申し入れ等
2014年7月31日

神奈川地方最低賃金の大幅引き上げを求める申し入れ

2014年7月31日

神奈川地方最低賃金審議会長 柴田 悟一 様 

神奈川労働局長 水野 知親 様 

日本共産党横浜市会議員団 団長 大貫 憲夫

 

日頃、賃金をはじめ労働時間や雇用など労働条件の向上のご尽力に、心から敬意を表します。

中央最低賃金審議会の小委員会は7月29日、2014年度の地域別最低賃金について、全国平均で時給16円増の780円とする目安をまとめ、田村憲久厚生労働大臣に答申しました。神奈川県の引き上げ目安は昨年と同様の19円で、目安どおりの引き上げで最低賃金は887円になります。

最低賃金について新聞各社は、「消費税増税や物価高による実質賃金の目減りを補うには程遠く、低所得者層の生活は依然と苦しい」(神奈川、東京)、「実質賃金指数が1年前より3.8%減っている。今回の16円は比率にして約2%増に過ぎず、目安通り賃金が増えても必ずしも実質賃金増とはいえない」(毎日)などと報道し、最低賃金引き上げの目安では生活改善には結びつかないとしています。また、朝日新聞は、2010年に民主党政権時に政労使で合意した「早期に全国最低800円、2020年までに全国平均1000円」とする目標について、「目標は遠のく一方」と述べています。

神奈川県内の労働者が国と神奈川労働局長を相手に起こした最低賃金裁判は3年を経過し、6月9日の第15回裁判で弁護団は、「時給868円はもちろん、1200円で月173.8時間働いても、1400円でも普通のフルタイム労働者平均の155時間働いても、生活保護申請すれば受給できる」と述べ、国もこれを認めています。神奈川県では昨年から生活保護基準と最低賃金との「逆転現象」は解消したとされていますが、実質的には解消されていません。これでは、青年は未来に希望が持てず、結婚など考えられません。とても家族を養えず、ましてや蓄えなどできません。少子化や貧困高齢層の増加がますます進んでしまいます。

従来から申し上げているように、生活保護費以下の賃金は、憲法第25条で定められている国民の生存権、国の社会保障的義務にも、最低賃金法9条3項にも反するものです。生活できる賃金を保証するために、最低賃金を大幅に引き上げるべきです。なお、最低賃金引き上げで営業が苦しくなる中小企業に対しては、ダメージを抑える別の政策が必要であり、国が策定した小規模企業振興基本法などに基づき、積極的な支援を行うことが求められています。

つきましては、下記の実現に向け、貴職の権限を生かした真摯な対応を要請いたします。

1.生活できる賃金をめざして、時給1,000円以上にする方向で、審議を行うこと。

以上


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