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■財政局(岩崎ひろし)

大規模事業偏重のいびつな予算構造を改めよ

岩崎議員:よろしくお願いします。
財政のあり方について伺います。いま、本市の予算構造は大変いびつになっていると思います。なぜ、そのように言うかということで、事例をあげます。
一つは、総合審査で取り上げた道路費です。横環関連が5年間で2.3倍になっています。一方、歩道整備や安全施設整備等の生活関連費が、数分の1に減らされ、冷遇されています。
もう一つは、市庁舎建設をはじめ、オリンピックに間に合わせる大規模事業が目白押しです。今後、建設ラッシュでコストが急騰し、巨額の資金投入が避けられません。
このまま進めば、民生費、教育費、衛生費、防災対策費など市民の暮らし、福祉、安全にかかわるところが、大きな圧力を受けることになります。本市の財政、財布を預かる財政局としての認識を伺います。

鈴木財政局長:財政局でございます。よろしくお願いいたします。
これまでも、将来にわたる市内経済の活性化を支える都市施設の整備事業を進めるとともに、社会保障施策を始めとした市民生活の安心安全につながる身近なサービスについても、ともにしっかりと取り組んでまいりました。今後も、厳しい財政状況が続くことが見込まれますが、市民の安全安心を守る施策を進めつつ、将来に向けた投資も行っていくために、徹底した事業見直しなどによる財源確保に取り組み、必要な施策を進めてまいりたいと考えております。

岩崎議員:大規模事業を見直して、市民のくらし優先の財政運営に転換することを求めて、伺っていきます。
スライド1まず、スライド(スライド1)を見てください。2012年度から予算ベースで財政構造の推移を表したグラフです。
次に、このスライド(スライド2)です。これをみると、裁量的経費の4割を占める施設等整備費が、2005年から2014年まで毎年減少しています。これは、財政健全化の方針に基づいて、財政局の努力の表れともみえます。
そこで、伺いますが、施設等整備費として毎年、地区計画で2,000億円の枠を決めています。今後、大規模事業を次々に行えば、当然のこととして、事業費の増大を伴います。いま求められているのは、台風18号で経験したような被害を出さないための防災・減災対策であり、市民生活を支える施策を積極的に行える、そういう予算を確保することではないでしょうか。
たとえば、中期計画では、崖対策はわずか100件で15億円と見込んでいるだけです。こうした自治体が本来行うべき仕事が後回しにされるのではないか、大変心配です。当局の認識を伺います。

スライド2鈴木財政局長:横浜市の置かれた状況ですけれども、少子高齢化の進展、それから都市インフラの老朽化、それから先生いまお話ありましたけど、大規模な自然災害、こういうことを、かなりいろんな環境が変化しているというふうに思っております。そうした中にあって、横浜の将来の姿を見据えつつ、さまざまな施策を推進していくと。そういう中では、やっぱり厳しい財政状況の中でも投資すべきところには投資をする。そういうかたちで、多くの人あるいは企業から選ばれる、そういう横浜市を目指していく、そういうことが必要であると思っています。

岩崎議員:中期計画で8,000億円規模を見込んでいる施設整備費ですが、そのうち100億円以上を予定している事業名とその事業費およびその合計額を、伺います。

鈴木財政局長:100億円以上の事業費ということでございます。まず、横浜環状道路の整備で1,037億円、最終処分場の整備等で408億円、神奈川東部方面線の整備で310億円、新市庁舎の整備で252億円、臨海部の道路体系の強化265億円、南本牧ふ頭など先進的な施設整備的223億円、山下ふ頭の再開発の推進150億円、以上で2,645億円となります。

岩崎議員:8,000億円の見込みのうち、いま聞いた分だけでも2,645億円も必要としています。
もう一度、最初のグラフ(スライド1)を見てください。この4か年計画は、とにかく、つじつま合わせの代物だと私は見ます。施設等整備費は毎年2,000億円として計8,000億円。歳入は、市債を1,000億円上乗せして計6,000億円。一方、不足額は、760億円。このように見込んでいます。市債を1,000億円増やしても、それでもまだ、760億円不足というような計画は、市民は理解してくれません。
不足の要因の一つが、施設等整備費の2,000億円にあることは明らかです。当局の認識を伺います。

鈴木財政局長:計画期間中の毎年度の施設等整備費でございますけれども、これは15か月予算として編成した26年度予算、これと同額の2,000億円。これを4年間というかたちでおいております。実際の計上額につきましては、各年度における税収等の動向、それから施策の優先順位、それからそれぞれの事業の財源の変更等もありますので、そういうことを踏まえながら、予算編成の中で総合的に判断し、確保してまいりたいというふうに思っています。

岩崎議員:私は、総合審査で、道路整備費が横環に偏重していて、生活関連の道路費を冷遇しているという実態を明らかにしてきました。ですから、道路費については、身近な道路整備に軸足を移すことを、改めて強く求めておきたいと思います。

市庁舎整備の中止で616億円、高速道路の見直しで数百億円が減額に

岩崎議員:もう一つ、新市庁舎整備について伺います。建設費616億円。「財政が厳しい」といいながら、なぜオリンピックに間に合わせるとして、この時期にやるのか。建設コスト上昇は不可避です。最少費用で最大効果という財政の基本原則からも、これは外れます。財政局の認識を伺います。

鈴木財政局長:将来にわたる市内経済の活性化、これを支えていくための骨格的な都市施設の整備事業、これにつきましては、先ほども申し上げましたように、このような、少し転換期にあるいま、必要な投資はきっちりやっていくというように認識しております。

