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【2005年度第4回定例会】 「決算反対討論」関美恵子議員(05.12.07)
私は日本共産党を代表し、2004年度横浜市一般会計歳入歳出決算他12件の事業費決算の認定に反対し、討論します。
決算は、「横浜リバイバルプラン」のもと政策・財政・運営を連動させ、あらゆる事業について抜本的な見直しがされ、10の重点政策課題には予算を集中されるが、それ以外の施策は削減されるという「選択と集中」が行われました。また、コスト削減と効率化の名のもとに民営化が一気に推し進められたものになっています。
反対する第1の理由は、福祉・くらしでの市民サービスを削り社会的弱者を切り捨てたことです。
被爆者への援護費の年間4万2000円から1万円への減額をはじめ、特定疾患扶助、生活保護世帯への慰問金、ねたきり高齢者等への日常生活用具の給付貸付事業等の廃止や縮減、基本健康診査・インフルエンザ予防接種事業の制度改悪による市民負担増など、81事業30億円におよび、マスコミも「市民に寒風」と報じたほど市民への痛みとなりました。基本健康診査の場合、健康診査を受けた人の8割で異常がみつかっており、早期発見、早期治療に役立っているものです。ところが、対象者の3割しか受診がなかったところへ、一気に1200円の有料化で、2万人も受診者が減少しました。市長は見直しの理由を「公正公平」のためとしていますが、これらのサービスは、国の基準があまりに低いことから、市民の切実な要望にもとづき、自治体の役割として一つ一つ上乗せし、「福祉の向上」に努めてきたもので、復活を求めます。また、国民健康保険料滞納世帯への保険証取り上げは、資格証明書交付世帯数が04年度で2万7,940世帯、短期保険証交付世帯数が5万513世帯となっており、前年度と比較して、短期保険証で1037世帯減らしたものの、資格証明証では3673世帯増やし、全体として事態は悪化しました。これは全国でも県内でも突出した数字であり、医療を奪う制裁措置をやめさせ、高すぎる保険料の軽減のために市費の繰り入れ増や減免制度などの改善が早急に求められています。
第2は、公共事業でも、従来型の大型開発事業が重点化される一方、生活基盤整備が削減されたことです。
決算特別委員会の審査で、みなとみらい21事業では、土地開発公社が旧高島ヤードに保有する土地の簿価割れで、493億円の赤字になることが明らかになりました。また、横浜港における過去3年間の外貿コンテナ取り扱い数は、04年度は約261万個で02年度に比べて30万個増加したものの、大型コンテナ船の入港実績は02年度の549隻に比べ、04年度は529隻と減少しています。現在、稼働中の大水深6バースと他のバースを有効に使えば十分対応できるにもかかわらず、新たな大水深4バースの建設が計画されていますが、無用の長物になりかねません。これでは、大型開発のツケを税金で穴埋めした南本牧、上大岡の二の舞にならないともかぎりません。
高速横浜環状道路建設への本市負担金や関連街路等に、予算を上回る約71億6146万円が投入されたことも問題です。
一方、小中学校等整備費が約10億円減額されたのをはじめ、公園、公的住宅、河川改修、下水道整備費など軒並み生活基盤に関わる公共工事が削減されました。市営住宅では「中期政策プラン」では5ヵ年で3,150戸を供給するとしていますが、04年度の進捗率は52%で、08年度末達成は困難としています。募集戸数も年々減少し、その結果、応募倍率は、02年度は11.7倍だったものが04年度は14.4倍、今年度は19.3倍とうなぎのぼりです。07年に借り上げ市営住宅の新規承認休止の影響があらわれるともいわれており、深刻な市営住宅供給の落ち込みが懸念され、市民の要望の高い市営住宅の大量建設が求められております。
生活基盤整備の公共工事は、まさに市民生活に直結したものです。同時に、市内中小建設業者の仕事でもあり、それらの削減は地域経済を冷え込ませた大きな要因になりました。
第3は、「行政改革」「民間にできることは民間に」と称し、強引に行政サービスの民営化・民間委託等をすすめたことです。
04年度、市立保育園の民営化が始まりました。市のあまりに強引なやり方に対し、民営化取り消しを求める保護者有志が市を相手取り、裁判に訴えています。「引継ぎ保育は、3月に入って実質1か月位しかなかった」「4月1日は大混乱だった。子どもも自分の身をあずけるところがなくなり、赤ちゃん返りをした」等の陳述がされました。民営化による環境の変化が、子どもたちにもたらした心理的動揺や、公立保育園の保育の継承の検証がされないまま民営化をすすめる市の責任が問われています。
学校給食調理の民間委託でも、04年度の試行検討結果では、コストの点で直営と差がほとんどないことが明らかになりました。「給食は教育の一環」という基本を貫くべきです。
