議会での質問(詳細)

2015年2月10日

■「現年度議案関連質問」 古谷やすひこ議員(2014.2.10)

◎質問と市長答弁は次の通りです。なお、実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

古谷議員:古谷やすひこです。日本共産党を代表して、本議会に上程された4件の議案について、順次質問してまいります。

新たな事業計画のもとでも、引き続き放課後児童クラブを支援

まず、市第170号議案「横浜市子ども・子育て支援事業計画の策定」についてであります。
林市政になって待機児童対策は量的には一定前進をしてきましたが、その一方で保育の質が悪いところもでてきました。
駅近くの飲み屋の隣、駅ビルの高層階、線路や高速道路の高架下など、今まで作らなかったような環境の悪いところにまで保育園が次々と今、建っています。
また、一部株式会社による保育運営費の目的外使用等に代表されるように、本来子どもたちのために使われるべき保育運営費が適正に使用されず、人件費が抑えられ、結果保育士さんが次々と入れ替わっているといった事態も発生しています。
そういった実態への対策は置き去りにしたままでは、事業計画で示された保育の質向上は、実現できません。今までの反省にたって、保育の質向上に向けて実効性のあるものに抜本的に改善すべきと思いますが、どうか伺います。
今回法制化された放課後児童健全育成事業について、これから全校展開をするキッズクラブだけでなく、放課後児童クラブを求めるニーズもあります。今まで保護者が地域の子どもたちのために立ち上げて、子どもたちの放課後の居場所づくりを実践してきた放課後児童クラブについて、市長の認識を伺います。
また、今後増えていくであろう放課後事業のニーズに対応するために、放課後児童クラブとキッズクラブが一緒になってこの事業を推進していくことと考えていいのか、伺います。

林市長:古谷議員のご質問にお答え申し上げます。
市第170号議案について、ご質問いただきました。
保育の質の向上に向けた取り組みですが、すでに保育所の基準条例では、保育室や園庭の面積基準に本市独自の上乗せをしており、その基準を満たした保育所を整備しています。また、保育士等が仕事に対する誇りを持ち続け、専門性や実践力を高め、経験を積んでいけるよう、処遇改善を行った場合の助成を引き続き行うとともに、人材育成研修を実施していきます。今後も事業計画に基づいて、必要な整備を進めるとともに、保育の質の維持・向上を図っていきます。
放課後児童クラブのよさについてですが、保護者や地域の方が主体的に関わり、地域の実情に応じ、運営しているところだと思います。子どもたちの成長にとって重要な時期に、子ども同士そして保護者同士が共に助け合い、地域と関わりながら様々な体験を積んでいくことは大変重要なことだと認識しています。
放課後児童クラブのニーズについてですが、事業計画では全ての小学校で、はまっこふれあいスクールから放課後キッズクラブへの転換を進めるとともに、放課後児童クラブについて、耐震化や面積確保等のための分割移転等を進めるとしています。新たな事業計画のもとでも、引き続き保護者や地域の方が主体的に運営している放課後児童クラブを支援していきます。

横浜市の障害者雇用率を法定より引き上げよ

古谷議員:次に、市第171号議案「第3期横浜市障害者プランの策定」についてであります。
今回のプランは、たとえば災害時の対応等については、障害当事者の声を反映させて、前進してきたものと評価します。さらに、この障害者プランを前進させるために、質問をしてまいります。
精神障害者の日常生活を支える生活支援センターは現在、全区に一館ずつ設置されていますが、それぞれの成り立ちから受けられるサービスに格差があります。たとえば、青葉区では土日は休みでサービスを受けられませんが、鶴見区では365日サービスを受けられることができます。こういうふうに、住んでいる区によって受けられるサービスに差があるのは不合理です。至急改善を図るべきと思いますが、どうか伺います。
また、保護者の高齢化も視野に入れた取り組みが今、必要となっています。今年度から法定の障害者雇用率も引き上げられております。国や地方自治体は民間企業よりも雇用率が上乗せされていますが、現在、本市の障害雇用率は法で義務付けられている2.3%よりも下回り、2.23%で、20人足りていません。民間に範を示すべき本市が達していないのは問題です。至急、市長、改善を図るべきと思いますが、どうか伺います。
年金水準が下がり、また生活保護基準も切り下げられている、障害者の生活が厳しくなっている中、情報が等しく保証されるためにも、ICT機器の導入を支援する必要があると考えます。特に、聴覚障害者や、また脳性まひ障害者のコミュニケーションを支援するために、特別支援学校と同様に、市費でタブレットの支給をするべきと思いますが、どうか伺います。

