題ですが、漫画「はだしのゲン」をめぐって、全国的に問題になっています。
今議会の特別委員会の中で、自民党・山下議員が「はだしのゲン」を政治的思想的な色合いが強い、また天皇陛下に対して侮辱的な発言があるなどとして、学校長に判断を委ねていいのかと述べました。また、常任委員会でも、自民党の横山議員が「はだしのゲン」に過度な表現や中学校の発達段階で不適切な画面や映像があるため、図書選定の責任者の適切な判断を望みたいと述べました。
全国的な動向をみると、大阪の泉佐野市で市長が市教委に指示し、「はだしのゲン」を回収し、そのことに校長会が抗議して、返却されています。その際に、ある校長は「学校の図書については校長に権限があり、市教委が介入するのは筋違いで腹立たしい」、こう述べています。今議会の総合審査の中でも、市教委は「学校図書の選定は学校の選定委員会などの意見を参考にして学校長が決めること」を確認した際に「そのとおりである」と教育長も答弁されています。
1953年に学校図書館法が制定され、その後1991年に全国学校図書館協議会によって「学校図書館憲章」が採択されています。その際に重視されたのは「自らが調べ学んでいく学習」です。誰かが先回りをして、子どもたちの成長・発達にふさわしいかどうかを決めるなんていうことはナンセンスです。また、図書館などに置いてあるパソコンからはインターネットの情報が氾濫している中で、教育委員会が生徒の情報にアクセス制限をすることは事実上できません。
そんなことをよりも、子どもたち自らが自主性をもって物事の本質を学んでいく力を身につけさせることの方がよほど重要ですし、児童の知る自由はきちんと保証すべきで、誰にも侵すことができない権利だと申し述べておきます。

市民と共同して、安心して住み続けられる横浜を

最後に、今年度も私たち日本共産党市会議員団は、市民の生活と生業を守る立場で、道理と大義ある提案を示しながら、広範な市民の皆さんとも共同して、安心して住み続けられる横浜つくっていくことを表明して、討論を終えます。

  • 2017年 市民要望アンケート

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