議会での質問(詳細)

2015年2月20日

■「現年度議案討論」 白井まさ子議員(2014.2.20)

私は、日本共産党を代表して、4件の議案に反対し、討論します。

民間保育園の保育運営費の目的外使用を正さないままの計画

市第170号議案は「横浜市子ども・子育て支援事業計画の策定」で、子ども・子育て支援法、次世代育成支援対策推進法に基づき、本市の子ども・青少年のための施策を推進するものです。
特に、乳幼児期の保育について、質の改善、向上がうたわれていますが、認可保育園の保育運営費の弾力運用の名による目的外使用を正さないまま、また、民間園の整備場所や立地の問題点を全く認識しないままの計画であり、子どもの発達の観点から看過できません。また、市立保育所の民間移管が継続された計画であり、保育への行政の直接的関与が少なくなることから、原案には賛成できません。

運営コスト削減のための市立保育所民間移管はやめよ

市第183号議案は、「横浜市保育所条例の一部改正」で、2016年4月から市立保育所2園を廃止するものです。保土ヶ谷区の保土ヶ谷保育園は鳥取県の法人に、港北区の箕輪保育園は川崎市の法人に民間移管されます。
公立保育所は行政機関の一部です。行政機関が直営で保育所を運営することによって把握する情報によって、本市全体の保育行政が行われていますが、2園が廃止されることによって、地域の需要に即した保育や子育て支援の展開に制約がかかることになります。保育行政機関を廃止することに問題があり、議案には反対です。
市立保育所の民営化は2004年度から開始され、2014年度までに38園が移管されました。現在、2015年度から2017年度に年2園ずつ合計6園で移管に向けて準備中です。2014年4月1日現在、認可保育所611園のうち、市立保育所は公設民営2園を除き86園で2割を切っています。当初から、ほぼ年4園ずつの移管で、移管先は北海道から九州までの全国の法人です。応募する法人の数が減ったため、2014年度からの4年間は年2園ずつとしています。
先の常任委員会で、事業開始当初からの検証結果を踏まえ、移管を年4園ずつに戻し、民間移管対象園32園を2024年4月までに完了するとし、園ごとのスケジュールが発表されました。
民間移管の目的は、当初は「厳しい財政状況の中、多様な保育ニーズへの対応」とされ、2011年度の移管からは、「民間の施設整備を通じ、保育環境の改善、増築等による待機児童の解消、地域における子育て支援の充実に向けた取り組みを推進していくこと」が目的に加えられました。これは、市立園には国からの園舎建替えなどの施設整備費補助がなくなったことへの対応であり、まさに、財政支出削減を目的とした民営化です。ここには、子どもの発達保障の視点はありません。
この間、2009年9月に「市立保育所のあり方」が公表され、「各区3か所程度の市立保育所をネットワーク事務局園に指定し、2011年度から保育資源ネットワークモデル事業を行い、2014年度に検証し、ネットワーク事務局園以外の市立保育所は原則として民間移管の対象とする」とされました。
2014年9月に公表された「市立保育所のあり方に関する基本方針」では、今後の市立保育所のはたすべき役割・機能を次のように定めています。「乳幼児期の保育が、子どもの発達に長期的な影響を与える重要なものであるため、子どもの将来を見据えた、良質な保育を実践し、子どもの最善の利益を目的とした保育を各保育資源で実践できるよう、市立保育所の役割と機能を果たします」として、「保育資源全体の保育の質の維持・向上を図る」「地域の子育て支援を推進」「養育支援強化や障害児保育に取り組み、保育のセーフテーネットの機能を担う」「地域の教育・保育施設のつなぎ役となり、教育・保育施策推進」など、役割・機能が大幅に拡大されました。
市内の児童虐待件数が前年度より25%増え、過去最高となり、全国で子どもの6人に1人が貧困状態にあるとされ、貧困対策の推進に関する法律・大綱に基づき本市の計画が策定されようとしている状況で、子どもだけでなく家庭丸ごと支援が必要となる世帯が急増し、公立園だからこそ対応できます。
それなのに、各区3園程度、18区合計で54園のネットワーク事務局園以外の32園を民間移管の対象とするとしています。機能を拡大するのであれば、拡大した機能が果たせるように、これ以上の民間移管はやめるのが当然ですが、全く整合性がありません。
基本方針は、市立保育所の保育行政機関としての位置づけよりも、運営コストとサービス内容の比較に重点が置かれていることは明白です。見直しを求めます。

