議会での質問・討論(詳細)
2014年10月8日

■市民局(あらき由美子)

あらき議員:よろしくお願いします。日本共産党を代表して質問します。まず、区役所における権限強化について、伺ってまいります。

区の独自性、発揮できる個性ある区づくり推進費

あらき議員:現在、区役所独自で決められる予算や事業について磯子区長に伺います。

坂本磯子区長:区として独自に決められる予算は、地域の身近なニーズやきめ細やかに対応するために自主企画事業費と、区庁舎、区民利用施設の管理運営に掛かる経費などの一般管理費で構成されている個性ある区づくり推進費です。この自主企画事業費を用い、区の特性に応じた事業を執行しております。

あらき議員:そこで、個性ある区づくり推進費を予算化するにあたって、どういう観点で取り組んでいるのか、それぞれの区長に伺います。

坂本磯子区長:磯子区では、窓口などの日々の業務を通じて、また職員が地域へ出向くことで課題やニーズを把握しています。この課題やニーズを踏まえ、地域のみなさんによる課題解決の取り組みをしっかり支援するとともに、区が主体的に取り組んでいく地域のにぎわいや魅力づくりなどを着実に推進していくための予算を組んでいます。

中村都筑区長:予算編成においては、区民ニーズや地域の特性を踏まえ、区役所ならではの区民や地域に寄り添った視点で事業を検討しています。その際には、既存事業の見直しを行うとともに、優先度の高い事業については着実に推進するなど、さらなる区民満足度の向上を目指しています。

あらき議員:そこで、個性ある区づくり推進費は区の独自性、発揮できる予算だと思います。使途の制約はあるかどうか、伺います。

川俣区政支援部長:個性ある区づくり推進費のうち、自主企画事業費は区が独自に企画実施するものです。局事業との重複や施策の整合性を見極める必要はありますが、基本的には使徒の制約はありません。

市民局が先頭に立って新南区役所へのバス路線設置の取り組みを

スライド1(南区地図広域)あらき議員:2年後に南区役所が移転することに伴い、乗換えなしで行けるアクセスが現在ありません。いま、このスライド(スライド1)にありますように、南区総合庁舎、蒔田から、浦舟に移動します。これは、限りなく中区に近い場所になります。区として連合町内会長、福祉関係団体のみなさんからの要望を聞く機会を昨年12月に作り、バス事業者へ路線の延長や新設などについて検討を依頼しています。しかし、各事業者からの回答は現時点では厳しいということになっています。区役所も本当に取り組んでいただいているんですけれども、なかなかいい回答が得られないということで、区も本当に苦労していらっしゃいます。
そこで、区民が利用する区役所へのアクセスについて、市として対応できるようにすることが必要だと考えます。これまでの検討状況について伺います。

西山市民局長:南区の新市庁舎へのアクセスについては、区民の方々あるいは南区選出議員の方々など、さまざまな場を通じてご要望をいただいております。これまで区役所が中心となって、バス事業者や警察との協議を進めているところでございます。

あらき議員:今までは区が中心となってバス事業者との交渉を進めてきました。しかし、区が交渉しても、いまお話いただいたように、予算や権限の上で限界がある。これはもう目に見えています。局も区と一緒になって考えてほしいと思います。どうでしょうか。

西山市民局長:ご指摘の交通対策も含め、これまで区とともに情報を共有化してきたところでございます。バス交通については引き続き、区役所を中心に検討を進めていきますが、局としても区役所と連携し、取り組んでいきたいと考えてございます。

あらき議員:今回、南区の特徴というのは、18区ある中で区庁舎建て替え、これまで行われてきた磯子区、瀬谷区、戸塚区、金沢区、港南区と行ってきていますけれども、これらの区庁舎というのはほとんど駅から近い場所にある、あるいは中心部にあります。
ところが、いま見ていただいているように、南区は、土木事務所もいきますので、計画地というのはほとんど中心から離れて、本当にはずれの方にいってしまうということになるんです。そうすると、港南区に近い所から行くのには、相当な距離になります。私の地元も平戸に近い方ですから、ここから行く路線はまったくありません。なので、回数がどれだけ区民が行くかというのはもちろんあるんですけれども、やはりアクセスの点について、区としては移転するにあたって、検討したはずなんです。ところが、今回の場所は駅が近くにありません。バリアフリーにもなりません。そういう点で、今回、私たちはこの新設を望む路線のこと、そして民間バスが延伸するということについても検討してほしいという声が一番大きいのです。こういう点では、補助を出すことなど具体的な案を区と検討することはできると思うんですけれども、いかがでしょうか。

