議会での質問・討論(詳細)
2014年10月1日

■教育委員会(古谷やすひこ)

横浜市は20政令市の中で唯一中学校給食実施の方向すらなし

学校給食実施状況等調査古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。中学校給食の実施を求めて、質問してまいります。スライドの許可、願います。早速スライドをご覧ください。
文科省のホームページの中で、学校給食の実施状況等調査では、給食の実施率は94.1%、中学校給食の実施率は85.4%と、中学校給食未実施の約15%の中に横浜の中学生は置かれているという状況です。また、大阪の堺市で今年の6月、中学校給食実施の方向を示して、とうとう20政令市の中で唯一、本市が中学校給食実施の方向すら出していない政令市となってしまったことについて、教育長の所管、伺います。

岡田教育長:給食法にこだわらず、横浜の中学生のための昼食の充実を考えていきたいというふうに思っています。

古谷議員:いま、給食法にこだわらずとおっしゃられたが、ちなみに中学校昼食と給食の違いは何ですか。

岡田教育長:まず、アンケートにもありますように、たくさんの方がいろいろなかたちでお弁当を持ってこれない、あるいは用意できない時に使いたいというようなこともありますので、注文のシステムの多様化っていうのはとても重要で、それはいまの給食法ではなかなか難しいっていうふうに考えています。それから、やはり何といっても家庭弁当の良さというのは、これまで横浜市が給食を実施してこなかったその成果というのも多分にありまして、やはり家庭弁当の良さの尊重ということもしっかりと考えていくという意味で、給食法によらない昼食というふうにお答えをいたしました。

古谷議員:あんまり聞いてないことにまで答えないでください。
この間、教育長とですね、この中学校給食について聞いてまいりましたが、残念ながら、まともなやりとりになかなかなってこなかったなというふうに思います。重なる部分もありますが、順次伺ってまいります。

国の食育基本大綱、学習指導要領に従わなくていいのか

古谷議員:国が食育基本法に基づいて定めた食育基本大綱、この中に、「学校給食の一層の普及を促進する」と、方向性が示されています。本市の中学校は、食育基本大綱に従おうとしているのか、あるいは大綱に従わないという立場なのか、どちらなんでしょうか。

岡田教育長:食育推進基本計画の趣旨を十分に尊重して、中学生が食に関する正しい知識や望ましい食生活を身につけることは、家庭からの弁当の持参を基本とする中でも十分に指導できると考えておりますので、しっかりやっていきたいと思います。

中学校学習指導要領での学校給食の位置づけ古谷議員:次のスライドを見ていただきたいと思います。すいません、ちいさくて。
これは、中学校の学習指導要領であります。一番下のところで「食育の観点を踏まえた学校給食」とあります。このように、もはや中学校給食を実施している前提で書かれています。中学校給食をやらないということは、学習指導要領からみても齟齬があるというふうに思いませんか。

岡田教育長:齟齬があるとは思っておりません。

古谷議員:理由を述べて下さい。

岡田教育長:きちんと食育はやっておりますので、給食を使ってということだけではありませんので、齟齬はないというふうにお答えをいたしました。

古谷議員:この学習指導要領というのは、守ってもいいし、守らなくてもいいというものなんでしょうか。

岡田教育長:そこに書かれておりますのは、学校給食の実施について定めたものではございません。それは、ご理解をいただきたいと思います。

古谷議員:質問に答えていません。指導要領は守らなくてもいいものなんでしょうか。

岡田教育長:学習指導要領はきちんと守っております。学習指導要領の解説に、食育の観点を踏まえて、学校給食と望ましい食習慣の形成とありますけれども、ここに書かれている内容は、給食を実施しなさいということではございません。

古谷議員:そんなこと、言っていません。前提として書かれているというふうに言っているんです。

就学援助の中学生に対する業者弁当の公費負担を

古谷議員:少し質問を変えます。今年の5月の第2回定例議会の一般質問で、就学援助を使っている中学生に対して、給食がないがために昼食に対する援助がなく、市は関知しないというのが本市の方針ですかというふうに質問しました。これ、再度確認します。