高齢者介護を個人・家族まかせにしない施策を

市第172号議案は「第6期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定」です。
いま介護の問題が、高齢者はもちろん現役世代にとっても大きな不安要因となっていますが、社会保障の大改悪で、政府は社会保障費の自然増を抑制するとしています。介護報酬が過去最大規模の2.27%の引き下げです。介護現場は職員の待遇の改善がさけばれながら、抜本的に手当されず、深刻な人手不足で、介護難民増大の一因となっており、今回の介護報酬引き下げが、人手不足に一層拍車をかけると思われます。
「独居老人」や「老々介護」「認認介護」が急増し、高齢者の貧困と孤立が進行する中、「介護心中」「介護殺人」などの痛ましい事件が、過去5年間で年平均348人、毎日どこかでおきているほどです。認知症高齢者の行方不明が年間一万人を超え、65歳以上の「孤立死・孤独死」も年間2万人にのぼると推計されています。虐待や貧困などの「処遇困難」な高齢者が急増するいまこそ、介護保険導入後いわば“立ち枯れ”状態になってきた自治体の老人福祉・保健・公衆衛生などの再構築が急務です。横浜市として策定する事業計画には、個人・家族任せにしない視点で、必要な人が介護保険を利用できるような事業にすること、また介護保険でできない市独自の福祉施策もしっかり盛り込んだ計画であるべきです。
特に、低所得高齢者が安心して住み続けられる住まい・施設の整備は待ったなしです。病院を出され、介護施設にも入れない高齢者が「お泊りデイサービス」などの脱法施設を利用したり、ホームレス用の宿泊施設を転々とするなど、メディアが「老人漂流社会」と呼ぶような深刻な状況も広がっています。にもかかわらず、特養ホームの整備目標は現計画と同じ年300床です。整備水準の現状維持では入所要望が満たされません。本市における特養ホーム待機者は5,000人です。その一方で、有料老人ホームは年600床です。あまりにも有料老人ホームに依拠しすぎです。
そして、要援護高齢者の生活を支える施設も重要です。
虐待・孤立など処遇困難を救済する措置福祉施設である養護老人ホームの増設が必要ですが、整備目標人数は引き下げ、また、経費老人ホームの目標が増えないのは大問題です。
また、計画には市営住宅の高齢者対応が盛り込まれていますが、不十分なままです。金沢区の瀬戸橋市営住宅は入居者平均年齢が70歳を超えていますが、浴室がありません。バスで15分の銭湯へ通えば、冬場のこの時期は、帰宅時には冷え切ってしまいます。老人福祉として早急な対応が求められます。
高齢者福祉の本市の独自策が不十分な今計画の原案には賛成できません。

誘致効果が実証されていない企業誘致助成金の上積みは論外

市第179号議案は「横浜市企業立地等促進特定地域における支援措置に関する条例の一部改正」で、助成金の上限を20億円引き上げ、テナント誘致の賃貸ビル建設への支援を再導入します。
議案関連質問への市長答弁では、「すでに投資額を上回る税収だ」とされましたが、費用対効果を問題にしているのではありません。私たちは、企業がどこに本社等立地させるか決める際に、誘致助成金の多寡は全くと言っていい程、気にしていないということをこれまでにも繰り返しデータを示して主張してきました。現に、県は厳しい財政状況を理由に5年前に直接支援はやめていますが、県の補助金がなくても県内に企業は立地しています。助成金を目当てにしていないということです。呼び込むのに、助成金は必要のないものだった、無駄だったということです。助成金を用意すれば企業を呼び込むことができるという認識自体があやまっています。
また、市長は「実際に助成金がないと太刀打ちできない。最後に背中を押していく何かがないといけない」といわれましたが、市民には、助成金が少ないために誘致できなかった実例は一件も示されていません。企業側にとってみれば、助成金は立地決定要因の上位ではなく、あればそれに越したことはないというレベルのものでしかありません。先の議会の繰り返しではありますが、帝国データバンクの2014年・2013年調査を紹介します。本社移転意向のある613社のうち、「自治体の優遇制度」を重視する条件としたのは、複数回答で28社。これは2014年調査です。2013年は527社中28社です。両年とも、最多、次多は交通利便性と用地価格です。誘致効果が実証されていない助成金をさらに上積みすることは、もう論外です。
本市は歴史的に形成されてきた産業集積がある大都市です。その主役は中小・小規模事業者です。しかし、その主役が疲弊しています。安倍政権のトリクルダウン経済政策の失敗と円安不況、昨年4月の消費税8%への増税が市内需要を引き下げ、それらの影響が市内中小・小規模事業者にしわ寄せされ、地域経済の停滞と衰退を招いている結果ではないでしょうか。もちろん未来に向けた取り組みと投資は重要です。しかし、優先すべきは、需要が確実に循環する市内中小・小企業者を中心とする産業分野をもう一度重視し、再構築する仕組みが求められています。
この際、企業立地を助成金を更に増額して推進する誘致策はやめて、横浜市のもつ立地優位性、すなわち横浜港があって、370万の人口を抱えて、産業集積があって、技術力のある中小企業群、大学立地、人材などを生かした誘致策に切り替えるべきです。
以上4件の議案に反対する討論を終わります。

  • 2017年 市民要望アンケート

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