林市長:市第171号議案について、ご質問いただきました。
精神障害者生活支援センターで提供するサービスの相違についてですが、本市では生活支援センターを各区に1館設置してきておりまして、25年3月に全区での設置を完了しました。今後は、精神障害者の方々等のご意見を踏まえながら、生活支援センターの役割を検証する中で、相談機能の強化など利用者のニーズに適応したサービスの構築を進めてまいります。
本市の障害者雇用率が法定雇用率より下回っていることへの見解についてですが、横浜市全体の雇用率は平成26年6月1日現在2.23%で、25年4月に法定雇用率が2.1%から2.3%へ引き上げられましたので、これを下回る状況となっています。本市では、これまでも受け入れ職場の拡大を図りつつ、身体に障害のある方の雇用に加えて、知的障害のある方の嘱託雇用等に取り組んでまいりましたが、今後は法定雇用率の達成に向けまして、全庁あげて、より一層積極的に取り組んでいきます。
タブレットなどICT機器の支給についてですが、聴覚障害や脳性まひなどの方などにとって、情報の保証は重要な問題であると認識をしています。しかし、障害者等の日常生活が円滑に行えるための用具の支給については、厚生労働省の告示に、用具の製作等にあたって障害に関する専門的な知識や技術を要し、一般に普及していないものという要件があり、タブレットなどを対象品目とすることは困難であると考えます。
なお、品目については、引き続き告示を踏まえつつ、必要な見直しを行っていきます。

介護報酬の切り下げで介護人材の確保がいっそう困難に

古谷議員:次に、市第172号議案「第6期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定」についてです。
今回、介護報酬の切り下げの理由として、社会福祉法人の内部留保があげられました。しかし、事業撤退が許されず、多額の借金も禁じられている非営利法人である社会福祉法人が一定の資金を保有することは、大企業などの内部留保とは性質が違うと考えます。本市は今まで、保育の分野や介護の分野で社会福祉法人と一緒になって施策を進めてきたはずであります。今回の介護報酬引き下げで、多くの社会福祉法人が本市の介護分野から撤退していく恐れさえあります。まず、このような理由で行われた今回の介護報酬の引き下げについて、市長の認識、伺います。
また、本市が様々な介護施設の計画を立てても、受けてくれる事業所がいなくなる恐れがあり、実際全国各地でそういった事例が出てきています。たとえば、東京の北区では、定員221名の施設の建設が事業所の撤退によって突然中止となりました。その撤退の理由として事業所があげたのは、人材確保の難しさと介護報酬の引き下げということでありました。本計画を実践する責任を持つ市長は、今回の介護保険改悪では施設整備と施設運営に支障をきたし、本市の高齢者が安心して介護を受けられないということにさらに拍車をかけてしまうとして、国に対して抗議、そして改善を申し入れるべきと思いますが、どうか伺います。
今回の介護報酬の減額で、今まで厳しかった介護人材確保策の問題は一気に緊急事態に陥ってしまったと認識するべきだと思います。特に、都市部の横浜では、サービスの質を保つために厳しい経営の中でやりくりしている施設も少なくありません。募集しても集まらず、また人材派遣会社を使っても見つからないというケースは、市内事業所では珍しくはありません。また、介護人材を養成する学校でも定員割れが起きている事態もあります。今回、国が行おうとしている処遇改善は介護職員のみで、その他の人材は対象外であります。介護職員にしても、全体の介護報酬が引き下げられたわけでありますから、実際、処遇改善ができるのかは、はなはだ疑問です。本市としても国に対して物申すべきでありますし、市長は本計画を実行していくためにも介護に関わる人材全体の処遇改善に足を踏み出して、この緊急事態に立ち向かうべきと思いますが、どうか伺います。

林市長:市第172号議案について、ご質問いただきました。
介護報酬引き下げについての認識ですが、今回の改定では、社会福祉法人の内部留保に関する議論も影響しているものと認識していますが、介護職員の処遇改善や物価の動向、介護事業者の経営状況、地域包括ケアの推進等を総合的に判断し、報酬が設定されたものと考えています。
介護報酬の引き下げに対して国に抗議すべきとのことについてですが、本市としては、今回の報酬改定が介護事業者の経営や運営状況にどのように影響するかを慎重に見極めた上で、必要があれば国に要望してまいります。
介護職員の処遇改善についてですが、今回の改定では介護職員1人あたり月額平均1万2,000円相当の処遇改善のための加算を実施することになっています。本市では、これまでも国に対して要望を行ってきましたが、今回処遇改善に関する改定が実施され、人材確保に寄与するものと期待をしています。
今後も介護人材の確保は大変に重要な課題ですので、状況をみながら必要に応じて国に要望してまいります。