岩崎議員:新市庁舎整備について聞いてるんですよ。

鈴木財政局長:新市庁舎整備につきましては、この間、いろいろと議会の先生方とも議論していただきまして、もともとわれわれ言ってますように、施設の利用勝手の悪さ、タコ足になっているということをふまえて、いま多額投資していくということで考えております。

岩崎議員:全然、聞いていることに答えてないと思うんで、これは先にいきます。
地方自治体の本旨は、住民の福祉の増進です。大規模開発のために、民生部門を犠牲にしてはなりません。公共工事は、大型開発優先から市民の暮らしや防災を優先する予算のあり方に転換をすべきだと思いますが、当局の認識を伺います。

鈴木財政局長:先ほどもお答えいたしましたけども、将来にわたる市内経済の活性化を支える骨格的な都市施設の整備事業、それから社会保障施策を始めとした市民生活の安心安全につながる身近なサービス、ともに必要な施策であり、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。

岩崎議員:いまの答弁ではとても納得できませんけど。
そこで、提案ですけどね。市庁舎整備を中止して616億円を減額。そして高速道路を見直して数百億円を減額。こうようなことやれば、予算というか、計画のバランスが取れるんじゃないですか。どうでしょうか。

鈴木財政局長:冒頭にもご答弁申し上げましたとおり、横浜の将来の姿を見据えつつ、市民、それから市内の事業者のみなさまが求める施策を推進していくということが第一でありまして、そのためには厳しい財政状況の中にあっても投資すべきところについては投資を行っていくというふうに考えております。

岩崎議員:投資をするとか、投資するっていうんだけど、見直すところは見直して減額もするっていうのは答えないんですか。

鈴木財政局長:これは当然のことではございますけれども、効率的効果的な事業手法の検討、これはもとより、民間資金の活用など新たな整備手法の検討、それから国費の積極的な導入、徹底した事業見直しなど財源確保に取り組むことで、必要な施策を進めてまいりたいというふうに思っております。

岩崎議員:大規模開発偏重を改めて、生活関連重視のバランスのとれた予算構成にすることを強く求めますが、改めてもう一度、バランスのとれた予算編成をやる決意をちょっと聞かせて下さい。

鈴木財政局長:どういう状況でバランスのとれた予算あるいは財政運営ということの食い違いがあるかもしれませんけれども、私どもとしては当然バランスのとれた予算というかたちで作っていきたいというふうに思っております。

岩崎議員:この項の最後に、ちょっと副市長に伺いたいと思います。
この特別委員会は、2013年度決算を審査する場です。当然、今後の見通しについても議論になります。ところが、4か年計画やオリンピックまでの事業の数字を求めても具体的に示してもらえません。これは、政策局も財政局も最初の総合審査をやった時も同じです。各事業の推計総額や各年度の見込み額をいくら聞いても示されません。これでは、決算審査や予算審査はできません。事業費を示してこそ、実のある審査ができると思います。苦言を呈しておきます。改善を求めますが、副市長、どうでしょうか。

柏崎副市長:私どもとしては、今回、中期計画、中期4か年の新たな中期計画の素案というものをお示しして、全体像というかたちでさまざまな施策の取り組みと、あとその4年間の財政の状況というものを合わせてお示ししているつもりです。それから、毎年度、これは予算のいわゆる編成の始まる段階、あるいは予算を発表する段階では、その先の年度の見通しというものも含めて、毎年度の予算編成を踏まえたその先の見通しというものもお示しをしてやっているつもりでございます。それから、具体的な事業につきましても、それぞれ事業の熟度というものがございますので、その熟度に応じて所管局からきちっとそれぞれの事業の見通しというものもお示ししましたし、先ほど財政局長が、先生おっしゃるいろいろな公共投資の中で、どういう事業でどのぐらいの経費が必要なのかというのもお示ししておりますので、そういうものの中で先生方からのいろんな意見を伺って、われわれしっかり進めてまいりたいというように思っております。

岩崎議員:数字は聞いても、これは出せませんという対応だったということを再度言っておきます。

滞納者の生活実態に思いを寄せて丁寧な対応を

岩崎議員:次に、債権回収について伺います。債権回収については、滞納の初期段階の対応がきわめて重要です。初期段階の対応をどのように行っているのか、伺います。

鈴木財政局長:市税の滞納整理につきましては、いっそうの市税収納率の向上、滞納額の圧縮、これを目指しております。そして、毎年度、滞納整理方針を定めて、区役所と局が連携して、新規発生滞納の早期着手、あるいは早期整理に取り組んでいるところでございます。具体的には、早い段階で財産調査等を行い、滞納者の納税資力を把握した上で、差し押さえなどの滞納処分を行うか、あるいは執行停止などの滞納緩和措置を行うか、こういうことを案件ごとにきっちりと見極めて進めております。そういった状況でございます。

岩崎議員:滞納者の生活実態に思いを寄せて、困難な条件のもとにある市民に対しては、丁寧な対応が求められます。初期対応に力を集中すべきです。安心して相談できる工夫をどのように行っているのか、具体的に聞きます。
鈴木財政局長:先ほどもお答えしましたように、納税相談、それから財産調査などを通じて、できる限り滞納者等の経済情勢等、これを把握いたしまして対応しているところでございます。なお、これまでも催告書には納税できないご事情がある場合にはご相談くださいというような文言を記載していたり、それから26年度からは催告書の送付時期に合わせて行政の方から電話納付案内を実施して、その際にも納付のご相談を気軽に区役所にしてください、連絡してくださいということをお伝えしております。

岩崎議員:滞納者は、役所に相談するの、非常に心配していますから、ぜひ丁寧に対応していただくことをお願いして、終わります。