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■建築局(白井まさ子)

宅地の分割開発抑制のために厳しい規制を

白井議員:日本共産党を代表して、宅地の分割開発について 港北区篠原町の件を伺います。
これまで、市街地の分割開発を問題視して、規制の強化を求めてまいりました。私の住む港北区の新横浜駅南側にあたる篠原町で、7年前から宅地開発が続行中なんです。2012年の12月議会に出された開発調整条例の改定議案の議案関連質問でここを取り上げた際に、市長答弁では「緑地などの設置基準の適用を免れる計画の抑止になる」「小規模な連続開発の抑止という点では鎌倉市と同等の効果がある」と言われたんですね。引き続き、今回の25年度決算時の現状を取り上げたいと思います。
まず、この地区で、事業者は、条例対象となる開発許可と、それから対象とならない宅地造成許可の手続きを複数の箇所で連続して繰り返してきました。周辺住民は、事業者から全体は90戸で、1万5,000平米になると聞いているということなんです。
この区域の開発許可と、それから宅地造成について、許可件数及び1件あたりの面積と区画数、また許可が完了した全体面積、区画数を伺います。

古木宅地審査部長:都市計画法による開発許可は、平成19年から現在まで7件、1件当たりの面積はおよそ850平方メートルから990平方メートル、宅地区画数の合計は28です。また、完了した全体面積は、区域が一部重なっている部分もありますが、許可の面積を合計すると約6,700平方メートルになります。
それから、500平方メートル未満の宅地造成等規制法の許可は、平成19年から現在まで15件、1件当たりの面積はおよそ450平方メートルから490平方メートル、宅地区画数の合計は22です。また、完了した全体面積は、区域が重なっている部分もありますが、許可の面積を合計すると、約7,100平方メートルになります。

白井議員:まとまった土地利用が可能なのに、意図的に分割して連続して続行中と思うんですけれども、局長、これ、どう認識されていますでしょうか。

坂和建築局長:まとまった土地利用をいま分散して、長期にわたり少しずつやっていくと、それに対してどう考えるかということだと思いますが、たとえば3,000平米以上のものに、開発につきましてはそれなりの公共施設も必要となってくる。それを長期にわたって分散的にやった結果、公共施設が違う、もう少しレベルの低いものというんですか、スペックがちいさいものになってくると、それに対してどう思うかということかと思いますが、それに対しては、都市計画の手続き上はいかんともし難いとこあるんですが、それに向けて条例の改正等を進めてきたところでございます。

白井議員:いまおっしゃいました必要な公共施設、必要なんだということですけれども、この事業者はまとまった土地を1,000平米未満に分割して手続きを踏んできたために1,000平米未満にふさわしい公共施設で良しとなっているんですけれども、すでに6,700平米の開発許可があって、この6,700平米全体で開発するとして手続きをした場合に、新たに必要となる公共施設はどんなものかを伺います。

古木宅地審査部長:完了している開発はすべてが一体となっているわけではありませんが、仮にそれらを集めて6,700平方メートルの区域として一戸建ての住宅地を一体で開発する場合は、雨水調整池や開発面積の6%にあたる公園などの公共施設等の整備が必要となります。

白井議員:現在、この開発区域にはこういった公共施設がありません。まさに、事業者は、公共施設整備を回避してコストを抑えていますけれども、ふさわしい安全対策がない住宅地というのは、大変不安に思います。6,700平米全体で、開発で必要とされる公共施設を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。

坂和建築局長:先ほどと少しだぶるんですが、このように長期にわたり分散して少しずつ開発が行われたものについては、個々の開発の区域面積に応じて必要となる公共施設等を設けることになります。全体の面積に応じた公共施設の設置を求めてないということになります。
このような開発も対応していくために、平成24年に開発調整条例を改正し、翌年の7月に施行し、対応しているところでございます。

白井議員:もう少しこの土地の現状について触れるんですけれども、この土地の地形は谷戸で、20メートル差の崖もあって、最低でも雨水の流出抑制のための調整池はあとづけでも求めると思うんですが、どうでしょうか。

坂和建築局長:先ほど申し上げましたように、長期にわたって少しずつやったものについては、その開発毎にその公共施設の整備を求めているという状況でございます。それが、少しずつできなくても、最終的にできあがったもの全体で、どこかで公園あるいは調整池を設けるということは現在行っておりません。

白井議員:私、一昨日、広島市の土砂災害の現場に行ってきました。避難された方の案内で避難所となっている小学校を訪ねましたら、ちょうど慰霊祭が行われておりまして、人命被害の甚大さ、改めて感じたところです。
土砂が流れた八木地区の宅地の道路というのは車のすれ違いができない幅で、地元の方は「道路がもう少し広ければ、雨水が流れても大事に至らなかったのではないか」とか、「農業用の用水路はあるけれど、雨水の流れを想定したものではない」ということで、宅地での雨水の排水の心配、本当に強調されました。砂防ダムの近くまで行きましたけれども、その能力をはるかに超えた土砂でした。雨量というのは3時間で200ミリという局地的豪雨と発表されています。地球規模での温暖化で気候変動が起こっているわけですから、広島の規模の局地的豪雨は本市でも起こりうることを想定したまちづくりが求められます。
新たな宅地開発の際には、たとえ手続き上の面積が小規模であって、小規模のものを求めるんですと言われるんですけれども、実態が大規模になっている場合には、あとづけであっても規模にふさわしい公共施設を求めるべきだと思うんですね。何度も繰り返しますけれども、この地区に事業者に最低でも調整池を求めるようにしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

坂和建築局長:先ほど申し上げましたように、現状では義務付けは困難ですが、これまでも地元からもそういう要請いただいております。そうしたことから、引き続き事業者に協力を求めていくことになると思いますが。実際問題として、横浜市には長く、昭和の40年代から開発がかなり多くございまして、小規模の開発もかなりございます。最終的にそれをできあったところを全体の規模として求めるっていうところはなかなか物理的に難しいところもございます。そういう時は公共事業としてやることもありますし、一方でいま雨水浸透ということで雨水浸透桝を設置したり、そのような作業も推進も一方では行っております。

白井議員:先ほどからたびたび答えていただいているんですけれども、調整条例の改正をしましたということなんですけれども、この小規模連続開発抑止の点ではどのように反映しているんでしょうか、その条例には。

坂和建築局長:まず、調整条例の改正ということなんですが、条例の対象といたしまして、500平方メートル未満の道路位置指定という開発があるんですが、それも新たに条例の対象といたしました。また、予定されている建築物の工事がすべて完了するか、または開発事業の完了から1年間は当初の計画内容の変更を制限する規定を設けまして、開発規模の小規模化、分割開発への対応をしてまいりした。

白井議員:条例施行後、この地区で、事業者は連続して2つの申請を新たにしているんですけれども、歯止めになってないと思われるんですが、どうしてなんでしょうか。

坂和建築局長:条例の改正後の適用を受けた新たな開発事業を完了したものは、改正後70件ございます。それに続く連続開発は、現在のところ申請されてない状況でございます。そうした点では一定程度の抑止効果があったのではないかと考えております。

白井議員:市全体で70件ということですが、この地域に限って2つの新たな申請が出ています。そのことについて伺います。

古木宅地審査部長:先生おっしゃられますように、改正後に新たな申請が2件提出されて、いま手続き中ということですけれど。ですから、そのあとの状況っていうのは、いままだ出たばっかりなのでわかりませんけれど、それについても一定の抑止効果があるというふうに考えております。

白井議員:良好な都市環境の形成をめざすという趣旨がありますので、踏み込んだ規制がもっと必要だと思いますので、要望をして、終わります。