議会での質問・討論(詳細)
2008年10月1日

【2007年度決算特別委員会】「安全管理局」 中島文雄議員

洪水ハザードマップの早期整備を

中島議員:日本共産党を代表して質問します。
 最初は、風水害対策の充実・強化についてです。近年、集中豪雨の多発による被害は深刻であり、今年の夏も、下水道工事現場での作業員の犠牲、自動車水没での女性死亡、観測史上類をみない時間降雨146.5ミリの記録など、東海・関東地方を次々と豪雨災害が襲いました。本市においても、市民の生命と財産を守る上で、豪雨災害に対する備えは緊急課題のことだといえます。
 まず、頻発する風水害やその対応について、安全管理局長の所感を伺います。

上原安全管理局長:近年の異常気象によりまして、局地的な大雨による災害や事故が日本各地で発生しております。原因は定かではありませんが、地球温暖化による影響もあるのではといわれているところであります。今後も、局地的な大雨の発生が続くようではないかと懸念しているところでございます。
 いずれにいたしましても、本市では、防災計画風水害対策編に基づきまして、水害予防対策をはじめ情報収集、伝達体制等の整備などを進めてまいりました。今後とも局地的な大雨による最近の他都市の被害等を教訓にするなどして、必要な対策について鋭意検討してまいります。

中島議員:栃木県鹿沼市での悲惨な事故だったんですが、自動車水没による女性死亡事故、このことについてですが、119番通報や110番通報を受けた管制員が別の事案と勘違いして、救急車両を出動させなかった、これが原因だというふうに報道されています。本市においても絶対に起こらないのか、私心配するところなんですが、通報から出動への流れや、通報が錯綜した場合の確認方法について伺います。

荒井警防部長:市内の119番通報は、すべて保土ヶ谷区にある消防指令センターにつながります。通報を受けた指令管制員は、通報の内容から災害種別を特定するとともに、要請場所にもっとも近い部隊から、コンピューターが自動選別し、該当部隊に出動を指令します。なお、人命に係わるような緊急性の高い通報に対しては、重複する可能性がある場合でも、消防隊または救助隊を必ず出動させています。
 また、出動の確認方法ですが、常日頃から指令の内容を複数の職員によりダブルチェックを行っており、台風など119番通報が錯綜すると思われる場合には、非番の職員などの動員をあらかじめ行っております。

中島議員:携帯電話からの119番の通報件数ですね、私も伺ったんですが、昨年1年間で、全体の23万5,000件余のうち3分の1の30%が携帯電話だというわけですね。2007年度事業で、携帯電話位置情報通知システムを導入しましたけれども、その内容と導入効果、今後の課題等についてご報告願いたいと思うんです。

上原安全管理局長:携帯電話から119番通報されますと、主要なコンピューター場面に携帯の電話番号に加えて、発信場所と周辺の地図情報が併記されまして、通報者は地理不案内の場合でも場所を特定する時間が短縮され、出動までの時間が短くなるものであります。課題といたしましては、GPS機能付き携帯電話につきましては、場所の特定がある程度絞り込んで把握できるのでありますが、これ以外の機種につきましては場所の特定がむずかしいため、通報者の現在位置とは必ずしも一致しない場合があるというところでございます。

中島議員:GPS機能付きでない携帯電話、こういう場合に通報場所を特定するにはどういう確認があるんですか。

荒井警防部長:司令管制員は、通報者から近くの建物名称、交差点の表示、バス停等の目標物を聞き取るなどして、通報地点を絞り込み、特定しております。

中島議員:それでは、本市の風水害対策の現状等についても、いくつか伺いたいと思うんですが。まず、2005年度に水防法が改正されましたが、その内容と合わせて、本市の水防対策へどう反映したのか伺います。

山田危機管理担当理事:主な法改正の内容といたしましては、主要な中小河川における浸水想定区域の指定の拡大、避難判断水位の設定など洪水情報伝達の充実、あるいはその地下施設における避難確保計画の作成などでございます。これを受けまして、平成18年度に市防災計画を修正し、主要な中小河川の洪水ハザードマップを作成すること、および浸水区域内の地下街等における避難確保計画の作成指導などの充実・強化を図っているところでございます。

中島議員:このことによって、水防対策が充実されたということだと思うんですが、洪水ハザードマップですね、今度の水防法の改正の中で大きく取り上げましたけれども、その作成状況および地域住民への周知を伺います。

