議会での質問・討論(詳細)
2014年10月9日

■こども青少年局(古谷やすひこ)

放課後キッズの17時以降の利用児童はなぜ少ないのか

古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。放課後施策について伺ってまいります。
小学校入学とともに保護者が仕事を辞めざるを得ない、いわゆる『小一の壁』、これは取り除く施策をぜひ進めるべきだと思いますが、局長の見解、伺います。

鯉渕こども青少年局長:小学校就学後の学齢期や子どもが生きる力を育み、調和のとれた発達を図る重要な時期です。小一の壁の打開に向けて、できるだけの対策をとってまいりたいというふうに考えております。

古谷議員:今回、子ども・子育て事業計画案では、放課後事業の量の見込み、2万4,000人とされていますが、これで小一の壁は打開できると思っていますか。

鯉渕こども青少年局長:子ども・子育て支援事業計画案で算定しております放課後児童健全育成事業の量の見込みは、25年度に未就学および小学生の保護者に実施した利用ニーズ把握のための調査の結果に基づいております。なお、未就学期と異なり、小学就学後は、習い事や塾等に通ったり、友人同士で過ごすなど、子どもと保護者の選択により、さまざまな放課後の過ごし方があることが、保育所の利用者に比べると少なくみえる理由のひとつではないかというふうに考えております。

古谷議員:今議会の白井議員の質疑の中で、キッズクラブが17時以降の平均10人しか受け入れていないということについて、市長は「児童が高学年になると習い事をしたりひとりで留守番ができたりすることから、利用頻度が減少する傾向にある」と回答されています。これは実態調査をされた結果なのかどうか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:ただいま申し上げたとおり、25年度に実施した子ども・子育て支援事業計画の策定に向けた利用ニーズ把握のための調査において、放課後事業を利用していない小学生の保護者の方に放課後の過ごし方を確認したところ、習い事や学習塾、放課後短時間なら子どもだけで過ごしても大丈夫、祖父母宅や知人・友人宅で過ごせるというような結論が出ております。そうした過ごし方も一定程度あるということで、こうしたニーズが2万4,000という数字になっております。

古谷議員:1年生のキッズの登録数が7,499人と聞いています。17時以降の受け入れが559人ということですから、つまり7,000人近い1年生が17時以降、どういう状況になっているのかというのは把握されていますか。

鯉渕こども青少年局長:何らかのかたちでご自宅にいらっしゃる、または塾等に出かけている、そういったことではないかというふうに思っております。

古谷議員:把握されていないということだと思うんですが。
キッズを全校展開するのであれば、本当に留守家庭対策として機能しているのかどうか検証することが必要だと思います。キッズの登録児童がいま2万6,873人います。17時以降になると、約2万6,000人が帰ってしまう。つまり、97%が17時以降には利用していないということですから、何らかの分析であったり、あ
るいはニーズ調査、これ必要だと思いますが、どうでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:現在の計画を立てる上にあたり、ニーズ調査はしております。

古谷議員:細かな実態はつかんでらっしゃらないというふうに思います。
キッズクラブについて、もうひとつ問題があります。全校展開するというのであれば、障害児の対応というのは、これはもう必須だと考えます。個別支援学級に入っている児童だけもいま3,845人います。キッズクラブに登録している障害児数は665人。17時以降の登録数は58人と、がくっと減ってしまいます。この原因について伺います。

鯉渕こども青少年局長:放課後キッズクラブの利用は、障害児を含むすべての子どもの利用状況として、25年度実績では1か所一人あたり平均参加児童数57.4人なんですが、17時以降になりますと平均参加児童数は10.3人となっております。17時以降の利用児童が昼間に比べて少ないという傾向は、障害児のみにみられる傾向ではなく、全般的な傾向となっております。

古谷議員:これは、ぜひ実態つかんでいただきたいと思うんです。キッズの全校展開にあたっては、障害児の受け入れもいま以上の充実強化、必ず必要だと思いますが、いかがでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:障害児のいまの動向として、増えている、増加傾向にございまして、すべての対応の中で、障害児の受け入れは推進していく必要があると考えております。

古谷議員:キッズクラブの運営指針の中には人材の確保と養成というふうにありますが、この問題についての課題、どう認識されていますか。

鯉渕こども青少年局長:現在は、新制度への移行の時期でございますので、有資格のある方、研修等でも資格を取ることができるようなかたちになっておりますが、そうした人の確保が重要ではないかというふうに考えております。

