議会での質問(詳細)

2008年10月9日

【2007年度決算特別委員会】「都市経営局」関美恵子議員

問題の多い指定管理者制度は抜本的な再検討を

関議員:日本共産党を代表し、質問します。指定管理者制度について伺います。
 「官から民へ」のかけ声のもと、03年9月指定管理者制度の施行から5年が経過し、指定管理者の再指定が始まっています。そこで、07年度までに再指定された施設、指定管理者、再指定の考え方について、共創推進事業本部長に伺います。

土井共創推進事業本部長:19年度までに第一期が終了した施設、いま先生おっしゃった再指定をしている施設というのは、15施設ございます。内容は、横浜能楽堂、横浜みなとみらいホールなど、地域ケアプラザが6つと多くなっております。
 これらの施設の第二期の指定に当たりましては、外部有識者や地域団体の代表からなる選定委員会をつくりまして、各施設に応じた評価基準をつくり、書類審査、それから事業者へのヒアリングなどを行っております。
 現在、これまでの指定者のみの提案であった場合は、主に実績等の評価を踏まえて審査を行っておりますし、複数の応募があった場合には、評価採点の比較をしまして、優先交渉権者を決定して指定しております。

関議員:指定管理者の導入効果として自主事業があります。事例として、踊り場地区センターの英語によるコミュニケーション、白幡地区センターの企業タイアップ事業、潮田公園プールの幼児向け水泳教室がありますが、管理者固有のものだと思います。再指定で、自主事業の継続性・安定性が危惧されますが、伺います。

土井共創推進事業本部長:指定管理者が代わる場合、これまでの自主事業を継続することを本市が義務付けることは難しいと考えますが、望ましい市民サービスの確保に向けまして、応募要件とか、また指定管理者の協議の中で検討することは必要であるというふうに考えております。

関議員:「指定管理料がどこまで減らされるのか際限がない」というのもこの制度のしくみです。永谷地区センター、港南地区センターの指定管理料は、05年度と07年度比較で、永谷430万円、港南310万円減、パートスタッフは永谷1名、港南2名減、入場者数は永谷1万6,000人増、港南500人減となっています。指定管理料の減がスタッフ減につながり、現場の悲鳴が聞こえるようですが、公の施設として努力が報われるように、指定管理料の基準が必要ではないのかと思いますが、伺います。

土井共創推進事業本部長:指定管理料の算出にあたりましては、施設の管理運営に必要な経費を適切に措置し、施設の管理運営水準を確保するように、これまで各局に周知しております。施設の性格も様々でありますため、画一的な基準設定は困難ですが、積算単価表、物価資料等を参考にした人件費や資材費の単価を使用する、また同種の類似業務の使用された積算単価を参考にするなどの留意すべき事項を各局に周知しているところです。

関議員:水準を維持するために、限りがあるのかという点ではどうでしょうか。

土井共創推進事業本部長:特に下限という規定はしておりません。上限は決めておりませんが、全体としては協議の中で、各年で協議を行って、指定管理料を決めているということになります。

関議員:話によっては増える場合もあるということですか。

土井共創推進事業本部長:なかなか財政状況厳しい折ですので、現在細かい事例を持っておりませんが、増えるのは難しいのではないかと思います。

関議員:問題だと思います。
 また、指定中のスタッフの削減による労働条件の低下、再指定による失業者の発生は、この制度の仕組みからくるものです。公の施設の継続性・安定性・専門性確保にとって、こうした不安定雇用は問題です。市の雇用責任、管理者の雇用責任を明確にすることが必要と考えますが、野田副市長に伺います。

野田副市長:基本的には本市と指定管理者が締結する協定書におきまして、安定的なサービス提供に必要な職員配置とその旨を規定しております。雇用費関係を含む労働条件等につきましては、指定管理者側の内部規範により決定すべき事項であり、本市が直接関与することはできませんけれども、サービスの継続性という視点は大変重要であるというふうに認識をしておりまして、その視点も踏まえまして今後の運用指針の策定を図っていきたいというふうに考えております。

関議員:本市は、全国でも先駆けて、管理者への第三者評価を実施していますが、目的について伺います。

土井共創推進事業本部長:公の施設としての管理水準の維持・向上を図るため、市民や利用者に立った第三者による客観的な点検評価を実施し、そこで指摘された課題を指定管理者に伝え、そこで指定管理者が自らの業務改善につなげるといったようなPDCAサイクルを確立することを目的としております。

関議員:利用者の声を伝えるというお答えがあったんですけれども、第三者評価でいう事業改善は、有償のサービスに代表される市場的な競争の活性化に力点がおかれ、住民の要求や、利用者の直接的な運営参加を通して行うものと違うようです。そのためか、市の第三者評価のホームページには、評価機関や指定管理者の意見は公表されていますが、利用者の意見の公表がありません。利用者や住民の運営参加と情報公開があって、公の施設の透明性が確保されると思うんですけれども、そこで、利用者会議・利用者アンケートでの意見を公表することが必要だと思うんですが、その考えはないのか伺います。