市立大学の法人化をめぐっても、法人化の目的が経営を第一義的にし、教育・研究の後退、学費の値上が危惧されることなどから、各学部、組合、市民から反対の決議が次々とだされました。しかし、「あり方懇答申」や「大学像の策定」、そして「定款」を教授会の審議事項としなかったのは遺憾との意見に示されるように、学内の合意形成を全く無視してすすめられたのです。
市営バスについても、競合路線の民間への移譲が04年度に計画され、1年おくれとはいえ、今、神奈中バスとの間で南部方面の7つの系統の移譲が段階的に始まっています。減便や行政路線の廃止は、公的サービスの後退であり、市民生活に深刻な影響を与えていますが、関係する地域住民に直接説明することなく進められています。保育園の民間委託同様に「説明し、理解は求めても、合意は求めない」との考えからでしょうか。このような強引な市政運営は民主主義と相反するものです。
住民サービスに直結する地区センター、区民文化センター、公園などの公共施設の指定管理者を、営利を追及する株式会社に委ねたことへ、利用者から厳しい批判があがっています。
瀬谷区総合庁舎や十日市場小学校の整備などに、PFI方式の本格導入が図られましたが、受注が大手企業に偏るため、地域経済の活性化に結びつかない。隠れ市債を作り、本市の入札・契約制度を形骸化させる。また、教育の現場になじまないなど危惧される点が多く反対です。
第4は、横浜市の経済を支えている、市内の99.6%を占める中小企業への支援策が極めて貧弱だったことです。
地域のまちづくりや活性化には商店街の賑わいは欠かせません。ところが、その商店街において、03年の経済局の調査で、空き店舗は全体の6.1%、後継者のいない店舗は全体の32.9%を占め、2000年の調査と比べても、局長もずいぶん増加していると認めるほど深刻な状況です。全体として消費が冷え込んでいることや「選ぶのは消費者次第」として大型店の出店を野放しにしてきたのも、空き店舗の増加と無関係ではありません。商店街への抜本的な支援策として早急に検討を求めるものです。
一方、企業立地促進条例が04年4月に施行されました。その結果、日産自動車の本社と横浜工場工事に対し、総額で約54億円の支援をすることになりました。日産は、04年度の純利益が5100億円のグローバル企業です。54億円といえば、「選択と集中」として切り捨てた福祉などの事業を充実して復活できるほど大変な税金です。市長が誰に目をむけて行政を行おうとしているのか疑わざるを得ません。
第5は、ゆきとどいた教育や子育て支援が不十分だったことです。
小学校低学年へのクラスサポート事業や、文科省の方針を受けて35人学級を新入生で実施しましたが、市独自の少人数学級実現の考えは全くうかがえなかったことです。「教師の指示がひとり一人にきちんと伝わる」などの効果が報告され、全国的に少人数学級の実施が広がる中で、川崎市でも35人以下学級が07年度までに完全実施されると聞いています。本市においても1日も早く実施すべきです。
小規模校の再編統合も、04年度は緑区で3校が1校に統合され、合わせて9校が4校に統合されています。いずれもコスト削減を優先させたもので賛成できません。検討の段階で、通学時間が長くなるとの保護者からの不安が出され、スクールバスの要望もだされていますが、連続して起こった小1女児の殺害事件を考えるとスクールバスの対策は当然といえます。
本格実施された「二学期制」についても、今でも保護者の理解が得られないとして「三学期制」をとっている学校があるように、保護者への説明が不十分なまま導入されました。また、30度を超す教室での午後までの授業で、学習効果があがるのか疑問です。学習の効果をいうなら、学習環境をまず改善すべきではありませんか。
高校授業料の機械的な値上げ、希望の高い定時制高校の廃止は、学習の機会を生徒から奪うことになり、同意できません。県警と市教育委員会で取り交わした「児童生徒の健全育成に関する相互連携の協定」は、非行・犯罪被害の防止を目的としていますが、学校と子どもとの信頼関係を損なうなど、教育とは相容れないものです。
反対する最後の理由は、市長が池子住宅地区への米軍住宅建設の受け入れを認めたことです。
このことは、国・県・逗子市の三者合意に反し、池子地区の住民へ新たな基地を押し付けるものです。「米軍基地の早期全面返還」を掲げた市是にも、基地のない緑豊かな横浜を求める市民の願いにも大きく反します。08年に横須賀基地に原子力空母を配備されることが発表されました。池子地区への米軍住宅建設が横須賀への原子力空母配置を可能にしたことは、誰もが認めることです。断じて許されません。
以上をもって私の反対討論をおわります。
(実際には、議員の発言、市長の答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。)
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