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【2007年度決算特別委員会】「都市整備局」河治民夫議員

横浜駅周辺大改造計画は浸水対策を最優先に

河治議員:横浜駅周辺大改造計画に関して質問いたします。
 私は都市整備局審査に臨むにあたって、横浜駅周辺、帷子川流域、MM河口部など周辺を歩くなかで、改めて浸水対策が急務だと実感したところです。
 それでは質問に入ります。
 これまで横浜駅周辺のまちづくりについて検討が行われてきました。そして「横浜駅周辺大改造計画 平成19年度のとりまとめ」の中で、まちとして自然災害に対する「脆弱性」が指摘されています。そこで局長に伺いますが、脆弱性とはどういうことか、具体的に説明してください。

櫻井都市整備局長:横浜駅周辺は、西口を中心に昭和30年から40年代にかけて建設された施設が多ございます。地震に対する安全度が低い状態にあるわけでございます。また、河川につきましても、護岸などが河川整備計画に達していない部分があることや、周辺の地盤高が河川の水位よりも低いところがある、これらが課題でございます。

河治議員:本市の危機管理室の災害調査によれば、2004年10月の台風22号は時間あたり70ミリの豪雨で、西口駅周辺では26.4ヘクタールが浸水し、床上浸水161棟、床下浸水30棟、非住宅浸水249棟という甚大な被害が出ました。浸水対策は急務と考えますが、現行の洪水対策や高潮対策は、現行計画に対してどこまで進んでいるのか、また現状で2004年の台風と同等クラスの台風が来た場合予想される被害はどうか、横浜駅周辺等担当理事に伺います。

鈴木横浜駅周辺等担当理事:河川管理者である神奈川県の方におきまして、河川の整備計画に基づいて河川改修を着実に計画的に進めているところでございます。また、平成16年の台風の被害を受けまして、堤防に50センチ程度の緊急のかさ上げ工事を実施しております。こういう状況になっておりますので、16年の台風と同程度の状況ということであれば、被害は免れるのではないかというふうに考えております。

河治議員:河川管理は県の事務とのことですが、洪水・高潮対策の現行計画はどのようなものですか、課題は何ですか、伺います。

鈴木横浜駅周辺等担当理事:基本的にはやはり市民の安全、まちの安全というものを確保するということが大事というふうに考えておりますので、その安全の確保に向けて、高潮対策あるいは洪水対策を着実に進めていくことだと考えております。

河治議員:「とりまとめ」の中で、「河川の浸水対策と魅力的な親水空間の創出」をうたっています。しかし、新田間川流域の下水設備は現在合流式と聞いています。洪水時を想定すれば、水に親しむ親水には水質改善が必要であり、合流式の下水道の分離化が不可欠です。そのためには、大きな財源と住民合意の時間が伴います。したがって、河川の浸水対策と、水に親しむ浸水対策の両立は困難であり、河川の浸水対策を優先すべきと考えますが、いかがでしょうか。

鈴木横浜駅周辺等担当理事:先ほども申し上げましたように、まずは安全性の確保というものを考えていかなければいけないというなかで、これまでも必要な緊急工事等の対応をしてきたところでございます。それと平行いたしまして、河川改修など洪水対策については、計画的に進めていくという部分もございます。今後は、水質の改善等についての検討も行うとともに、親水空間の整備につきましても、河川の整備計画と整合を図りながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。

河治議員:「とりまとめ」では、まちづくりの基本理念として「安心・安全を実感できる町をめざします」とありますが、第7回計画作り委員会では事務局案として本市の示した「河川と共存するまちづくり」の計画案が示されました。プランでは、洪水対策の先行整備として5年から10年で整備するメニューを掲げていますが、先行して取り組むべき浸水対策は何か、伺います。

鈴木横浜駅周辺等担当理事:浸水対策といたしましていろんなメニューがございますが、まちづくり側からみた整備メニューといたしましては、開発と合わせた地盤のかさ上げですとか、橋梁の架け替えですとか、貯留施設の整備、こういったものでございます。河川の整備メニューといたしましては、帷子川の河口部の拡幅、あるいは橋梁の架け替えに合わせた川底の掘削、あるいは堤防のかさ上げ、こういったことがございますので、これらについての検討をいま行っているところでございます。そのなかで、先行して取り組むべき対策についても整理をしてまいりたいというふうに考えております。

