政策/見解

2015年1月27日

横浜市の2015年度予算案の発表にあたって

2015年1月27日
日本共産党横浜市会議員団
団 長 大貫 憲 夫

 林文子市長は1月27日、2015年度横浜市予算案を発表しました。
 一般会計は1兆4,955億円(前年度比5.4%増)、特別会計と企業会計の全会計総計で3兆4,820億円(純計2兆6,785億円)です。一般会計で前年度比5.4%、773億円もの増額は、施設等整備費の525億円増、扶助費218億円増が主たる要因です。なお、国の経済対策を踏まえた2月補正予算(一般会計)は48億円です。歳入では、市税実収見込み額は7,095億円と、対前年度比98億円1.4%減です。うち法人市民税は548億円、前年度658億円と比較して110億円も減収です。減収理由は、法人市民税の一部国税化(50億円)と企業収益の縮小によるとしています。市債発行は、激増した施設整備費に対応し、前年度比15%増の1,608億円を計上し、市債残高圧縮政策の放棄です。
 市民の声と運動のひろがりのなかで実現は、小児通院医療費助成小1から小3に拡大、未婚のひとり親家庭への寡婦控除のみなし適用、がけ対策費を4.5倍化、救急隊の3隊増などですが、どれも党議員団が議会で取り上げ、市民とともに、実現を求めたものです。
林市長は「将来に向けて必要となる人、企業、都市への投資を積極的に盛り込んだ」予算と胸を張っていますが、その実態は、安倍政権の経済政策アベノミクスを成功させるために横浜市のヒト、カネを集中投入するものです。それは、カジノ誘致であり、オリンピック開催前の新市庁舎竣工であり、高速道路や巨大港湾の推進です。自治体の「福祉増進」という本来の仕事はないがしろにされており、中学校給食の実施、35人学級拡大、住宅リフォーム助成、公契約条例などの切実な市民要求は、前進していません。
●子ども・子育て支援では、待機児童解消にむけ、認可保育所整備をすすめ、認可保育所定員を1,870人増とします。小規模保育所整備で、547人増としていますが、保育士の配置状況のチェックが必要です。学童保育所は、9か所新設し、分割移転支援は9か所から25か所に増やします。安全確保放課後キッズクラブを新規46か所見込んでいますが、午後5時以降の利用者数が平均10人と少ない実態から、そのあり方を根本から見直すことが不可欠です。
●福祉では、特別養護老人ホーム整備は、建設補助単価の引き上げはあるものの、着工は220床だけで、6期介護保険事業計画の年300床を大きく下回っています。要支援1、2の訪問、通所介護の介護保険事業から市の地域支援事業への移行は、2016年1月からです。サービスの低下にならないよう求めていきます。介護保険料(基準額)は、990円引き上げの5,990円です。当初計画から210円引下げです。この引き下げは、党の論戦が反映したものです。国保料算定方式変更に伴う低所得層の大幅な保険料引き上げへの激変緩和のための経過措置が終了し、その救済策が必要です。障害者団体から強い要望があった、障害者施設への受注促進のための共同受注総合センターが新規開所します。
●防災・減災対策では、台風18号によるがけ崩壊で2名の犠牲者がでたことから、がけ対策費が前年度比4.5倍化に、かねてより党議員団が主張していた大規模盛土造成地の地質調査も実施されます。木造住宅耐震化助成に約10億円、住宅密集地区での不燃化建物への建替補助に約5億円計上、ともに補助予定件数が少なく、拡大を求めていきます。
●中小企業・雇用では、中小企業融資事業が縮小され、融資枠1,800億円から1,500億円に削減です。信用保証料助成も削られ、資材高、円安による経営不振のなか、融資抑制による生業への悪影響が危惧されます。MM21地区等への誘致企業は、ほとんど大企業が占め、そこに31億円の助成です。若者・女性の就労支援は、4千万円にすぎず、実効性ある対策にはあまりにも足りません。その一方で、アベノミクスとして重視されている大企業呼び込みの「特区」推進事業は、前年度比3割増の10億円を当てます。
●教育では、教職員の執務環境改善にむけた施策が実施されます。しかし、その内実は貧弱で、教員の超多忙化解消に有効な対策でもある少人数学級は、国水準にとどまり市独自では実施しません。市長、教育委員会は、グローバル人材の育成を強調しています。グローバルに活躍する子どもを育てるとしたら、正しい歴史認識は大前提です。戦前の侵略戦争と植民地支配を美化する中学校歴史・公民教科書の子どもへの押しつけは絶対にやめなくてはなりません。配達弁当の全中学校2016年度実施にむけて、学校での受け入れ準備に約2億円振り向けます。2割の生徒が注文すると見込んでいますが、配達弁当への不人気が全国的に指摘されているなかで、楽観的すぎます。子どもたちにとって最良策は、給食の実施です。
●大型開発事業では、前年191億円から340億円とここまでやるのかと思うほどの高速道路予算の大幅増額です。この増額は、自民党の要求に屈し、高速横浜環状北西線、南線とも東京五輪まえの完成を目指しているからです。自民党がカジノ誘致場所として推す山下ふ頭の再開発には、約5億円が投じられ、事業が本格化します。「エキサイトよこはま22」の横浜駅周辺のまちづくり費は、8億円です。国際競争力強化に資するという目的で、市民本位のまちづくりはできないことは明白です。見直しを迫っていきます。港湾では、南本牧ふ頭の3つ目の岸壁・コンテナターミナルが完成し、今後、4つめの岸壁・コンテナターミナルに巨費が注ぎ込まれます。横浜港の輸出入貨物が低迷するなか、本牧ふ頭沖に新規ふ頭建設を市は国と一体となって強行します。環境影響評価等の調査に約2億円かけます。
 新市庁舎建設は、事業者の公募・選定を行います。
●地球温暖化対策は総額73億円で、ほぼ前年並みです。水素エネルギーの利活用を施策化します。太陽光パネル設置など自然エネルギー対策は、とくに創エネの分野での独自の施策展開は極めて不十分です。原発再稼働の策動が国で強まる中で、再生可能エネルギーの爆発的導入にむけた各種取り組みは急務となっています。
 日本共産党市議団は、1月28日から始まる予算市会において、昨年実施した市民アンケートで8,300人から寄せられた、防災、医療充実、子育て支援、まちづくりなど市民の願いを積極的に取り上げ、その実現のために全力をあげます。
予算案の組み替え動議も行い、市民要望実現の筋道も財源も具体的に提案します。市民との共同を広げ、介護拡充要求などの請願・陳情が採択されるよう力を尽くします。市民のみなさんのご支援、ご協力よろしくお願いします。

  • 2017年 市民要望アンケート

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