山田危機管理担当理事:平成15年度に鶴見川水系から作成を始めまして、順次帷子川水系、境川水系、大岡川水系について、各区版を作成いたしております。21年度に予定している金沢区内の宮川水系、侍従川水系を作成することによりまして、市内のすべてのハザードマップができあがることになります。
 このマップを公表する際には、広報よこはまの各区版などで周知を図っております。合わせてマップについては、各区で希望者に配布しているほか、ホームページでも閲覧可能でございます。

中島議員:洪水ハザードマップについては、順調に進んでいるようですが、周知徹底がなければ意義を果たせないわけですから、周知徹底をお願いします。
 それでは遅れが指摘されている区別の防災計画、特に風水害対策編の策定が急がれると私は思うんです。区別計画の策定状況と、全区での計画策定に向けた取組みはどうなっていますか。

上原安全管理局長:区別計画でございますが、現在4区が策定済みになっています。また、本年度中に策定予定となっているのは9区、残りの5区は21年度中に策定を予定しているということです。各区が計画を策定するにあたりまして、当局としては区別計画のモデル案の作成や個別相談に応じるなど、計画策定の支援に取り組んでまいりました。今後とも区で企画されている危機管理担当係長と連携を図りながら、機会を捉えて計画策定の支援に取り組んでまいりたいと思っております。

中島議員:ハザードマップと風水害対策編はペア、セットみたいなものですから、このことについては早急な策定をする必要があるというふうに思います。

市民を災害から守る消防団員の報酬を上げよ

 火災だけでなくて水害等が発生した場合、本市では、地域の消防団員がこれにあたるわけですね。こういう献身的な活動が重要な役割を果たしておられます。この消防団員の定数に対する充足率が年々落ちている、こういうことが問題になっていますけれども、過去8年間の充足率の状況と、団員の確保等についての対策を伺います。

上原安全管理局長:本市消防団員の充足率でございますが、7年前の13年度では定数8,364人に対しまして実員数8,240人で、充足率は98.5%でございましたが、20年度、今年度ですが、定数8,305人に対し7,825人でございまして、充足率は94.2%となり、充足率は減少傾向にある状況でございます。このような中で、団員の入団促進につきまして、消防団のホームページで活動を紹介したり、各消防団単位で団員募集ポスターを  掲出するなど、当局と消防団とが連携して団員確保に努めているところでございます。

中島議員:消防団員の充足率94.2%、これやはり大きな問題だというふうに思うんです。団員の確保には色々な対策があるというふうに思うんですが、先ほどから論議になっているように、本市での団員の報酬が全国に比べても県内の自治体に比べても異常な低さなんですね。私、調べてみたらば、政令市で一番高いさいたま市の団長さん11万9,000円ですよね、本市ではわずか1万9,000円、一桁違うわけですね。県内でも大和市12万7,000円ですよね。これやはり早急に、団員確保と並んで、きちっと改善をするということを先ほどもいわれましたので、私からも強く要望しておきたいというふうに思います。

災害用地下給水タンクや防災備蓄庫など地震災害の備えの強化を

中島議員:次は、震災対策についてです。
 近年、中越地震や本年6月の岩手・宮城内陸地震など頻発する状況の中で、本市においても対応が強く求められているというふうに思います。そこで、本市防災計画震災対策編で定める想定地震および設定条件を改めて伺います。

山田危機管理担当理事:本市の防災対策の中で想定いたしておりますのは、南関東地震、横浜市の直下型地震、東海地震の3つを想定地震といたしております。その中で被害が最も大きい南関東地震の設定条件を申し上げますと、発生時期を冬の平日午後6時、震源地を相模湾、マグニチュード7.9、市内の震度を5弱から7、気象状況北の風、風速3メートルというふうに想定いたしております。

中島議員:それでは、南関東地震における被害想定についても説明願います。

山田危機管理担当理事:被害想定でございますが、建物倒壊等が12万棟、消失棟数が6,900棟、死者が3,700名、負傷者が2万5,000人、避難者数が50万人と想定いたしております。

中島議員:発生した場合についていくつか伺っていきたいのですが、まず避難場所となる地域防災拠点455か所についてですが、正確な情報は市民の不安を取り除いたり、あるいは被害を最小限に食い止める重要な役割を果たしますけれども、どのような手段で情報が提供されるようになっているのですか。

上原安全管理局長:情報の受伝達手段といたしましては、17年度から19年度にかけまして、区役所等地域防災拠点間に整備をいたしましたデジタルFM無線を活用することになります。また、伝達する情報内容としては、地震の被害状況、余震情報、被害者安否情報、ライフライン情報、医療機関の活動情報などを提供していく予定でございます。