河治議員:いま述べられたメニューとは、県の管理する河川の現行計画そのものですね。伺います。

鈴木横浜駅周辺等担当理事:必ずしもそういうことではございませんで、河川のメニューについてはいま着実に進めているところでございますが、まちづくりサイドからの河川対策というものに対する関わりもできるだろうということで、そういうサイドからの検討も行っているというところでございます。

河治議員:とりまとめは、河川の浸水対策として橋梁の架け替えや地盤のかさ上げなどを、民間開発と合わせて行うとしています。開発には町側のセットバックなどが伴うもので、幸栄地区や5番街地区などの関係する地権者との合意が不可欠であり、一定時間を要すると思います。また、多額な費用も予想されます。従って、浸水対策は最優先で取り組まなければならない課題であり、開発とは別にして、独自で進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

鈴木横浜駅周辺等担当理事:河川の整備につきましては、県の方が計画的にいま進めているところでございます。そういうなかで、安全の問題は緊急対策等も含めながら着実に進めなければいけないと。治水・安全度のさらなる向上のためには、先ほども申し上げましたが、まちづくりと一体となった対策というものも有効な手段であろうというふうに考えております。そういうなかで、民間開発に合わせて地盤のかさ上げを行っていくということも可能性としては考えられるところでございますので、地元の方々との調整等を十分に図りながら、検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

河治議員:水に親しむ空間整備、これは地権者の合意が必要ということなんですけども、このメニューの先行整備という話し合いは、どこまで進んでいるのでしょうか。

鈴木横浜駅周辺等担当理事:現時点では、まず市の方で、委員会等で議論をしていただくための諸々の準備ということで、いろんな検討をしているところでございます。一方で、たとえばいま再開発等の検討されているところにつきましては、やはり川の問題というものは非常に重要な問題であるということ、あるいはこういう親水空間みたいなことも意識をしていただきながら、検討されているかなとは思っておりますけれども、具体的な中身については今後の調整の中で整理をさせていただくということかなと思っております。

河治議員:計画案では、洪水対策して調整池整備が検討イメージの図面で記されています。調整地となれば一定の空間が必要ですし、容量はどれくらいのものか、位置的にはどのへんか、地上なのかそれとも地下なのか、財政規模も含めてお答え下さい。

鈴木横浜駅周辺等担当理事:調整池につきましては、雨水をゆっくり流していくということで、河川側の負担の軽減につなげるという効果が期待できるということでございますので、現在たとえば公共用地の地下を活用した整備ですとか、開発にあわせてビルの中に貯留機能を確保していくとか、効率的なかたちでの整備の可能性について、現在検討しているところでございます。

河治議員:莫大なお金がかかるのではないかなというふうに考えます。本当に必要なのかどうか、こんなこともまた検討が求められると思います。治水安全度を高めるメニューに、帷子川にかかっている京急の橋梁部分の整備は急務・不可欠と考えます。京急は橋梁部分が堤防を侵し、防水対策上その部分のかさ上げが必要と認めています。そこで、橋梁の架け替えは鉄道事業者が自らの事業としてやることが基本だと考えますが、どのように進めていくのか、伺います。

櫻井都市整備局長:鉄道橋の架け替えにつきましては、一般的に鉄道事業者と河川管理者の協議によって決まっていくものとなります。横浜駅周辺の鉄道の橋梁の架け替えを行う場合には、鉄道が複走し、需要性や困難性が高い、さらにはまちづくりと一体的な整備が求められるところもあります。そのため、国に様々な支援が得られるよう、関係者と協議しているところでございます。

河治議員:横浜駅周辺は地震に対する安全度が低く、大改造計画の中で震災対策が議論されています。そして「とりまとめ」の全体将来像では震災対策の取り組みを今後追加するとしていますが、まちの安全には河川そのものの震災対策が必要だと思います。計画案には示されていませんが、そこで震災対策をどのように考えているのか、伺います。

櫻井都市整備局長:横浜駅周辺の河川の護岸につきましては、河川管理者から、橋梁の取り付け部などを除いては、耐震に配慮された設計がなされていると聞いてございます。今後親水空間の創出などまちづくりを進めるなかで、耐震性の向上が図られるよう、神奈川県と調整してまいりたいと考えております。

河治議員:ルールを伺いましたが、まちの安全そのものには、河川の洪水対策が最優先だと思います。そういう意味では、副市長に再度伺いまして、質問を最後にさせていただきます。

金田副市長:大変横浜駅周辺は人口なりいろんなインフラが密集したところでありますので、そのことを十分考えて今後検討していきたいと思っております。

河治議員:終わります。