土井共創推進事業本部長:先生ご指摘のように、利用者意見の公表はきわめて大事なことと思っております。現状では、ほとんどの施設におきまして、利用者会議や利用者アンケートの意見等については、来館者が閲覧できるように、現在施設の方に資料をおいております。また、いくつかの施設につきましては、施設単位で、利用者アンケートの意見等をホームページで公表していたり、または施設の利用者団体にそれらの資料を交付したり、そういうふうな措置もされております。今後もこういうことは検討していく必要があると思っております。

関議員:第三者が、評価のホームページに、ここにぜひ公表していただきたいということを強く要望しておきます。
 地区センターでは、利用料金や午後の利用時間の改善を求める利用者の声が強く出されています。こうした声を公表し、指定管理者への評価項目としても加えるべきだと思うんですが、伺います。

土井共創推進事業本部長:区民利用施設につきましては、本市が認定いたしました第三者評価機関が評価基準に基づきまして、その評価基準のなかに利用者アンケートや利用者会議の実施内容について、結果を公表しているかどうか、それからその課題への対応策を講じ、改善がなされているかどうか、というようなチェック項目が入っております。また、指定管理者が独自に取り組む工夫などについても、その評価の中で評価できるようになっております。一応、仕組みとしては整備されているというふうに考えておりますが。

関議員:ホームページを見る限りでは、そうした声は見えないんですね。非常に一方的な、利用者の声が本当に出てこないなという、そういう状況なんですよ。ぜひ、先ほども言いましたけれども、ホームページでも公表するという点で、これも強く要望しておきます。
 横浜市病院協会が指定管理者である横浜市救急医療センターへの市の補助金を健福協が介在し、不正に受給していた問題で、市が協会の指定を取り消す事態になっています。指定取消について、統一的な明確な基準を設ける必要があると思うんですが、どのように考えますか。

土井共創推進事業本部長:指定管理者の取り消しにつきましては、地方自治法において定められておりますが、具体的には市とそれぞれの指定管理者で結ぶそれぞれの協定書において決められております。今回の事例も踏まえまして、取り消しの考え方などについて、全市的な運用指針を作成していくなかで、検討してまいりたいというふうに考えております。

関議員:地方自治法では、「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため、必要があると認めるとき」と指定管理者の導入を規定しております。公の施設は、高い専門性、そして継続性・安定性が求められます。再指定に当たっては、指定期間の適切さ、非公募や直営に戻すことも含めて、今後検討するべきというふうに思っていますけれども、野田副市長の見解を伺います。

野田副市長:指定管理者の第二期の指定に向けまして、現在運用指針の検討を進めているところでございますが、施設の性格に応じて求められる専門性の内容を精査し、専門的なノウハウの蓄積や利用者への影響を考えまして、今後指定期間や公募の可否、そして評価のあり方などをおさえていきまして、指定のあり方について検討を進めてまいりますというふうに思います。

関議員:いずれにいたしましても、公施設の設置目的に沿った再指定、それからルール、これを強く要望しておきます。

トイフル500点相当の進級要件で大量留年
大学側の責任はないのか

 次に、市大国際総合科学部の語学教育のトイフル500点相当に関わって、伺います。
 2年次から3年次への進級にあたっての留年者数は、06年07年度でそれぞれ何人か、また、留年者数に対する認識を大学担当理事に伺います。

神谷大学担当理事:プラクティカル・イングリッシュの単位取得を進級要件とした初年度でございます18年度、19年4月の留年者でございますが、それについて152名、また、19年度、20年4月の留年者は216名でございました。なお、19年度の留年者のうち18年度の入学生は121名でございます。
 留年される学生がいることは残念でございますが、市立大学としても全学をあげて教育支援を進めておりますので、市大生としての気概をもって、ぜひ勉学に励んでいただきたいというふうに考えております。

関議員:入学者数が06年度758名、07年度680名ですから、約2割位が進級できていないということです。トイフル500点相当を進級要件とする根拠は何か、中期計画ではどのようになっているのか、読み上げてください。

神谷大学担当理事:法人の作成いたしました中期計画においては、語学教育において英語によるコミュニケーション能力を高めるため、最低達成水準、トイフル500点相当を設定し、全学生が2年次終了までにその水準に到達できるよう教育し、英語を作業言語として使いこなせる能力を習得させるとしております。

関議員:いま、担当理事が読み上げになったわけですけれども、伺いますと、法人が設定した中期計画には、トイフル500点相当を進級要件とする文言はいっさいでてまいりません。むしろ、中期計画で掲げていることは、学生を教育する大学側の教育目標だとおもうんですけれども、どう思いますか。

神谷大学担当理事:進級要件は中期計画を達成するために具体化したものでございまして、その要件につきましては、大学案内、それから就学ガイド等に明示しております。中期計画では、全学年が2年次終了時までにその水準に到達するように教育し、英語を作業言語として使いこなせる能力を習得させるというふうにしておりますことから、2年次終了時までに教育するだけでなく、学生にきちんと習得をさせることも大学の責任というふうに考えております。

関議員:いま、担当理事もおっしゃたんですけれども、プラクティカル・イングリッシュセンターですね、ここが責任を持って、大学側が責任を持って、実践的な英語力を養成するということなんですよ。そうしますと、留年生を出しているその原因は、大学側にあると、責任を果たしていないセンター側にあると、こういうことだと思うんですけれども、その点での認識はどうですか。

神谷大学担当理事:大学としましても、プラクティカル・イングリッシュセンターに実践的な英語教育の経験豊富な教員とか専門インストラクターを配置いたしまして、そのセンターを設置しております。プラクティカル・イングリッシュセンターでは、夏期または春期の休業中の補講の実施とか、イーランニング、副読本の教材の準備など、いろいろとやっておりますので、それなりの大学としての責務を果たしているというように思っております。

関議員:いろいろメニューおっしゃいましたけれども、結局、留年生を出していること、要するに習得させられなかったという責任は、果たしていないんじゃないでしょうか。再度伺います。

神谷大学担当理事:大学案内等で、十分入学する学生に対しては、そのようなことを3年進級時の要件になっているということを周知しております。実践的な教養教育を看板に掲げております市大といたしましては、十分そのような資料も含めて周知も含めてやっているというふうに認識しております。

関議員:3年次に上がるときの進級要件になるということは、確かに入学案内なんかにもあるんですが、学生側の責任ですよというのは一言もないですよ。どうですか。

神谷大学担当理事:学生側の責任といいましても、市大にそれなりの市大がこういうような教育をやっているということを学生は認識して入ってきますので、実践的な教養教育、プラクティカル・イングリッシュを習得するということが、市大に入っている学生にとっては十分認識ができているというふうに考えておりますので、それが責務というかどうか、なんとも申し上げられないんですけれど、ちゃんと学生は認識の上で、授業を受けているというふうに認識しております。

関議員:中期計画では、「語学教育におけるトイフル500点相当」について07年度に「改善」するとしています。どのような改善をしたのか。ところが、07年度に留年生が増加していることから、その改善は全く不十分だったと思うが、どうですか。

神谷大学担当理事:先ほどもちょっと説明させていただきましたけど、19年度に語学教育の最低達成基準の習得状況を改善するために、実践的な英語教育の経験豊富な教員であるとか、それなりのインストラクターを配置しまして、プラクティカル・イングリッシュセンターを設置したところでございます。こちらでは、夏期とか春期の休業中の補講の実施、イーラーニング、副読本の教材の準備、また学生の自己学習を支援するではなくて、全履修学生の出席状況を把握いたしまして、出席状況が思わしくない学生には個別カウンセリングを行っております。このような、きめ細かい指導の結果、17年度入学生と18年度入学生を比較いたしますと、2年次から3年次に留年者数は約2割減少しているというふうにきいております。

関議員:2年間続けて留年になった学生は何人か。また、7つのコース別留年者数は何人か伺います。

神谷大学担当理事:17年度に入学いたしました学生のうち、19年度に2年次に留年している学生、2年続けて留年している学生でございますが、95名でございます。このなかには、金額等によります留年も入っております。
 7つのコースの留年者につきましては、国際総合科学部として統一した教育方針のもとに取り組んでいるものでございますので、各コースで学ぶ学生での教育上の配慮から、学内においても公表しておりませんので、ご理解いただきたいと思います。

関議員:公表しないという規定はありますか。

神谷大学担当理事:特にございません。

関議員:公開するよう要望しておきます。
 留年した学生からの声を紹介します。「同時に入った友達は4年生。複雑でやめたい気持ちだ」「留年して奨学金を打ち切られ、困っている」「2年次でコースも決まり、やる気になっていたのに、進級できず中断された」などです。問題は、大学に都合のよい解釈で作られた仕組みで、学生の進級がはばまれ、学業を中断させられている事態です。公立大学として許されないことだと思いますが、どう思いますか。

神谷大学担当理事:進級要件につきましては、市立大学が掲げる教育目標を達成するもので設定したものでございまして、将来社会において活躍していく市立大学の学生の質の教育のために、非常に重要な取り組みであるというふうに考えております。そこで市立大学を誹謗する方々には、先ほど申し上げましたけど、大学院内とは大学ホームページにおいて、進級要件を公表いたしまして、周知を図った上で、学生の募集を行っているところでございます。

関議員:だからといって、切り捨ててよいということではないんです。医学部・看護学部では進級要件はありません。そこで、国際総合科学部でも3年次への進級要件とせず、4年間でトイフル500相当を達成できるように改善すべきと考えますが、伺います。

神谷大学担当理事:トイフル500点相当の英語力につきましては、学生が実践的な教養教育を受けるために必要な最低達成水準であると市立大学では定めております。そうした大学の教育方針につきましては、大学自身が決めていくべきものと考えております。

関議員:いま、ノーベル賞で4人の受賞が報道されて、非常に喜ばしいニュースになっているんですが、留年生はどのような気持ちで聞いているのでしょうか。学生の将来の可能性を大学が摘み取るような仕組み、これは改めるべきだというふうに思うんですが、再度伺って、質問を終わります。

神谷大学担当理事:先ほど申し上げましたけど、大学の教育方針については大学自身が決めていくものというふうに認識しております。

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