議会での質問(詳細)

2014年6月3日

■「議案反対討論」 白井まさ子議員(2014.6.3)

私は、日本共産党を代表して、5件の市長提出議案、議員提案による2件の条例制定と、2件の請願不採択に反対し、討論を行います。

高速横浜環状北西線は東京からの横浜へアクセスルートのメインではない

市長も副市長も北西線は北線と一体となって東京オリンピクに不可欠とのお考えですが、北西線は東京から横浜へのアクセスルートのメインのルートではありません。
そもそも高速横浜環状道路は、30年前の右肩上がりの経済成長を前提に計画された事業ですが、時代は人口減少、生産拠点の海外移転による物流減少に大きく変化しています。高速横浜環状道路そのものについて、ここで一度立ち止まってその必要性を再検討すべきです。
また、国の社会資本整備審議会・道路分科会から「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」が出され、高速道路の維持管理や一般道の整備に今すぐ舵を切るべきであるという内容です。北西線の事業化は、この重要な提言にも反するものです。議案には反対です。

花月園跡地は市が事業主体となって緑深い広い防災公園に

つぎに、市第18号、第19号、第42号議案は花月園競輪場関係県有地での公園整備についての議案です。
花月園競輪場跡地に公園を設置することは、大賛成です。鶴見区をはじめとする市街地の市民は実感できる緑が欲しいと願っています。防災上もたとえば関東大震災で火災の類焼を抑え、多くの人命を救ったのは、公園や道路などの緑でした。今後予想される巨大地震による津波や様々災害から市民を守るオープンスペースとして、同跡地は鶴見区民にとって宝ものです。知恵を集め、何としても素晴らしい緑豊かな公園にしなければなりません。
しかし、今回の議案は市民の要望を満たすものになっていません。同時に、その規模や整備手法、事業主体を決める過程や事業の事業費等など、市民的に不透明さが拭い去れません。
今回の公園整備は、防災公園街区整備事業の全体面積11.8ヘクタールの内、花月園競輪場跡地8.1ヘクタールの約半分を活用するとしています。花月園競輪場跡地はその約90%が県有地です。同跡地は鶴見区民にとって、まとまった緑地を確保する千載一遇のチャンスです。花月園競輪場跡地周辺の町内会・自治会、生麦第二地区連合会、岸谷第一自治会、岸谷第二自治会、鶴見一・二丁目町内会、東台自治会、東寺尾中部会等の自治会長のみなさんが「花月園の今後の利活用は県有地すべてが緑濃い防災公園に」と、鶴見区役所に強く要望しています。
本市の最重要施策の一つに掲げられている横浜みどりアップ計画では、その3本柱の一つとして「市民が実感できる緑をつくる」取組みを掲げています。具体的事業として、国や市などが持っている土地の利用形態が変更になる機会をとらえて用地を確保し、緑豊かな公園の整備を実施するとしています。市がみどりアップ計画に立ちきれば、県に交渉し、跡地全域を防災公園を兼ねた森林公園にすることが当然の帰着となるはずです。それを、跡地面積の半分程度で「良し」としたことは、みどりアップ事業に対する本市の本気度のなさを示すものであり、これではみどり税を超過課税として納めている市民の理解を得ることができません。
対象地域を全面的に本市が森林公園として直接整備する場合でも、国費は設備の二分一、用地の三分の一が補助されます。これは、独立行政法人都市再生機構URの事業の「防災公園街区整備事業」も同じです。県についても、本市の市是ともいうべきみどりアップ計画に全面的協力を要請し、切実な市民要望をより反映させるために、みどりアップ計画に基づき、市が直接全面的に緑濃い防災公園として事業を進めるべきです。
また、「防災公園街区整備事業」として事業すると決定したのは、学識経験者と県職員、市職員合計5名による「花月園競輪場関係県誘致等の利活用にかかわる検討会」です。同検討会はすべて非公開で4回行われました。決定の過程が不透明です。その結果を市民に押し付けるということはあまりにも乱暴です。
不透明さは事業費も同様です。URとの基本協定はまだ締結されていません。また、事業全体の事業費もはっきりしていません。この段階で68億円におよぶ債務負担行為を設定することは、またこれも乱暴であり、到底賛同できません。

提案者は「将来にわたる責任ある財政運営」に努力したか

つぎに、議第1号議案は、議員提案による「将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」の制定です。
横浜市の財政状況は、一般会計の借入金残高は昨年度末で3兆3518億円となっています。
この借入金残高を増やした要因であるみなとみらい21事業をはじめ、南本牧埋め立て事業、上大岡西口地区再開発事業などを推進してきたのは、この条例を提案されている会派のみなさんです。たとえば、Y150のメイン事業では貧弱な企画による見込み入場者数の大幅減により大赤字を生み、そのつけを市民の税金で補てんすることを招いたということについても、提案されている会派のみなさんからは、市長とともにこの事業を推進されてきたことについて反省がありませんでした。
その反省もなく、これらの事業を推し進めてこられたみなさんが、今になって「将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」を提案すること自体、不見識と言わざるを得ません。
議案説明では、市財政の健全性をことさら強調されました。「将来にわたる責任ある財政運営」を言うのであれば、東京オリンピックや防災という美名のもとに、さらに市債発行し、新市庁舎・高速横浜環状道路北西線など借金がふえる大型公共事業を始める方針に両手(もろて)を挙げて賛成できるものではありません。
「将来にわたる責任ある財政運営」のために、これまでどのようにチェック機能を果たされたのか、その点でも私達は納得のいく答弁を本会議でも常任委員会でも得られることができませんでした。
これらの理由から、この議員提案条例については反対します。

