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【2007年度決算特別委員会】「道路局」白井正子議員

生活交通バス路線維持制度の見直しは
沿線住民の声をよく聞いて

白井議員:私は、日本共産党を代表して、質問いたします。
 まず、先ほどの委員の質問に続きまして、生活交通バス路線維持制度について伺います。2007年4月から実施されていますけれども、改めて、この維持制度の趣旨および補助対象要件をお聞きします。

山下道路局長:維持制度につきましては、既存のバス路線が廃止されることによります交通不便地域の発生を回避いたしまして、市内の生活交通として必要なバスネットワークを確保するため、バス事業者に補助金を交付し、路線を維持する制度というふうになってございます。

白井議員:先ほどの委員の答弁のなかで、現在市内の17の路線が対象となっているということですけれども、これはどのような事業者が運行しているんでしょうか。

山下道路局長:維持対象の17路線のうちでございますけれども、公募による決定をいたしました民間事業者が3社、5路線を運行し、交通局は12路線を運行してございます。

白井議員:先ほどの委員の質問のなかの答弁で、維持路線運行に関して、路線の再編成によるルート変更や運行回数の変更を行ったというようなことでしたけれども、予算額では約4億円、決算額では約2億3500万円ということでしたけれども、その補助金の不用額が約1億7000万円にも及んでいるということで、ルートの変更や運行回数の変更という、市民へ過度の利用不便を招いたのではないのか、伺います。

山下道路局長:この18年度から提案し、19年から実施したわけでございますけれども、そちらの方の考え方というのが、たとえば同じところに2本路線が入っている、あるいはバスのところに地下鉄が入っているというようなところを出来る限り省こうというで、それによって赤字化を防ぐというようなもともとの流れがあるなかで動いたものでございまして、当然にルート、本数というのを、乗っている時間につきましては当然に運行しなければいけないという流れのなかでセッティングしておりますので、運行本数、ルート等について、変更といいますか確定して今日に至っているわけでございます。

白井議員:これも先ほどの委員のところで、対象となっている17路線のなかで、補助金を払っていない1路線があるということなんですけれども、そこの運行状況はどのようになっているのか、また、補助金を入れなくても運行できた理由は何なのか伺います。

山下道路局長:黒字化した路線でございますけれども、交通局が運行している27系統で、鶴見駅から安善町まで約3.2キロメートルの区間を1日38往復してございます。19年度におけます利用状況は1日約1,170人、1便当たり約15人のご利用をいただいているところでございます。維持路線といたしまして、19年4月から運行する際に、それ以前の利用実態を考慮して減便を行い、輸送の効率化を図ったことによりまして、19年度の上半期でもって黒字というふうになったというところでございます。

白井議員:また、先日の連合審査で、3年ごとの制度の見直しについて局長から「運行を継続することが、要件となっている1キロメートルあたりの輸送人員5人以上ということを下回れば、路線の一部変更や便数減など見直しをする」という答弁でしたけれども、2007年度昨年に、1日の乗車人数や1便の延べ乗車人数などの路線の利用状況調査が行われておりますけれども、ここで見直しの対象となる路線はあるんでしょうか。

山下道路局長:19年度の6月および11月に実態調査を実施しておりますけれども、見直しでは今後の調査結果の動向など踏まえる必要があるというふうに考えております。

白井議員:今年3月に市営地下鉄グリーラインが開通しまして、私も利用する機会が増えているんですけれども、この沿線ではバス利用者が減っていると思われますけれども、維持路線のなかでこの影響がある路線は、あるんでしょうか。

山下道路局長:市営地下鉄グリーンラインと一部の路線が平行して運行しているというご指摘でございますけれども、こちらは73系統と80系統、あるいはバス利用から徒歩圏となった新駅、都築ふれあいの丘駅、川和町駅などを結んでおります304系統308系統および310系統の5路線がございます。

白井議員:影響があるということなんですけれども、3年後の見直しにあたって利用状況調査で1キロメートルあたりの輸送人員が仮に4.9人という数字が出た場合に、要件であるのは5人なんですけれども、5人以上というのを下回るからといって、数字だけで機械的に対象外の路線とすべきではないと思います。
 中期計画では、先日公表されました最寄り駅まで15分圏内の人口割合というのがありますけれども、これを中期計画では90%に拡大することが目標とされています。また、維持制度の補助金自体は、それほど大きな額ではなく、昨年度は不用額もでていることでもあるので、利用実態を幅広く調査して、沿線住民の声を聞く姿勢に立つことを要望しますけれども、これについての局長の見解を伺います。