西山市民局長:先生おっしゃるとおり、今回浦舟の方に移転しますので。ただ浦舟の方は最寄りの駅は阪東橋の駅、約400メートルということで、徒歩5、6分。京浜急行ですと、黄金町で700メートルということで9分から10分ということで、おっしゃるとおり距離としては近くはないんですけれども、他の区をみますと同程度の距離がある区役所もあるというような状況でございます。バスの路線につきましては、いまバス事業者にも、どのようなかたちでできるのかということをお問い合わせをしていますので、その回答を得た中で、また一緒に検討していきたいなというふうに思っています。

スライド2(南区地図詳細)あらき議員:これ(スライド2)がもっと大きくした図面なんですけれども、今度移転する場所は、そばに浦舟の複合施設、そして市大の市民総合センター病院、また児童相談所もあります。こうやってみると、この近隣には公的な施設がそろっています。それからさらには、三吉演芸場、横浜橋商店街もあります。アクセスが良くなれば、これらの利用者が増えることも予測されます。直行するバス路線、これが一番、高齢化している南区にとっては要望が高いので、その点では試験的にでも運行を検討するために、リサーチをする考えがないかどうか、この点を伺います。

西山市民局長:これまでも区役所がアンケートを行うなど状況の把握に努めてきておりますが、今後も区民のみなさまにもっとも身近な区役所を中心に、きめ細かく地域のニーズを把握していきたいと思います。

あらき議員:これはぜひ、局が先頭に立ってやっていただきたいと思うんです。

予算移譲を伴う区の権限強化を

あらき議員:市民の暮らし、この実態、一番把握しているのは区役所だと思いますけど、この点はどうでしょうか。

西山市民局長:おっしゃるとおり、日ごろから市民と顔の見える関係にある区役所がもっとも身近な存在であると思います。

あらき議員:それでは、過去3か年の要望で多いのはバスに関することだったというのを、いただいた資料でみています。その中で、計画・新設路線に関する要望は100件を超えていました。このような区民からの要望について、予算を伴うものについてはどういうふうに対応しているのか、伺います。

坂本磯子区長:防災、防犯、あるいは地域のにぎわいづくりや活性化などに関する要望を多くいただく中で、地域における防災・防犯活動への支援、あるいは商店街振興など、区として取り組む必要がある事業については区で予算化しています。また、全市的な対応が必要な課題については、区としての意見や状況を伝えた上で、所管局での対応をお願いしております。

あらき議員:所管局でお願いしているということなんですけれども、やはりいま、限界にきているのは、私は、区の権限移譲だと思うんです。この点を強化すべきだと思うんですけど、区長はどういうふうに考えていらっしゃるのか、伺います。

坂本磯子区長:区の特色や区民ニーズを踏まえたきめ細かい事業を区役所が実施すること、また今後、地域の課題解決に向けた取り組みを区役所がしっかり支援していくことがより必要になることから、区役所の機能強化は重要なことであるというふうに考えております。

中村都筑区長:近年、区民ニーズは多様化しており、また新たな行政課題も増えてきております。そのため、区民ニーズにきめ細かく応えることは年々難しくなっています。都筑区では、人口増加が続く中で子育て世代が多く、また生活保護受給者などの生活困窮者も増加しています。多様化するニーズに迅速かつ的確に応えていくためには、区の権限移譲を進め、区の機能強化を図ることが必要と考えます。

あらき議員:そこで、副市長に伺いたいんです。第30次地方制度調査会の答申を受けて、指定都市制度の見直しとして、地方自治法の改正が今国会に提出されることになっています。その中でいわれているのは、区の事務所が分掌をする事務を条例で定める、それから区に変えて総合区を設けて、議会の同意を得て選任される総合区長を置くことが出来るようにするということが検討の課題になっています。都市内分権による住民自治の強化を目的としているこういう法案についての、まず副市長の見解について伺います。