中島議員:それでは、地域防災拠点における災害用地下給水タンクおよび飲料用緊急給水栓の設置状況、および未設置箇所への対応はどうなっているのか伺います。

上原安全管理局長:現在455か所の地域防災拠点に指定されている小中学校で、水道局によりまして災害用地下給水タンクが101基、緊急給水栓が245か所の整備が完了いたしております。災害用地下給水タンクや緊急給水栓が設置されていない地域防災拠点につきましては、備蓄をしております水缶詰、給水の水槽を設置して、他都市や管工事組合の協力を得、給水車による水槽への給水を行うことで対応することでございます。

中島議員:せめて全防災拠点に、災害用地下給水タンクもしくは緊急給水栓の設置をめざして、水道局等と連携してこの計画を見直すべきだというふうに思うんですね。どうでしょうか。

上原安全管理局長:水道局が設置いたします災害用地下給水タンクおよび緊急給水栓につきましては、これまで水道局により計画通りの設置が完了しているところでございます。今後はこうした飲料水の供給体制につきまして、水道局とさらに連携強化を図ってまいりたいというふうに考えています。

中島議員:終了したということではなくて、見直し・拡充で検討が必要だというふうに思います。
 次に、食料や防災資機材等の防災備蓄庫についてですが、地域防災拠点への設置状況および形態はどのようになっていますか。
上原安全管理局長:防災備蓄庫は、学校敷地利用型が268か所、空き教室等利用型が179か所、統廃合により変更または跡利用が決まった施設8か所となっております。
 空き教室等利用型179か所の内訳でございますが、校舎の1階を利用したものが88か所、2階が48か所、3階が28か所、4階が15か所となっております。

中島議員:2階以上、いまちょっと計算してみたら90か所以上ありますよね。そういうことについて、せめて1階に降ろすなど、防災備蓄庫の設置場所についての改善が必要ではありませんか。

上原安全管理局長:空き教室を利用している防災備蓄庫は2階以上に設置されているものは91か所でございます。これらの拠点につきましては、10年度から14年度にかけまして、移動式炊飯器など重い機材を1階の空きスペースや学校敷地内の簡易倉庫に移設を行っております。また、宅地開発やマンション建設に伴いまして児童・生徒・住民の分につきましては、学校敷地内に新設をしているところでございます。さらに、地域役員の高齢化が進む中で、学校敷地への設置が望まれていますので、改善に向けて検討を進めてまいりたいと思っております。

中島議員:次に、防火水槽整備についてですけれども、2005年度に見直されていますが、見直しの考え方と、整備状況がどうなっているのか伺います。

上原安全管理局長:防火水槽でございますが、500メートルメッシュによる整備を基本にしまして、1メッシュ内の延焼危険度を5段階評価いたしまして、それぞれ消火に必要な総水量を決め、危険度の高い275か所を不足メッシュとして、優先して整備するということにしております。17年度から19年度末までの不足メッシュに対する整備状況は14か所が充足をいたしまして、本年3月31日現在、不足メッシュは261か所となっているところでございます。

中島議員:その不足メッシュに対する今後の整備計画はどうなっていますか。

上原安全管理局長:この公設防火水槽でございますが、今年度中に整備することにいたしておりますが、設置用地場所の確保が非常に難しい状況となっております。このため、民間で建設する耐火建築基礎部分を利用して防火水槽を設置する場合に補助金を交付する制度や、都市計画法に基づく開発行為に際しての設置指導などによりまして、整備を進めているところでございます。

中島議員:それでは、公共施設や住宅の耐震化、がけ対策、防災組織の充実など地震等の災害に強いまちづくり、被災者の生活再建支援等について、本市としてどのような構えで対応しているのか、最後に金田副市長に伺います。

金田副市長:本市におきましても、切迫性の高まる地震対策の強化ということは大変大きな課題というふうに認識しております。そこで、本市では、木造住宅や公共建築物の耐震化を促進するということ、それから地域防災拠点の整備をするということ、合わせてまちの防災組織との連携を図りまして、災害に強い地域を形成していく、こういうことによりまして、防災基盤の整備やあるいは地域防災網の強化に取り組んでまいりたいと思っております。また、被災者の方々への生活再建につきましては、国、県などとも連携いたしまして、生活援護、住宅確保、それから災害廃棄物の処理等に取り組みまして、市民生活の早期の回復・安定を図ってまいりたいと考えております。


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