山下道路局長:先ほどとだぶりますけれども、今後の調査結果の動向を踏まえまして、1キロメートルあたりの乗車人員が5人という、これを下回った場合、継続する場合でございますけれども、減便やルートの変更ということで、やはり見直しをしていく必要があるんだというふうに考えてございます。
 維持管理路線でございますけれども、最寄駅まで15分の施策に基づいた生活交通を維持していくものでありまして、必要な経費は一般会計から補てんするものでございます。そのためには市民のみなさまにいっそうバスをご利用いただくとともに、事業者には引き続き運行サービスの向上など経営努力を求めていかなければならないというふうに考えております。
 また、私どもといたしましても、バス活性化対策事業により、ICカード、あるいはバスロケーションシステム導入など、利便性向上へ向けたバックアップ体制をつくっていかなければならないというふうに考えてございます。

高速横浜環状南線の建設にあたり
市は住民の側に立って対応を

白井議員:続いて、高速横浜環状南線について伺います。
 今年2月に、庄戸地域住民と事業者である東日本高速道路株式会社と、そして横浜市との三者によって、いわゆる環状4号線の下越えトンネル技術検討会というのが開催することが確認されましたけれども、この検討会の開催状況と検討内容について伺います。

山下道路局長:下越え技術検討会は環状4号線の郷戸橋付近を橋梁で交差する東日本高速道路株式会社の原計画に対しまして、地元の町内会からトンネルで下越えをする要望を受け、比較検討を行うために設置したものでございます。
 開催状況でございますけれども、本年4月6日を始めこれまでに4回開催してございます。
 内容ですけれども、下越え案について、大規模な地下埋設物の移設が必要になります。あるいは上段勾配がさらに急になるため、道交条例との整合性がとれるのかどうか、あるいは釜利谷ジャンクションとの接合方法の変更によります周辺緑地の改廃面積が拡大いたします、というようなことにつきまして、環境面や道路構造上におきまして、原計画と大きな隔たりが現在あります。難しい内容の検討となっているところでございます。

白井議員:事業者の計画では、環状4号線の上に橋をかけて越える案なんですけれども、住民の要望では環状4号線付近だけ地上にでて橋をかけるのではなくて、桂台から釜利谷まで一貫したトンネル化ということなんです。トンネル技術の中でもナトム工法や開削工法ではなくて、地盤沈下対策上優位なシールド工法を採用することを検討することというものなんですけれども、局長がこれらの住民要望をどのようなものとして把握しているのか、伺います。

山下道路局長:現在の計画でございますけれども、都市計画決定の手続きにおきまして環境影響評価を実施してございまして、環境保全目標を達成できるという予測とともに、環境影響評価審査会の意見を踏まえて、環境に配慮した現在内容となっているわけでございます。
 この下越え案につきましては、引き続き下越え技術検討会におきまして、環境面あるいは道路構造上の課題、先ほど申し上げた点等につきまして、話し合いを進めてまいりたいというふうに考えてございます。

白井議員:検討会では、事業者は下越えトンネルが技術的には可能であること、そして環境を守る上では原案よりも優れていることを認めていると、住民からは聞いているんですけれども、現時点での事業者の姿勢については、局長はどのように受け止められておられるでしょうか。

山下道路局長:繰り返しの答弁になって恐縮でございます。原計画は、環境にかなり配慮したといいますか、計画となっておりますけれども、環状4号線を下越えする案につきましても現在検討中でありますけれども、先ほど来申し上げております課題の検証、こちらの方が必要であるというふうに考えてございます。最終的には、安全性経済性あるいは社会環境など考慮いたしまして、事業者の東日本高速道路株式会社が判断してまいるというふうに考えてございます。

白井議員:南線すべての沿線の地域で、大気汚染や騒音や地盤沈下などを引き起こすことが予想されたために、20年にわたって反対や見直しの運動が起こったと聞いております。住民側は、やむを得ず建設するのであれば、現在の住環境や自然環境に悪影響を与えないこと、これが最低限の条件であるということで、市としてこの最低限の条件を整備するのは当然のことと思います。市として住民と事業者のコーディネーター役ではなくて、住民の側に立って条件整備をすべきと考えます。住民の要望を事業者に働きかけ、また市として住民への要望をどう果たすのか、伺います。

山下道路局長:南線は、首都圏の中央連絡自動車道の一部を構成してございまして、本市にとって大変重要な路線であります。平成27年度の完成が望まれているわけでございます。本市といたしましては、沿線の環境を重視しつつ、高速道路のネットワークを早期に整備し、市民生活の向上や経済活動の活性化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 また、本市は事業の推進にあたりまして、事業者や関係機関および住民のみなさまとの調整を進める立場だというふうに認識しております。今後、これまでと同様、少しでも住民の方々、みなさまの不安が解消されるよう、事業者に対しまして積極的に環境対策の実施を要請してまいります。

白井議員:調整役やコーディネーター役だけではなくて、住民要望を実現するよう、ぜひ住民の側にたっていただくことを要望しまして、質問を終わります。