古谷議員:キッズが本当に、真に留守家庭児童の放課後の生活の場所となれるように、改めて対策を求めます。

学童クラブの移転分割にもっと踏み込んだ支援を

古谷議員:次に、放課後児童クラブ、いわゆる学童クラブについて伺います。法制化されて基準ができたことは本当に大歓迎します。しかし、それだけでは学童クラブを運営する側にとっては負担が増えるだけというふうになります。面積基準や耐震性の問題で、移転したりあるいは分割しなければならないクラブはどのくらいあって、今後どのように解消しようとしているのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:25年夏に実施した施設実態調査をもとに、その後の状況調査をしておりますが、対象児童を6年生までで算定いたしますと、面積基準を満たしていないクラブは91、それから旧耐震の建物または建築年がわからない耐震化不明のクラブが83ございます。両方とも重複してクラブが36ございますので、合わせて138か所が分割移転が必要というふうに考えています。

古谷議員:今後、どのように解消されようと思っていますか。

鯉渕こども青少年局長:現在も分割移転につきましては整備助成をしておりますが、区と局とが一体になりまして、そうした対応をしてまいりたいというふうに考えております。

古谷議員:いまの制度でなかなか解消できていないというふうに思うんですが、そこ、なぜ進んでいないと思いますか。

鯉渕こども青少年局長:面積を満たす場所を見出すということも必要なことでございますし、さらに放課後児童クラブとなりますと子どもたちが元気ですから、そうしたことを受け入れていただける周辺というんでしょうか、そういったことも重要ではないかというふうに考えております。

古谷議員:自助努力ではどうにもならない学童クラブもあるというふうに思います。それに対して、行政としての支援も必ず必要だと思いますが、どうでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:現在、物件の確保策といたしまして、不動産関係団体と協力して物件情報を市ホームページ上で公開するとともに、新聞広告等も活用して空き物件の募集情報掲載なども行ってきておりますが、今後地域情報に詳しい区とともに、関係局と協力しながら、物件の確保に努めてまいりたいと考えております。

古谷議員:実際、学童の現場で、いまのキッズの全校展開の問題、あるいは金銭的な問題、あるいは指導員の確保の問題、こういった問題で、なかなか分割移転に踏み切れないというのが現場の状況だというふうに思っています。もっと踏み込んだ支援を、ぜひ現場に近い区役所にもしっかり担当者をおいて、増員して対応すべきだと思いますが、どうでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:おっしゃる趣旨もわかりますので、保育所待機児童対策のノウハウなども生かしながら、地域情報が得やすい区と協力してまいりたいというふうに考えております。

放課後キッズの3倍の学童クラブの利用料にもっと公的補助を

古谷議員:キッズの利用料金5,000円と比べると、いまだいたい学童クラブは約3倍の利用料金が必要です。同じ放課後児童対策であるのに、あまりにも格差が大きく、これは是正するなり、市の助成金を増やすなり、何らかの対応が必要だと思いますがどうでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:放課後キッズクラブは保護者の就労にかかわらず、すべての子どもたちの遊びの場としての役割がございます。その役割である17時まで時間帯につきまして、国の考え方として、実費を除き利用者負担を求めないということになっております。一方、放課後児童クラブは留守家庭の子どものための事業でして、国の補助金交付上の考えとしても、運営費の2分の1は保護者負担ということが示されております。こうした考え方をもとに利用者負担が設定されております結果ということでございます。

古谷議員:ひとり親であるとか多子減免、いまはそれぞれの学童クラブで自主努力の範疇でやっていますが、本来は、市民税非課税と同様に公的減免とするべきだと思いますが、どうでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:ひとり親家庭、多子減免につきましては、いま今回の放課後事業につきましては新しい制度の中で動きがあるタイミングでございます。国の動向をみながら検討してまいりたいと思います。

古谷議員:これから、先ほど述べられておる138か所の学童クラブの分割移転をするためには、指導員の確保をしなければならないとしたときに、現状の指導員の処遇、必ず改善することは待ったなしの課題だと思いますが、どうでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:現在でも、本市は国の補助基準額を上回る運営補助をしております。今後の助成の内容につきましては、消費税が10%になるという前提での国の方の検討内容でございますが、新制度移行の中で、処遇改善的な質の改善を検討するということになっております。そうした動向を見極めてまいりたいと考えております。

古谷議員:キッズクラブがさらに質を高めることと、学童クラブが法制化されたことで、今まで学童が要望し続けてきた一歩踏み込んだ公的支援、ぜひ行うことを、本市の留守家庭児童対策を先進的なものに、ぜひ、していただくよう要望して、質問を終えます。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP