申し入れ等

2014年11月14日

「第6期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案」に関する改善の申し入れ

2014年11月14日

横浜市長 林 文子 様

日本共産党横浜市会議員団
団長 大 貫 憲 夫

 いま介護問題が、高齢者はもちろん現役世代にとっても大きな不安要因となっています。国のコスト優先の貧困な福祉、社会保障施策で病院を出され、介護施設にも入れない高齢者が「お泊りデイサービス」などの脱法施設を利用したり、ホームレス用の宿泊施設を転々とするなど、メディアが「老人漂流社会」と呼ぶような深刻な状況も広がっています。「独居老人」や「老々介護世帯」が急増し、高齢者の貧困と孤立が進行する中、「介護心中」「介護殺人」などの痛ましい事件も続発しています。認知症高齢者の行方不明が年間一万人を超え、65歳以上の「孤立死・孤独死」も年間2万人にのぼると推計されています。横浜市でも、特別養護老人ホームの待機者は5000人を超えています。
こういう現実を打開することが求められている時に、先に国会で成立した「医療・介護総合法」は、打開策にはなりえないものでした。要支援者切り、特養ホームからの軽度者の排除、一定以上の所得者の利用料の二割負担への引き上げ、病床数の削減など、介護について公的保障を後退させるばかりのメニューしかなく、今以上に公的介護・医療保障を土台から掘り崩す大改悪法であると言わざるを得ません。
そういう「医療・介護総合法」に基づき出された「第6期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案」について、私たち日本共産党横浜市会議員団は、誰もが安心して必要なサービスを受けられる制度へと改善するために申し入れを行うものです。
2025年の高齢化のピークがやってくる、そしてそれに備えるというのであれば、公的保険による介護・医療は、抑制ではなく充実こそ必要です。虐待や貧困などの「処遇困難」な高齢者が急増するいまこそ、介護保険導入後いわば“立ち枯れ”状態になってきた自治体の老人福祉・保険・公衆衛生などの再構築が急務となっています。まずは、「必要な方が必要なサービスを受けられる」介護保険を受ける権利をしっかり確保する介護保険事業計画にすること。これは大きな原則としていただきたいと思います。そして、横浜市として検討する高齢者保健福祉事業は、介護保険ではできなかった市独自の福祉施策もしっかり盛り込んで計画を策定することを求めます。
介護保険制度には、根本的な矛盾があります。それは、サービス利用者の増加や介護従事者の労働条件改善を実行すれば、ダイレクトに保険料・利用料の引き上げに跳ね返ります。それを解消するのは、国庫負担率の大幅引き上げを国に対して強く強く求めていただきたいと思います。
介護は福祉であり、単にコストと考えるのは誤りです。福祉は、地域で事業所を構え地域に雇用を生み出す地域密着型の産業でもあります。中小企業振興基本条例から見ても理にかない、文字通り地域経済に好循環をもたらします。こういう発想の転換こそが、これから生産年齢人口が減る中で2025年問題を攻勢的に乗り切る手立ての一つとなるのではないでしょうか。
また、ボランティアやNPO、民生委員や自治会、社会福祉協議会など、多様な担い手による地域福祉についても、保険給付の肩代わりを押し付けるのではなく、本来の役割発揮を応援することが大切です。地域福祉の担い手には、加重負担を押し付けるのではなく、きめ細やかな支援を行うことこそ行政の役割です。「公的保険」「自治体福祉」「地域福祉」が各々の職分・役割を発揮しながら連携してこそ、地域全体で高齢者を支える取り組みも前進するのではないでしょうか。
これらのことを踏まえ、本素案について次の通り改善を要望します。

1.成立した総合法を具体化した「ガイドライン」の撤回を国に対して求めること。
2.あらゆる手立てを講じて、介護保険料の大幅値上げはやめること。
3.利用者の負担を軽減する現行の介護利用料の減免制度を拡充すること。
4.今回特別養護老人ホームの入所対象から外される「要介護1・2」の方々について、軽費老人ホームを増設する等、受け皿施設を整備すること。
5.年300床の特別養護老人ホーム増設のペースを上げること。
6.現在「要介護1・2」で特養の待機者となっている方については、「特例入所」の対象とすること。そして、本市の特別養護老人ホームの入退所指針には、要介護1・2については、国の特例入所基準に加えて現行の規定を踏襲すること。
7.本来の「特例入所」の要件である虐待・孤立など処遇困難を救済する措置福祉施設である養護老人ホームの増設も行うこと。
8.要支援者への現行で提供されている介護サービスについて、総合事業となっても専門職による現行サービス基準を維持すること。
9.介護サービス利用について介護認定を受けることを基本にすること。その上で、「基本チェックリスト」を活用する場合でも、専門家によるものとすること。
10.現状でも問題となっている認定会議でさばききれなくなっている事態について改善を図ること。
11.上記を達成するために、国庫負担の抜本的な増額を国に求めること。

以上

回答は、こちら「『第6期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案』に関する改善の申し入れについて(回答)」をご覧ください。

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