柏崎副市長:いま先生からご紹介もありました地方制度調査会の答申でございますけれども、市長も特別委員として、臨時委員として参画をし、初めて本格的に大都市というものに関して議論をしていただいたということで、大変意義のある取り組みだったと思います。その過程では、議会の先生方にもさまざま特別委員会をはじめ、ご議論いただいた。そういう中で出てきたものですので、割合その方向性としては一致をしているわけですけれども、そういう中で、現在の横浜市にとって大変重要な行政区という仕組みを、これからどういうふうに活用していくのかということについては、これから本当に具体的にしっかり議論していかなきゃなりませんし、先ほど先生も触れられました条例というものについて、これは定めていくということになっておりますので、そういう中で、区の事務、それから区長の権限というものについて、横浜市としても、これまでの経過を踏まえて、しっかり議論し定めていきたいというふうに思っています。

あらき議員:先般、私も、横浜市大都市制度行財政制度特別委員会で行われた一橋大学院法科学研究科の辻先生の講義を聞かせていただきました。ここの中でも強調されていたのは、区単位の住民自治をどう担保するかが課題だとおっしゃっていました。まさに先ほど両区長がお答えいただいたように、住民意見を反映させていく仕組み、それには予算を伴わないとできないと思うんです。この点、市民局長としては今後予算化していくことを考えていらっしゃるのでしょうか。

西山市民局長:いま副市長お答えしましたように、区の権限を強化してですね、区からの意見をしっかりと受け止めていくということが大事だと思います。ただ、横浜市としましては、市長が予算のご提案申し上げたわけですので、その区との話し合いですとか地域ニーズの反映ですとか区要望ですとか、こういったシステムをいま動かしてございますので、370万都市が区民と市民が遠くなってしまってはいけないということで、そういったシステムを、いまあるシステムを生かしながら、予算についても区長と各局がよく話し合える体制を作っていくということが大事だと思っております。

あらき議員:そこはぜひ検討課題だと思うんです。総合区長としてできる市長の権限に属する事務のうち、主として総合区の区域内に関する事務で条例を定める。これはよくわかるんです。でもやっぱり予算が伴わないと動かないこともありますから、この点の工夫の余地はあると思いますので、ぜひ研究していただきたいと思います。

区役所の正規職員を増やして市民への丁寧な対応の強化を

あらき議員:そして、もうひとつの課題は、今後、高齢化に伴う介護や医療の分野に相談が増えていくことです。この点でも、先生の(お話の)中で、高齢化に伴うことで、こういうふうに言われています。大都市ほど地域コミュニティーが希薄であり、大都市における団塊の世代は退職後に社縁をしない、生きがいを失ったままで高齢化する、孤立化リスクが高いといわれています。こういう状況がわかっているのであれば、やはりそこの住民に入っていけるのは、私は、区の職員だと思います。体制の強化について、どのように考えているのか、伺います。

西山市民局長:先生おっしゃるように、一人暮らしの方が増えておりますし、孤立化していくということについては、大変な問題だというふうに思います。特に、そういった問題について、地域の課題は地域の住民の方と一緒に解決していくということも大事だなと思いますので、見守りですとか、防犯ですとか、こういったものについて自治会町内会のみなさま方と昨年以来、取り組みを進めているところでございます。また、体制についてはお話ありましたが、体制につきましてもそういったことを検討しながら関係局と検討していきたいというふうに思います。

あらき議員:これから、子ども・子育て支援新制度も始まります。そういう点でも、職員体制を強化すること、必要だと思いますが、どうでしょうか。

西山市民局長:子ども・子育ての新制度、平成27年4月にスタートいたします。また、生活困窮者支援制度も同時にスタートということになります。市民に身近な区の窓口で相談・支援ができるよう、これも関係局と調整しながら適切な対応をしていきたいと思っております。

あらき議員:区づくり推進費における区役所嘱託職員、18区で495人でした。それ以外に局から配置されている嘱託職員、1,071人です。時代の変化に対応し、区役所機能を強化するために、私たちは正規職員を増やして事業の継続性や市民への丁寧な対応ができるようにすることこそ必要だと思いますが、この点の見解を伺います。

西山市民局長:本市では、これまでも業務量はもちろん、仕事の見直しを行いながら、簡素で効率的な執行体制づくりを進めてきました。今後も適正な職員配置に努めてまいりたいと思っています。

あらき議員:副市長、適正な職員配置と言いました。でも、今回の台風のことについてもそうです。現場で働く職員がもっといなかったら対応できないです。この点、どうでしょうか。

柏崎副市長:もちろん、区役所の総合力というものをこれからもしっかり発揮することによって、区民サービスをやっていくという体制を、これからもしっかり検討してまいりたいと思っております。


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