岡田教育長:先生には答えてないって言われるかもしれませんけれども、就学援助制度と給食の関係ですけれども、給食を実施していないので、当然に含まれておりません。中学校の場合は。

古谷議員:前回答えたこととまったく違うんですが。給食がないがために昼食に対する、いま、援助はありません。市はそれに対してまったく関知しないというのが本市の方針なのかというふうに尋ねました。

岡田教育長:ですから、横浜型の昼食のあり方をしっかり検討して、中学生の昼食の充実のために、今回いろいろご提案をさせていただき、アンケートをし、いま検討をしているところです。

古谷議員:昨年の6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」、これ、国会で全会一致で成立をしました。それに基づいて、今年の8月に閣議決定された子どもの貧困対策に関する大綱、この中で「貧困は子どもたちの生活や成長にさまざまな影響を及ぼすが、その責任は子どもたちにはない。子どもの将来がその生まれ育った環境に左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子どもの貧困対策は極めて重要である。」と述べられています。貧困状態にある家庭に対して、いくら食の尊さあるいは食育だけをやっても、それだけでは足りません。給食を実施している小学生では就学援助でみていたわけですから、それと同様に、現時点でも緊急対策として、就学援助を受けている家庭に対して、業者弁当の公費負担、これは必要だと思いますが。また、子どもの貧困対策の法の精神にも合致するというように思いますが、いかがでしょうか。

岡田教育長:繰り返しの答弁で申し訳ありませんが、前回の時にもお答えいたしましたが、生徒が経済的な理由だけで弁当を持参していないという報告は受けておりません。何らかの家庭の事情によりまして、弁当を持参できない場合には、業者弁当などが購入できるようにするとともに、各学校で教職員や地域の方々のご協力もいただきながら支援していると認識をしております。また、横浜らしい中学校昼食のあり方について、年内を目途にまとめてまいります。

古谷議員:実態がわかってないということだと思うんです。そのことについて、政府の発表では、わが国の貧困率、子どもの貧困率というのは16.3%というふうにいわれています。つまり6人に一人が貧困状態にあるというふうな計算です。本市の中学生は8万1,512人であります。これで換算すれば、1万3,286人が貧困状態にあるという計算になります。昨年度で就学援助を受けている中学生はだいたい1万3,624人というふうに聞いてますから、だいたいこれは近似値だというふうに思います。本市の中学生の児童がいる家庭の状況について、今までこうした実態についてつかんでいないというのであれば、せめて就学援助を受けている中学生に対して、食費や弁当についてどう対応しているのか、あるいは対応できていないのか、実態把握をすべきではないでしょうか。

岡田教育長:生徒指導上の関係もありまして、学校からはきちんと指導していることや、それからやはり何らかの事情でなかなか充実したお弁当を持参できないとか、あるいは買ってこれないとか、あるいはお金を他のことに使ってしまうとか、いろいろなさまざまな課題は指摘されておりまして、そういうことに対する現場での指導は認識をしております。

古谷議員:就学援助を受けなければならないっていう家庭の事情っていうのは、子どもの責任だと思いますか。

岡田教育長:就学援助は家庭に出しているものですので、それは子どもの責任だとは思っておりません。

古谷議員:先ほど紹介した子どもの貧困対策の大綱、この中には、「子どもの食事・栄養状態の確保」として、学校給食法に基づいて学校給食の普及・充実を図るんだと定めています。国の食育基本大綱にも学校給食が位置付けられています。他にも国の施策では、「学校給食を活きた教材として活用する」という文言があちこちから出てきます。つまり、もはや中学校給食自体はやっていることが前提の施策だということであります。このままでは、横浜の中学生だけがどんどん遅れた状態になってしまう。政令市の中で中学校給食をやっていない都市は、横浜だけであります。もはや、それはもう決断するしかないというふうに考えます。あらためて中学校給食の実施を求めて、質問を終えます。


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