虐待防止はまず社会的背景の認識から

つぎに、議第2号議案は、議員提案による「横浜市子供を虐待から守る条例」の制定です。
多くの市民は市内で増加している子どもの虐待に心を痛め、子どもを虐待から守る有効な手立てを願っています。また、今回報道されている厚木市内での男の子の死亡事件には、近隣住民や関係者など、地域社会の気づきはどうだったのだろうかと声を聞きます。社会全体が周囲の他人の生活に無関心となっている現状が、虐待を見過ごすことにつながっているという指摘があり、地域社会全体でゆるやかにつながることが、手立ての一つとの指摘もあります。行政の対応の検証も必要です。この点から、今回の条例案で市と市民と保護者と関係機関が一体となって防止に努めようという考え方は理解します。
その上で、虐待防止のために有効な手立てを講じるためには、子どもという存在をどう見るか、子ども虐待の社会的背景をどう認識するかが重要です。
条例案は、「子どもは円満な家庭において慈しみと愛情をもって育てられる存在である」として、子どもをもっぱら保護の対象にしています。さまざまな、子ども施策の根底にあるべき子どもの権利条約の子ども観は、子どもをもっぱら保護の対象にしてきた子ども観を転換し、権利の主体として尊重することを求めています。
古い子ども観の上に作られる条例では、子どもが安心して生きる権利、育つ権利の保障も、一人一人の人格の尊重も、虐待による権利侵害も明記がなく、虐待防止に真に有効な手立てとなり得ないのは明らかです。
また、「子育ての第一義的責任は家庭にある」として家族の自己責任を求め、「親にとって利便性の高いサービスばかりが追及されるのではなく」として親の利己主義を問題視し、あえて「保護者に地域活動への参加」を求めるなど、ことさら家族や地域共同体を重視した内容です。
本市の子ども虐待の発生現状を直視すると、DV家庭で子どもが見聞きし、傷つくケースが急増していることからも、また、本市での重篤な虐待事例の検討報告書からも見えてくるのは、親自身が収入や就労、養育力、心身の健康などの家庭状況に困難を抱えていることが窺えます。その困難の背景には、貧困の連鎖による子育て世帯の貧困や社会からの孤立など様々な状況があります。虐待行為自身は決して許されることではありませんが、社会的に弱い立場に置かれている家庭で虐待が発生していることを重視する必要があります。
しかし、条例案は、子育て家庭の困難の社会的背景の認識がないため、このことからも虐待防止に真に有効な手立てとなり得ないのが明らかなのではないでしょうか。
子どもの権利の規定もなく、社会的背景になんら目を向けることなく、社会的責任に触れず、一方的に家庭の自己責任論を振りかざすことは、横浜の子育て家庭に前近代的な家族観を押し付ける以外の何ものでもありません。「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍首相が重視する復古的な家族観が色濃く表れた条例は制定すべきではありません。

カジノに対する国の対策はあてにならない

最後に、IR等の検討に伴う予算の執行停止を求める請願第3号とIR等の検討内容にカジノ賭博関連問題の調査の実施を求める請願第4号の不採択についてです。
常任委員会で請願を不採択とした会派から、カジノ設置によるギャンブル依存症の拡大など悪影響については、国が法律で対策するから、手当てするから心配ないという議論ですが、国の対策は当てにならないどころか、何の役に立ちません。
毎日新聞の昨日の社説によれば、「カジノ設置のマイナス面は見逃せない。暴力団参入や、マネーロンダリング、資金洗浄での利用を警察当局は警戒する。青少年育成への悪影響も考えられる。ギャンブル依存症や、多重債務者・自殺者の増加を専門家は予想する。」「カジノ先進国である米国や韓国などの研究では、依存症患者が増え、その対策で社会が負担するコストは、カジノによる税収増分を上回るという。カジノに近い地域ほど犯罪率や自殺率が高いとの統計もある。」こう述べています。
想定される複合型リゾートとは、家族で楽しむテーマパーク、ショッピング・グルメモール、ホテルなどにカジノも含まれるとされていますから、横浜にカジノができれば、子どもや青少年への悪影響が心配され、それがわかっていながら、それでも誘致するというのは、あまりにも不健全な市政運営と言わざるをえません。
カジノ誘致に向けての検討はやめるとともに、カジノ賭博関連の調査を求める請願は採択すべきです。

以上で、討論を終わります。

  • 2017年 市民要望アンケート

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