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「こんにちは横浜市議団です」8.20号

横浜市教育委員会、無記名投票で答申以外の小学校用教科書を採択
教科書採択・採決方法の理由が不可解

「こんにちは横浜市議団です」2014年8月20日 横浜市教育委員会は8月1日、市立の特別支援学校、個別支援学級、高等学校、小学校で来年度から4年間使われる教科書を採択しました。

教科書採択の流れ
 教育委員会は、横浜市教科書取扱審議会に教科書の調査・審議を諮問します。審議会は教科書調査員に調査を依頼し、調査結果等をもとに、教育基本法、学校教育法、学習指導要領、「横浜版学習指導要領」の趣旨、「横浜教育ビジョン」に適しているかなど12つの観点(保健体育は13)毎に各出版社の教科書を評価します。教育委員会は、審議会の答申を受けて、教科書の採択を行います。

明らかな理由もなしに答申と異なる採択
審議会の答申と採択が異なる教科 特別支援学校、個別支援学級、高等学校の教科書は、審議会の答申通りに採択されましたが、小学校の3教科は答申とは異なる教科書が採択されました。
教育委員会を傍聴した白井まさ子議員によれば、審議会の答申と異なる教科書をなぜ選ぶのかについて、いずれの委員からも明確な発言はなかったとのことです。
審議会委員20人のうち8人は校長や教員、3人は学識経験者です。一方、教育委員は、元学校長が1人、早大スポーツ科学学術院教授が1人で、残りの4人は教育に携わった経歴がありません。
教職に就いた経験者の少ない教育委員会が、審議会の答申を覆すには、余程の理由があるはずですが、その説明がなされていません。

無記名投票に逆戻り
採決方法を決める際、今年7月1日に就任したばかりの長島由佳委員が「前回22年度の無記名投票がよいのではないか」と発言し、他の委員からも異論がなく、無記名投票に決まりました。
2010(平成22)年度にそれまでの記名投票が無記名に変わった際、市民オンブズマンなどの市民の抗議で2011年度には記名投票に戻った経緯があります。今田委員長以外は2012年以降の就任です。

教育委員は説明責任を果たしていない
文部科学省が各都道府県教育委員会にあてた「教科書採択の改善について(通知)」(2012年9月28日付)では、「採択結果・理由など、採択に関する情報の積極的な公表に努めること」とされています。
しかし、教育委員会の採択結果についての発表は、審議会が教科書を評価する際の観点に基づいて、同委員会の「権限と責任において慎重に審議」して採択したとするのみで、審議会答申と異なる教科書を採択した理由や無記名投票としたことについて、全く説明していません。
教育委員という公職にある以上、どのような理由でどの教科書を選んだかを明らかにするのは当然の責務です。

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