多額の助成金による企業誘致策は大企業への優遇策

古谷議員:最後に、市第179号議案「横浜市企業立地等促進特定地域における支援措置に関する条例の一部改正」についてです。
わが党はかねてより、多額の助成金による企業誘致策は十分な資力を有する大企業への優遇策となり、きびしい財政の中での予算の使い方としては不適切であるとして、一貫して見直しを求めてきました。日産自動車1社に46億円、税軽減を合わせれば、総額約63億の金銭支援を行いました。
周知のように、神奈川県では5年前に大規模な財政出動を伴う企業立地への直接支援はやめております。立地後の成長支援に力点を移しています。その理由は、厳しい財政状況のためということであります。
本市の支援額は、制度発足時の上限50億円が、今では上限20億円、多国籍企業30億円に引き下げられ、賃貸ビル建設への支援は中止したことは、妥当で適切だったと考えます。しかし今回、地域限定とはいえ上限を元の50億円に、賃貸ビルも再導入ということは、全くの先祖がえりです。
上限50億円は、数字的には同じであっても、本市負担は重くなります。それは、県との併給が不能になったからであります。日産本社が立地した際の助成金は、投下資本337億円の9%、額にして30億円は、県が負担しました。本市負担は、3%分の10億円でした。
収支不足を2016年度は420億円、2017年度は560億円と見込んでいるように、市長は財政の厳しさをこの間強調されていますが、そして市民サービスは年々削ってきている一方、巨額の利益を上げている企業に対してはこういった大盤振る舞いでは、市民理解が得られないと考えます。しかも、助成金は、一般財源が原資であり、財政を大きく圧迫してしまいます。助成金が大きく膨れれば、市民サービスの低下と、財政悪化原因となるのは避けられません。その認識はないのか、伺います。
帝国データバンクの2014年の拠点整備に関する投資意向調査では、本社立地の重視する条件として複数回答で集計しています。613社のうち、自治体の優遇制度としたのはたった28社であります。最多は交通利便性252社、得意先の立地状況222社であります。2013年が527社回答で、自治体の優遇制度は同じ28社でありました。帝国データバンクは、「本社の所在地は対外的に企業としてのアイデンティティや格をアピールする部分であり、交通利便性の高い都市部に本拠地を構える意向が強い」としています。
市経済局は2012年実施の認定企業へのヒアリングで、支援制度が立地決定の最も重要な要素となっていると繰り返していますが、このアンケート結果と帝国データバンクの調査結果はあまりにも違いすぎます。利害関係のない帝国データバンク調査の方が客観性は高いと考えます。
この際、神奈川県のように、横浜市のもつ立地優位性、すなわち横浜港があって、370万の人口を抱えて、産業集積があって、技術力のある中小企業群、大学立地、人材などを生かした誘致策に切り替えるべきだと思いますが、どうか伺って、質問を終えます。

林市長:市第179号議案について、ご質問いただきました。
助成金についての認識ですが、本市の助成金を活用し、企業が進出することによりまして、安定的に税収を確保し、本市の財政基盤を強化することができます。支援額と税収の費用対効果では、単年度収支ではすでに税収額が支援額を上回ってきております。今回の改正によりまして、今まで以上に成長が見込まれる企業を誘致し、安定的な税収確保につなげていきます。
東京都は、一部上場企業が確か950強あると思いますが、横浜市は確か60はないはずでございます。そういう意味では、今、競争も激化しておりまして、品川の開発地区などは横浜市のレントのお値段とそんなに変わらない。東京プロモーション本部で営業部隊がございますが、競合になるとディスカウントをしてくるという厳しい状態の中で、横浜市がこういった企業誘致の助成金、先生のお話も私は理解もいたしますけれども、実際に助成金がないとやはりとてもではないけど太刀打ちできないなと。最後に背中を押していく何かがないといけないと思います。
単年度で黒字になっておりますし、もう27年度では完全に利益が出てくるという状況でございますので、アップル社が今回横浜市進出をお決めいただきましたのも、いろいろな横浜市の安定的なこういう議会運営であるとか、本当にこれは副社長から聞いたんですけどね、そういう意味で非常に信頼できる都市であるということもありますので、引き続き私はこの企業誘致には力をいれないと、扶助費がかかっていく横浜市にとっては非常に厳しいのではないかというふうに思っております。
もちろん、しっかりと検証しながら適正のあるかたちで、この立地条例をさらに進めてまいりたいというふうに思っております。
以上、古谷議員のご質問にご答弁申し上げました。

  • 2017年 市民要望アンケート

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